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「早く、抱いてくれ……」
赤い顔でレストを見上げるとそれまでゆらゆらと揺れていただけの尻尾がピンと立った。と、素早くクレエの身体を軽々と抱えてあっという間に寝室へと連れて行った。獣人用に作られた大きめのベッドに下ろされると両頬を大きな手で挟まれ口付けをされる。途端に甘い匂いがお互いから発せられ力が抜けていった。
身体をゆっくりと倒されたクレエは上から四つん這いで覆い被さってきたレストを見た。
薄暗闇の中で怪しく光る瞳がクレエを射抜くように見ている。その野性的な視線にゾクリと鳥肌がたつ。今にも牙をたてて喉元を食いちぎられそうな気がしてくる。「はぁ……」と熱い息を漏らしたレストが着ていた寝着を脱ぎすてる。鍛え上げられた獣の身体が晒され、クレエは思わずその綺麗な筋肉に見惚れた。毎日かかさずに訓練し、戦場を駆け抜ける気高い騎士の肉体を見ただけで火照った身体が更に熱を上げる。
レストは無言のままクレエの外套に手をやった。紐で結んである外套の前を解き、それを脱がす。城内を歩き回る時と同じ、飾り気のない衣服に身を包んだクレエの身体を服の上からクンクンと嗅いで回る。今夜は湯浴みをしていなかったので体臭が気になって「レスト、やめろ、嗅ぐな」と懇願したが聞き入れてはもらえなかった。
恥ずかしさから余計に体温が上がる。レストは構わずあちこちに鼻先をつけて匂いを嗅いでいく。
「甘い……甘い、クレエの匂いだ……」
「なに……」
恥ずかしさから身体を横に向けると耳をペロリと舐められ、身体がビクンと跳ねた。
「この小さな耳も」
囁く声はうっとりするほど甘く耳に心地良い。
「この丸い瞳も」
瞼とこめかみに鼻先をくっつけてから、舌で舐めていく。くすぐったくて、身震いしながら今度は顎を舐めるレストを目だけで追いかけた。
「ここも、ここも……」
喉を降りていき、鼻先でクレエの肩口から服を避けて舐める舌。
あちこち舐められる度に、ふう、と息が漏れて堪らない気持ちになる。焦れったい、けれどもっと隅々まで舐められたい。全身余すことなく味わってほしい。
「全て愛おしい」
真面目で凛々しい騎士の鑑のような存在のレストの口から蕩けるような睦言を囁かれ、それだけで天に昇りそうになる。
「レスト……」
アンバー色の瞳が月灯りに照らされて宝石の如く煌めく。
大きな、いつもは剣を握るその手がクレエの服を掴むと口を大きくあけて牙をたて、服を噛んだ。いとも簡単にビリビリと音をたてて引き裂かれた服。そんな乱暴な脱がせ方をされるとは予想しておらず呆気に取られたクレエは次の瞬間、またビクンと身体を弾ませた。
露わになった上半身を吟味するように眺めたあと、レストの舌が鎖骨からツーっと線を描いて胸の粒にたどり着いた。
その回りを円を描いて舐める。時折、むせ返るほどのΩの匂いが発せられ、その度にレストは苦しそうに息を吐いた。
欲望に身を任せてしまいたい気持ちと、ゆっくり時間をかけてクレエの身体を開きたいという気持ちがせめぎ合う。理性を飛ばさぬようにと我慢をしても、次から次へと発情期のフェロモンがクレエから溢れてきて飲み込まれそうになる。
「あっ……」
おまけに発情しているからなのか、クレエはどこを舐めても敏感に反応して艶めかしい声をあげる。人間よりも耳も鼻も優れている狼のレストにとって、それはいつ決壊してもおかしくない理性だった。
優しくしたい。めちゃくちゃにしたい。甘い言葉で気持ち良くさせたい。本能のまま中を抉りたい。
葛藤しながら、それでも丁寧に愛撫する。
爪で傷付けないようにそっと指先でもう片方の胸の粒を弾くと「ああっ……!」と一際大きな声で喘ぐクレエに理性の殆どが壊れて消えた。
摘んで、くねくねと捏ね、爪の先で周りをなぞり、また弾く。その間ももう片方の粒を舐めては舌で転がす。
「あっ、あっ……やっ、やだっ、んっ……」
発情して感覚が敏感になっているクレエの身体は胸を刺激するだけで身悶え、下肢を先程からモジモジとくねらせている。
その下半身を隠している衣服を足を使って下ろすと「あっ」と声を上げて慌てて陰部を隠そうとするクレエの手を掴み、ベッドに縫い止めた。
「やっ、見るなっ……レストっ……」
クレエのそこは既に芯を持って立ち上がり、その小さな窪みからは透明の汁が染み出していた。
レストに自分のモノを見られ、羞恥で今すぐ逃げ出したいのに、そこをじっと見る視線に興奮している自分もいて戸惑う。恥ずかしいのに、もっと曝け出したい。もっと暴いて欲しいと願ってしまう。
好きな相手を前に発情するとこんなにも自制が効かなくなるなんて、恋とはなんて恐ろしいのか。これまで本気で好きだと思える相手に出会わなかったから知らなかった。クレエに許されている限られた自由の範囲では、恋をすることも番を持つことも到底無理だと最初から諦めていたから。
一生、独り身でいる方がいいのだろうと思っていた。王家にこれ以上、Ωの血を残さない為にも。自分のような名ばかりの王子が二度と産まれない為にも。
どんなに両親や兄に大切にされていても、いつも孤独を感じていた。たくさん勉強をして、剣技や武術、弓や槍を扱えるよう練習し、人前に出ても恥をかかぬように礼儀作法を完璧に覚えた。どこに披露する訳でもないのに。
それでもいつか、身につけたことが役に立つと信じていた。Ωでも国の為に戦えると。
これまで心を折ることなく前向きでいられたのはレストが居たからだ。見ず知らずのΩを対等に扱い、側にいることを不快だと思わず、騎士ではない本来の素の姿で接してくれたレストがいたから。
彼に初めての恋をしてから、この世界でΩとして生きる事に希望が持てた。
ああ、こんなにも、好きで好きで、愛おしいなんて。
「レスト……」
名前を呼ぶと耳をこちらに向けて反応する。その反応が可愛くて手を伸ばして耳を撫でると気持ちよさそうに目を閉じるレスト。
「……レスト」
そっと目を開けたレストが鼻先を首筋に擦り付けてくる。そして舌を伸ばして首筋や顎を舐め、片手がクレエの反り勃ったモノに触れた。
「っ、ふっ……」
誰にも触られたことのない勃った状態のそれをレストの大きな手が包み込む。同時に指の腹で滴る汁の出口を撫で回す。包んだ手がゆるゆると上下に動き、粘り気のある液体がしとどに溢れレストの指で広げられていく。
「ふっ、あっ、んっ……んんっ……」
やがて水音が響き渡り、上下に扱かれたモノは硬く膨張して今にも弾けそうに高まる。
レストの手の動きに合わせて漏れる声はもう羞恥を忘れ、ただ快楽だけを拾って喘ぎ続けた。
「クレエ……」
切羽詰まった声で名を呼ばれ、うっとりと銀色の狼を見つめる。
猛りきったそれから手を離され、その手はそっと下の方へ移動していく。
レストの尻尾が器用に動いてクレエの膝裏に入り、左足を大きく開かせる。すかさずそこにレストの身体が割り込み肩に左足が掛けられる。
臀部が丸見えになった姿勢に羞恥よりもこれから何をされるのかという期待の方が勝り、クレエは喉を鳴らした。
後孔は濡れ窄み、αの熱を待っている。
発情期になる度に疼き渇いて、誰でもいいから満たしてほしいと狂い喘いだ。Ωの性質なのだから仕方ないと分かってはいても、誰でもいいと思ってしまう自分に嫌悪していた。たとえ発情期を抑える為に仮の番を作っても発情期はなくならない。ただ不特定多数を誘惑しないで済むだけだ。それなら宮殿の奥で暮らしているのと変わらない。形だけの番ならいらない。
ずっとそう思っていたのに、どうして今、心が満たされているのだろう。
誰かを愛しても結ばれやしないと諦めていたくせに、本当はずっと愛されたかった。ただ一人、王子でもΩでもなく、クレエという存在を求めて欲しかった。
その祈るような願いを叶えてくれたのは、他でもない目の前にいる獣人の騎士。
「レスト……お願い……誰とも結婚なんかしないで……」
何の見返りもなく愛される喜びを知ってしまった。知ってしまうと欲が深くなる。
「オレだけを愛してよ……」
そうして項に牙をたてて番の印をつけてほしい。何も持たない王子だけれど、狼の騎士に最愛を捧げるから。
「バカだな……お前と番になるのに、他の誰かと結婚などするわけないだろう。東から戻ったら、正式に番になろう。結婚もして、たくさん祝福してもらうんだ」
夢のような話で、クレエは何だか泣きたくなった。悲しいわけじゃない。胸がいっぱいで、勝手に泣けてくるのだ。
「うん……」
レストの首に腕を回して銀色の毛に口付けるとまたベッドに横たわった。
くちゅり、と後孔に触れたのはレストの指先で、それは爪を立てないように細心の注意を払ってゆっくりと窄みをひらいていく。
「ん……」
唇の端を噛んで違和感に耐えていると肩に掛かった足に何かが巻きついてきた。チラリと見るとレストの尻尾が蛇のように足に巻きついていた。
「あっ……」
尻尾の動きに気を取られていると急にレストの指がクレエの奥まで入ってきて、クレエは思わず背中を仰け反らせた。長いレストの指はクレエが想像していたよりも奥へと進む。
「あっ、やっ……おく……っ」
「痛いか?」
心配そうに訊いてくるくせにその指はクレエの中を探るようにグルグルと動く。返事も出来ないまま、指の動きに翻弄され息を乱す。いつの間にか指の数を増やされ少しずつ拡げられていく秘部は濡れ滴り、淫靡な水音をたてレストを誘惑した。
「レスト……」
「ん……」
お互い我慢の限界だった。早く中で互いの熱を感じたくて仕方なかった。
赤い顔でレストを見上げるとそれまでゆらゆらと揺れていただけの尻尾がピンと立った。と、素早くクレエの身体を軽々と抱えてあっという間に寝室へと連れて行った。獣人用に作られた大きめのベッドに下ろされると両頬を大きな手で挟まれ口付けをされる。途端に甘い匂いがお互いから発せられ力が抜けていった。
身体をゆっくりと倒されたクレエは上から四つん這いで覆い被さってきたレストを見た。
薄暗闇の中で怪しく光る瞳がクレエを射抜くように見ている。その野性的な視線にゾクリと鳥肌がたつ。今にも牙をたてて喉元を食いちぎられそうな気がしてくる。「はぁ……」と熱い息を漏らしたレストが着ていた寝着を脱ぎすてる。鍛え上げられた獣の身体が晒され、クレエは思わずその綺麗な筋肉に見惚れた。毎日かかさずに訓練し、戦場を駆け抜ける気高い騎士の肉体を見ただけで火照った身体が更に熱を上げる。
レストは無言のままクレエの外套に手をやった。紐で結んである外套の前を解き、それを脱がす。城内を歩き回る時と同じ、飾り気のない衣服に身を包んだクレエの身体を服の上からクンクンと嗅いで回る。今夜は湯浴みをしていなかったので体臭が気になって「レスト、やめろ、嗅ぐな」と懇願したが聞き入れてはもらえなかった。
恥ずかしさから余計に体温が上がる。レストは構わずあちこちに鼻先をつけて匂いを嗅いでいく。
「甘い……甘い、クレエの匂いだ……」
「なに……」
恥ずかしさから身体を横に向けると耳をペロリと舐められ、身体がビクンと跳ねた。
「この小さな耳も」
囁く声はうっとりするほど甘く耳に心地良い。
「この丸い瞳も」
瞼とこめかみに鼻先をくっつけてから、舌で舐めていく。くすぐったくて、身震いしながら今度は顎を舐めるレストを目だけで追いかけた。
「ここも、ここも……」
喉を降りていき、鼻先でクレエの肩口から服を避けて舐める舌。
あちこち舐められる度に、ふう、と息が漏れて堪らない気持ちになる。焦れったい、けれどもっと隅々まで舐められたい。全身余すことなく味わってほしい。
「全て愛おしい」
真面目で凛々しい騎士の鑑のような存在のレストの口から蕩けるような睦言を囁かれ、それだけで天に昇りそうになる。
「レスト……」
アンバー色の瞳が月灯りに照らされて宝石の如く煌めく。
大きな、いつもは剣を握るその手がクレエの服を掴むと口を大きくあけて牙をたて、服を噛んだ。いとも簡単にビリビリと音をたてて引き裂かれた服。そんな乱暴な脱がせ方をされるとは予想しておらず呆気に取られたクレエは次の瞬間、またビクンと身体を弾ませた。
露わになった上半身を吟味するように眺めたあと、レストの舌が鎖骨からツーっと線を描いて胸の粒にたどり着いた。
その回りを円を描いて舐める。時折、むせ返るほどのΩの匂いが発せられ、その度にレストは苦しそうに息を吐いた。
欲望に身を任せてしまいたい気持ちと、ゆっくり時間をかけてクレエの身体を開きたいという気持ちがせめぎ合う。理性を飛ばさぬようにと我慢をしても、次から次へと発情期のフェロモンがクレエから溢れてきて飲み込まれそうになる。
「あっ……」
おまけに発情しているからなのか、クレエはどこを舐めても敏感に反応して艶めかしい声をあげる。人間よりも耳も鼻も優れている狼のレストにとって、それはいつ決壊してもおかしくない理性だった。
優しくしたい。めちゃくちゃにしたい。甘い言葉で気持ち良くさせたい。本能のまま中を抉りたい。
葛藤しながら、それでも丁寧に愛撫する。
爪で傷付けないようにそっと指先でもう片方の胸の粒を弾くと「ああっ……!」と一際大きな声で喘ぐクレエに理性の殆どが壊れて消えた。
摘んで、くねくねと捏ね、爪の先で周りをなぞり、また弾く。その間ももう片方の粒を舐めては舌で転がす。
「あっ、あっ……やっ、やだっ、んっ……」
発情して感覚が敏感になっているクレエの身体は胸を刺激するだけで身悶え、下肢を先程からモジモジとくねらせている。
その下半身を隠している衣服を足を使って下ろすと「あっ」と声を上げて慌てて陰部を隠そうとするクレエの手を掴み、ベッドに縫い止めた。
「やっ、見るなっ……レストっ……」
クレエのそこは既に芯を持って立ち上がり、その小さな窪みからは透明の汁が染み出していた。
レストに自分のモノを見られ、羞恥で今すぐ逃げ出したいのに、そこをじっと見る視線に興奮している自分もいて戸惑う。恥ずかしいのに、もっと曝け出したい。もっと暴いて欲しいと願ってしまう。
好きな相手を前に発情するとこんなにも自制が効かなくなるなんて、恋とはなんて恐ろしいのか。これまで本気で好きだと思える相手に出会わなかったから知らなかった。クレエに許されている限られた自由の範囲では、恋をすることも番を持つことも到底無理だと最初から諦めていたから。
一生、独り身でいる方がいいのだろうと思っていた。王家にこれ以上、Ωの血を残さない為にも。自分のような名ばかりの王子が二度と産まれない為にも。
どんなに両親や兄に大切にされていても、いつも孤独を感じていた。たくさん勉強をして、剣技や武術、弓や槍を扱えるよう練習し、人前に出ても恥をかかぬように礼儀作法を完璧に覚えた。どこに披露する訳でもないのに。
それでもいつか、身につけたことが役に立つと信じていた。Ωでも国の為に戦えると。
これまで心を折ることなく前向きでいられたのはレストが居たからだ。見ず知らずのΩを対等に扱い、側にいることを不快だと思わず、騎士ではない本来の素の姿で接してくれたレストがいたから。
彼に初めての恋をしてから、この世界でΩとして生きる事に希望が持てた。
ああ、こんなにも、好きで好きで、愛おしいなんて。
「レスト……」
名前を呼ぶと耳をこちらに向けて反応する。その反応が可愛くて手を伸ばして耳を撫でると気持ちよさそうに目を閉じるレスト。
「……レスト」
そっと目を開けたレストが鼻先を首筋に擦り付けてくる。そして舌を伸ばして首筋や顎を舐め、片手がクレエの反り勃ったモノに触れた。
「っ、ふっ……」
誰にも触られたことのない勃った状態のそれをレストの大きな手が包み込む。同時に指の腹で滴る汁の出口を撫で回す。包んだ手がゆるゆると上下に動き、粘り気のある液体がしとどに溢れレストの指で広げられていく。
「ふっ、あっ、んっ……んんっ……」
やがて水音が響き渡り、上下に扱かれたモノは硬く膨張して今にも弾けそうに高まる。
レストの手の動きに合わせて漏れる声はもう羞恥を忘れ、ただ快楽だけを拾って喘ぎ続けた。
「クレエ……」
切羽詰まった声で名を呼ばれ、うっとりと銀色の狼を見つめる。
猛りきったそれから手を離され、その手はそっと下の方へ移動していく。
レストの尻尾が器用に動いてクレエの膝裏に入り、左足を大きく開かせる。すかさずそこにレストの身体が割り込み肩に左足が掛けられる。
臀部が丸見えになった姿勢に羞恥よりもこれから何をされるのかという期待の方が勝り、クレエは喉を鳴らした。
後孔は濡れ窄み、αの熱を待っている。
発情期になる度に疼き渇いて、誰でもいいから満たしてほしいと狂い喘いだ。Ωの性質なのだから仕方ないと分かってはいても、誰でもいいと思ってしまう自分に嫌悪していた。たとえ発情期を抑える為に仮の番を作っても発情期はなくならない。ただ不特定多数を誘惑しないで済むだけだ。それなら宮殿の奥で暮らしているのと変わらない。形だけの番ならいらない。
ずっとそう思っていたのに、どうして今、心が満たされているのだろう。
誰かを愛しても結ばれやしないと諦めていたくせに、本当はずっと愛されたかった。ただ一人、王子でもΩでもなく、クレエという存在を求めて欲しかった。
その祈るような願いを叶えてくれたのは、他でもない目の前にいる獣人の騎士。
「レスト……お願い……誰とも結婚なんかしないで……」
何の見返りもなく愛される喜びを知ってしまった。知ってしまうと欲が深くなる。
「オレだけを愛してよ……」
そうして項に牙をたてて番の印をつけてほしい。何も持たない王子だけれど、狼の騎士に最愛を捧げるから。
「バカだな……お前と番になるのに、他の誰かと結婚などするわけないだろう。東から戻ったら、正式に番になろう。結婚もして、たくさん祝福してもらうんだ」
夢のような話で、クレエは何だか泣きたくなった。悲しいわけじゃない。胸がいっぱいで、勝手に泣けてくるのだ。
「うん……」
レストの首に腕を回して銀色の毛に口付けるとまたベッドに横たわった。
くちゅり、と後孔に触れたのはレストの指先で、それは爪を立てないように細心の注意を払ってゆっくりと窄みをひらいていく。
「ん……」
唇の端を噛んで違和感に耐えていると肩に掛かった足に何かが巻きついてきた。チラリと見るとレストの尻尾が蛇のように足に巻きついていた。
「あっ……」
尻尾の動きに気を取られていると急にレストの指がクレエの奥まで入ってきて、クレエは思わず背中を仰け反らせた。長いレストの指はクレエが想像していたよりも奥へと進む。
「あっ、やっ……おく……っ」
「痛いか?」
心配そうに訊いてくるくせにその指はクレエの中を探るようにグルグルと動く。返事も出来ないまま、指の動きに翻弄され息を乱す。いつの間にか指の数を増やされ少しずつ拡げられていく秘部は濡れ滴り、淫靡な水音をたてレストを誘惑した。
「レスト……」
「ん……」
お互い我慢の限界だった。早く中で互いの熱を感じたくて仕方なかった。
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