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アル近衛隊長と
しおりを挟む「それでですねぇー!!!私の可愛い妻が!!『アナタ、もう1人私達の元に小さな天使がやってきますよ。』と!」
「・・・マルクス、この1時間程でこの言葉何度聞いた?」
「3度目です。旦那様」
先程の話から一変して、うっかり4人目の懐妊を祝ったところかれこれ1時間、アル近衛隊長の奥方の話だ。
「もう!!!もぉー本当に!うちの妻を見て頂きたい!可愛すぎて失神しますよ!」
「ほう。では、近々拝見したいところだ。」
「・・・いや!やっぱりクロヴィスさんには見せない!!」
俺以上の男前は妻に見せないと決めてるんで!とアル近衛隊長
酒も進みだんだんとアル近衛隊長の目が据わってきた。
「そういえば!クロヴィスさんは如何なんです? アリス嬢とはどのように知り合われたので?」
いきなりアリスの名を呼ばれてドキッと心臓が跳ねた。
「実は・・」
俺はこの国に来た理由と来る途中でのアリスとの出会い。
その時に感じた感情、パーティーでの再開をアル近衛隊長に話た。
この人はその辺りの話が割と好きだし中々的確なアドバイスをしていたのを見た事がある。
俺は女を買ったことはあっても、買わずに手に入れた女はいないから、少しでもうまくアリスに対する何かを得られれば。と。
自分でもここまで話すつもりはなかったが、何故かアル近衛隊長に初めから最後まで話してしまった。
「は~・・・・。アプト国の交換留学の時にお会いしたクロヴィスさんは冷徹の悪魔とか鬼とかそんな風にばかり言われてましたが、今のクロヴィスさんは別人のようですね。」
相変わらず表情は読めませんが。とヘラヘラ笑うアル近衛隊長。
「しかし、クロヴィスさんがあのパーティーに来ていたのは驚きです!」
「我が国の王から強制参加させられたんだ。」
「なるほど!あまり興味がなさそうですもんね!」
遠慮なく喋る彼の性格は嫌いではない。
むしろ何を考えているかわからない奴の方がダメだ。
「クロヴィスさん。ぜひアリス嬢との仲を深めて幸せになって下さい!」
何かわかる事があればお教えしますね!とにこやかに言うアル近衛隊長
「では!楽しいひと時でした!また飲みましょう!」
「ああ。ではまた」
あの後1時間程話し、貴族女性とは~と語る彼の話を聞いた後解散した。
「アル近衛隊長様は明るい方ですね。」
「ああ。仕事中は鬼隊長と呼ばれているらしいがな。 普段は温厚で仲間を大切にする人望の厚い人だ。」
「そうなのですね。オンオフがキチンとされている方なんですね。」
「ああ。」
「さぁ、早く帰るぞ。 明日もアリスの元へ行くからな。」
「はい、旦那様。」
足早に宿へと戻る。
帰るなりすぐに眠り朝起きて身支度して馬でアリスの家まで向かう。
もう慣れた道のりだ。
「アリス、今日は何をしようか。」
「本日は森の中の小川まで行きませんか?」
最近はずっと俺が先日買った洋服を着て迎えてくれるアリス
自分が贈ったものを着ている好きな女とは、自分のものになったようでこうも嬉しいものだと初めて知った。
どんどん贈りたくなるな。
「小川か、良いな。行こう。」
「はい!」
嬉しそうに支度を始めるアリスの背中を見て無性に抱きしめたくなった。
「あ。クロヴィス、様?」
「アリス、すまない。 少しこのままで・・」
「・・・・はい。」
後ろから抱きしめたら驚いたようだがすぐに力が抜けたアリスをギュッと抱きしめる。
顔は見えないが耳が赤い
この程度で赤くするとは本当に可愛い。
最近は自分の感情を素直に受け止められるようになってきた。
アリスを抱きしめていると気持ちが満たされていく。
パッとアリスを離し礼を言う。
「ありがとう。 さぁ、いこうか。」
「はい、」
まだ頬の赤いアリスの手を握り進む。
市場に行った後から外に出る時は手を握らせてくれるようになった。
順調にアリスと仲を深めていっている気がして嬉しい。
森の中を歩いていると大きな木を見つけた
その木の前に沢山の摘んできたような花とパンが飾られている。
「あそこは・・・?」
「あ・・・あれ、は。」
アリスの顔を見ると暗くなっている。
なぜそんなに暗くなる?
まさかとは思うが・・・
「誰か、埋葬されているのか?」
「・・・・・」
アリスの目が泳ぐ。
正解か・・・
まぁ、無理に聞くつもりもないから良いか。
「言いたくないのならば無理して言わなくて良い。 先へ進もう。」
「あ。クロヴィス様」
手を繋いだまま先へ進む。
言わなくて良いと言ったのに何故か暗いままのアリス。
あの木からそんなにかからず小川があった。
「美しいな。」
太陽がキラキラと水面を輝かし辺りを一段と明るくさせている。
「・・・」
未だに喋らないアリスを見ると何故か目に涙を溜めている
「アリス?」
大きな瞳に今にも溢れそうになる涙が、瞬きをした途端にポロッと頬を伝った
女の涙等男への媚の道具だとあれだけ嫌っていたのに、アリスの姿は何故こんなに儚く美しいと思うのか。
これもまた恋だと言うのだろうか。
アリスの頬に手を持っていく。
「何故泣いている?」
「・・・クロヴィス様」
「なんだ?」
「・・私を、・・・嫌いにならないで下さい。」
何を突然言い出すのかと思えば嫌いになるな?
「急にどうしたんだ。」
「先程私が、あの木について答えなかったので、言わなくて良いと仰いましたが、もしかしたら嫌われてしまったのかと・・・」
『言いたくないのならば無理して言わなくて良い。 先へ進もう。』
あの言葉か。
何気なく言った言葉だったのに、アリスは傷ついたのか。
俺の言葉で・・
「俺は、お前を傷付けるつもりで言ったわけではないし、嫌いになる事なんてない。」
「クロヴィス様」
「心配する事ないから泣きやみなさい。」
「ありがとう、ございます」
涙を手で拭い微笑むアリスを見て心がホッとした。
やはりアリスは微笑んでいるのが1番似合う。
「クロヴィス様には、嘘を付きたくありません。」
「ん?」
「あの木についてお話しいたします。」
「あの木の下には、母がいるのです。」
「母・・・」
「私のお母様が埋まっているのです。」
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