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嫉妬と
しおりを挟む妻は大切な存在であったのは事実だ。
恩のある義父の大切な娘で是非妻にして欲しいと頼まれて婚姻した。
が、あの不貞。
そもそも僕は不貞をされた事に対して怒っていた訳ではない。
年齢も離れていたし、メリーエからすれば完璧な政略結婚。
僕と出会う前からハリー・ヘンペル伯爵とは恋仲関係であったようだし。
恋仲なのに何故あそこまで公爵夫人に拘っていたのか・・
義父曰く、甘やかして育てていたので伯爵夫人となれば、贅沢三昧とはいかないと思ったんだろうと。
たしかに買い物依存症気味なのかな?と思う面はあったが、僕はあまりお金を使う趣味もないしメリーエが沢山買い物してもなんとも思ってなかったがそう言う事なのかな?
で、ヘンペル伯爵との逢瀬が僕だけでなく義父や義父の友人に話が回り始めた。
義父は頼み込んで結婚して貰ったのに娘の不貞で僕に傷がつく事を恐れ出した。
僕は気にしないと言ったけど、義父からとんでもない話が、メリーエが懐妊したと聞いた。
義父はヘンペル伯爵の父上から聞いたらしい。
「不貞を許してくれる君には本当に、申し訳ないことを。だが、懐妊は頂けない。他所の男の子どもを君に育てさせるわけにはいかない。幸いにも娘は社交界には殆ど出たがらない子だったから君の妻と知っている人間は少ない。 今のうちに離縁を申し込みたい。」
そう泣きつかれてしまった。
「僕はお義父さんがそれでも良いなら・・・」
正直ショックも何も無かったし。
しかもその話の後、僕は最近ヘンペル伯爵だけでなく執事のコンラッドとも情を交わしてると執事長から話を聞いた。
なんか、心の底からため息でたよね。
本命がいるにも関わらずそれは良いのか・・・と。
というか、妊婦じゃないのか。
それから何度か離縁の話をしようとしたものの、何かを察したのか避けられる。
仕方がないから不貞の最中を突き止めるとこにした。
僕が帰ってこないと聞いたら間違いなくどちらかの男と会うだろうと思って。
そしたら案の定コンラッドがメリーエの部屋に入っていった、もう笑いしか出なかった。
今すぐ入っても意味がないから情事の最中に入るしかない。
嫌だなぁ
そう思いながら、コソコソと外で待機していると廊下の奥から蝋燭の明かりを持った人が歩いてきた。
今日は廊下の灯りも消しているから誰かよくわからない。
目を凝らすと蝋燭と何か書類を手に歩くパティだった。
バレないように物陰に隠れる。
すると僕の部屋へ入っていった。
書類を置きに来たのかな?
すぐ出てきたパティが元来た道を戻ろうとしていると
「・・・・・・・ぁ・・・ぁぁ」
メリーエの嬌声が部屋から漏れ聞こえて来た
あー・・・もう少し声を抑えて欲しいな。
その声が聞こえたパティが
「お加減が悪いのかしら?」
と言いながらメリーエの部屋に近づいて行く。
パティ!!まだ清い君には刺激が強すぎる!
そう思いながらパティの口を押さえて抱き抱えるあまりに軽くて驚いた。
ちゃんと給金は出してるはずなのに食べているのか?
「んん!」
おそらく誰かわからなくてパニックになっているパティは暴れるが、全くたいした事ない。
「しー」
僕はそのまま自室に行く。
部屋に入った途端パティが明かりを付ける。
するとパティは大きな目を更に大きく開き酷く驚いた顔をした
「だ、旦那様!?本日はお戻りにならないのでは?」
パティ、声が大きい・・・
「しぃー。 実はそれは嘘なんだ。」
「え・・うそ?」
「あのね・・・パティには、あまり言いたくないんだけど・・・メリーエがね」
これ、どう誤魔化したら良いんだろ。
そんな事を考えているとパティは思い出したように慌て出す
「あ!そうです!!お加減が悪そうな声が聞こえたので、見て参ります!!」
慌てて外に出ようとするパティを止める。
「ぁ、メリーエの所にパティは行かない方がいい!! 僕が行くから。」
あんな所を見せるわけにはいかない!
「では、お加減を確認して医師を・・」
ガチャッと部屋ドアを開けてパティが廊下に出た瞬間
「あぁあああああ!!!」
叫び声にも似た喘ぎ声を出すメリーエ。
「奥様!!」
「あ!パティ!!!」
あーーー絶対今の喘ぎ声だと思ってない。
そう思いながら彼女の後を追い、無事にメリーエとの離縁とその愛人コンラッドを追い出す事ができた。
あんな場面に出くわしたと言うのに思っていた以上にあっけらかんとしているパティに思わず拍子抜けした。
そして面白い子だといつの間にか目で追うようになった。
孤児院への奉仕活動で行った先で見つけたパティ、笑顔が可愛くてきっと屋敷もあの雰囲気で明るくなるだろうと思い侍女にならないかと誘った。
大喜びでやってきた彼女は案の定よく気が利きよく働く。
パティは我が家に来てあっという間に馴染みみんなに可愛がられているようで、みんなパティパティとあっちこちから聞こえてくる。
もちろん、僕もパティを呼ぶ回数が増えた。
旦那様、旦那様と呼んで人懐っこい笑顔を向けられると、変な勘違いをしてしまう程にパティが僕の中で存在を大きくしていた。
初めは妻という存在を無くしたから穴埋めをするような気持ちなのかと思っていたんだが・・・
コンラッドが居なくなってから執事を新しく取るためにパティのいた孤児院からコリンを連れてきた。
パティとコリンは仲が良いらしく、屋敷にコリンが来た日は大喜びだった。
いつもの笑顔以上の顔をコリンに向けるパティを見て僕は心を掻き乱し、同時に酷く傷付いた。
僕に見せる笑顔と違う顔を知るコリンに何故か嫉妬した。
その時気付いた・・・僕はパティが好きなんだと。
僕も人を好きになる事があるのか、この気持ちをどうすれば良いのか戸惑った。
宰相という立場から婚姻して子を成すようによく言われる。
僕の妻になりたい者は多い。
それは立場がこの国の貴族で1番高いからだ。
だが、別に他の貴族間から貰って来なくても困らない。
パティを妻にしたって別に・・・
20も下の子になんて事を押し付けようとしてるんだ僕は。
こんな事、叶うはずがない。
パティが僕の気持ちを受け入れてくれるわけがない。
そう思いながらも、もしかしたら妬いてくれたり僕の事を異性として気にしてくれないかな?なんて思って、パティに見える場所に貴族達から僕へのパーティーへのお誘いの手紙を置く、あんまり気にした風でもなくてそりゃそうか。と納得しつつもガッカリする。
そもそも主人と侍女では身分があまりに違いすぎる。
仮にパティが僕をすきになってくれても身分の差に諦めるかもしれない。
これは既成事実でも作らないと・・・いやいや、何考えてるんだ僕は。
1階の窓から庭を見るとパティとコリンが外で掃除しているのが見える。
相変わらず仲が良い。
僕は胸をギュッと掴む、羨ましい。
あんな風に楽しそうに話すコリンに嫉妬する。
2人をみているとパティが顔を赤くしながら何かを叫んでいるように見える
また2人で話し込み、次はコリンが叫んでいる。
なんの話をしてるんだろう?
庭に続くガラス戸が窓のすぐ近くにありそこから2人の会話を聞こうと出る。
パティの顔を見ているとなんだか泣きそうな顔になっている。
何があったんだ?
その時、コリンがパティの頬に触りパティが笑う。
頬を赤くしたコリンがそっぽを向く姿を見て更に笑うパティ
その2人のやりとりで年甲斐もなくカッと腹が立った。
「パティ!!」
自分でも驚くほど腹が立っている。
走ってパティの腕を掴み
「話があるから来なさい。 コリンはここの掃除が終わったら屋敷の1階の窓を拭きなさい。」
「は、はい!!」
「えぇ! 旦那様?!」
グイグイとパティを引っ張り屋敷に入る。
通りすがる侍女や執事に2階へ上がらないように指示を出す。
階段を上がり、1番奥の僕の自室へ入る
鍵を閉めてパティをベッド座らせる。
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