5 / 8
第5話 最初の試験?
しおりを挟む
次の日。今日は晴れていた。6月には珍しい快晴だった。ただ、むしむししていて暑い。
この天気だ。校庭で運動なんてあったら熱中症になってしまう。俺は少し心配した。
今日からあのプログラムが始まる。北野が付き添いって、どうするんだ?
俺の不安は治まらなかった。
教室に入ると、他クラスのはずの北野がいた。
「いきましょう」
彼女は教室にいる他の同級生の目を気にすることなく堂々と手と手を繋いだ。握っている手がまるで恋人を意味しているようだった。そして俺達は教室を出た。
場所は校庭だった。ここで何が始まるのか? 俺はドキドキしていた。
彼女は体育の時間で使う鉢巻きをポケットから取り出した。
!?
もしかして俺を軽く拘束するのか。
そんな心配をしていると、北野は俺に近づいた。
怖い! 目が怖い。
そして足首同士が触れた。
え! 何、密着で何をおお!
と、心の中で叫んでいると北野は自分の足首と俺の足首を鉢巻きで結んだ。
「……この鉢巻きで、あなたと私の足を結ぶわ。そして、あそこまで二人三脚で走ってもらう。それが、最初の試験よ。ちゃんと息が合うか、ね」
は?
俺は何を言われているのか理解が出来なかった。
※※※
「ちょっと、ちょっと」
俺はパニックになっていた。
それはそうだろう。何の説明も無しに二人三脚を始めるとか、どうかしている。
「説明してよ。何でこんなことするのか」
俺は素直な疑問を北野にぶつけた。
「試したかったの」
え?
俺はよく分からなかった。
「あなたが本当に、プログラムを受け入れる気があるのかを」
彼女は少し焦っているようだった。それは何でか分からないが。
「これはプログラムの内容に入っていないの」
彼女が真剣に言った。俺の目に訴えかけるように。
「いい? プログラムを受けたからと言って必ずしも更生できるとは言えないの」
はぁ?
俺は怒りが湧いた。
「それじゃあ、受ける意味が無いじゃないか」
俺は全く無駄なことをさせられようとしていて、高校生活を奪われようとしている。
「でもそうはいかないの。これは規則。それに逆らうことは出来ない。だから・・・・・・」
俺は北野の目をじっと見た。すると彼女は言った。
「せめて相性が合うのかこの目で確認したかったの」
「・・・・・・」
俺は黙り込んだ。
バカだこの子……。でも、どこか本気すぎて笑えなかった。
真面目って、こういうのを言うんだろうか。
「いいわ、これは止めましょう。なんとなくウマが合いそうね。」
彼女はそう言って足首の鉢巻きを解いた。
「放課後に、風紀委員室で待っているわ」
北野がそう言った。
すると、ホームルームを知らせるチャイムが校内に流れた。
風紀委員室?
なんだその部屋。俺はその特別さが気になった。
この天気だ。校庭で運動なんてあったら熱中症になってしまう。俺は少し心配した。
今日からあのプログラムが始まる。北野が付き添いって、どうするんだ?
俺の不安は治まらなかった。
教室に入ると、他クラスのはずの北野がいた。
「いきましょう」
彼女は教室にいる他の同級生の目を気にすることなく堂々と手と手を繋いだ。握っている手がまるで恋人を意味しているようだった。そして俺達は教室を出た。
場所は校庭だった。ここで何が始まるのか? 俺はドキドキしていた。
彼女は体育の時間で使う鉢巻きをポケットから取り出した。
!?
もしかして俺を軽く拘束するのか。
そんな心配をしていると、北野は俺に近づいた。
怖い! 目が怖い。
そして足首同士が触れた。
え! 何、密着で何をおお!
と、心の中で叫んでいると北野は自分の足首と俺の足首を鉢巻きで結んだ。
「……この鉢巻きで、あなたと私の足を結ぶわ。そして、あそこまで二人三脚で走ってもらう。それが、最初の試験よ。ちゃんと息が合うか、ね」
は?
俺は何を言われているのか理解が出来なかった。
※※※
「ちょっと、ちょっと」
俺はパニックになっていた。
それはそうだろう。何の説明も無しに二人三脚を始めるとか、どうかしている。
「説明してよ。何でこんなことするのか」
俺は素直な疑問を北野にぶつけた。
「試したかったの」
え?
俺はよく分からなかった。
「あなたが本当に、プログラムを受け入れる気があるのかを」
彼女は少し焦っているようだった。それは何でか分からないが。
「これはプログラムの内容に入っていないの」
彼女が真剣に言った。俺の目に訴えかけるように。
「いい? プログラムを受けたからと言って必ずしも更生できるとは言えないの」
はぁ?
俺は怒りが湧いた。
「それじゃあ、受ける意味が無いじゃないか」
俺は全く無駄なことをさせられようとしていて、高校生活を奪われようとしている。
「でもそうはいかないの。これは規則。それに逆らうことは出来ない。だから・・・・・・」
俺は北野の目をじっと見た。すると彼女は言った。
「せめて相性が合うのかこの目で確認したかったの」
「・・・・・・」
俺は黙り込んだ。
バカだこの子……。でも、どこか本気すぎて笑えなかった。
真面目って、こういうのを言うんだろうか。
「いいわ、これは止めましょう。なんとなくウマが合いそうね。」
彼女はそう言って足首の鉢巻きを解いた。
「放課後に、風紀委員室で待っているわ」
北野がそう言った。
すると、ホームルームを知らせるチャイムが校内に流れた。
風紀委員室?
なんだその部屋。俺はその特別さが気になった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
青春
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる