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第1章 再会
再会
隼人は、引っ越し終わったかなぁ?と、ちょっとした興味本位でドアを開け、隣の様子をうかがった。
その瞬間――ガチャッ。
隣のドアが開き、ひとりの女性が出てきた。
ヒカル「あ、こんにちは」
隼人「あ、こんにちは。隣の武田って言います」
ヒカル「武田……」
隼人「どうかしました?」
ヒカル「い、いえ。今日から越してきました、金山です」
そう言ってヒカルは、洗剤を差し出した。
隼人「あ、ちょうど買おうと思ってたんだ。ありがとう。大学生?」
ヒカル「はい。あそこの私立大学の2年です」
隼人「え?マジ?一緒一緒。俺も2年。よろしくね」
ヒカル「はい……よろしくお願いします」
軽く会釈を交わし、隼人は部屋へ戻った。
ドアを閉めた瞬間――
「よっしゃ……!」
思わず小さくガッツポーズ。
大学一緒だし、めちゃくちゃ可愛いし。
隣とか最高かよ。
一方、廊下に残ったヒカルは、そっと隼人の表札を見つめた。
「武田……隼人……」
小さく名前をなぞる。
「今の僕だと、気づかないよね。苗字も変わったし……」
そう呟き、ヒカルは次の部屋へと引っ越しの挨拶に向かった。
翌朝。
大学へ向かう時間になり、隼人は家を出た。
ちょうどその時、隣のドアが開く。
ヒカルが出てきた。
隼人「あ、おはよう」
ヒカル「おはようございます」
ふわっと、やわらかく微笑むヒカル。
(可愛い……)
隼人は心の中で思わずつぶやく。
ヒカルは少し照れたように視線を落としながら言った。
ヒカル「まだ、大学までの行き方がちょっとうろ覚えで……よかったら、一緒に行ってもらえませんか?」
隼人「全然いいよ!ちょうど今からだし。行こ」
ヒカル「ありがとうございます」
そうして、二人は並んで歩き出した。
歩きながら、隼人は何気なく聞いた。
隼人「金山さんって、下の名前は?」
ヒカル「ヒカルです」
隼人「ヒカルかぁ。ヒカルちゃんって呼んでもいい?」
ヒカルは少しだけ目を伏せてから、小さく笑った。
ヒカル「ヒカちゃんでいいですよ……昔も、そう呼ばれてましたし」
隼人「昔も?」
ヒカル「……いえ、なんでもないです」
隼人は首を傾げながらも、深くは追及しなかった。
隼人「ヒカちゃんは、どこから引っ越してきたの?」
ヒカル「埼玉です。生まれは山梨ですけど」
隼人「山梨!? 一緒だねー!大学も一緒、お隣さん、生まれも一緒って……なんか運命かな、なんて」
ヒカルの足が、ほんの少しだけ止まる。
ヒカル「……運命」
隼人「あ、いや、ごめん。調子乗りすぎた」
ヒカルは一瞬だけ何かを飲み込むような顔をして、すぐにふわっと笑った。
ヒカル「……運命かもしれませんね」
その笑顔に、隼人は内心で安堵する。
(やべぇ、地雷踏んだかと思った……)
そんなことを思いながら、二人は並んで大学の門をくぐった。
講義が終わり、隼人が大学の門を出たところで、何やら騒がしい声が聞こえた。
視線を向けると、ヒカルが男に絡まれている。
「ねぇ~、大学終わったんでしょ? 遊び行こうよ」
ヒカル「あ、あの……困ります」
「いいじゃん。それだけ可愛かったら、経験ないわけないっしょ?」
男が、ヒカルの肩に手を回そうとした――その瞬間。
隼人「ヒカちゃん、待った? 行こう」
そう言って、ヒカルの腕を掴み、自分の方へ引き寄せる。
「ちぇ、なんだよ。男いるなら先に言えよ」
舌打ちしながら男は去っていった。
ヒカルは、少し震えた声で。
ヒカル「はやちゃん……また助けられた。怖かった……」
隼人「はやちゃん、また?」
ヒカル「な、なんでもない。助けてくれてありがとう」
隼人は気にしていない様子で、軽く笑う。
隼人「可愛いんだから気をつけなよ。連絡先交換しよっか。今日みたいなことあったらすぐ呼んで。帰れる時は一緒に帰ろう」
そう言ってスマホを取り出す。
ヒカルも頷き、連絡先を交換した。
ヒカル「あ……こんな時間。ちょっと行かないと」
隼人「そっか。気をつけてな、またナンパされないように」
ヒカル「うん、ありがとう」
そう言ってヒカルは早足で歩き出した。
本当は、用事なんてない。
隼人に覚えられていないことが、少しだけ苦しかった。
(はやちゃんに腕、掴まれるの……二回目だな)
ヒカルは、そっと自分の腕を撫でた。
その瞬間――ガチャッ。
隣のドアが開き、ひとりの女性が出てきた。
ヒカル「あ、こんにちは」
隼人「あ、こんにちは。隣の武田って言います」
ヒカル「武田……」
隼人「どうかしました?」
ヒカル「い、いえ。今日から越してきました、金山です」
そう言ってヒカルは、洗剤を差し出した。
隼人「あ、ちょうど買おうと思ってたんだ。ありがとう。大学生?」
ヒカル「はい。あそこの私立大学の2年です」
隼人「え?マジ?一緒一緒。俺も2年。よろしくね」
ヒカル「はい……よろしくお願いします」
軽く会釈を交わし、隼人は部屋へ戻った。
ドアを閉めた瞬間――
「よっしゃ……!」
思わず小さくガッツポーズ。
大学一緒だし、めちゃくちゃ可愛いし。
隣とか最高かよ。
一方、廊下に残ったヒカルは、そっと隼人の表札を見つめた。
「武田……隼人……」
小さく名前をなぞる。
「今の僕だと、気づかないよね。苗字も変わったし……」
そう呟き、ヒカルは次の部屋へと引っ越しの挨拶に向かった。
翌朝。
大学へ向かう時間になり、隼人は家を出た。
ちょうどその時、隣のドアが開く。
ヒカルが出てきた。
隼人「あ、おはよう」
ヒカル「おはようございます」
ふわっと、やわらかく微笑むヒカル。
(可愛い……)
隼人は心の中で思わずつぶやく。
ヒカルは少し照れたように視線を落としながら言った。
ヒカル「まだ、大学までの行き方がちょっとうろ覚えで……よかったら、一緒に行ってもらえませんか?」
隼人「全然いいよ!ちょうど今からだし。行こ」
ヒカル「ありがとうございます」
そうして、二人は並んで歩き出した。
歩きながら、隼人は何気なく聞いた。
隼人「金山さんって、下の名前は?」
ヒカル「ヒカルです」
隼人「ヒカルかぁ。ヒカルちゃんって呼んでもいい?」
ヒカルは少しだけ目を伏せてから、小さく笑った。
ヒカル「ヒカちゃんでいいですよ……昔も、そう呼ばれてましたし」
隼人「昔も?」
ヒカル「……いえ、なんでもないです」
隼人は首を傾げながらも、深くは追及しなかった。
隼人「ヒカちゃんは、どこから引っ越してきたの?」
ヒカル「埼玉です。生まれは山梨ですけど」
隼人「山梨!? 一緒だねー!大学も一緒、お隣さん、生まれも一緒って……なんか運命かな、なんて」
ヒカルの足が、ほんの少しだけ止まる。
ヒカル「……運命」
隼人「あ、いや、ごめん。調子乗りすぎた」
ヒカルは一瞬だけ何かを飲み込むような顔をして、すぐにふわっと笑った。
ヒカル「……運命かもしれませんね」
その笑顔に、隼人は内心で安堵する。
(やべぇ、地雷踏んだかと思った……)
そんなことを思いながら、二人は並んで大学の門をくぐった。
講義が終わり、隼人が大学の門を出たところで、何やら騒がしい声が聞こえた。
視線を向けると、ヒカルが男に絡まれている。
「ねぇ~、大学終わったんでしょ? 遊び行こうよ」
ヒカル「あ、あの……困ります」
「いいじゃん。それだけ可愛かったら、経験ないわけないっしょ?」
男が、ヒカルの肩に手を回そうとした――その瞬間。
隼人「ヒカちゃん、待った? 行こう」
そう言って、ヒカルの腕を掴み、自分の方へ引き寄せる。
「ちぇ、なんだよ。男いるなら先に言えよ」
舌打ちしながら男は去っていった。
ヒカルは、少し震えた声で。
ヒカル「はやちゃん……また助けられた。怖かった……」
隼人「はやちゃん、また?」
ヒカル「な、なんでもない。助けてくれてありがとう」
隼人は気にしていない様子で、軽く笑う。
隼人「可愛いんだから気をつけなよ。連絡先交換しよっか。今日みたいなことあったらすぐ呼んで。帰れる時は一緒に帰ろう」
そう言ってスマホを取り出す。
ヒカルも頷き、連絡先を交換した。
ヒカル「あ……こんな時間。ちょっと行かないと」
隼人「そっか。気をつけてな、またナンパされないように」
ヒカル「うん、ありがとう」
そう言ってヒカルは早足で歩き出した。
本当は、用事なんてない。
隼人に覚えられていないことが、少しだけ苦しかった。
(はやちゃんに腕、掴まれるの……二回目だな)
ヒカルは、そっと自分の腕を撫でた。
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