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王子は竪穴式住居に住んでいました
王子、ちょっぴり嫉妬する
しおりを挟むせっ、先輩が部屋にっ。
先輩がこの部屋にっ
どっ、どうしたらっ?
どうしたらっ?
二階に上がって、とりあえず、見られたくないものを隠しながら、朝霞は惑う。
すると、まだ隠し終わっていないのに、階段を上がってくる足音が聞こえてきた。
ひいいいいっ。
廊下から、
「朝霞ー、入るぞー」
と廣也の声がする。
いつもなら、入るぞーという言葉とともに開けているので、これでも遠慮しているのだろう。
「待って、待って、一瞬、待ってーっ」
漫画とゲームは見られても仕方ないとしても。
棚に収納し切れなくて、本棚の横や上に乱雑に積み重ねてあるゲーム類は、女子としてなんとか片付けたい。
ああ、さっき呑気に、先輩、キーボード上手いな、おのれ、などと思って聴いてないで、部屋片付けとけばよかった~っ、と思う朝霞に、追い打ちをかけるように廣也が叫ぶ。
「朝霞ーっ。
早く開けないと、王子がイラついてお帰りになるぞー」
もういっそ、お帰りください、と思ってしまったのだが、それも寂しい。
朝霞は慌てて、押し入れを開けて、ゲームを押し込もうとしたのだが。
逆に、押入れの中に不安定に積んであった他のゲームや本を落としてしまう。
ぐはあっ。
もう無理ーっ、と押し入れに向かって錯乱しながら、ゲームを足で蹴り込みかけて気づく。
そうだっ。
誰かに手伝ってもらおうっ。
王子っ。
……いやそれ、そもそもこの惨状を見せたくない張本人だしっ。
お兄ちゃんっ。
笑いながら、大きくドア開けて、王子に中を見せそうだっ。
……そうだっ、佐野村っ!
と思った朝霞は素早くドアを開け、
「来てっ」
と佐野村の腕をつかんで、中へと引っ張り込む。
「一緒に押し込んでっ」
佐野村に崩れ落ちたゲームと漫画を指差し、叫んだ。
「なんで、俺っ?」
いや、貴様に、今更、隠すことなどなにもないからだ、と思いながら、朝霞は、せっせとゲームを押し入れに詰め込んだ。
「すまんな、うちの阿呆な妹が」
その頃、十文字は、また廣也に謝られていた。
今日、二度目だ。
「これだけ大騒ぎしている時点で、もう散乱した部屋の中を見られたのと変わらないと思うんだが……」
いや、そんなことより、何故、佐野村だけ部屋に入れる?
と十文字は思っていた。
佐野村には気を許しているように見えて、ちょっと面白くないんだが。
じゃあ、お前の王子様は佐野村でいいじゃないか、と思ってしまう。
スポーツマンでイケメンだし――。
そう思いながら、十文字は言った。
「俺、帰るよ。
もういい時間だし。
お邪魔しました」
だが、それを聞いた廣也がドアに向かって叫ぶ。
「朝霞ーっ。
いいのか、王子……」
「おっ、お待たせいたしましたっ」
となにをどう焦って片付けたのか、頬を上気させた朝霞がドアを開け、顔を出す。
「佐野村、役に立たなかったから、もう帰ってっ」
と振り返り言っている。
「なに言ってんだ、お前。
上の方に上げてやったの、俺だろっ。
っていうか、このゲーム貸せっ」
とゲームを手に佐野村が叫んでいる。
やっぱり、二人は仲良さげに見えた。
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