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第1章 幼少期
お披露目パーティー 3話
しおりを挟む「「ご紹介に預かりました、フローリア王国国王カイゼル・フォン・フローリアが「第一子レイハルト・フォン・フローリア」「第二子シュレイン・フォン・フローリア」です。以後お見知りおきを」」
挨拶はふたり同時に行った。もちろん名前はひとりづつ言ったけど。
事前打ち合わせは一切していない。何となくこんな感じかなと声にだしただけ。
今世は半分しか血が繋がっていないけど、俺たちならそんなもの関係ない。
頭を下げたあと、父上の方へ向くと、頭をクシャりと撫でられた。
そんな父上の仕草に貴族の間でどよめきが走った。
父上の行動に驚いているみたいだ。
"あの冷血国王が"とか聞こえる。
『冷血国王』とは父上のことか。
噂話程度にメイドたちが話しているのを聞いたことがある。
曰く、誰にでも容赦がなく、冷たい目を携えていることからつけられたららしい。
父上の俺たちに向ける視線は優しくて柔らかいものばかりだ。
俺達がそれほどに愛されていると自惚れてもいいのかな…。
そんなことを思っていると父上に声をかけられた。
「疲れただろう。もう座ってていいぞ」
「「はい」」
先ほどより小さめだが、またもやどよめきが走った。
…父上、普段どんだけ他人に冷たくしてるんですか。
俺とシュンが椅子に座ると、父上は母上の手取りホールの真ん中へ歩いていった。
父上と母上のファーストダンスで、パーティーが開始される。
お披露目パーティーでは、国王夫妻が一番最初に踊るという慣例がある。
ちなみに、このパーティーで俺達が踊ることはない。
社交界デビュー、いわゆるデビュタントをしないと公共の場では踊ることができないのだ。
これはお披露目パーティーであって、社交界デビューの場ではない。
デビュタントはだいたい10歳から15歳になる前までに行われる。
ということで、お披露目パーティーに来ている子供たちは友達と話したり、新たに友達を作ったりして時間を潰す。
こうやって人脈を広げていくのだ。
父上と母上のダンスが終わったら、しばらくは大人たちのダンスタイムだ。
少ししたら王族への挨拶が始まる。
挨拶が始まるまではとても暇だ。とても。
だけど、人を観察するのは以外と楽しいかもな。
「兄上」
会場にいる人たちを観察して暇をつぶしていたらシュンに声をかけられた。
「どうした?」
返事をしてシュンの方を向くと、シュンのそばにレオン、アルフレート、ウィリアムの3人が揃っていた。
あぁ、やっぱり。
『さっきぶりだね』
『『『 はい 』』』
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