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はぁ、と切なくため息をついて街路樹にもたれていると、ひとりの女子生徒がオレの前で立ち止まった。
「先輩、新堂先輩ですよね。去年まで生徒会長だった」
と、挑戦的な目つきで見上げてくる。
「私、石渡エミっていいます。先輩知らないと思いますけど、私、西條君と付き合ってます」
ときた。
オレは(うわぁ……)と思った。
冬木と元カノのことについて考えてたら、本当にカノジョがくるなんて……なんてラッキー……オレは持ってる男だ。
「君、ぐいぐい来る子だね。冬木はフラれたって言ってたけど? 昨日デートしたでしょ。その時にさ」
「勢いで別れるとか言っただけで、本気じゃありませんッ」
鼻息荒く否定してくる女を、オレは心の中で採点してみる。
顔は卵型で目鼻の位置は偏りすぎずまぁ、整ってる方かな……二重の目がキツいと唇が若干厚ぼったいので減点。髪は明るい茶色、制服から伸びた手足はちょっと細すぎじゃないのかってくらい肉がついていない。減点。オレに食ってかかれる根性は、加点してやってもいい……総合で七十いくか行かないか、だな。
残念だけど、オレと冬木を取り合うレベルじゃない、残念。
なーんて考え事してたオレが黙ったままでいると、
「ちょっと……、聞いてるんですかッ」
と、食ってかかってくる。
歩道を行く生徒の中にはオレのことを見知っている奴もいる。中には彼女を止めようとするそぶりを見せるやつもいたけど、オレはそんな彼らには片手をあげて(関わってくれるな)と制した。
もたれかかっていた街路樹からよっこらせ、と自分の身体を引き剥がす。背中を丸めてカノジョの耳に顔を寄せたのは、
「君から冬木のことフっておいて、カノジョ面しないでほしいな。大体付き合って間もないのに、君、冬木のことホテルに連れ込むってどうなの?」
と、小声で話すためだ。
学校前で〈ホテル〉なんてワード、普通の声量で話せないからね。
カノジョのためというより冬木のための配慮だけど。
オレの言葉に、
「……信じられない。ぜんぶ先輩に言っちゃうなんて」
ってカノジョはまなじりを吊り上げた。
(おいおい……)
とオレは思う。
こっちはぜんぶ聞いてないせいでモヤモヤしてるんだけどな!
……ってことはおくびにも出さずに片眉をあげて見せてオレは、
「寝た相性が悪かった? じゃ、なおさら冬木にこだわらなくていいでしょ」
と言った。
相手の顔がじわり、と赤くなった。
「寝てません! 私は西條君に私のことちゃんと見て欲しかっただけ!」
「え、そうなの? でもシたんだろ」
オレがしつこく追求すると、カノジョはキイッと奇声をあげ、
「するも何も勃たなかったの! 私じゃ欲情しないって。彼、おかしいんじゃないの!」
と、叫んだ。
「先輩、新堂先輩ですよね。去年まで生徒会長だった」
と、挑戦的な目つきで見上げてくる。
「私、石渡エミっていいます。先輩知らないと思いますけど、私、西條君と付き合ってます」
ときた。
オレは(うわぁ……)と思った。
冬木と元カノのことについて考えてたら、本当にカノジョがくるなんて……なんてラッキー……オレは持ってる男だ。
「君、ぐいぐい来る子だね。冬木はフラれたって言ってたけど? 昨日デートしたでしょ。その時にさ」
「勢いで別れるとか言っただけで、本気じゃありませんッ」
鼻息荒く否定してくる女を、オレは心の中で採点してみる。
顔は卵型で目鼻の位置は偏りすぎずまぁ、整ってる方かな……二重の目がキツいと唇が若干厚ぼったいので減点。髪は明るい茶色、制服から伸びた手足はちょっと細すぎじゃないのかってくらい肉がついていない。減点。オレに食ってかかれる根性は、加点してやってもいい……総合で七十いくか行かないか、だな。
残念だけど、オレと冬木を取り合うレベルじゃない、残念。
なーんて考え事してたオレが黙ったままでいると、
「ちょっと……、聞いてるんですかッ」
と、食ってかかってくる。
歩道を行く生徒の中にはオレのことを見知っている奴もいる。中には彼女を止めようとするそぶりを見せるやつもいたけど、オレはそんな彼らには片手をあげて(関わってくれるな)と制した。
もたれかかっていた街路樹からよっこらせ、と自分の身体を引き剥がす。背中を丸めてカノジョの耳に顔を寄せたのは、
「君から冬木のことフっておいて、カノジョ面しないでほしいな。大体付き合って間もないのに、君、冬木のことホテルに連れ込むってどうなの?」
と、小声で話すためだ。
学校前で〈ホテル〉なんてワード、普通の声量で話せないからね。
カノジョのためというより冬木のための配慮だけど。
オレの言葉に、
「……信じられない。ぜんぶ先輩に言っちゃうなんて」
ってカノジョはまなじりを吊り上げた。
(おいおい……)
とオレは思う。
こっちはぜんぶ聞いてないせいでモヤモヤしてるんだけどな!
……ってことはおくびにも出さずに片眉をあげて見せてオレは、
「寝た相性が悪かった? じゃ、なおさら冬木にこだわらなくていいでしょ」
と言った。
相手の顔がじわり、と赤くなった。
「寝てません! 私は西條君に私のことちゃんと見て欲しかっただけ!」
「え、そうなの? でもシたんだろ」
オレがしつこく追求すると、カノジョはキイッと奇声をあげ、
「するも何も勃たなかったの! 私じゃ欲情しないって。彼、おかしいんじゃないの!」
と、叫んだ。
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