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新堂洸夜の誕生会
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しおりを挟むぶるぶる震える左手を目の高さにかざしてオレは指の隙間から冬木を見た。その黒い目が揺れているのを見たら、なぜかストンと気持ちが落ち着いた。
「……あーあ」
ともう一度肺の中の熱い空気を押し出すと、冬木の肩がビクッと揺れる。不安だったのはオレだけじゃなかったのかもしれないとようやく思えた。
留学するんだもんな。
帰ってきたら社長目指すって?
……オレのために。
「こんなんじゃ「それでもお前は一時的にオレのことを捨てるじゃないか」なんてお前のことなじれないよ」
ソファから立ち上がり、ジャケットの胸ポケットを探る。指に当たった硬い感触を、慎重につまみ上げて取り出すと冬木の目がまんまるに開かれ、オレは少し笑ってしまった。
「ゴールド、ですね。すみません、俺、良いの買えなくて。将来稼ぐようになりますんでそしたらもっと……」
「バカ、これでいいよ。オレこそお前が帰ってきたら改めて指輪を送らせてくれ」
「な、なんで? 良いですよ、これで」
「お前はプロポーズのつもりで選んでくれただろうけど、オレのは単なる独占欲の証というか虫除けというか……お前を独り占めしたいってだけで選んだプレゼントだから」
「独占欲……最高です。すごく、嬉しい」
さっき冬木が顔を拭いてくれたばかりなのに、オレはまた号泣してしまった。
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