歳上同居人のさよなら

たみやえる

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新堂洸夜の誕生会

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 オレの鼻水ととしゃくりあげがなんとか下火になって、

「うちのご飯、カレー以外にしてたのとか、あと他も色々……変えようとしてたのはなんか意味あんの?」

と聞いたら、涙と鼻水でぐちゃぐちゃなオレの顔をハンカチで冬木が拭ってくれた。きっとオレ、今すっごく不細工だし汚いだろうに。引いてない? ……と心配になって冬木の顔を伺えば、ニコッと微笑まれてしまった。他人には無表情に見えるだろうけど……ほわわって頬の筋肉が弛んでるから笑ってるんだなって分かる。お前……優しいな。


「あの……俺、俺が居なくなっても俺が居た時と同じ生活を必死に続けようとする洸夜を想像したらたまらなくなって。俺の幻と会話するようになったらどうしよう……かと」


「そんな心配してたの」


「心配ですよ。昔も、今も。だから、少しづつ変えておこうと思った……これまでとは違う生活に。洸夜が俺を思い出して泣いたりしないように」


「バカだな……ぁ。ビデオ通話とか、あんだろ」


「そういうんじゃないでしょ」


 冬木が呆れたように言う。
 少し不機嫌にしかめられた眉と眉間や目尻に寄ったシワがセクシーだ。可愛い。


 確かにビデオ通話じゃ足りないだろう。お互いの体温が届かないんじゃ寂しさは埋まらないし、解決しない。


 これから先、春から先の……冬木のいない日常を考えたらまた目から水が出てきた。(涙って言ったらもっと泣いてしまいそうだ)

 拭っても拭っても涙が溢れてくるのを両手でゴシゴシやって、オレははぁとため息をついた。


「どうしても、行かなきゃなのか」


「……はい」


 冬木の目は澄んでいた。

(いっそ、仕事を辞めてついて行こうか)と考える。きっと冬木は嫌がる。自分のせいでオレが仕事を辞めるってことを。

 ほんと、オレはお前と一緒なら何だっていいのにな。



「……愛してる」


「俺もです」

 即答で返した冬木に、オレは泣き笑いで両手を広げてみせた……。
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