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アンバランサー・ユウと世界の均衡「星の船」編
わたしたちは、真空の中、花を見上げる。
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わたしたちは、裂け目を下降する。
裂け目の中には、光が全くささず、完全な暗闇だ。
ノモスが突き出した右腕から、光が放たれる。
冷たい青白い光だが、輝きは強く、あたりを照らすには十分だ。
大きな裂け目は、垂直に深くのびていた。
そして、わたしたちが通過する岩壁には、ところどころ、何かがぶつかったような、削れたあとがあり、それはたしかに、下に向かって続いていたのだ。
「ユウさん、これって……」
「凍りついた星の船が墜落し、この裂け目を滑り落ちていったのかもしれない」
「その可能性は高いと、我も考える」
「星の船、大丈夫かな?」
ジーナが心配する。
「ハーデースの呪いによって、呪いが発動した瞬間からすべてが完全に凍りついているはずだから、おそらくは無事とは思うけど……」
やがて、わたしたちは、裂け目の底に到達する。
底には、細かい砂がしきつめられ、あちこちに岩の欠片がころがっている。
しかし、そこで終わりではなかった。
裂け目は、より広大なトンネル状の空間につながっていたのだ。
トンネルは、さらに深い方向に、ゆるやかに傾斜してつづいていた。
そして、その砂の上に、轍わだちのようなくぼみが一筋、延びている。
「うーん、これは、太古の溶岩チューブだろうか……」
「あるいは、高熱のガスが抜けていった穴かもしれぬな」
「月に、このような地下トンネルがあるというのは、ぼくの世界でも言われていたからね。JAXAの周回衛星から発見されたトンネルは、地下で、最低でも五〇キラメイグほど続いていたらしい」
ユウとノモスが、トンネルの由来について話し合っている。
わたしは、トンネルの奥をのぞき見た。
さすがに、ノモスの明かりもそんなに遠くまでは届かなくて、その先は闇に沈んでいる。
でも、……あれはなんだろう。
あの、トンネルの先、暗やみの中で光るあれは?
「花?」
さっき、ユウにいわれたばかりだ。
月には、空気はない。月には、生き物はいない、と。
でも、あれは……。
「ユウさん、あれをみて」
「ん?」
みんな——ユウ、ルシア先生、ジーナがそれを見て、そして言った。
「「「花?」」」
地面から伸びる、一本の細い茎、わずかにたわんでいる。
そして、その茎の先に、つりがね状の花が、一つ、咲いている。
暗闇の中、その花と茎が、ぼうっと青白く光を放っていた。
それは、まるでなにかの絵画のような、美しい光景だった。
「花ではない、あれは星の船だ。やはり、ここだったな……」
ノモスが、冷静な声で言った。
「いったい、どうして、こんなことに……?」
わたしは、息を呑んだ。
ノモスの指摘は正しかった。
あれが、墜落した星の船だ。そのなかにノモスとアーテミスさまが凍りついているという。
でも、このありさまは一体、なにがあったというのか?
空洞の中、中空に凍りつき、斜めになっている星の船。
それはわたしたちのクィーン・ルシア号とほぼ同型である。
遠目からは、花弁を下に向けた花に見える。
その星の船を、下から支えて宙に浮かせているのが、ぼうっと光る青白い筒状の構造物だ。
これが、茎にみえたのだ。
その構造物は、トンネルの床に、まるで根を張るかのように広がって、星の船を支えている。
「ハーデースさまの呪いによって、船の飛行力は凍結されている。船が自力で宙にうくことはできない」
「おそらく、あの青白いものが、下から成長して、船を持ち上げたのだな」
「成長して? それじゃ、まるで生き物じゃないの」
「あっ、なんか光り方が変わった」
ジーナが言った。
たしかに、それまで一様にぼうっと光っていたものが、濃度をかえて、明るく輝く部分と、暗い部分のモザイク様になり、そして激しく明滅をはじめた。
光が一列に並び、また分裂し、めまぐるしく瞬く。
「光の配列に、なにかのパターンがある。あれは、言語かも知れない」
ノモスが言う。
「言語って……しゃべってるってこと? まさかね」
「いや、たしかにあれは言語だ。ぼくには分かる」
ユウが言った。
そういえば、ユウは、この世界に来るときに、『司るもの』からギフトとして、超絶的な言語能力を与えられた、といっていた。
だから、シンドゥーでも、まったく言葉に困らなかったのだけれど、あの能力って、人間の言葉に限らなかったって事ですか? さすがアンバランサー、まったくとんでもない話だ。
「なんていってるの? ユウ?」
ルシア先生が聞く。
「たぶん、こう言っている。
——われらは、女神の民。
女神の守りびと。
女神の目覚めるときを待つ。
汝らは、女神を目覚めさせるものなりや?
あるいは、女神に仇なすものなりや?」
「女神の民って……アーテミスさまの?」
「おそらく……」
ユウは、腕をあげた。
ユウの前に、光のすくりーんが現れる。
すくりーん上を、光の粒が明滅する。
それに反応するように、向こうの光も明滅する。
しばらく、それがつづいたが、やがて、明滅がとまり、また一様の光に戻った。
「うーん……これは」
ユウが驚いた顔をした。
「どうしたの? どういうこと?」
ジーナが聞く。
「おそらく、アーテミスさまを動力部に固定している封印が、いちぶ、壊れている」
「ええーっ? そんな! だいじょうぶなの?」
「わからない……。とにかく、その封印の破れ目から、アーテミスさまの力が漏れて、星の船に接触していた砂に作用したんだ。砂にはおそらくシリコンが含まれていて……神の力の本質は、命を産み出す力だから、この長い時間の間に、神の力に触れ続けたシリコンから生命が誕生してしまったようだ」
「そんなことって……あるの?!」
わたしたちは、唖然とするばかりである。
「あるいは、もともと月で独自に生まれた生命として、細々と生きていたものが、アーテミスさまの力にふれて、賦活されて、急激に発達したのかも知れない。いずれにしても、彼らには、自らを産み出したものとしての、アーテミスさまに対する強い信仰と忠誠があるようだ」
「あたしたち、アーテミスさまを助けに来た、って教えてあげようよ」
ジーナが言う。
「そうだね」
ユウが再び光をはなち、会話を続ける。
「うーん、彼らは証拠をみせろって言ってるな」
「証拠っていわれても……」
「大丈夫、これがある」
ユウは、にこりとして、手のひらを開いた。
そこに輝くのは、女神のメダルだ。
ユウは、その光る構造体に近づくと、メダルを押しつけた。
接触した部分が激しく明滅する。
まるで、分析をしているかのようだ。
次いで、メダルの触れた部分の光が、同心円状に広がっていく。
「なにしろ、アーテミスさまの姉である、ミネーヴァさまのメダルだからね。そこに込められた神の力は、アーテミスさまのものと、非常に近しいものだ。それが彼らにもわかるはずだ」
「あ、動いてる……」
ジーナが声をあげた。
ゆるゆると、少しずつ、茎のような部分が縮み、太さは増して、それにつれて、星の船が次第に地上に近づいてくる。
「どうやら、なっとくしてくれたようだな……」
わたしたちが見守る中、星の船は、砂の上に接地した。
今、地上に降りた星の船を、光る砂の帯が取り巻いている。
「残る問題は、どういう手順で呪いを解くか、だな……」
ユウが考えこむ。
「一部の封印が壊れているとなると……いきなり全部の呪いを解除すると、たいへんなことになるかもしれない……」
裂け目の中には、光が全くささず、完全な暗闇だ。
ノモスが突き出した右腕から、光が放たれる。
冷たい青白い光だが、輝きは強く、あたりを照らすには十分だ。
大きな裂け目は、垂直に深くのびていた。
そして、わたしたちが通過する岩壁には、ところどころ、何かがぶつかったような、削れたあとがあり、それはたしかに、下に向かって続いていたのだ。
「ユウさん、これって……」
「凍りついた星の船が墜落し、この裂け目を滑り落ちていったのかもしれない」
「その可能性は高いと、我も考える」
「星の船、大丈夫かな?」
ジーナが心配する。
「ハーデースの呪いによって、呪いが発動した瞬間からすべてが完全に凍りついているはずだから、おそらくは無事とは思うけど……」
やがて、わたしたちは、裂け目の底に到達する。
底には、細かい砂がしきつめられ、あちこちに岩の欠片がころがっている。
しかし、そこで終わりではなかった。
裂け目は、より広大なトンネル状の空間につながっていたのだ。
トンネルは、さらに深い方向に、ゆるやかに傾斜してつづいていた。
そして、その砂の上に、轍わだちのようなくぼみが一筋、延びている。
「うーん、これは、太古の溶岩チューブだろうか……」
「あるいは、高熱のガスが抜けていった穴かもしれぬな」
「月に、このような地下トンネルがあるというのは、ぼくの世界でも言われていたからね。JAXAの周回衛星から発見されたトンネルは、地下で、最低でも五〇キラメイグほど続いていたらしい」
ユウとノモスが、トンネルの由来について話し合っている。
わたしは、トンネルの奥をのぞき見た。
さすがに、ノモスの明かりもそんなに遠くまでは届かなくて、その先は闇に沈んでいる。
でも、……あれはなんだろう。
あの、トンネルの先、暗やみの中で光るあれは?
「花?」
さっき、ユウにいわれたばかりだ。
月には、空気はない。月には、生き物はいない、と。
でも、あれは……。
「ユウさん、あれをみて」
「ん?」
みんな——ユウ、ルシア先生、ジーナがそれを見て、そして言った。
「「「花?」」」
地面から伸びる、一本の細い茎、わずかにたわんでいる。
そして、その茎の先に、つりがね状の花が、一つ、咲いている。
暗闇の中、その花と茎が、ぼうっと青白く光を放っていた。
それは、まるでなにかの絵画のような、美しい光景だった。
「花ではない、あれは星の船だ。やはり、ここだったな……」
ノモスが、冷静な声で言った。
「いったい、どうして、こんなことに……?」
わたしは、息を呑んだ。
ノモスの指摘は正しかった。
あれが、墜落した星の船だ。そのなかにノモスとアーテミスさまが凍りついているという。
でも、このありさまは一体、なにがあったというのか?
空洞の中、中空に凍りつき、斜めになっている星の船。
それはわたしたちのクィーン・ルシア号とほぼ同型である。
遠目からは、花弁を下に向けた花に見える。
その星の船を、下から支えて宙に浮かせているのが、ぼうっと光る青白い筒状の構造物だ。
これが、茎にみえたのだ。
その構造物は、トンネルの床に、まるで根を張るかのように広がって、星の船を支えている。
「ハーデースさまの呪いによって、船の飛行力は凍結されている。船が自力で宙にうくことはできない」
「おそらく、あの青白いものが、下から成長して、船を持ち上げたのだな」
「成長して? それじゃ、まるで生き物じゃないの」
「あっ、なんか光り方が変わった」
ジーナが言った。
たしかに、それまで一様にぼうっと光っていたものが、濃度をかえて、明るく輝く部分と、暗い部分のモザイク様になり、そして激しく明滅をはじめた。
光が一列に並び、また分裂し、めまぐるしく瞬く。
「光の配列に、なにかのパターンがある。あれは、言語かも知れない」
ノモスが言う。
「言語って……しゃべってるってこと? まさかね」
「いや、たしかにあれは言語だ。ぼくには分かる」
ユウが言った。
そういえば、ユウは、この世界に来るときに、『司るもの』からギフトとして、超絶的な言語能力を与えられた、といっていた。
だから、シンドゥーでも、まったく言葉に困らなかったのだけれど、あの能力って、人間の言葉に限らなかったって事ですか? さすがアンバランサー、まったくとんでもない話だ。
「なんていってるの? ユウ?」
ルシア先生が聞く。
「たぶん、こう言っている。
——われらは、女神の民。
女神の守りびと。
女神の目覚めるときを待つ。
汝らは、女神を目覚めさせるものなりや?
あるいは、女神に仇なすものなりや?」
「女神の民って……アーテミスさまの?」
「おそらく……」
ユウは、腕をあげた。
ユウの前に、光のすくりーんが現れる。
すくりーん上を、光の粒が明滅する。
それに反応するように、向こうの光も明滅する。
しばらく、それがつづいたが、やがて、明滅がとまり、また一様の光に戻った。
「うーん……これは」
ユウが驚いた顔をした。
「どうしたの? どういうこと?」
ジーナが聞く。
「おそらく、アーテミスさまを動力部に固定している封印が、いちぶ、壊れている」
「ええーっ? そんな! だいじょうぶなの?」
「わからない……。とにかく、その封印の破れ目から、アーテミスさまの力が漏れて、星の船に接触していた砂に作用したんだ。砂にはおそらくシリコンが含まれていて……神の力の本質は、命を産み出す力だから、この長い時間の間に、神の力に触れ続けたシリコンから生命が誕生してしまったようだ」
「そんなことって……あるの?!」
わたしたちは、唖然とするばかりである。
「あるいは、もともと月で独自に生まれた生命として、細々と生きていたものが、アーテミスさまの力にふれて、賦活されて、急激に発達したのかも知れない。いずれにしても、彼らには、自らを産み出したものとしての、アーテミスさまに対する強い信仰と忠誠があるようだ」
「あたしたち、アーテミスさまを助けに来た、って教えてあげようよ」
ジーナが言う。
「そうだね」
ユウが再び光をはなち、会話を続ける。
「うーん、彼らは証拠をみせろって言ってるな」
「証拠っていわれても……」
「大丈夫、これがある」
ユウは、にこりとして、手のひらを開いた。
そこに輝くのは、女神のメダルだ。
ユウは、その光る構造体に近づくと、メダルを押しつけた。
接触した部分が激しく明滅する。
まるで、分析をしているかのようだ。
次いで、メダルの触れた部分の光が、同心円状に広がっていく。
「なにしろ、アーテミスさまの姉である、ミネーヴァさまのメダルだからね。そこに込められた神の力は、アーテミスさまのものと、非常に近しいものだ。それが彼らにもわかるはずだ」
「あ、動いてる……」
ジーナが声をあげた。
ゆるゆると、少しずつ、茎のような部分が縮み、太さは増して、それにつれて、星の船が次第に地上に近づいてくる。
「どうやら、なっとくしてくれたようだな……」
わたしたちが見守る中、星の船は、砂の上に接地した。
今、地上に降りた星の船を、光る砂の帯が取り巻いている。
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