5 / 5
5※
気づいたら…薄暗い。
今日は天気が悪いかな…とぼんやり考えていたら日が暮れて夕方になっていた事に凄く驚く…
何だか熱っぽくて身体が重いが…何とか自分に鞭を打って這いつくばって水を飲んだ。
自分の身体は綺麗に清拭されており、ドロドロになったところも綺麗になっていた。寝ていた周りには綺麗な水が入った桶と絞ったタオルが置いてある。
こんな事をするのはレオンしかいない…きっと熱も出ていたから、俺につきっきりで看病してくれていたんだ。
「俺…レオンとセックスしてしまったんだなぁ…」
誰に聞かせる訳でもなく呟いてしまった。何でこんな事になってしまったんだろうか。もう2人の関係が今までの様にはいかないだろう。
これからの仕事の仕方も考え直す必要があるのかもしれない…。
そういえばレオンはどこに行ったんだろうか…
レオンを探そうと、頑張って自分の身体を立たせて、ゆっくり歩き出したが、つまずく物も無かったのによろめいてしまった。
「アデルーー!!」
踏ん張れず倒れそうになったところを、走ってきたレオンが支えて抱きしめてくれた。
「アデル!!しっかりしろっ!!大丈夫か?」
「レオン! ああ。ちょっと身体は怠いけど…大丈夫だから…」
「アデル、まだ熱があるじゃないか!もう少し寝ていろ」
と言って俺を抱き抱えて元の寝ていた場所に寝かされてしまった。
それからレオンはトロみをつけた消化の良いスープを作って、甲斐甲斐しく俺に食べさせてくれている。
「アデル…全部食べれそうか…?」
「ああ…身体に沁み渡るようで暖かいな…」
「……」
「……」
気まずい…。
2人の時間だけが動いてないような時間が過ぎていく…正直何から話せばいいのか頭と心がぐちゃぐちゃで整理できていない。
すると、レオンが土下座の様な体勢になり「無理矢理に…すまなかった」と頭を下げて動かなくなった。
「レオンちょっと待て待て!先ずは頭を上げろ。俺とレオンは落ち着いて話す必要がある。」
レオンは下げた頭を戻し、俺を見つめた。表情は悲壮感が漂っている。
「確かに無理矢理あんな事をしたレオンには怒っている。でもレオンが…俺の事をずっと特別な気持ちを持ってくれていたんだろう?その気持ちは嬉しかった…だだ…俺も全然気づかなくて申し訳ないと思っている。
俺…何も知らなかったから…気づかず…俺の振る舞いでレオンが傷ついたり…傷つけたりしていたんだろうなあと思うと、俺ももっと早く気がつくべきだったんじゃないかとも思って…俺の鈍感さに呆れ返るよ…」
「違う!!違うんだアデル、そうじゃない!!こんなドロドロした気持ちなんで知って欲しく無かったんだ!
アデルは知らないままでいい…アデルと俺は奴隷契約でこれからも一緒に暮らしていけるから、一緒に生活するこの毎日が幸せだったんだ…」
するとレオンは大粒の涙をポタポタ流し始めて「ずっと一緒にいれると思っていたんだ…」と呟いた。
「えっ?レオンはこれからも一緒にいてくれないのか?」
「えっ?アデルはもう俺と一緒にいてくれないんじゃないのか?」
「ええっ?」
お互いにもっと話し合う必要があるようだった。
………………
レオンの話をしっかり聞いてから、俺も奴隷契約を解除しようと思った経緯と、これからも一緒に居たいという事を丁寧に話した。
今までも、天災などの緊急事態や、他のパーティーの一時的な臨時要員として…断っていたが、俺単独や、中には戦闘力が高いレオン個人への仕事依頼もあったのだ。
俺以外の人と仕事をする事で、レオンに経験を積んで欲しかった事などを沢山話し合った。
話し合いをしてから、レオンは自分の誤解から無理矢理身体を奪ってしまった事を更に後悔して涙を流した。
そして「あんな事をしておいて…それでも一緒に居ていいのか?」と縋るような目で俺を見つめるから…ついつい「こんなに直ぐ許すのは今回だけだそ!」と言ってあっさり許してしまったのは…きっと俺もレオンに絆されてしまったんだろう…
それから俺はレオンのセックス事情についてどうしても聞きたい事があって思い切って聞いてみた。
「それで…レオンにどうしても聞きたい事があるんだけど、何でレオンはその…アナルの気持ちがいい場所や、トコロテンの様な行為を知っているんだ?、もしかして誰かとやった事あったのか?…」
「いや…ないが…」
レオンはキョトンとした顔をしている。俺に内緒でそんな事していたなんて信じたくはなかったが…
「流石に経験がないと…あんな事できないと思う…それにレオンのセックスは…凄く気持ちが良かったんだ」
「アデル!!」
俺の名前を呼んで嬉しそうに俺に抱きついてきたレオンだが、俺の疑問には全く答えてくれていない。
「レオン、レオンは奴隷といってもほとんど自由に生活できていたんだから…他の人と仲良くなっても責めないぞ…俺が今少しショックを受けるだけだ。」
「ああ!アデル違う!誤解だ!俺はアデルとが初めてだったんだ。
俺は…獣人だから人間より何倍も聴力が発達しているのはアデルも知っているだろう?
昼間仲良くしている様子だった2人組が夜になると叫んで取っ組み合いをしているのを良く耳に入ってくる事があったんだ…
夜、喧嘩していたのに次の日になると仲良くしている…そしてまた夜は叫びながら喧嘩している…それが毎日だ!
最初は疑問に思っていたんだが、その…自分の身体が成長して精通すると…自ずと…分かってくるだろう…?」
俺はレオンが話している途中でその様子を想像できてしまい、顔が真っ赤になってしまった。
「俺はアデルの事がずっと好きだったから、好きな人との行為がどんな事をしているのか、耳に入ってきてしまうから想像しながら覚えたんだ…それを聞いてアデルとの行為を想像しながら俺は自分のを処理していた。」
うっわー
レオンがサラッと、とんでも無い発言をした。「だから余計に獣人は成人になるのが早いのかもな。」とレオンは笑って言うけれど、じゃあ獣人ってみんな誰かがセックスしていたら聞こえてるんだよなぁ…恥ずかしい!
レオンにその事を言うと、獣人にとってセックスは生活の大切な営みの1つであり、特に恥ずかしいと思っている獣人自体いないんだとか…
はあー
なんか色んな意味でレオンが大人なのは理解した。
………………
数日後、レオンと俺は奴隷契約を無事解除して貰った。
そしてレオンは要らないって言っていたけど、専用のお金を預ける場所を作って、この2年レオンと俺が頑張った報酬の取り分を移動させた。
レオンは最初こそ少し寂しそうしていたが、自由にお金を使える様になったのが嬉しいのか、自分と俺用のペアリングやチョーカーを買っては強制的につけさせてくる。
強制的とは…
実はあれから結局絆されて…レオンと付き合う事になってしまったのだ…
レオンは今まで聴力でセックスの鍛錬を積んだせいなのか…俺がイク寸前でワザとお揃いのネックレスを身につけさせて焦らしたり、ネットリと優しく長い間、愛撫を続けたりするせいで、俺の方が最後にヨダレまみれで泣きながら「早くっもう入れてお願い!」「もう嫌だ!!イかせてー!!」と懇願する様になってしまった…ハハッ
するとレオンはニヤっと口角をあげて、ズチュンと入れてからはまさに絶倫で…いつの間にか意識がなくなり、日が昇ってきた頃に意識が戻ったら、駅弁の様な格好でまだやっていて…よがり狂ってあの時は本気で死ぬかと思ったな…。昨日の事だけどw。
と、言う事で文字通りレオンのモノが無いと生きられない身体になってしまったのかもしれない。
まあ…それもレオンがこの上なく幸せそうにしていて、俺も凄く幸せに生きているからまあいっか。
「おーーい、アデル? 何ボーっとしてる?」
昨日の「今日もアデルの中、最高に気持ちがいい」と言っていたセックスのお陰なのか…スッキリと爽やかな笑顔のレオンが俺の顔を覗き込む…
「ボーっとしてしまうのは昨日の疲れが残っているんだ!!全く手加減しないレオンのせいでっ」
「この絶倫お化けがっ」と結構酷い事をレオンに投げかけるが…レオンは全く意に介さず、顔を綻ばせながら「ごめん」と言って俺を抱きしめる…
「今日も優しく優しくするからね…アデルが気持ち良くなって俺に頼むまではしないからね」
ああ……今日の夜も地獄の様な快楽が待っている事が確定した。
俺は顔を引き攣りながらも、レオンと出会えた事に感謝した。
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
面白かったです。レオンが報われて良かった( ;∀;)