【完結済】エリート騎士が恥ずかし気もなくグイグイ迫ってきて私を溺愛しようとするんですけど

うらひと

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うららかな春の日差しが差し込む季節

今年も沢山の下級魔術師がこの国に誕生した。

新人下級魔術師達に挨拶をしている魔術師団長のずっと後ろに控えて下級魔術師達を見下ろす。

「今年は凄い逸材が入って来たから実習がやりにくいわーあいつには当たりたくない。」

隣にいた同じ上級魔術師のステラ姐さんが私に呟く…

「アイツ??姐さん、えっと誰でしたっけ?」

「はあ?クランは知らないの?新人の下級魔術師達が並んでいる右側の後ろの方にいる背の高い黒髪の男。ジュードよ。堂々としているから目立ってるでしょ、第二騎士団の副団長だったんだから!!」

「第二騎士団にいるジュード?知ってますよ。まだ若いのに、人を圧倒する剣術と統率力で既に次期騎士団長になるって噂を聞いた事がありますけど、えっ?その彼がっ?」

「そうよっ!副団長まで登りつめたのに、急に魔術師を目指すから騎士を辞めますって辞表を提出したって大騒ぎだったんだから!!別働隊の団長や総長まで巻き込んで引き止めて、保留にしたみたいだけど…」

「へぇー凄いですねー皆が引き止めるって相当期待されていたのに魔術師になろうなんて勿体無い。」

「そうなのよね。騎士で魔術使う人は一定数いるし、花形の騎士職を蹴って魔術師になろうなんて余程バカか天才だわ!」

「ああ確かに…いましたねー。伝説の上級魔術師レオンハルトは騎士団長でしたもんね……ジュードも天才かもしれないですよ」

「バカかもしれないわよ」

「あははは」

「クランも笑ってないで、上級魔術師としてあいつに当たったらしっかり実習しなさいよ!私はもっとウブで可愛い子を優しく実習したいの。クランを担当した時もそれはそれは美人で可愛くて嬉しかったわーウフフッ」

「姐さん…相変わらず見た目が初心そうで磨けば化けそうな子を可愛がるの好きですねー私の事も可愛い可愛いって言ってくれてましたけど、その割には実習内容えげつなかったですよ。もう無理だって何度も思いましたもん。」

「あらっ?可愛いからって実習は公平に判断するわ。クランはその時無理だと思っても、それを努力に変えて今こうして上級魔術師になっている。それが貴女の実力だわ」

「ステラ姐さん……私を育ててくれてありがとうございます。そういう所尊敬しています」

ステラ姐さんは「いいのよ。私も教え子のクランが上級魔術師になってくれて鼻が高いわ」と言ってまた下級魔術師達を物色し始めた。
それに釣られて私もジュードというウワサの人物を探してみる。

あっいた!なるほど、背も高いし身体の鍛え方が凄いのか、姿勢がすごぶる良い。

あれっ今なんか目が合ったかな?
気のせいか…

他の魔術師達も眺めながら、自分を恨んで生きる人達が今年はどのくらい増えるのだろうと私はフーッと静かに溜息をついた。



ここはライトパープル連合王国という魔法が発達した国。


昔から周辺国との地下資源を巡り、戦争と小競り合いを繰り返している為、大国から攻められないように騎士と魔術師を育て上げ何とか維持している国でもある。

比較的仲が良かった隣国同士の小さな3国が、大国に攻められない様に1つの連合王国となった経緯があり、その時の3国の旗の色が赤、青、白だった為、そのまま混ぜて国の名前になっているのだ。

式典が終わると、副師団長が順番に上級魔術師を呼び、団長の部屋に案内していく…「次クランお嬢ちゃん」
副師団長のバータ爺が私を呼んだ。

「ありゃ、クランお嬢ちゃんと言うなって今日は言わんのかあ?」

「止めてって言っても止めないんで諦めました。私もバータ副師団長の事をバーダ爺と言い続けますからね!!」

「あっひゃっひゃっ!あークランは面白い」

バータ爺が大笑いしながら私を部屋に招き入れてくれた。何だかんだ言って上級魔術師達は仲が良いし、私もこの雰囲気が好き。

部屋の中にはエシレ師団長が待ち構えていた。

「クランの今季最初の実習指導の下級魔術師はジュードになった。しっかり指導に努めてくれ」

とエシレ師団長が私に言った。
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