【完結済】エリート騎士が恥ずかし気もなくグイグイ迫ってきて私を溺愛しようとするんですけど

うらひと

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あの副団長だったジュードを私が担当するの?!

「えっ騎士団の副団長だったジュードですか?とても優秀だと聞いてますので、彼の実習が私に努められるでしょうか…」

別に自分の実力がないとは思わなかったけれど、他にも優秀な上級魔術師がいる中で私が担当するなんて少し心配になってしまった。


「こちらも調整が難しくてな…それに実は騎士団の方から魔術師裏試験を不合格にさせてジュードを騎士団に返して欲しいとまで言ってきているのだよ。
流石に如何なる時でも平等である実習という名の裏試験を裏で合否を操ったりできると思われるのに腹が立ってな……騎士団と魔術師団の上層部がケンカしてしまったんだ。
魔術師団側はカンカンに怒っていて、上層部の上級魔術師達がジュードを担当したら絶対合格をくれてやる勢いの奴らばかりになってしまって逆に担当しにくくなってしまった」


凄い!!騎士団も魔術師団も上層部は精神的にも成熟されている方が多くてあまり怒ったり、ケンカする事なんてないのに……


「そんなにケンカする程、優秀な人材なんですね」


「ああ……逸材だと思う……下級魔術師試験も非の打ち所がないぶっちぎりのトップ通過だ。あの伝説の騎士団長で上級魔術師だったレオンハルトの再来かと試験官が騒ついた程だ」

「凄いじゃないですか!でも何故……?騎士としても有望だったのに魔術師なんかになりたくなっちゃったんでしょうね……」

「魔術師なんかとはなんだ!!
まぁ……な。
そう疑問に思う気持ちも分からんでも無い。
普通は騎士と魔術師両方の能力があれば騎士を希望するだろう。
騎士は魔術師の能力を持ち合わせている人間が多いからな。騎士団長クラスは殆どが魔術師としてもやっていけるだろう。
騎士になりたくてもなれない奴が次に来る所は魔術師団だ。
魔力があれば魔術師ならばと志願してくる」


「ですよね……」


「そうだ。だからこそ実習という名目で魔術師裏試験がある、騎士なら体力、精神力をかなり鍛えられているから、1人で捕虜になっても壊れる事がないが、魔術師は能力が高いだけの奴は体力も無いし精神力もないからな。

捕まって死んでくれるならいい。
が、精神が影響されやすく洗脳されたらこの国にとっても最悪だ。
ジュードは実習しなくても合格だろうとは思うが、クランなら歳も近いし逆にジュードから学ぶ事もあるだろうと思い選んだ」

「でも実習担当なら適任はステラだっていたでしょう?」

「ああ、あいつは最初に断ってきてな。お前を推薦してきたんだぞ」

ステラ姐さん…師団長の要請を何断ってるんですかー…しかも私を推薦って…なるほどそれでしっかり実習しろよっか…

「ではクラン頼んだぞ」
「はい…承知致しました。」

ふうー
まさか私がジュードの担当とはね……魔術師の能力は今の所私の方が上かもしれないけれど、総合能力だったら私より高い可能性もあるのよね……

下級魔術師は中級魔術師の試験を受ける前に実践実習として必ず先輩である上級魔術師と一緒に仕事をしなければならない規則になっている。

名目は実習だが……
実際には魔術師裏試験である。


師団長の言った通り精神が弱かったり、何かトラブルがあった時にうまく回避できない人はここで魔術師を諦めさせる目的があるのだ。

先輩は身体的に大怪我さえさせなければどれだけいたぶってもいいとしている。
だから後輩に性的に迫ってもいいし、敵を丸投げしてもいい。
そんな先輩からの攻撃に後輩はどうするか……

そのまま受け入れてもいいし、嫌なら先輩に嫌われないよう上手く回避すればいい。

要は魔術師が捕虜として捕まった時の事を想定している。

だから何をされても精神が壊れず、上手く立ち回れという事を裏試験でみているのである。

そして、この実習の魔術師裏試験という本当の目的は本人が上級魔術師となった指導側に回って初めて知らされる。

だから中級までの魔術師はこの実習を「最低最悪」や「理不尽」と先輩を恨みながら涙を流す事になる。

担当になったジュードはそんなにいじめ抜く必要もない優秀な相手だから案外楽な担当になったのかもなぁ…

と思いながら私は明日からの仕事に備えて眠った。
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