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細い道

12先の道

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俺がモジモジしてそう言うと、ランズも少し頬を赤らめて頷いた。


「ああ、勿論だよ。生理現象だからしょうがないさ。
 だけどここは丁度広い場所だったみたいだな。
 あっちの道が私達が歩いて来た道だとすると、この先の道が何処にもないな。引き返して別の道をもう一度探さなければならないかもしれない」


 ランズがこの広場から先に進む道を探しているけど、確かにぐるっと辺りを見回しても見当たらない。
 俺も自分の生理現象を落ち着かせながら、広場の壁を注意深く確認していく。


「ランズ、ねえ、あそこ!!あの岩と岩の間には隙間がありそう!!」

 ……すると、岩と岩が丁度重なっていて見えなかったが、そこは大人が1人分入れる道を発見した。


「ロジェ!!本当だ!!先がある道かどうかちょっと私が見てくるよ」


 そう言ってランズはその岩の間迄見にいき、直ぐに俺の所に戻ってきた。少し顔が暗い……?やっぱり道がなくて引き返した方が良さそうかな。


「ランズ!!どうだった?」


「……ロジェ、通れる道だったがこれから見たものは触らないで通り過ぎた方が……良いと思うが……ロジェは出来そうなのか?」


「何?何があったの?触ると危険な物??」


 ランズは俺の盛り上がっているズボンを見ながら考え込んでいたけれど、何かを決心したように言った。


「何かのトラップかも知れないが、ロジェ、とりあえず直接見た方が早いから進もうか。でも何かあれば直ぐ引き返そう……」


 と言って、この広場にも転移魔法陣を設置してくれた。
   本当にランズは慎重に事を進めていて頼りになる。


「うん、見た方が早いなら行こう!!ランズ」


 

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