【完結】童貞ダンジョンに誘われた童貞の俺は信じられない程の大秘宝を手に入れる

街

95ランズはいない

流石に今まで自分が持っていた服を改めて見ると、全体的に色褪せているし少し汚れていても平気で着ていた。
でも冒険者で活動している者なら大半は皆そうだと思う。

ただ、皆どこかに家を持ち家族がいてそこには素敵な服を持っていたり宝石を持っていたり幸せな家庭がバックグラウンドにあったりしているんだ。

俺は自分の服を着て部屋の外に出たら一緒にこの部屋に泊まっているランズまで、他の宿泊者に蔑んだ目で見られたら嫌だと思い、ランズに用意してもらった服に素直に着替えた。

「おお～俺、中々似合ってるんじゃないか？ランズどお…………ってそうだ、いなかったんだ」

ランズはいなかったんだ。
つい癖でランズを探してしまったよ。

はは……既にランズと一緒にいる事が日常の一部になっていたんだもんな。

だからってクヨクヨしても仕方がないじゃ無いか。

とにかく俺も着替えたし、気を取り直して街へ繰り出してみよう。そしていい感じの娼館があれば入ってそれで……俺の童貞を捨てさせて貰おう！！


俺は少し自分を奮い立たせながら、部屋を出て夜の街へと繰り出してみた。