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18 アーサー達の保管
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父上は執務室に戻ると一旦母上をソファーに座らせてシヴァの方を見た。
「神獣様。この屋敷の者の記憶を少し変えて貰えますか? ジェレミーがここで生まれて病弱の為、母親と一緒に臥せっていたという風にお願い出来ますか?」
世間に公表していた事をこの屋敷内でも徹底してしまおうという事か。
「問題ない。昨日もこの屋敷に入る為に少し催眠をかけたからな」
そう言ってシヴァがピカッと体から光を放つと、その光は屋敷全体に広がっていった。これでこの屋敷の者の記憶は改ざんされたという事だろう。
父上は満足そうに頷くと、呼び鈴を鳴らしてメイドを呼んだ。すぐに扉がノックされメイドが入ってくる。
「お呼びでしょうか、ご主人僕」
「ああ。ジュリアの着替えを頼む。それと体調が戻ったから今日から食事を一緒にするのでそのつもりで用意してくれ」
メイドはそれを聞くと母上を連れて部屋を出ていった。
あれ? さっき父上は母上を誰にも触れさせないと言っていなかったか?
「何だ? 何か言いたい事があるのか?」
どうやらすっかり顔に出ていたようで父上が尋ねてくる。
「いえ、先程母上を誰にも触らせたくはないと言われてたので…」
「あれはジュリアの意識がなかったからだ。普通に生活していれば使用人に世話をされるのは当然だからな。いつもの生活に戻るだけだ」
まぁ、確かに自分に置き換えて見てもそうだよね。ついこの間熱で意識がなかったけど、あの間どんな扱いを受けてたのかさっぱりわからないからな。
ほんの数日前の事なのにあまりにも色んな事がありすぎて随分と時間が経ったように感じられる。
おっと、忘れてた。
僕は手に持ったままのアーサーとグィネヴィアを父上に差し出した。
「アーサー達はどうすればいいんですか?」
すると父上は「ついて来なさい」と言って、昨日グィネヴィアが飛び込んできた扉を開けた。
父上に続いてその扉の中に入ると、そこはテーブルセットとソファーセットが置かれた部屋だった。
よく外国のお城に出てくるような豪華な家具や絵画が置かれている。
その壁の1箇所に金具が取り付けてあった。
あそこが二人の定位置なのか。
流石に僕の背丈では手が届かない。
だけど金具の位置がちょっとおかしい。
2本をクロスさせて壁にかけるようになっているんだろうけど、あれだとペーパーナイフの大きさじゃ合わないよね。
父上は僕からアーサー達を受け取るとグィネヴィアから壁にかけるように当てた。
グィネヴィアは壁に当たると同時に普通の剣のサイズに戻る。父上は続けてアーサーを壁に当てて剣に戻した。
こうして2本の剣が壁にかけられているのを見ると、あのペーパーナイフと同じものだとはとても思えないな。
「アーサー達はいつ、動けるようになるんですか?」
柄に付いている魔石はガラスのように透明で色が戻る気配はない。
「相当魔力を使ったみたいだからな。私の魔力を注いでもいいんだが、静かな生活に慣れたのでしばらく放っておこう」
父上の言葉にアーサーがピクリと動いたように見えたけど気のせいだろう。
それにしてもどうして動き回る時はペーパーナイフなんだろう?
それを父上に聞くと呆れたような返事が返ってきた。
「小さい方が魔力の消費が少なくて動きやすいからに決まっているだろう。第一あの大きな剣で叩かれたくはないからな」
うっ! 確かに愚問だったな。
アーサー達を残して執務室に戻ると、父上にソファーに座るように促された。
僕の横にシヴァが座って父上と対座する。
「そう言えば貴族の子は神殿に入れるって言ってましたけど、どうしてですか?」
その質問でランスロットの事を思い出したのか、父上が一瞬怖い顔になる。
「それは勿論、貴族には魔力があるからだ。普通に親がいれば小さい頃から魔力の扱い方を教えて貰うが、両親が死んだり、育てられないと手放す場合は神殿で魔力の扱い方を習うんだ。神殿で魔力の扱い方を習った者はそのまま神殿に残るか、他の貴族の養子に貰われて行く」
そこで一旦、父上は言葉を切った。
「その点から言うと、ランスロットがお前を神殿に連れて行かなくて良かったのかもしれないな。万が一、アーサーがお前について行かなかったら、お前が神殿に入れられて魔力の扱い方を習っていたら、私の息子だと気付かれずに他所に養子に貰われてしまったかもしれない」
そうなったら僕は実の両親を知らないまま、他の貴族の所に行っていたのかもしれないって事になる。
そう考えると今こうしてここにいるのが奇跡のように思えるな。
あれ? ちょっと待って!
養子って言ったら孤児院でも養子に出される場合がある。
そう言えば院長が言ってたっけ。僕だけは養子の貰い先が見つからないって。
あれってアーサーが何か手を回してたのかな?
そんな僕の困惑を他所に父上は話を続ける。
「ジェレミー。最近魔力が覚醒したそうだが、魔法は使えるのか?」
「はい。孤児院からここに来る途中で少し魔法を使いました」
孤児院で火事にあった時の事と、森の中で魔法を使った時の事を話すと父上は頭を抱えた。
「森の中で火魔法だと? 何を考えているんだか…。神獣様、しばらくジェレミーを鍛えていただけませんか? このままでは学校にも入れられない」
シヴァもしっぽでペシペシと僕を叩く。
シヴァがアーサー化しちゃったよ。
「もちろんだ。これは鍛えがいがあるな」
そう言ってニヤリと笑ったように見えた。
御手柔らかにお願いします。
「神獣様。この屋敷の者の記憶を少し変えて貰えますか? ジェレミーがここで生まれて病弱の為、母親と一緒に臥せっていたという風にお願い出来ますか?」
世間に公表していた事をこの屋敷内でも徹底してしまおうという事か。
「問題ない。昨日もこの屋敷に入る為に少し催眠をかけたからな」
そう言ってシヴァがピカッと体から光を放つと、その光は屋敷全体に広がっていった。これでこの屋敷の者の記憶は改ざんされたという事だろう。
父上は満足そうに頷くと、呼び鈴を鳴らしてメイドを呼んだ。すぐに扉がノックされメイドが入ってくる。
「お呼びでしょうか、ご主人僕」
「ああ。ジュリアの着替えを頼む。それと体調が戻ったから今日から食事を一緒にするのでそのつもりで用意してくれ」
メイドはそれを聞くと母上を連れて部屋を出ていった。
あれ? さっき父上は母上を誰にも触れさせないと言っていなかったか?
「何だ? 何か言いたい事があるのか?」
どうやらすっかり顔に出ていたようで父上が尋ねてくる。
「いえ、先程母上を誰にも触らせたくはないと言われてたので…」
「あれはジュリアの意識がなかったからだ。普通に生活していれば使用人に世話をされるのは当然だからな。いつもの生活に戻るだけだ」
まぁ、確かに自分に置き換えて見てもそうだよね。ついこの間熱で意識がなかったけど、あの間どんな扱いを受けてたのかさっぱりわからないからな。
ほんの数日前の事なのにあまりにも色んな事がありすぎて随分と時間が経ったように感じられる。
おっと、忘れてた。
僕は手に持ったままのアーサーとグィネヴィアを父上に差し出した。
「アーサー達はどうすればいいんですか?」
すると父上は「ついて来なさい」と言って、昨日グィネヴィアが飛び込んできた扉を開けた。
父上に続いてその扉の中に入ると、そこはテーブルセットとソファーセットが置かれた部屋だった。
よく外国のお城に出てくるような豪華な家具や絵画が置かれている。
その壁の1箇所に金具が取り付けてあった。
あそこが二人の定位置なのか。
流石に僕の背丈では手が届かない。
だけど金具の位置がちょっとおかしい。
2本をクロスさせて壁にかけるようになっているんだろうけど、あれだとペーパーナイフの大きさじゃ合わないよね。
父上は僕からアーサー達を受け取るとグィネヴィアから壁にかけるように当てた。
グィネヴィアは壁に当たると同時に普通の剣のサイズに戻る。父上は続けてアーサーを壁に当てて剣に戻した。
こうして2本の剣が壁にかけられているのを見ると、あのペーパーナイフと同じものだとはとても思えないな。
「アーサー達はいつ、動けるようになるんですか?」
柄に付いている魔石はガラスのように透明で色が戻る気配はない。
「相当魔力を使ったみたいだからな。私の魔力を注いでもいいんだが、静かな生活に慣れたのでしばらく放っておこう」
父上の言葉にアーサーがピクリと動いたように見えたけど気のせいだろう。
それにしてもどうして動き回る時はペーパーナイフなんだろう?
それを父上に聞くと呆れたような返事が返ってきた。
「小さい方が魔力の消費が少なくて動きやすいからに決まっているだろう。第一あの大きな剣で叩かれたくはないからな」
うっ! 確かに愚問だったな。
アーサー達を残して執務室に戻ると、父上にソファーに座るように促された。
僕の横にシヴァが座って父上と対座する。
「そう言えば貴族の子は神殿に入れるって言ってましたけど、どうしてですか?」
その質問でランスロットの事を思い出したのか、父上が一瞬怖い顔になる。
「それは勿論、貴族には魔力があるからだ。普通に親がいれば小さい頃から魔力の扱い方を教えて貰うが、両親が死んだり、育てられないと手放す場合は神殿で魔力の扱い方を習うんだ。神殿で魔力の扱い方を習った者はそのまま神殿に残るか、他の貴族の養子に貰われて行く」
そこで一旦、父上は言葉を切った。
「その点から言うと、ランスロットがお前を神殿に連れて行かなくて良かったのかもしれないな。万が一、アーサーがお前について行かなかったら、お前が神殿に入れられて魔力の扱い方を習っていたら、私の息子だと気付かれずに他所に養子に貰われてしまったかもしれない」
そうなったら僕は実の両親を知らないまま、他の貴族の所に行っていたのかもしれないって事になる。
そう考えると今こうしてここにいるのが奇跡のように思えるな。
あれ? ちょっと待って!
養子って言ったら孤児院でも養子に出される場合がある。
そう言えば院長が言ってたっけ。僕だけは養子の貰い先が見つからないって。
あれってアーサーが何か手を回してたのかな?
そんな僕の困惑を他所に父上は話を続ける。
「ジェレミー。最近魔力が覚醒したそうだが、魔法は使えるのか?」
「はい。孤児院からここに来る途中で少し魔法を使いました」
孤児院で火事にあった時の事と、森の中で魔法を使った時の事を話すと父上は頭を抱えた。
「森の中で火魔法だと? 何を考えているんだか…。神獣様、しばらくジェレミーを鍛えていただけませんか? このままでは学校にも入れられない」
シヴァもしっぽでペシペシと僕を叩く。
シヴァがアーサー化しちゃったよ。
「もちろんだ。これは鍛えがいがあるな」
そう言ってニヤリと笑ったように見えた。
御手柔らかにお願いします。
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