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⑪
しおりを挟む「おっと、その前にコンビニに寄って腹ごしらえしていくか」
面接時間は、11時から。
朝から何も食べずに出てきた俺は、通り道で目に入ったコンビニのドアを開けた。
「ロールケーキとプリン……あとはアイスココアでいいか」
俺は商品を手に取りレジに向かった。
あぁ、そうだ。
面接が終わったら、またチョコレートパフェ味のアイスを買おうかな。
あのアイスは、最近の中では1番美味しかったからな。
よし。
楽しみが1つ増えたな。
俺は、ウキウキしながら財布から小銭を取り出そうとした。
――すると、その時。
「動くな!」
え……?
「大人しくしろ! 金を出せ!」
俺は一瞬で体が固まった。
なぜなら、激しい音を響かせドアが開くと、俺の目には異様な人物が映っていたからだ。
それは、男。
サングラスにマスク、帽子を深くかぶり、サバイバルナイフを構えている男だった。
「え……?」
う、嘘だろ!
こんな真っ昼間に強盗!?
「早くレジから金を出せ!」
男は女性店員に向かって、さらに激しく怒鳴り始めた。
女性店員は、震える手でレジの中にある紙幣を差し出した。
俺は、その光景をただ黙って眺めていた。
店内には、客は俺1人。
このままじっとして男の言う通りにしていれば、俺にも女性店員にも何の危害もないだろう。
金を奪った男は、そのまま逃走するはず。
そして、あとは警察の仕事。
防犯カメラの映像や、店外での目撃情報も出てくるだろうし、すぐに犯人も捕まるに違いない。
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