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第1章
第17話 行き先
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「故郷の方と戦ったのですか?」
「あぁ……」
予定より多く過ごすことになったが、限たちはゼータを故郷へ戻すためにアデマス王国南東の国へ向かって歩みを進めた。
その途中、限は昨日起きた研究所の爆発のことを説明していた。
研究所の閉鎖に伴い、所員が研究資料と共にどこかへいなくなってしまったことや、王命によって敷島の人間が動いたことにより研究所が破壊されたことなど、英助から聞いたことをそのまま伝えた。
「敷島の人間は誰もが一騎当千の実力の持ち主と言われていますが、大丈夫でしたか?」
「一騎当千は言い過ぎだ」
敷島と研究所の中でのことしか知らない限からしたら、一族の人間たちがどのように思われているのかなんて分からない。
しかし、さすがに一騎当千なんて言えるほどの人間ばかりというのは言い過ぎなように思える。
そのため、限はレラの言葉を訂正する。
「島の中の戦闘員が7割、その7割の内の2割ぐらいしかそんなレベルの人間はいないだろう」
男性も女性も関係なく、敷島の一族の人間は幼少期から戦いの能力を求められる。
成人して、島の外で活動する人間は、それだけ実力があると判断された者のみで、その中でも戦闘に特化した人間は王族周辺での任務に就くことができるようになっている。
王の側近とまで行ったら人間とも思えないような実力の持ち主ばかりだが、今回研究所の破壊に派遣されて来た者たちの実力は、そこまで強力な実力の持ち主とは言い難い。
「2割ですか? ……それでも十分多くないですか?」
「そうか?」
敷島の人口は8万人前後といったところ。
そうなると、約1万人弱が強力な戦闘力を持っているということになる。
そんな人間がゴロゴロいる中で生きていたので、限の中では英助など雑魚の部類だと思っている。
しかし、敷島以外の人間からしたら違うのかもしれない。
「中の人間には分からないことなのかもしれないですね……」
レラの言う通り、中の人間からしたら自分たちのがどれだけ能力の高い人間だか分かっていないようだ。
聖女見習いの頃、レラも何度か敷島の情報を聞いたことがあるが、戦場では無類の強さを誇るということで有名だった。
しかし、敷島の中で育った限にはそんなこと分からないようで、たいしことないと思っているようだ。
限にとっての最終目標は父親への復讐を行なうということ。
父のレベルが基準となっているから他への評価が低いのかもしれない。
「さて、越境するにもどの道を行くべきか……」
「そうですね……」
村から南東へだいぶ歩いたところで、限とレラは一旦足を止める。
そして、ここから先どうするかということを、村でもらった地図を広げて話し始めた。
「何でだ? 素直に南へ向かへば良いんじゃないのか?」
限たちの歩いてきた道は、ずっと1本道が続いている。
地図上は、このまま南へ行けば町があるという分かっている。
その町へ行けば国境はすぐ側にあるため、このまま行けば良いのではないかと、アルバに乗ったゼータは不思議に思った。
「お前は分かっていないな……」
「何をだ?」
ゼータの疑問の声に、限は少し呆れたように首を左右に振る。
その反応に、ゼータは首を傾げる。
このまま進んで国境近くの町へ行くのは何か問題があるということなのだろうか。
「俺たちの国ってのは、王族がイケイケの性格だから、やたらと他国への侵略をしようと企んでいるんだ」
「……酷いな」
「全くね!」
本来、暗殺を得意とする敷島の人間が多くの人間に知られることはおかしな話だ。
どうして知られたかというと、王族の命令によって他国との戦いで活躍したことによって自国にも他国にも知られることになったのだ。
自分たちから動いて名を上げたという訳ではない。
歴代の王が単純に戦争好きだというのがそもそもの問題と言ってもいい。
そんなことを聞くと、この国はとてもおかしな国に思えて来て、ゼータはそれが口からこぼれた。
レラも、昔から隣国との関係が悪いことを好ましく思っていなかったため、ゼータの言葉に同意するように頷く。
「隣接する南の2国との国境は、両方の軍がにらみを利かせている状況だ」
南には2つの国があり、アデマス王国との国境には常に軍が配備されていて睨み合っている。
今限たちがいる道の先にある町は、その軍が置かれている所だ。
そんな状況では、当然隣国への行き来なんて出来る訳もなく、このままその町へ向かっても抜けることなんて出来はしないだろう。
そのため、限とレラはここからどう進むのが良いかを考えていたのだ。
「アデマス王国ってのは、他の国に嫌われているってことか?」
「まぁ、その通りだ」
国同士の関係なんてあまりよく分からないゼータからしたら、何でそんなことをしているのか分からないため思ったままを口に出した。
簡単すぎる言い方だが、それがピッタリ合っていると思った限は、ゼータの言葉を正解とした。
「じゃあ、どうやって国境を越えればいいんだ?」
「あれだ!」
この道を行ったところにある町を通り抜けるということができないということはなんとなく分かったが、そうなるとどうやって南の国に入ろうというのか分からない。
それを問いかけたゼータに対し、限はこれから向かおうとしている場所を指さした。
「…………山?」
「その通り、山を越えるしかない」
その指さした場所を見て、ゼータは首を傾げた。
限の指の先にあるのは、高く険しい山が存在しているだけで他には何も見えないからだ。
まさかと思って問いかけてみると、思った通りその山がこれから自分たちが向かう方向らしい。
「雪積もってんぞ?」
「標高が高いからな……」
たしかに、そびえ立つ山の頂上付近は白い色で覆われている。
離れたここからでも分かるように、雪が積もっている。
ゼータの疑問に、限は遠い目をして答えを返す。
限自身、これからあんな所まで登らないといけないと思うと、面倒臭い思いで一杯だ。
「俺、寒いの苦手だぞ」
「そうはいっても、山越え以外の入国する手段がないんだ。諦めろ」
あんな標高の高い場所まで行ったら、とんでもなく寒い思いをしなければならないことは目に見えている。
沢山の樹々に覆われた場所で生まれ育ったゼータからすると、あんな草も碌に生えていないような所に行ったら凍え死んでしまうかもしれない。
そう思って抗議の声をあげたのだが、こればかりはそうしようもないため、限は諦めてもらうしかなかった。
「えぇ~……」
「ゼータちゃん。私が編んだ洋服を着て我慢してください!」
聖女の嗜みなのか分からないが、レラは家事全般が得意なようだ。
限としても、そう言ったことは全て任せることができて気が楽だ。
そのことだけでもレラを助けた意味があると思えるところだ。
これから向かう山の寒さは、レラもどれほどのものだか分からないため不安がある。
そのため、休憩時間を使って洋服を作ることにした。
昨日のうちに、村で糸などは仕入れていたので、それほど時間はかからないと思う。
特に小人のゼータなんかはあっという間に作れてしまうだろう。
「ワウッ?」
「……分かった」
レラだけでなく、アルバも振り返ってゼータを説得するような視線を向けてくる。
一緒にいることで仲が良くなっているからか、2人(1人と1頭)の説得によってゼータは山越えの道を進むことに納得した。
「んじゃあ、行くか……」
「えぇ!」「おう!」「ワウッ!」
ゼータが駄々を捏ねようと、他に隣国へ渡る術は思いつかない。
そのため、ゼータを魔法で眠らせてでも連れて行くつもりだったが、レラとアルバの説得もあって話がまとまった。
そうと決まれば山越えへ向かおうと限が促し、3人(2人と1頭)は元気に返事をした。
「あぁ……」
予定より多く過ごすことになったが、限たちはゼータを故郷へ戻すためにアデマス王国南東の国へ向かって歩みを進めた。
その途中、限は昨日起きた研究所の爆発のことを説明していた。
研究所の閉鎖に伴い、所員が研究資料と共にどこかへいなくなってしまったことや、王命によって敷島の人間が動いたことにより研究所が破壊されたことなど、英助から聞いたことをそのまま伝えた。
「敷島の人間は誰もが一騎当千の実力の持ち主と言われていますが、大丈夫でしたか?」
「一騎当千は言い過ぎだ」
敷島と研究所の中でのことしか知らない限からしたら、一族の人間たちがどのように思われているのかなんて分からない。
しかし、さすがに一騎当千なんて言えるほどの人間ばかりというのは言い過ぎなように思える。
そのため、限はレラの言葉を訂正する。
「島の中の戦闘員が7割、その7割の内の2割ぐらいしかそんなレベルの人間はいないだろう」
男性も女性も関係なく、敷島の一族の人間は幼少期から戦いの能力を求められる。
成人して、島の外で活動する人間は、それだけ実力があると判断された者のみで、その中でも戦闘に特化した人間は王族周辺での任務に就くことができるようになっている。
王の側近とまで行ったら人間とも思えないような実力の持ち主ばかりだが、今回研究所の破壊に派遣されて来た者たちの実力は、そこまで強力な実力の持ち主とは言い難い。
「2割ですか? ……それでも十分多くないですか?」
「そうか?」
敷島の人口は8万人前後といったところ。
そうなると、約1万人弱が強力な戦闘力を持っているということになる。
そんな人間がゴロゴロいる中で生きていたので、限の中では英助など雑魚の部類だと思っている。
しかし、敷島以外の人間からしたら違うのかもしれない。
「中の人間には分からないことなのかもしれないですね……」
レラの言う通り、中の人間からしたら自分たちのがどれだけ能力の高い人間だか分かっていないようだ。
聖女見習いの頃、レラも何度か敷島の情報を聞いたことがあるが、戦場では無類の強さを誇るということで有名だった。
しかし、敷島の中で育った限にはそんなこと分からないようで、たいしことないと思っているようだ。
限にとっての最終目標は父親への復讐を行なうということ。
父のレベルが基準となっているから他への評価が低いのかもしれない。
「さて、越境するにもどの道を行くべきか……」
「そうですね……」
村から南東へだいぶ歩いたところで、限とレラは一旦足を止める。
そして、ここから先どうするかということを、村でもらった地図を広げて話し始めた。
「何でだ? 素直に南へ向かへば良いんじゃないのか?」
限たちの歩いてきた道は、ずっと1本道が続いている。
地図上は、このまま南へ行けば町があるという分かっている。
その町へ行けば国境はすぐ側にあるため、このまま行けば良いのではないかと、アルバに乗ったゼータは不思議に思った。
「お前は分かっていないな……」
「何をだ?」
ゼータの疑問の声に、限は少し呆れたように首を左右に振る。
その反応に、ゼータは首を傾げる。
このまま進んで国境近くの町へ行くのは何か問題があるということなのだろうか。
「俺たちの国ってのは、王族がイケイケの性格だから、やたらと他国への侵略をしようと企んでいるんだ」
「……酷いな」
「全くね!」
本来、暗殺を得意とする敷島の人間が多くの人間に知られることはおかしな話だ。
どうして知られたかというと、王族の命令によって他国との戦いで活躍したことによって自国にも他国にも知られることになったのだ。
自分たちから動いて名を上げたという訳ではない。
歴代の王が単純に戦争好きだというのがそもそもの問題と言ってもいい。
そんなことを聞くと、この国はとてもおかしな国に思えて来て、ゼータはそれが口からこぼれた。
レラも、昔から隣国との関係が悪いことを好ましく思っていなかったため、ゼータの言葉に同意するように頷く。
「隣接する南の2国との国境は、両方の軍がにらみを利かせている状況だ」
南には2つの国があり、アデマス王国との国境には常に軍が配備されていて睨み合っている。
今限たちがいる道の先にある町は、その軍が置かれている所だ。
そんな状況では、当然隣国への行き来なんて出来る訳もなく、このままその町へ向かっても抜けることなんて出来はしないだろう。
そのため、限とレラはここからどう進むのが良いかを考えていたのだ。
「アデマス王国ってのは、他の国に嫌われているってことか?」
「まぁ、その通りだ」
国同士の関係なんてあまりよく分からないゼータからしたら、何でそんなことをしているのか分からないため思ったままを口に出した。
簡単すぎる言い方だが、それがピッタリ合っていると思った限は、ゼータの言葉を正解とした。
「じゃあ、どうやって国境を越えればいいんだ?」
「あれだ!」
この道を行ったところにある町を通り抜けるということができないということはなんとなく分かったが、そうなるとどうやって南の国に入ろうというのか分からない。
それを問いかけたゼータに対し、限はこれから向かおうとしている場所を指さした。
「…………山?」
「その通り、山を越えるしかない」
その指さした場所を見て、ゼータは首を傾げた。
限の指の先にあるのは、高く険しい山が存在しているだけで他には何も見えないからだ。
まさかと思って問いかけてみると、思った通りその山がこれから自分たちが向かう方向らしい。
「雪積もってんぞ?」
「標高が高いからな……」
たしかに、そびえ立つ山の頂上付近は白い色で覆われている。
離れたここからでも分かるように、雪が積もっている。
ゼータの疑問に、限は遠い目をして答えを返す。
限自身、これからあんな所まで登らないといけないと思うと、面倒臭い思いで一杯だ。
「俺、寒いの苦手だぞ」
「そうはいっても、山越え以外の入国する手段がないんだ。諦めろ」
あんな標高の高い場所まで行ったら、とんでもなく寒い思いをしなければならないことは目に見えている。
沢山の樹々に覆われた場所で生まれ育ったゼータからすると、あんな草も碌に生えていないような所に行ったら凍え死んでしまうかもしれない。
そう思って抗議の声をあげたのだが、こればかりはそうしようもないため、限は諦めてもらうしかなかった。
「えぇ~……」
「ゼータちゃん。私が編んだ洋服を着て我慢してください!」
聖女の嗜みなのか分からないが、レラは家事全般が得意なようだ。
限としても、そう言ったことは全て任せることができて気が楽だ。
そのことだけでもレラを助けた意味があると思えるところだ。
これから向かう山の寒さは、レラもどれほどのものだか分からないため不安がある。
そのため、休憩時間を使って洋服を作ることにした。
昨日のうちに、村で糸などは仕入れていたので、それほど時間はかからないと思う。
特に小人のゼータなんかはあっという間に作れてしまうだろう。
「ワウッ?」
「……分かった」
レラだけでなく、アルバも振り返ってゼータを説得するような視線を向けてくる。
一緒にいることで仲が良くなっているからか、2人(1人と1頭)の説得によってゼータは山越えの道を進むことに納得した。
「んじゃあ、行くか……」
「えぇ!」「おう!」「ワウッ!」
ゼータが駄々を捏ねようと、他に隣国へ渡る術は思いつかない。
そのため、ゼータを魔法で眠らせてでも連れて行くつもりだったが、レラとアルバの説得もあって話がまとまった。
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