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3学年 前期
第199話
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「カサンドラ様……」
「んっ? 何だい?」
伸たちから離れた場所。
カサンドラが率いる魔人集団たちは、伸たちのことを見つめていた。
正確に言うのであるなら、柊家の一人娘である綾愛とその付き人たちをだ。
柊家に潜入させた魔人によって、綾愛たちがこの山の魔物の討伐をおこなうという情報が入っている。
その情報をもとに待ち伏せていたところ、綾愛たちを捕捉することができた。
あとは襲撃をかけるだけという状況になったところで、細身で背の低い男性の魔人がカサンドラに話しかけてきた。
「柊家の娘を始末するだけに、これだけの人数を揃える必要があるんですか?」
1人で町を一つ潰せるような戦力を持つのが、自分たち魔人だ。
そんな魔人が6人も揃い、名門家の娘とは言っても高校生でしかない小娘を始末するなんて、過剰戦力にしか思えない。
そのため、その魔人はここまでする理由を上司であるカサンドラに問いかけた。
「一応気を抜くんじゃないよ。ゴブリンクイーンのこともあるから……」
「……えっ?」
カサンドラ自身、この人数の魔人を揃えたのは少々過剰だと思っているが、目的を確実に達成するために、念には念を入れることにしたのだ。
そうしなければならない理由。
それは、ゴブリンクイーンの件があったからだ。
カサンドラの育て上げたゴブリンクイーンが、柊家によって潰された話は知っているが、それがどうして綾愛たちを警戒をしなければならないのか分からず、男の魔人は首を傾げた。
「柊家に潜入させていた者からの話だと、ゴブリンクイーンが殺された時、多くの柊家の人間が動いたという情報はなかったそうよ」
「……えっ? ゴブリンクイーンはとんでもない数のゴブリンを産んでいたじゃないですか。人数がいなくては、巣が潰された理由が分かりません」
「普通に考えるならそうね……」
ゴブリンクイーンが討伐される可能性はあったが、それは多くの柊家の魔闘師が参加した場合の話だ。
しかし、そんな情報は入っていない。
では、どうやって大量繁殖したゴブリンを討伐したというのか。
その理由がまだ判明していない。
そのことを聞いた男の魔人は、戸惑いの声を上げる。
単体ならば魔人としては大した戦闘力はないけれど、ゴブリンクイーンの脅威となるのは繁殖力だ。
その繁殖力によって大量に増えたゴブリンたちが全滅させられたというのに、多くの魔闘師が動いていないわけがないからだ。
「……もしかして、カサンドラ様はあの5人だけでゴブリンの巣を潰したって考えているのですか?」
これまでの会話から、男の魔人はカサンドラが6人もの魔人を揃えた理由に気が付いた。
ゴブリンクイーンの巣が全滅させられたのは、柊家の多くの魔闘師によってではなく、今回標的にしている綾愛と他の4人によって討伐されたのではないかと考えているということにだ。
「……あり得ないとは思うけど、可能性はゼロじゃないでしょ?」
「それはそうですが……。しかし、それはいくら何でも……」
ゴブリンの巣があった山に、確実にいたのは今回標的の5人の高校生だ。
もしかしたら、彼らだけで討伐したのではないかという思いが、カサンドラの中で浮かんでいた。
男の魔人が思っているように、その可能性かかなり低い。
しかし、可能性がゼロでない以上、カサンドラからすると切り捨てることができなかった。
指揮する者としては、どんな可能性も排除せずに考慮しする必要があるため、そう考える気持ちも分かる。
カサンドラを除いた自分たち5人の魔人でなら可能かもしれないが、人間の、しかも高校生では、いくら何でも大量繁殖したゴブリンの巣を潰せるなんて荒唐無稽のように感じる。
「まぁ、考えすぎだったらそれで良いのよ」
「そうですね」
ゴブリンの巣を潰したのが、誰で、何人なのかは分からないが、自分たちは今回の標的を潰すだけだ。
そのことに集中するように、カサンドラは気持ちを切り替えた。
「あんたたち! 準備は良い?」
「「「「はい!」」」」
今回のために用意したのは5人の魔人。
その中でも、先ほどから会話をしていた細身で背の低い男の魔人以外の4人に対して、カサンドラは声をかける。
それを受け、4人は力強い返事をする。
元々は魔物だった彼らは、人間を殺せることが楽しみなのか若干嬉しそうにも見える。
「さぁ、そろそろ行くわよ!」
「「「「はい!」」」」
各々の武器を手にした魔人たちは、カサンドラの言葉を受けて歩み始める4人の魔人たち。
その4人を前に、カサンドラと細身で背の低い魔人は後に続いた。
“グシャ!!”
「「「「「っっっ!?」」」」」
綾愛たちへの攻撃を開始しようとしたところで、1人の魔人の頭が吹き飛ぶ。
あまりにも突然のことに、カサンドラをはじめとする魔人たりは驚きの表情で固まった。
“パンッ!!”
「「「「っっっ!?」」」」
驚いて固まっている間に、もう1人の魔人の心臓部分に穴が開く。
高威力の魔力球による攻撃を受けたからだ。
「き、貴様!!」
「やられる前にやらないとな……」
魔人たちを倒した攻撃。
それは伸による先制攻撃だった。
「んっ? 何だい?」
伸たちから離れた場所。
カサンドラが率いる魔人集団たちは、伸たちのことを見つめていた。
正確に言うのであるなら、柊家の一人娘である綾愛とその付き人たちをだ。
柊家に潜入させた魔人によって、綾愛たちがこの山の魔物の討伐をおこなうという情報が入っている。
その情報をもとに待ち伏せていたところ、綾愛たちを捕捉することができた。
あとは襲撃をかけるだけという状況になったところで、細身で背の低い男性の魔人がカサンドラに話しかけてきた。
「柊家の娘を始末するだけに、これだけの人数を揃える必要があるんですか?」
1人で町を一つ潰せるような戦力を持つのが、自分たち魔人だ。
そんな魔人が6人も揃い、名門家の娘とは言っても高校生でしかない小娘を始末するなんて、過剰戦力にしか思えない。
そのため、その魔人はここまでする理由を上司であるカサンドラに問いかけた。
「一応気を抜くんじゃないよ。ゴブリンクイーンのこともあるから……」
「……えっ?」
カサンドラ自身、この人数の魔人を揃えたのは少々過剰だと思っているが、目的を確実に達成するために、念には念を入れることにしたのだ。
そうしなければならない理由。
それは、ゴブリンクイーンの件があったからだ。
カサンドラの育て上げたゴブリンクイーンが、柊家によって潰された話は知っているが、それがどうして綾愛たちを警戒をしなければならないのか分からず、男の魔人は首を傾げた。
「柊家に潜入させていた者からの話だと、ゴブリンクイーンが殺された時、多くの柊家の人間が動いたという情報はなかったそうよ」
「……えっ? ゴブリンクイーンはとんでもない数のゴブリンを産んでいたじゃないですか。人数がいなくては、巣が潰された理由が分かりません」
「普通に考えるならそうね……」
ゴブリンクイーンが討伐される可能性はあったが、それは多くの柊家の魔闘師が参加した場合の話だ。
しかし、そんな情報は入っていない。
では、どうやって大量繁殖したゴブリンを討伐したというのか。
その理由がまだ判明していない。
そのことを聞いた男の魔人は、戸惑いの声を上げる。
単体ならば魔人としては大した戦闘力はないけれど、ゴブリンクイーンの脅威となるのは繁殖力だ。
その繁殖力によって大量に増えたゴブリンたちが全滅させられたというのに、多くの魔闘師が動いていないわけがないからだ。
「……もしかして、カサンドラ様はあの5人だけでゴブリンの巣を潰したって考えているのですか?」
これまでの会話から、男の魔人はカサンドラが6人もの魔人を揃えた理由に気が付いた。
ゴブリンクイーンの巣が全滅させられたのは、柊家の多くの魔闘師によってではなく、今回標的にしている綾愛と他の4人によって討伐されたのではないかと考えているということにだ。
「……あり得ないとは思うけど、可能性はゼロじゃないでしょ?」
「それはそうですが……。しかし、それはいくら何でも……」
ゴブリンの巣があった山に、確実にいたのは今回標的の5人の高校生だ。
もしかしたら、彼らだけで討伐したのではないかという思いが、カサンドラの中で浮かんでいた。
男の魔人が思っているように、その可能性かかなり低い。
しかし、可能性がゼロでない以上、カサンドラからすると切り捨てることができなかった。
指揮する者としては、どんな可能性も排除せずに考慮しする必要があるため、そう考える気持ちも分かる。
カサンドラを除いた自分たち5人の魔人でなら可能かもしれないが、人間の、しかも高校生では、いくら何でも大量繁殖したゴブリンの巣を潰せるなんて荒唐無稽のように感じる。
「まぁ、考えすぎだったらそれで良いのよ」
「そうですね」
ゴブリンの巣を潰したのが、誰で、何人なのかは分からないが、自分たちは今回の標的を潰すだけだ。
そのことに集中するように、カサンドラは気持ちを切り替えた。
「あんたたち! 準備は良い?」
「「「「はい!」」」」
今回のために用意したのは5人の魔人。
その中でも、先ほどから会話をしていた細身で背の低い男の魔人以外の4人に対して、カサンドラは声をかける。
それを受け、4人は力強い返事をする。
元々は魔物だった彼らは、人間を殺せることが楽しみなのか若干嬉しそうにも見える。
「さぁ、そろそろ行くわよ!」
「「「「はい!」」」」
各々の武器を手にした魔人たちは、カサンドラの言葉を受けて歩み始める4人の魔人たち。
その4人を前に、カサンドラと細身で背の低い魔人は後に続いた。
“グシャ!!”
「「「「「っっっ!?」」」」」
綾愛たちへの攻撃を開始しようとしたところで、1人の魔人の頭が吹き飛ぶ。
あまりにも突然のことに、カサンドラをはじめとする魔人たりは驚きの表情で固まった。
“パンッ!!”
「「「「っっっ!?」」」」
驚いて固まっている間に、もう1人の魔人の心臓部分に穴が開く。
高威力の魔力球による攻撃を受けたからだ。
「き、貴様!!」
「やられる前にやらないとな……」
魔人たちを倒した攻撃。
それは伸による先制攻撃だった。
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