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第11話:下剋上っス!
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「見たな・・・」
「リフィ逃げろ!殺されるぞ!!」
「おっと動くなっス、ちょっとでも動いたら二人のみだらなツーショットを送信するっスよ!」
「そうしん?何を言っておる?」
「アハハハハ!魔王スマフォ知らないっスか?まあ古い人間だから無理もないっスね」
「なんかバカにされているようで腹が立つの。良いだろう、説明する時間をくれてやる、その”すまふぉ”とやらが何なのか申してみろ」
「魔王様、スマフォって言うのは遠く離れた人とコミュニケーションをとるための道具で声や姿、言葉なんかも遠くの人に送る事が出来るんですよ」
「なんと!魔水晶のようなものか!?」
「そんな胡散臭いものと一緒にしないで欲しいっス、スマフォは不特定多数その他大勢に送ることができ、しかも記録を残す事が出来るっス」
リフィは俺と魔王の決定的瞬間の画像を見せる。
「な!?琥太郎、真か?」
「はい、本当です」
「いや~、人間とちちくりあう魔王の姿をオズワルド中に送ったらさぞかし面白い事になるっスねぇ~。それこそ魔王の威厳もあったものじゃないっス」
「貴様!死にたくなくばそれを余に渡せ」
「嫌っス、これを渡すくらいなら死を選ぶっス。魔王の誇りを傷つけられるならそれで本望っス。まぁ自分は死んで土に帰るだけっスけど、魔王はこの恥辱を背負いながら何千年と生き恥をさらすっスよw」
「ぐぬぬっ・・・分かった、望みは何ぞ?その”すまふぉ”と取引だ」
「ひざまずけ」
「なぬ!?」
「送信するっス」
「待て、分かった!」
魔王の体が怒りに震える。
「ど、どうか、”そうしん”しないでくれ。頼む」
「頼みますっス」
「た・・・たの・・・頼みます」
リフィは魔王の頭を踏みつけて言う。
「いやぁ~、魔王に土下座されちゃあ言う事聞いてあげるしかないっスね。今日のところは見逃してやるっス。では琥太郎君、服着て奴隷部屋に戻るっスぅ~」
「あ・・・あぁ」
俺達は魔王の部屋を出た。
「・・・リフィ、いつの間に電波つながるようになったんだ?」
「まだ圏外っス」
「嘘だろ、それじゃあさっきのは?」
「全部はったりっス」
「魔王騙すなんてお前ホントに幼女かよ!?」
「心臓バクバク言ってたっス、でも口先から生まれたリフィエルちゃんにはったり倒せないものなんて無いっス」
よく見ればリフィの体は冷や汗でびしょびしょだ。
その夜、俺は眠れずにいた。もう住み慣れてしまった奴隷小屋、その藁に転がってずっと天井を見上げる。
”なんか思ってた魔王とイメージ違うな”
俺の知ってる魔王はもっと恐ろしい筈だった。それこそ人ならざる存在、強く、気高く、勇ましく、本当なら俺みたいなどこにでもいる普通の高校生が太刀打ちできる相手ではない。なのに実際の魔王ときたら・・・なんかもやもやする。
―翌日―
「琥太郎、玉ねぎの皮剥いてくれ」
「ヘイ!」
「琥太郎、皿がたまってる。洗ってくれ」
「喜んで!」
俺はいつも通りに働いた、まるで昨晩の出来事が無かったかのように。怖くないと言えば嘘になる、魔王にどんな仕返しをされるか分かったものではない。きっとその恐怖を紛らわしたかったのだろう。だって無力な俺にはどうする事も出来ない、きっと一瞬で消されてしまうのだから・・・
「B定食一つ」
「ひっ!?魔王様!」
「どうした琥太郎、顔が恐怖で引きつっておるぞ」
「いや、すみません」
魔王は背伸びをして俺の耳に囁く。
「天使と共謀して余をハメたこと、絶対に許さぬからな。生まれてきたこと後悔させてやる」
「へい、A定食お待ちっス!」
「A?余が頼んだのはB定食ぞ」
「あぁん?Aだろ?」
リフィはスマフォをちらつかせる。
「うぐっ・・・そうだったな、余が頼んだのはAだったな」
「魔王様の大好きなニンジンをたっぷり盛っといたっス。残さず食べるっスよ」
「な、なんと、これは美味そうだ。パクッ、う!?・・・」
食堂がざわつく、あの魔王様が嫌いなニンジンを食べるなんて配下の魔物には信じられない出来事。その後も魔王は嫌いなニンジンを一つずつ食べていった。
―数分後―
「はぁ・・・はぁ・・・食べきったぞ」
「じゃあもう一皿サービスっス」
ドン!
「余はもういらぬぞ!」
「食うっス」
「うぅ・・・」
魔王がそれを食べきるとリフィはさらにA定食を追加して出した、三皿目である。
「も、もう勘弁してくれ・・・余の腹はもう限界だ」
「いや、食うっスよ。出されたものはちゃんと食べないとダメっス」
「リフィ、いくらなんでもやり過ぎだぞ。もうそれくらいにしてやれよ」
「琥太郎君はどっちの味方っスか?」
「いや、その・・・」
「興が覚めたっス。あぁ~あ、最近奴隷生活にも飽きてきたしそろそろ昇進したいなぁ~(チラッ」
「そ、そうだな。ソチらの頑張りは余の耳にも届いておる。そろそろ料理長にでもしてやるかな」
「やったーっス!」
俺は無力だ。自分がどうすればいいのか、どうしたらいいのか分からなくなってきた・・・
「リフィ逃げろ!殺されるぞ!!」
「おっと動くなっス、ちょっとでも動いたら二人のみだらなツーショットを送信するっスよ!」
「そうしん?何を言っておる?」
「アハハハハ!魔王スマフォ知らないっスか?まあ古い人間だから無理もないっスね」
「なんかバカにされているようで腹が立つの。良いだろう、説明する時間をくれてやる、その”すまふぉ”とやらが何なのか申してみろ」
「魔王様、スマフォって言うのは遠く離れた人とコミュニケーションをとるための道具で声や姿、言葉なんかも遠くの人に送る事が出来るんですよ」
「なんと!魔水晶のようなものか!?」
「そんな胡散臭いものと一緒にしないで欲しいっス、スマフォは不特定多数その他大勢に送ることができ、しかも記録を残す事が出来るっス」
リフィは俺と魔王の決定的瞬間の画像を見せる。
「な!?琥太郎、真か?」
「はい、本当です」
「いや~、人間とちちくりあう魔王の姿をオズワルド中に送ったらさぞかし面白い事になるっスねぇ~。それこそ魔王の威厳もあったものじゃないっス」
「貴様!死にたくなくばそれを余に渡せ」
「嫌っス、これを渡すくらいなら死を選ぶっス。魔王の誇りを傷つけられるならそれで本望っス。まぁ自分は死んで土に帰るだけっスけど、魔王はこの恥辱を背負いながら何千年と生き恥をさらすっスよw」
「ぐぬぬっ・・・分かった、望みは何ぞ?その”すまふぉ”と取引だ」
「ひざまずけ」
「なぬ!?」
「送信するっス」
「待て、分かった!」
魔王の体が怒りに震える。
「ど、どうか、”そうしん”しないでくれ。頼む」
「頼みますっス」
「た・・・たの・・・頼みます」
リフィは魔王の頭を踏みつけて言う。
「いやぁ~、魔王に土下座されちゃあ言う事聞いてあげるしかないっスね。今日のところは見逃してやるっス。では琥太郎君、服着て奴隷部屋に戻るっスぅ~」
「あ・・・あぁ」
俺達は魔王の部屋を出た。
「・・・リフィ、いつの間に電波つながるようになったんだ?」
「まだ圏外っス」
「嘘だろ、それじゃあさっきのは?」
「全部はったりっス」
「魔王騙すなんてお前ホントに幼女かよ!?」
「心臓バクバク言ってたっス、でも口先から生まれたリフィエルちゃんにはったり倒せないものなんて無いっス」
よく見ればリフィの体は冷や汗でびしょびしょだ。
その夜、俺は眠れずにいた。もう住み慣れてしまった奴隷小屋、その藁に転がってずっと天井を見上げる。
”なんか思ってた魔王とイメージ違うな”
俺の知ってる魔王はもっと恐ろしい筈だった。それこそ人ならざる存在、強く、気高く、勇ましく、本当なら俺みたいなどこにでもいる普通の高校生が太刀打ちできる相手ではない。なのに実際の魔王ときたら・・・なんかもやもやする。
―翌日―
「琥太郎、玉ねぎの皮剥いてくれ」
「ヘイ!」
「琥太郎、皿がたまってる。洗ってくれ」
「喜んで!」
俺はいつも通りに働いた、まるで昨晩の出来事が無かったかのように。怖くないと言えば嘘になる、魔王にどんな仕返しをされるか分かったものではない。きっとその恐怖を紛らわしたかったのだろう。だって無力な俺にはどうする事も出来ない、きっと一瞬で消されてしまうのだから・・・
「B定食一つ」
「ひっ!?魔王様!」
「どうした琥太郎、顔が恐怖で引きつっておるぞ」
「いや、すみません」
魔王は背伸びをして俺の耳に囁く。
「天使と共謀して余をハメたこと、絶対に許さぬからな。生まれてきたこと後悔させてやる」
「へい、A定食お待ちっス!」
「A?余が頼んだのはB定食ぞ」
「あぁん?Aだろ?」
リフィはスマフォをちらつかせる。
「うぐっ・・・そうだったな、余が頼んだのはAだったな」
「魔王様の大好きなニンジンをたっぷり盛っといたっス。残さず食べるっスよ」
「な、なんと、これは美味そうだ。パクッ、う!?・・・」
食堂がざわつく、あの魔王様が嫌いなニンジンを食べるなんて配下の魔物には信じられない出来事。その後も魔王は嫌いなニンジンを一つずつ食べていった。
―数分後―
「はぁ・・・はぁ・・・食べきったぞ」
「じゃあもう一皿サービスっス」
ドン!
「余はもういらぬぞ!」
「食うっス」
「うぅ・・・」
魔王がそれを食べきるとリフィはさらにA定食を追加して出した、三皿目である。
「も、もう勘弁してくれ・・・余の腹はもう限界だ」
「いや、食うっスよ。出されたものはちゃんと食べないとダメっス」
「リフィ、いくらなんでもやり過ぎだぞ。もうそれくらいにしてやれよ」
「琥太郎君はどっちの味方っスか?」
「いや、その・・・」
「興が覚めたっス。あぁ~あ、最近奴隷生活にも飽きてきたしそろそろ昇進したいなぁ~(チラッ」
「そ、そうだな。ソチらの頑張りは余の耳にも届いておる。そろそろ料理長にでもしてやるかな」
「やったーっス!」
俺は無力だ。自分がどうすればいいのか、どうしたらいいのか分からなくなってきた・・・
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