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令嬢婚約破棄クエスト
能力の正体
しおりを挟む「うっ………。」
頭の痛みで目が覚める、辺りを見回すと、薄暗くてはっきりとは分からなかったが、
どうやら地下牢のような場所に入れられているようだ。
俺以外の4人はまだスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている…呑気なやつらだ。
俺はまず初めにアテネを揺すって目覚めさせる。
「ん……もう朝?あれ、まだ暗いじゃない。
あれ?誠?いい年なんだからおしっこくらい1人で行けるでしょ…」
「どうゆう寝ぼけ方してんだ!いいからさっさと起きろ!」
「えぇ?何よもう、一人じゃ何にもできないんだからって…
何よここ?…え?なに、やだ!誘拐!?何なの!ここどこ!?」
「憶えてないのか?クエストの面接を受けている時にリラホーで眠らされただろ?」
「リラホー…?いや神である私にそんなチンケな呪文聞くわけないでしょ!
舐めないでくださいよ!」
は?
「じゃあアテネはあの時何をしてたんだ?」
「何って…話が長くてつまらなかったから直ぐに寝ちゃってたんですよ。」
こいつ…腐っても異世界恋愛の神だろ…
いや、今はそんなことどうでもいい!
俺は慌ててアテネに質問する。
「おい!今回のクエストは俺が異世界ラブの能力で引き付けた
クエスト何だよな、大丈夫なやつなんだよな!?」
真剣な表情の俺とは対照的に気の抜けた表情であくびをするアテネ。
「ふあ~、異世界ラブで引き寄せたってどういうことですか?」
「どういうことって…俺の能力のことだよ!
異世界ラブの能力は常に発動しているんだろ?
ならこれも能力で引き寄せたものなんだろ!?」
「う~ん、どうやら誠さんは異世界ラブの力を勘違いしているようです。」
「どういうことだ?」
「異世界ラブは能力ではありません。
女神である私が特定の人物をサポートするシステム、
それが異世界ラブの力のことです。
常時発動しているというのは今は誠さん専属になっているので
常にサポート状態にあるという意味です。」
「………。」
え?じゃあ今までの出会いって…
「………ここにいる奴らが俺のパーティに入ってくれたのって
ただの偶然てこと…?」
俺はこの女神と出会ってからのことについて早送りで脳内再生した。
「偶然て、私がずっとサポートしてるじゃないですか!
ニャミスさんを貴方にぶつけたり、後は、ぶつけたり…ぶつけたり…
ぶつけたりしたじゃないですか!!」
「ぶつけただけじゃねえか!!」
こんな使えない女神が邪魔をしてくるだけの力?
…こんなんが続くだけなら、1人でやった方がマシだ。
「ちなみに途中解約は契約違反です。」
「何………?」
「ほらこの契約書、ちゃんと見てください。」
俺が天界?で書いた契約書をおもむろに取り出すアテネ。
なになに―
異世界ラブの力を特定の人間に付与させた場合、信仰者を現在の1万倍に増やすまで
力の途中解約はできない。もし途中で破棄した場合は………ぶっ殺す。
「…そんなこと聞いてないが。」
「聞いてないって…契約書はちゃんと読んでくださいって私言いましたよ!
最悪ダメだった場合は私も一緒ですから、寂しくないですよ♪」
「…ちなみに聞きたんだが、お前に信仰者がいなくなった場合お前はどうなるんだ?
「…必要ない神として消滅するだけです♪」
「俺は?」
「契約をしていなければ、べつに何も♪」
……完全にハメられた。この世の契約は詐欺だらけだ。
「詐欺とは失礼な!ちゃんと契約書に契約内容が書いてあるじゃないですか!
内容をちゃんと確認せずにサインした誠さんが悪いです!」
それは半グレの人間がやる高利貸しの手法と全く同じだ…
頭痛くなってきた…
そうだ…
「じゃあ今回のクエストも当然異世界ラブの力ではなく…。」
「もちろんただの自然発生したクエストです。
大丈夫ですよ!私が今回は万全にサポートするんですから!
大船に乗ったつもりでいてくださいな♪」
「ちなみに今回のクエスト失敗したら殺されるんだが…」
急に真顔になって青ざめるアテネ。
「…なんすかそれ。」
「お前と同じ詐欺契約だったんだ。もしこのクエスト、つまり
公爵家のお嬢様の婚約破棄を解消できなければ、俺たちは殺される契約になってる。」
「…さすがにまた直ぐ死なれるのは困ります。
書類偽造バレたらアウトなんで…そんなほいほい死人を生き返せません。」
お前の契約が詐欺であることは否定しないんだな。
「お前ら起きろ!!バルフレッド様がお呼びだ!」
牢屋の門番らしき奴に怒鳴られると、他の3人も目を覚ます。
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