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結婚生活のはじまり
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それから一週間後、その日は定期健診で病院に行った日だった。四月も半ばに入り、遅咲きだった桜もほとんど花びらを散らしてしまっている。
二週間前はマルにしか見えなかった胎児も、人のような形をして見えるようになった。検診は問題なかったと冬磨に連絡を入れて、ソファーに座りふうっと息を吐く。
冬磨はマメな性格のようで、忙しい合間を縫って一日に数回、体調を気遣うメッセージをくれる。病院でもらったエコー写真を彼に見せるが楽しみだと思いながら、欠伸を噛み殺した。
白米への拒否反応は治まってきたが、最近は昼夜問わず強烈な眠気に襲われるようになった。それを我慢していると気分が悪くなり、吐いてしまうこともある。
本当は一日中、布団の中で過ごしたいくらいだが、それは自分が許せなかった。今の秋良が冬磨にできることは、身の回りの世話をすることだけだ。
だからせめて。家の中のことは完璧にこなしたい。
時計を見ると、もうすぐ四時になろうとしていた。洗濯物を取り込み、片付けをしながら今日の夕飯をなににしようかと考える。
冬磨が好きだからと和食ばかり作っていたが、たまには洋食を出してみようか。挽肉があるから、ハンバーグがいいかもしれない。
外出したせいか、いつもより眠気が強い。それに耐えられず、ソファーに横になる。少しだけ休んでから夕食の準備を始めよう。
目を瞑ると、すぐに睡魔がやってくる。それに抗えず、秋良は意識を手放した。
* * *
「……きら、秋良」
名前を呼ぶ声に、ハッと目を開く。心配そうな顔をした冬磨の姿が目に入り、ガバリと身体を起こし時計を見る。
七時四十分という時刻を見て愕然とする。少しのつもりが、三時間も寝てしまったらしい。
「ああ、良かった。連絡しても返事がないから、心配した」
「あ、夕飯! やだ、ご飯も炊いてない」
立ち上がろうとする秋良を、冬磨が制止する
「大丈夫だ。俺が外でなにか買ってくる。まだ夜は冷えるから、外食よりはその方がいいだろう」
そう言って、手に持っていた上着を羽織る。疲れて帰ってきているのに、夕飯も準備できていないなんて呆れているだろう。
どうしてあのとき、横になってしまったのか。なんだか自分が情けなくなり、涙があふれてくる。
「先に風呂に入っていて……秋良!?」
泣いている秋良に気がついた冬磨が、慌てた様子で駆け寄ってくる。
「どうしたんだ。検診の結果は順調だったっと言ってたが……もしかして病院でなにかあったのか?」
両肩を掴んで、顔を覗き込んでくる冬磨に首を横に振る。
いい大人がこんなことで泣くなんて恥ずかしい。だけど、上手く感情をセーブできない。
「冬磨さんは、お仕事を頑張ってきてるのに……。夕飯を作れてなくて、ごめんなさい」
「なんだ、そんなことか。いいんだよ、別に……」
「そんなことじゃないんです!」
自分でも驚くくらい、大きな声が出た。彼も驚いたのだろう、目を見開いたまま固まっている。
「私……家事だけは頑張ってしようと思ってたんです。ただでさえなにもできなくて迷惑ばかりかけてるのに……。ここのところ、すごく眠くて、家事もままならなくて。今日なんて食事も作れないなんて、もう役立たずです」
「いや、待て。俺は迷惑などと思ったことはない。帰ってきて、明良がいるだけでホッとするんだ。家事なんてできなくても、なんの問題もない。掃除だって、俺が休みのときにすればだけだ」
優しくされればされるほど、涙がポロポロとあふれる。秋良は泣きながらぶんぶんと首を横に振った。
「だって、私……冬磨さんの役に立ちたい」
一瞬、驚いたように目を見開いた冬磨が、子どものように泣く秋良のことを抱きしめた。冬磨の香りに包まれて、思わずほっと息をつく。
「ああ、なんてかわいいんだ。だが、本当に傍にいてくれるだけでいいんだ。体調の変化に気づかなくてすまなかった。そうか、秋良は眠りつわりのタイプだったんだな」
「え?」
つわりにもいろいろな種類がある。常に気持ちが悪いという人もいれば、空腹を覚えると胃がムカムカしてくるという人もいる。
それから、秋良のように眠気が強くこともあるという。そういうタイプは、これがつわりだとはなかなか気づかない。
さらにまわりから『妊娠を理由に寝てばかりで甘えている』などと言われて理解されにくいようだ。
冬磨にそう言われ、秋良も自分のことをそう思っていたことに気づく。一日中寝ているなんて、ありえないことだと思っていた。
「俺は秋良の頑張り屋なところも好きだ。だが、辛いことはきちんと伝えてほしい。夫婦になるんだから、もっと俺に甘えていいんだ」
「甘える……」
じっと見つめられて、秋良は視線を彷徨わせた。甘えるとは、どういうことだろう。思えば両親が亡くなってから、姉に迷惑をかけまいと思うあまり遠慮ばかりしてきた気がする。
具体的にどうすればいいのだと悩む秋良を、突然、冬磨が抱き上げた。そのまま膝に乗せられ、秋良は戸惑いながら冬磨を見上げる。
「あ、あの……」
「とりあえず、こういうことから始めてみよう。まあ……俺がしたいだけだが」
ぎゅっと抱きしめられると、冬磨の心臓の音が聞こえる。少し速い、規則的なその音を聞いていると不思議と気持ちが落ち着いてくる。
思い切って素直に身体を預けてみる。ちらりとその顔を見上げると、冬磨は嬉しそうに笑っていた。
こんな顔を見れるなら、たまには甘えてみるのもいいのかもしれない。彼の笑った顔が好きだ。
「……嬉しかったんです。私、作ったご飯をおいしいって言ってもらえて」
眠気で身体が怠くても。彼に食事を作るのは苦ではなかった。
美味しいと笑ってくれる姿を見ると、とても幸せな気持ちになれるのだ。自分が作ったものが、彼を笑顔にさせてるのだと思うと、なんだか誇らしい気持ちにもなった。
二週間前はマルにしか見えなかった胎児も、人のような形をして見えるようになった。検診は問題なかったと冬磨に連絡を入れて、ソファーに座りふうっと息を吐く。
冬磨はマメな性格のようで、忙しい合間を縫って一日に数回、体調を気遣うメッセージをくれる。病院でもらったエコー写真を彼に見せるが楽しみだと思いながら、欠伸を噛み殺した。
白米への拒否反応は治まってきたが、最近は昼夜問わず強烈な眠気に襲われるようになった。それを我慢していると気分が悪くなり、吐いてしまうこともある。
本当は一日中、布団の中で過ごしたいくらいだが、それは自分が許せなかった。今の秋良が冬磨にできることは、身の回りの世話をすることだけだ。
だからせめて。家の中のことは完璧にこなしたい。
時計を見ると、もうすぐ四時になろうとしていた。洗濯物を取り込み、片付けをしながら今日の夕飯をなににしようかと考える。
冬磨が好きだからと和食ばかり作っていたが、たまには洋食を出してみようか。挽肉があるから、ハンバーグがいいかもしれない。
外出したせいか、いつもより眠気が強い。それに耐えられず、ソファーに横になる。少しだけ休んでから夕食の準備を始めよう。
目を瞑ると、すぐに睡魔がやってくる。それに抗えず、秋良は意識を手放した。
* * *
「……きら、秋良」
名前を呼ぶ声に、ハッと目を開く。心配そうな顔をした冬磨の姿が目に入り、ガバリと身体を起こし時計を見る。
七時四十分という時刻を見て愕然とする。少しのつもりが、三時間も寝てしまったらしい。
「ああ、良かった。連絡しても返事がないから、心配した」
「あ、夕飯! やだ、ご飯も炊いてない」
立ち上がろうとする秋良を、冬磨が制止する
「大丈夫だ。俺が外でなにか買ってくる。まだ夜は冷えるから、外食よりはその方がいいだろう」
そう言って、手に持っていた上着を羽織る。疲れて帰ってきているのに、夕飯も準備できていないなんて呆れているだろう。
どうしてあのとき、横になってしまったのか。なんだか自分が情けなくなり、涙があふれてくる。
「先に風呂に入っていて……秋良!?」
泣いている秋良に気がついた冬磨が、慌てた様子で駆け寄ってくる。
「どうしたんだ。検診の結果は順調だったっと言ってたが……もしかして病院でなにかあったのか?」
両肩を掴んで、顔を覗き込んでくる冬磨に首を横に振る。
いい大人がこんなことで泣くなんて恥ずかしい。だけど、上手く感情をセーブできない。
「冬磨さんは、お仕事を頑張ってきてるのに……。夕飯を作れてなくて、ごめんなさい」
「なんだ、そんなことか。いいんだよ、別に……」
「そんなことじゃないんです!」
自分でも驚くくらい、大きな声が出た。彼も驚いたのだろう、目を見開いたまま固まっている。
「私……家事だけは頑張ってしようと思ってたんです。ただでさえなにもできなくて迷惑ばかりかけてるのに……。ここのところ、すごく眠くて、家事もままならなくて。今日なんて食事も作れないなんて、もう役立たずです」
「いや、待て。俺は迷惑などと思ったことはない。帰ってきて、明良がいるだけでホッとするんだ。家事なんてできなくても、なんの問題もない。掃除だって、俺が休みのときにすればだけだ」
優しくされればされるほど、涙がポロポロとあふれる。秋良は泣きながらぶんぶんと首を横に振った。
「だって、私……冬磨さんの役に立ちたい」
一瞬、驚いたように目を見開いた冬磨が、子どものように泣く秋良のことを抱きしめた。冬磨の香りに包まれて、思わずほっと息をつく。
「ああ、なんてかわいいんだ。だが、本当に傍にいてくれるだけでいいんだ。体調の変化に気づかなくてすまなかった。そうか、秋良は眠りつわりのタイプだったんだな」
「え?」
つわりにもいろいろな種類がある。常に気持ちが悪いという人もいれば、空腹を覚えると胃がムカムカしてくるという人もいる。
それから、秋良のように眠気が強くこともあるという。そういうタイプは、これがつわりだとはなかなか気づかない。
さらにまわりから『妊娠を理由に寝てばかりで甘えている』などと言われて理解されにくいようだ。
冬磨にそう言われ、秋良も自分のことをそう思っていたことに気づく。一日中寝ているなんて、ありえないことだと思っていた。
「俺は秋良の頑張り屋なところも好きだ。だが、辛いことはきちんと伝えてほしい。夫婦になるんだから、もっと俺に甘えていいんだ」
「甘える……」
じっと見つめられて、秋良は視線を彷徨わせた。甘えるとは、どういうことだろう。思えば両親が亡くなってから、姉に迷惑をかけまいと思うあまり遠慮ばかりしてきた気がする。
具体的にどうすればいいのだと悩む秋良を、突然、冬磨が抱き上げた。そのまま膝に乗せられ、秋良は戸惑いながら冬磨を見上げる。
「あ、あの……」
「とりあえず、こういうことから始めてみよう。まあ……俺がしたいだけだが」
ぎゅっと抱きしめられると、冬磨の心臓の音が聞こえる。少し速い、規則的なその音を聞いていると不思議と気持ちが落ち着いてくる。
思い切って素直に身体を預けてみる。ちらりとその顔を見上げると、冬磨は嬉しそうに笑っていた。
こんな顔を見れるなら、たまには甘えてみるのもいいのかもしれない。彼の笑った顔が好きだ。
「……嬉しかったんです。私、作ったご飯をおいしいって言ってもらえて」
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