異世界でチートな私のスローライフプロジェクト

ターコイズ

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初めての魔法、初めての出会い

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「どこ…ここ………?」

何か、凄く壮大な野原に私こと祐月乃衣は放り出されました。
どうやらここはもう、異世界(?)の様です。
自称・神様からの慈悲で転生させてもらいましたが…何をすれば良いのでしょう?
あ、魔法が使えるとか何とか言ってた…。
本当に使えるのかなぁ?
ステイタスとか見れないかなぁ、なんて思ったらいきなりステイタス画面の様なものが見えました。

「うんうん、ノエル・フェルナールね。
これは私の名前で………ん?」

おかしいです。
これ、壊れているのでしょうか?
能力値が…とても、おかしい事に…。

「と、とりあえずこれは放って……。
使える魔法は…っと。」

ファイヤーボールとかヒールとか色々使えますね。
炎魔法と治癒出来る魔法が多いので、
恐らくそれが私の得意な事なのでしょう。
ものは試し、という事で使ってみましょう!
ここがどこか分からない中、
魔法が使えると言うのはある意味救いかも知れません。
魔法があれば大抵の事は出来そうですし。
でも、魔法ってどう使うんでしょう…?
とりあえず、魔法名を唱えてみますか。

「……ファイヤーボール!」

ぶっ壊れている能力値が頭に過ぎったので少し手加減をしつつ(と言っても手加減出来ているかは不明)唱えた。
すると、出てきたのは巨大な火の玉。
半径60m以上は余裕であるくらいの、とても大きな……。

「あっ………。」

ヤバい、と思っても遅かった。

放たれたファイヤーボール(予想とは全然違う火の玉)は、辺りの草を燃やし尽くしていき………あっという間に辺り一面が焼け野原になってしまいました。

「あわわわ!!?な、なにこれ…。」

ステイタス画面に表示されているMPが減っていますが、まだまだ残りはあります。
が、他の魔法を試すにもコレ程のことが続いたら流石に………。

ステイタス画面をもう一度、
よく見ました。
これは信じ難いですが、このステイタスはどうやらぶっ壊れてはいない…様です。
他の魔法が使えるかの実験は違う所でしよう…うん。

ああ、異世界といえば魔法もそうですが多様な種族ですよね!
私の種族は…天族、新龍族、妖精族、人族ですね。
物凄く混ざってますね……。
混血ってやつですかね。
私はこの世界の事をあまり知らないけど、天族と新龍族って何か…とても強そう!
私の種族以外にもどんな種族がいるんだろう……。
エルフはいて欲しいし、ドワーフとか居るかな…?

などと現実逃避もいいところな考え事を数時間ほどしていましたが、私は重要な事に気づきました。

「い………家が、ないっ!!」

そう、マイハウスがないんです!
ここは(焼け)野原ですし、歩いていたらきっとどこかの村に行き着くのでしょうけど…いったいどこに行ったら良いのか…。

途方に暮れていたその時、何かが来る音がしました。
人の足音ではなく、動物とかの音…。
まさか、異世界の魔物…とかでは。
音が強くなり、いざとなったら魔法を……と警戒態勢になった。

しかし、現れたのは…馬に乗った可愛い女の子でした。
金色の綺麗な髪にエメラルドのように輝く瞳…それから長く尖った耳。
思わずボウっと見とれてしまうほどです。
そう言えば私の見た目ってどんなものなんでしょうか…と少し思考がそれた時、

「あの、これはいったい……。
それに貴方は?」

ハッとしました。
これはいったい、とは恐らくこの惨状の事を言っているのでしょう。
私がやりました!なんて言ったら何をされるか分かりませんが…説明した方が良い、のでしょうか。
後々バレて大変な事になるよりはマシ、ですよね…?

「えっと………。私は、ノエル…です。」

差程意識して自分の声を聞いていませんでしたが、若干幼い声です。
若い方なのでしょうか…?

「これは、その……えっと………。
わ、私が…私がファイヤーボールで…。」

と、どもりつつも説明していましたが
この方は驚いた様な表情で聞いていました。
信じられない、と言いたげな表情で
それでも馬鹿にはせず真剣に聞いてくれました。
色々な事を質問され最後に、種族は?
と聞かれました。
正直に答えましたが、矢張り驚かれてしまいました。
これは隠しておいた方が良さそうですね。
あと、家族について聞かれましたが
分からない、気付いたらここにいた、と言っておきました。
ほぼ嘘ではないからセーフですよね?

全て質問に答えると、
一緒に来てと言われました。
一見優しそうな人なので着いて行く事にしました。
いざとなれば、魔法を使って逃げればいいですしね!
そう言えば、他の人のステイタスも見れるようで…。
なんとこの女性はエルフ族と人族のハーフだそうです!
エルフ族!そう、エルフ族ですよ!
あのファンタジーでは超有名なあの!
名前はレティシア・スレイドと言うそうです(ステイタス画面で見ました)。

「あぁ、私はレティシアと言います。
周りにはよくティアと呼ばれるので、ぜひそう呼んでね、ノエルちゃん。」

微笑み、そう言うレティシアさんはとっても綺麗で女の私でも惚れそうでした。

「はい、よろしくお願いします!
ティアさん。」

頷いた後、私を馬に乗せてティアさんも乗り、ティアさんのお家に帰る事になりました。

馬というものは移動するのは速いですが、
乗って少ししてからお尻がとても痛くなりました。
早くティアさんのお家に着いてくれ…と
願うばかりです。
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