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国王陛下と第2王子

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この世界に来て、1度目の朝。
まぁ何とも中途半端な夢を見たので若干不機嫌です。
それは朝食が美味しかったので良しとしますが…。
いったい、誰に……。

「………ちゃん、………ノ……ちゃ……。」

うーん、でも今日は前の話し合いの続きだけだから何も起こらないよねー。

「ノエルちゃん!」

「ひゃえ!?」

考え事をしているうちに、私の真横にティアさんが立っていました。
深く考えすぎて、全く気付いていませんでした。
めちゃくちゃビックリして、変な声が出てしまった!恥ずかしい!

「ノエルちゃん、考え事?」

「え?いえ…。あの、何かあったんですか…?」

「あー、うん。そうなんだよぉ。」

苦笑いを浮かべながら、ティアさんは言った。
なんでも、国王陛下にお会いする事になるとか………。
私の事が国王陛下にバレてもいいのですか?と聞いてみましたが…良いそうです。え、いいのか…?
ただ、私の事がバレてはいけない人が王宮には居るそうなので、王様と第2王子、それから信頼できる騎士が3名で、王宮では無い所で会うとか。
いつお会いするのか聞くと、今日…らしいです。
なんでも、時間が無いらしく(まぁ一国の王様だと王子様だものね)今日しか時間が開いてないとか。
それは、仕方ない。
昼食後にすぐ示し合わせた場所に集合し、会うとの事で…。
ドレスとか持ってない私は、この世界に来た時のままの服という訳にもいかず、ティアさんのお古を貸してもらうことになった。
ちなみに、私が今使っていた寝間着もティアさんのお古で、お世話になりっぱなしだな……。

その後、ほんの少しだけ話し合いをひてから昼食を食べて、馬車(結構キレイ)に乗って向かうのでした。
正直、緊張して口からリバースしそうですよハイ。

「ノエルちゃん、緊張してる?」

「………はい、物凄く。」

苦笑いを浮かべつつ返答した。
私もよ、なんてティアさんは言うけどたぶん貴族だから多少は慣れているんだろうね。
少しは緊張してる感じだけど、その顔には矢張り余裕がある。
スレイド伯爵とエアリオさんも余裕そうなので、めちゃくちゃ緊張してるのは私だけです。
………べ、別に私だけ緊張してるーとかいじけてませんからね!
ないからね!?







ガタン、と馬車が停止した。
どうやら到着したらしい。
おうふ…緊張MAXですよ。
馬車から降りようとした時、あまりの緊張でリバースしそうだったからなのか、フラリとよろめいた。
あぁ、そう言えば私は前世で乗り物酔いしてたな…。
危うく地面に激突…なんて事にはならず、ぽふっと誰かに受け止められた。
ティアさんのお胸はフカフカ(断じて羨ましいとかそういう訳では無い)なので、かたいと言う事はこれは男の人ですね。
なんというか…暖かくて、その…抱きとめられたので安心して……端的に言うと受け止められたまま寝てしまいました。
……だ、だってまだ13歳だもんね!
この世界の平均寿命からみたら、まだお子様だからね!?
仕方ないんですよ!!
行く時に、ここでは馬車が主流の移動手段だって言ってましたから、これは酔い止めとか必要だなぁ。
よろめいて倒れそうになったからか、周りが少し騒がしくなったが…そのまま寝ていた。
フワフワと眠っていた中、まだ少しあった意識も手放して、そのまま私は熟睡した。
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