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DAY3-1 怪しい占い師のウワサ
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「ねぇ凛々、紅葉橋のそばで占いをしてもらえるの、知ってる?」
「…ングッ!」
給食の時間に沙弥がそう話しかけてきた。まさに飲み込もうとしていたクリームシチューは、行き先を間違えたようだ。
「ゴッホ!ゴッホゴホ!」
「え、大丈夫?そんなに驚かせちゃった?」
「…ちがう…ごめん、むせただけ」
私は急いで制服のポケットからハンカチを取り出して、口元をぬぐう。
「きたねーな(笑)」
「ごめんあそばせ」
同じ班の西村のからかいをサラッと流して話を戻す。
「えっと…占いをしてもらえるって?」
「そうなの、凛々は紅葉橋のほう通ると遠回りになるから知らなかったよね?」
「う…うん…」
「一週間後に死ぬ」と占われたとは言えず、嘘をついてしまう。
「え、その話オレも聞いた。当たんの?」
同じく班が一緒の八田が話に参加してくる。
「当たるらしいよー!二組の藤井綾ちゃんが、占いで今頑張ればうまくいくって言われたから、ずっと好きだった人に告ったら両想いになれたんだって」
え、そんな当たるの…。
ヤバイ、心臓がドキドキしてきた。
「藤井ちゃんかぁ…」
西村は悲しげな目をしてシチューをすくった。
「藤井ちゃんなら占いなんてカンケーなく、誰に告っても即OKでしょ」
八田はパンにかじりつきながら、笑い飛ばす。
まぁ、そうかも、綾は本当に美少女で、学年一可愛いって評判だし。最近話してなかったけど、一年の時クラスが一緒で仲良かったんだよね。話聞きたいなぁ。
「えー」
沙弥は不服そうな声を出す。
「凛々は?凛々もそう思う?」
「わ、わかんない…。占いとか詳しくなくて…でも、元からいい感じだったなら、どっちかが告白すればうまくいくかもね」
「もー!みんな夢がないなぁ!そーだ!ねぇ凛々!今日の帰り、一緒に占いに行ってみない?」
「ゴッホ!ゴッホゴホ!」
今度は牛乳が大変なことに…。
「おまえ、今日どうしたん?」
「病気?」
「わ、わかんない。風邪なのかも…。ごめん、沙弥。今日は早く帰って休むわ」
「わかった~、おだいじにね」
~♪
給食終了の曲が流れる。この音楽を合図にみんな、後片付けを始めるんだけど、私は全然食べ終わってなかった。
「ごちそうさま~」
班のみんながトレーを持って席を立っていく。
うう、ヤバイ。早く食べなくちゃ。
そもそもさぁ、量が多いんだよ。私みたいなチビにこんなでっかいパン食べきれるわけないじゃん。残しちゃダメなルールじゃないけど、残すのって罪悪感があるし…。シチューをもくもくと食べながらパンをにらんでいると、すっと大きな手が現れてパンが消えた。
「瀬名!」
見上げると瀬名は私のパンを食べていた。
「足りねーからもらっとくわ」
そうは言うけど、瀬名は私が食べきれないのに気付いて食べてくれたのだと分かっている。今まで何度か同じ班になったことがあるけど、そのたびに食べるのを手伝ってくれていた。
「…あ、ありがと」
瀬名はまた私の頭をポンとたたいて、黙って教室から出ていった。
頭にいつまでも大きな手の感触が残って、消えなかった。
「…ングッ!」
給食の時間に沙弥がそう話しかけてきた。まさに飲み込もうとしていたクリームシチューは、行き先を間違えたようだ。
「ゴッホ!ゴッホゴホ!」
「え、大丈夫?そんなに驚かせちゃった?」
「…ちがう…ごめん、むせただけ」
私は急いで制服のポケットからハンカチを取り出して、口元をぬぐう。
「きたねーな(笑)」
「ごめんあそばせ」
同じ班の西村のからかいをサラッと流して話を戻す。
「えっと…占いをしてもらえるって?」
「そうなの、凛々は紅葉橋のほう通ると遠回りになるから知らなかったよね?」
「う…うん…」
「一週間後に死ぬ」と占われたとは言えず、嘘をついてしまう。
「え、その話オレも聞いた。当たんの?」
同じく班が一緒の八田が話に参加してくる。
「当たるらしいよー!二組の藤井綾ちゃんが、占いで今頑張ればうまくいくって言われたから、ずっと好きだった人に告ったら両想いになれたんだって」
え、そんな当たるの…。
ヤバイ、心臓がドキドキしてきた。
「藤井ちゃんかぁ…」
西村は悲しげな目をしてシチューをすくった。
「藤井ちゃんなら占いなんてカンケーなく、誰に告っても即OKでしょ」
八田はパンにかじりつきながら、笑い飛ばす。
まぁ、そうかも、綾は本当に美少女で、学年一可愛いって評判だし。最近話してなかったけど、一年の時クラスが一緒で仲良かったんだよね。話聞きたいなぁ。
「えー」
沙弥は不服そうな声を出す。
「凛々は?凛々もそう思う?」
「わ、わかんない…。占いとか詳しくなくて…でも、元からいい感じだったなら、どっちかが告白すればうまくいくかもね」
「もー!みんな夢がないなぁ!そーだ!ねぇ凛々!今日の帰り、一緒に占いに行ってみない?」
「ゴッホ!ゴッホゴホ!」
今度は牛乳が大変なことに…。
「おまえ、今日どうしたん?」
「病気?」
「わ、わかんない。風邪なのかも…。ごめん、沙弥。今日は早く帰って休むわ」
「わかった~、おだいじにね」
~♪
給食終了の曲が流れる。この音楽を合図にみんな、後片付けを始めるんだけど、私は全然食べ終わってなかった。
「ごちそうさま~」
班のみんながトレーを持って席を立っていく。
うう、ヤバイ。早く食べなくちゃ。
そもそもさぁ、量が多いんだよ。私みたいなチビにこんなでっかいパン食べきれるわけないじゃん。残しちゃダメなルールじゃないけど、残すのって罪悪感があるし…。シチューをもくもくと食べながらパンをにらんでいると、すっと大きな手が現れてパンが消えた。
「瀬名!」
見上げると瀬名は私のパンを食べていた。
「足りねーからもらっとくわ」
そうは言うけど、瀬名は私が食べきれないのに気付いて食べてくれたのだと分かっている。今まで何度か同じ班になったことがあるけど、そのたびに食べるのを手伝ってくれていた。
「…あ、ありがと」
瀬名はまた私の頭をポンとたたいて、黙って教室から出ていった。
頭にいつまでも大きな手の感触が残って、消えなかった。
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