死にたがりJCと占い師のアイスクリーム

四季苺

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A day after the day-3 瀬名との約束

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「準備できた?」
「おう、バッチリだ」
 占い師とアイスを食べてから、家に帰って勉強や夕食を済ませて、今私は瀬名とオンラインでゲームをしている。ボイスチャットをつないでいるので、会話もしながらできて楽しい。無事に約束を果たせて、本当に良かった。
「おぬし、なかなかやるな」
「何キャラなんだよ」
「あははっ」
 こんなに楽しいならもっと早くゲームが好きだって言えば良かったなぁと言うと、瀬名は「また何回だってできんだろ」と言った。

 そうだね、生きていれば…。

「あー、もう十時か。あと一回で終わりにしようぜ。明日も学校だし」
「そだね、何やろうか」
 そこで私はピンとひらめく。
「あのさ、最後は二人対戦にしよ?それで、瀬名は動かないでじっとしててね?」
「なんだそれ、意味あんのかよ」
「あるある♪」
 私は頭の中で画面全体を思い描きながら、インクを広げていく。あっちに走り、こっちに走りながら、気持ちをこめて。途中、瀬名のキャラクターの横を通りすぎた時、思わず笑ってしまった。
「なんだよ」
「なんでもないよ」

 今まで、たくさん優しさをくれたよね。
 それがどういう意味を持ってるか、気付かないふりをしてごめんね。
 でも、もう自分の気持ちをごまかすのはやめるから―――。

 ピピーッ!
 ゲーム終了のホイッスル音がして、地面にお互いのインクがどれだけぬられているのかわかる画面に切り替わる。
「…すげぇな」
「あははっ」
 画面には、私のインクで「スキ」と文字が浮かび上がっている。画面全体を使って文字を書くのは、たまにやっていたんだ。
 「でも」と瀬名は続けた。

「俺から言いたかったんだけどな」
 拗ねたみたいな声が可愛くて、私はまた笑ってしまう。
「じゃあ、どうぞ?」
 からかうみたいに言ってしまったので、怒るかと思ったのに、瀬名は少しだけ黙った後、「ずっと好きだったし、これからもずっと好きだ」と言ってくれた。
 その言葉は、昼間に飲み干したとろけたキャラメルリボンよりも甘くて。
 
 私は生きていてよかったな、と心から思ったのだった。
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