一人暮らしの欲求不満女④~壁の向こう・おまけ~

夢咲忍

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第10章

侵入した男

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 浩介は学校をサボって亜稀のアパートを訪ねようと向かった。駅から歩いて、もうすぐアパートに着くという所でヲタクっぽい男の姿を見つけた。
(あまり見かけない男だな。俺と同じ方へ向かってる。ちょっと様子を見るか。)
浩介はその男から距離をおいて、尾行した。亜稀のアパートに近づくと何か悪い予感がしたので、浩介は物陰に隠れた。男からは見えない。コッソリと男の行動を見張ると、亜稀の住むアパートの所でキョロキョロと周りを見回してから中に入って行く。いかにも怪しい。浩介も辺りを見回してからアパートに近づく。男はアパートの廊下を奥に進んだだろうと思われる。浩介はアパートの入口で一旦止まり、また辺りを見回す。人影は無い。1階の廊下の奥に目をやると、男は亜稀の部屋105号室のドアの前にしゃがみこんだ。何か道具を鍵穴に差し込む様子が見える。その男は1分もしないうちにドアをそっと開けて侵入する。
(空き巣だっ!)
浩介は足音を立てないように早足で105号室に向かう。ドアの前に立ち、ドアに耳を付け、中の様子をうかがう。静かではあるが、何かカタカタと音が聞こえる。引き出しを開ける音だろうか。そんなに大きな音を立てることは無い。とても静かだ。更に続けて中の物音を聞いていると、何やらベルトを外す音とファスナーを開ける音が聞こえた。
(ん?何だ、この音は…)
浩介の頭に浮かんだのは、洋服を脱ぐこと。
(こいつ、変態か?物盗りではなく、亜稀ちゃんのストーカーか?)
その後に聞こえてきたのは、
パシャッ、パシャッ
(何かを撮影しているな。)
浩介はポケットから亜稀の部屋の鍵を取り出した。音を立てないよう細心の注意を払い、鍵を開けた。
 そっとドアを小さめに開き、スルリと体を中に忍ばせる。息を潜め玄関にしゃがむ。1Kという間取りなので、玄関からすぐに男は見える。
 男はパンティとブラジャーを床に広げて、スマートフォンで撮影した後の画像を確認しているようだ。画面を覗き、満足そうに頷いている。そして、更に撮影を続ける。ラグの上に下着の上下を合わせ、撮影する。
パシャッ、パシャッ
次々に撮影する。男は既に下半身を丸出しにしていて、ペニスがパンパンに張っている。先走り液も垂れている様子だ。それを指先でペニスに塗り広げ、亀頭から幹まで全体をヌルヌルにする。そして、床に腰を下ろし、それをしごく。
シコシコシコシコ…
浩介の存在には全く気づいていない。男は下着のひとつひとつに目をやる。そして、目を閉じ、ニヤリとした嫌らしい笑みを浮かべる。
クチュクチュ… ヌルヌル…
シコシコシコシコシコシコシコシコ…
男は恍惚とした表情に変わっていく。
「んっ、んんっ…」
男は唸りながらペニスをしごく。
シコシコシコシコシコシコ…
(亜稀ちゃんの下着に集中しているのか?亜稀ちゃんの顔を知っているのか?この男は周りを気にしてなさそうだ。)
シコシコシコシコシコシコシコシコ…
「うっ、うっ、はぁ、はぁ…」
男が唸り声をあげ、もうすぐ絶頂に達しそうな感じがあった。
(俺の目の前でイカせてたまるか!)
浩介は靴を履いたまま、フロアに上がる。そして、男の斜め後ろからスマートフォンのレンズを向けた。
「んっ?」
男は浩介の気配を感じたのか、振り向いた。
「はいっ、そこまで!」
「えっ!」
男はしごく手を止めて、浩介を見る。浩介はシャッター音の出ない撮影アプリを使って、男が下着を見ながらオナニーしていたところを撮影していたのだ。男は一瞬ハッとした表情をして浩介に向かって、
「誰だ!?」
と言った。下半身を丸出しにして、ペニスを握りながら…。
「お前こそ、誰だ?この部屋に忍び込んで、オナってるお前は誰なんだ?」
男は腰を下ろしてパンツも履いてないし、逃げられる状態ではない。
「ストーカーか?ここの女をつけ回してるのか?」
浩介は問い詰めた。
「警察に通報するぞ?」
(とりあえず、これは言っておこう。)
浩介はこれからどうするか考えながらも、この言葉は言っておこうと思った。
「申し訳ありません。」
男は姿勢を変え、床に頭を擦り付け、土下座した。浩介は近づき、
「とりあえず説明しろ!」
と言い、男を見下ろした。
 話を聞くと、この付近でパスケースを拾い、その中に入っていた運転免許証により住所を知り、交番で顔を見て美人だと思い、後から侵入した、と。今日が2回目であると言う。浩介は、ここの家主である女性の知り合いだと男に言っておいた。姉弟であることは言わなかった。そして、知らない男が部屋に侵入してオナニーしていたことを女性に話せば必ず警察に知らせることになるだろう。黙っててやる替わりに1ヶ月以内に俺が喜ぶことをしろ!と言ってやった。具体的には言わなかったが。スマートフォンを出させ、連絡先を聞いておいた。
それを宿題のように持ち帰らせ、何か思い付いたら連絡するよう伝えた。
(亜稀ちゃんが留守じゃなかったら、亜稀ちゃんはどうなっただろう。あの野郎、いい話を持って来なかったら、何かで脅してやろうか。)
浩介はそう考えて、部屋を見回した。男の痕跡が無いか…
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