一人暮らしの欲求不満女①~壁の向こう~

夢咲忍

文字の大きさ
6 / 9
第5章

夜の203号室

しおりを挟む
(はぁ、また寝ちゃったよ。今、何時だ?)

スマートフォンを手に取り、夜8時を過ぎていることがわかった。

(今日もオナニーしかしなかったなぁ。いつもと同じだ。俺はずっとこんなのばっかりだ。)

 スマートフォンを見ても着信が無ければメッセージの通知もない。

(友達いないもんなぁ、俺。彼女もいないし、毎日つまんねぇなぁ…)

 俺はいつも仕事と休日のオナニーを繰り返している。何も変わりはない。刺激と言えばアダルト動画ぐらいだ。

「あっ、良いこと考えたっ!」

つい声に出てしまった。

(そうだ、そうだ、子供の頃に聞いたことがあるやつ、実際どうなんだろう…)

「えっと、こっちが… だから…」

俺は食器棚から小さなコップを取ってきた。ビールメーカーの名前が入った小さなコップだ。そして、202号室がある側の壁に、まるで聴診器をあてるかのようにした。それから、そのコップの底に空気が入らないぐらい耳をピッタリとくっ付けるのだ。

(んー、無音だなぁ。これじゃ何の意味も無いのか?無駄なのか?)

しばらく黙ってそのまま様子を見た。

『ああっ…』

(ん?確かに隣の202号室から聞こえた。これは舞ちゃんの声だったのか?それとも俺の妄想か?)

どちらにしても俺は興奮してきた。

(舞ちゃんが彼氏を連れ込んでいるのか?それともオナニーでもしてるのか?)

もう俺はコップから耳を離せなくなった。

(このコップ作戦は思いの外、聞こえるものだな。)

『ヌプッ、ヌプッ…』

何か湿った音がした。何かをかき混ぜようとしたみたいな…

 そのすぐ後に聞こえてきたのが、

『あっ、いい…』

『ヌチャ、ヌチャ…』

コップから分かるのは1人分の気配だけ。恐らく彼氏を連れ込んだのではなく、舞ちゃんはオナニーをしているのだ。

(おぉぉっ、何という偶然。コップ作戦を思いついたその時に、舞ちゃんがオナニーしてるなんて!)

 今日は何回射精しただろうか。そんなことは関係なく、俺のペニスはギンギンに硬くなっている。剥き出しのペニスを握り、しごき始める。

『んっ、んあっ…』

『ヌチャヌチャ、ヌチャヌチャ…』

(舞ちゃん、なんて声出してるんだ。あんな清楚な顔して、こんな声を… それにしても激しいな。かなりビショビショになってそうだ。スケベ汁を溢れさせてるな。床を濡らしちゃうんじゃないかな。垂らすぐらいなら、俺が全部飲み干したい。)

しごく手が激しくなる。

(舞ちゃん、欲しいなら俺に言ってよ。自分の指じゃなくて、ここにペニスがあるんだから使ってよ。)

「あっ、気持ちいいよっ、舞ちゃん…」

 202号室からは舞ちゃんのセクシーな声がどんどん聞こえてくる。『んっ、んっ…』

『あっ… いいわ…』

『グチュ、グチュ…』

『んあっ…』

(舞ちゃん、そんなにかき混ぜてほしいなら、俺のペニスでかき混ぜてあげるよ。)

しごく手に力が入る。

『んっ、んっ、そこ、そこ気持ちいい…』

(舞ちゃん、ここだろ?そう、奥だよね。気持ちいいでしょ?)

『あっ、あっ、ダメ、イキそうよ。イッていい?あ、我慢出来ない。イク、イッちゃう…あぁ…』

(舞ちゃん、一緒にイこう!中に出していい?イクよ!出るっ!うっ…)

ビュッ、ビュッ、ビュビュッ…

興奮しすぎたのか、もう今日は何回目だろうか。まだこんなに出るのか、と言うほど沢山の精液を噴出した。

「舞ちゃん、また今度一緒にやろうね。」

ボソッと口から願望が溢れてしまった。

「ふぅ、最高に気持ち良かった。また本物の女体を感じてみたいな!」

 汚れた床を拭きもせず、ベッドに仰向けになって眠りに落ちた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

処理中です...