呪術師はキモいと言われ捨てられたので魔王軍につく

いつき

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呪術師はキモいと言われ捨てられたので魔王軍につく

神聖勇者パーティに所属していた呪術師・ゾグ=ゾグリウス。
彼は日陰者ながらも仲間を支え続けてきたが——

「ゾグ、お前……なんかキモいから、抜けてくれ。」

そう言われてパーティを追い出された。
呪いの魔法、屍を操る術、不気味な笑い声。
すべて「雰囲気が悪い」と言われて。

傷心のゾグは、思わずこうつぶやく。

「……魔王軍、入ろうかな。」
お前……魔王城の門の前で何してんの?」

門番のオークがあきれ顔で見下ろす。
ボロボロのローブにガイコツの杖、全身から漂うジメッとした負のオーラ。

ゾグは胸を張った。

「志願しに来た。魔王軍、募集中だと聞いて。」

「……あ、うん。まぁ入れ。」

こうしてゾグは、魔王軍に入隊した。

魔王軍では、ゾグの「不気味な笑い」や「意味深な呪いの言葉」が逆に大好評。

・「ゾグさんの呪いボイスで兵の士気が上がる(恐怖的な意味で)」
・「ゾグさんが通るだけで敵兵が逃げ出す」
・「ゾグさんが部屋に入ると室温が3度下がるので暑い日に助かる」

最初は距離を取っていた幹部たちも、だんだんゾグに心を開いていった。

魔王城、地下回廊。
重く響く鉄扉が、ギィ……と開いた。

「久しぶりだな、ゾグ。」
金髪の勇者レオンが、剣を肩に担いで言う。
後ろには、神官リリー、剣士ガルド、狩人ミーナ。

かつての仲間たち。
だが今、その目に友情はなかった。

「お前、まだ気持ち悪い魔法使ってるのか?」
「なんかジメジメしてるんだよね~、昔から。」
「魔王軍に行くとか、裏切り者じゃん。」

ゾグはゆっくりと立ち上がる。
ボロボロのローブが闇に溶けるように揺れる。

「裏切ったのは……貴様らだ。」

杖を一振り。

◆【呪術:黒ノ契印】
 ― 黒い紋章が床に走る。空間が歪み、闇が吹き上がる!

「なっ……何だこれ!?」
勇者たちの足元に、無数の影が絡みつく。



🔥第一幕:ゾグ vs 勇者レオン

「食らえ!聖剣・光断!」

レオンの剣が白く輝き、闇を裂く。
が、ゾグは微動だにしない。

「……なるほど。相変わらず、脳筋だな。」

◆【呪術:嘲笑ノ面】
 ― 空中に現れた巨大な能面が、不気味に笑いながら叫ぶ。

「“勇者の自信”、いただきます。」

レオンの剣から光が消える。
足が震え出す。
自分の攻撃が当たる気がしない。

「くそ……なんだ、この……」

「それが、“自己効力感破壊の呪”だ。」



⚔️第二幕:ゾグ vs 剣士ガルド&狩人ミーナ

「ゾグ!お前の呪いなんて、斬れば終わりだッ!」
ガルドが猛突進、ミーナが弓を連射!

ゾグは静かに囁く。

◆【呪術:不協ノ囁き】
 ― “仲間を疑え”という幻聴が、二人の耳に。

「……おい、ミーナ、今の矢、俺に当たったぞ。」
「は?そっちが動いたからじゃん!」

「……裏切る気か?」
「そっちこそ!!」

◆【効果:同士討ち発生】

ゾグ「ふふ……友情、脆きものだな。」



💀最終幕:ゾグ vs 神官リリー

「ゾグ……私たち、友達だったじゃない……」

ゾグは一瞬、目を伏せる。

「……そう思っていた。だが、違った。」

◆【呪術:記憶ノ改変(自分に都合よく)】
 ― リリーの脳に、「過去に自分がゾグを裏切った記憶」が増幅される。

「……私……私、ゾグを……!?」
心が崩れ、祈りの力が発動しなくなる。



⚡終幕

元・勇者パーティは、戦意喪失。
ボロボロになって、魔王城を後にする。

ゾグは、魔王軍の兵士たちに囲まれる。
皆が、尊敬と恐怖の混じったまなざしを向けていた。

「ゾグ様……今の戦い、まさに闇の芸術です……!」

ゾグは静かに答えた。

「俺は、“キモい”と言われた。それでいい。
 闇が、俺の居場所なのだから。」

そして、誰にも聞こえない声でつぶやく。

「だがもし、また裏切られる日が来たら……
 その時は、世界を呪うだけだ。」

──彼の杖は、今日も静かに笑っている。
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