日常平凡

ムロヒ

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春の季節: バイト2日目魔王現れる

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4月15日
朝5時58分

「う~…」
キツい…トイレ………

“ジリリリリリリリリ”

6時にセットしたスマホのアラームが鳴る

「……」
う~あと少し寝よ…

私はベットからすぐには起きずいつものようにベットの上であぐらをかいて静かに目を閉じる

6時20分

“ジリリリリリリリリ”

スマホのアラームが鳴り響く
アラームの音でビクっとした

「は!」
私寝てた…良かった二度寝防止に20分にアラーム設定してて


私は20分おきにアラームをセットしていた

「う~トイレ…」

トイレに向かっているとものすごい音が聞こえてくる

“ごぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉごおおおおおぉぉぉっ”

「お兄ちゃんめ!」
今度耳を剥ぎ取っと冒険者ギルドに素材として売ってやる!

私はスマホを片手にトイレに入る

「ふぅ~」
今日はバイト2日目かぁ…

“ジャァァァァ”

トイレから出て一階に降りる

「はぁ…」
今日からバスでバイトに行くかぁ…

台所ではお母さんが朝ごはんを作っていた

「今日は余裕持って起きれたのね!朝ごはん作ったから食べて行きなさい!」

朝ごはんはご飯に卵焼き

「え~何でパンじゃないの?今日はパンの日でしょ?」

「知るか!パンの日って何だよ初めて聞いたわ!文句言わずに食べろまた遅れるわよ!」

「今日は大丈夫!初日だけ20分前出勤だった5分前にタイムカード押せば良いって!」

私は朝ご飯を食べ始める

6時40分
“ジリリリリリリリリ”

スマホのアラームが鳴る

「わぁびっくりした!!」

「大袈裟なこれくらいでびっくりしないでよ」

「びっくりするでしょ!
もう起きてるんだからアラーム鳴らす必要ないでしょ!OFFにしておきなさいお父さんはまだ寝てるのよ!」

「分かったよこれは保険だったのに!」

「何が保険よ!家から近いからってゆっくりしてると遅刻するよ!」

「分かってるわよいちいちうるさい!」

私はご飯を食べ終え
歯を磨きに洗面へ

「…」
流石に早く起きすぎたかな

私はスマホのカーナビアプリを開きバスで何分にバイト先に着くか調べた

「バスで11分か…」
まだ余裕があるわね

私が歯を磨いていると私の後ろからお母さんの声が

「やよい~お母さん今日早番だからもう家出るよ!戸締りちゃんとしてよ!それとテーブルに置いてある紙にあんたの名前書いて!今すぐ!これ持って行くから!」

「言われなくても分かってるってば!何を書くの?私の名前?」

私は言われるがままお母さんの指示に嫌々従う朝から鬱陶しいし早く仕事行け!!

「もう早くいけ!あ!ちょっと待ってお母さん!早番なら今日仕事終わるの早いの?」

「残念!
早番でもあんたと違ってお母さんは夕方の4時には帰って来るから!」

「ちっ!」
帰りもバスか…

歯も磨き終え再び自分の部屋へと戻る

「やばっ」
私まだパジャマだった!着替えなきゃ

私は黒のTシャツに黒のパンツに着替えた

「黒ずくめ…」
まぁ上から支給された制服着るんだしこれでもいいか!

一階に降りリビングにある3人がけソファに座る

「まだ7時…」
結構余裕がある明日から7時に起きよ!

ダラダラと時間を過ごしてふと私が乗るバスは何時にバス停に着くのか調べた

「うわぁ!」
8時って何でだよ!その前のバスは来ないのか?

私の19年の人生でバスに乗ったことがなかったゆえ本数が少ない事に初めて知った
8時のバスより前のバスが来るのは7時だった

スマホで時間を見ると7時10分

「もう7時すぎてるじゃん!もう歩いて行くしかない」

私は急いでカバンを取り結局バスで行けず歩いて行く羽目に




7時40分

「はぁはぁ…」
遂にバイト先着いた…疲れた……今から仕事するのにもう疲れた…何でこんな事に…

私は店に入りバックヤードに入る

“ビーカシャ”

タイプカードは【7時43分】と印字される
バックヤードを出ると
レジには奈緒子先輩がタバコを陳列していた

「おはようございます先輩!」

「おはよう!やよいちゃん!今日もよろしくね」

「よろしくです!」

私は奈緒子先輩とレジでプライベートな話をしていた

「でさ信じられる?私の行く先々に顔を出すの!偶然を装ってさ!かなり私の彼氏束縛が激しいわけ!」

「そうなんですね…」

「今彼氏どこにいると思う?」

「え?そんな事分かるわけないですよ!」

「外見て!あの車が彼の車!バイトが終わるまで駐車場で待ってるって!恐ろしいでしょ!」

「ははっ!そうですね恐ろしいです!」

私と先輩は笑いながら楽しく会話をしていると

“テレテレテェレェテレテレテェ”

勢いよく店に入ってきた男性に怒鳴られた

「おい!!
お前ら何喋って仕事している!!
外から丸見えでよ!バカみたいにヘラヘラして!お前は新人か?
特にお前!先輩だろ?
仕事中は私語は慎めって言われなかったか?先輩らしい態度しろよ!!!」

「すいませんでした…」

「すいませんでしたじゃねーよ!何年この仕事してる?お前バカなのか?」

突然入ってきた男性にすごい剣幕で一方的に先輩は怒鳴られた
ひたすら謝る先輩の姿
突然の出来事に先輩が叱られて私の体は硬直し体が熱くなり心臓がはり避けそうになる…
決してこの男性は私には怒らないそれが1番嫌だった私も楽しく喋っていたのに私だけ怒られない…
私が怒られていないけどやばい泣きそう…
私に謝る隙も与えないくらい早口で先輩を怒鳴る…

私は心の中でずっと謝っていた
ごめなさい…ごめんなさい…ごめん…なさい…
それは男性に対してではなく先輩に対しての申し訳ない気持ちが大きかった…


「いいか!2度と私語するなよ!!」

「はい!」

「お前も!」

私にかけた言葉は“お前も”だけだった…

私の手は熱く震えていた泣くのを必死に堪える初めてこんなに怒鳴られた事は親にだって無かった…

一通り怒鳴るとその男性はバックヤードに入って行った

「…」

「…」

私と先輩は無言のまましばらく沈黙が続いた



5分経った時
バックヤードから男性が顔をだし先輩を見て“こっちこい!”と手振りした

その後
1時間後に先輩は戻って来た

後ろで何を喋っているのか気になる…
あんなに怒鳴ったのにまだ怒られるの?…
先輩…

先輩は私のいるレジに戻って来た

「先輩…すいませんでした……」
最悪だ……

「しっ…今は喋らないで…」

先輩はボソッと言ってお菓子コーナーに行き商品を綺麗に並べて直す

今は喋るなって事みたい

さらに30分後バックヤードに居た男性は偉そうな態度で出て来たと思えばそのまま外へと出て居なくなった

私は男性の姿が見えなくなると改めて
奈緒子先輩に謝った

「なんかすいませんでした…私だけ怒られなくて……」

「ううん大丈夫!こっち来て!商品を綺麗に並べ直しながら喋ればいい!外からじゃ仕事してるように見えるでしょ!?」

「そうですね!」

私は小さい声で先輩に質問した外からちゃんと仕事をしているよう見えるように

「あの人誰なんですか?」

「あの人は店長よ!」

「はぁやっぱり…途中で薄々店長だろうなって思っていました…」

「店長は私達の間で魔王って呼ばれているの」

「魔王…怖いですね……」

「でしょ!!」

「1時間も何喋ってたんですか?」

「え?業務の事よ?」

私は先輩に気を使わせてしまった…
絶対私の事を喋っていたんだと思う…

それから私はレジの打ち方や8時~14時まで行なう業務内容を奈緒子先輩に教えてもらった
一通り流れを教えてもらった私はメモしてこの日のバイトは終了した

“ビーカシャ”

タイムカードは“14時10分”と印字された

帰り際に私は奈緒子先輩に1ヶ月のスケジュールを渡された店長が渡しておけと言っていたみたいだ

この日のバイトは初日と違って遅く感じた

「はぁ」
今日は時間がものすごく遅く感じた…続ける気がしない…

もう帰りたい…

私はスマホでバスが来る時刻を調べた

「ん?」
今からだと30分後か

私は歩きながらバス停に向かう
歩きながらスマホを見ていると1通のメールが届いていたそれはお母さんからだった

“今日バイト終わったら午後から教習所行って来てよ~♡ 
入校手続きはお母さんが済ましてあるから♡
適性検査があるからメガネ忘れないでよ!
筆記用具を忘れずに♡善は急げ♡♡♡”

「なぜ今日?なぜ今日なんだ…それにキモい!
なぜハートをつける??いつの間に手続きを…」

“行かん!!
何で勝手にやってくれたな!
  \\\٩(๑`^´๑)۶////”

私はメールを送り返した

10分後お母さんからメールが返ってくる

“それに勝手にじゃ無いわよ!あんたに今日の朝書類書かせたでしょ!お金はもう振り込んでいるんだからね!行きなさいよ!”

確かに何か書いた記憶がある…

立て続けにお母さんからメールが届く

“今日の夕飯焼肉だから!”

よし!行くか!!

私は教習所に必要な書類を準備し教習所へと向かった

その日は
オリエンテーションをし適性検査をした後
学科①を受けた最後はシュミレーションをし終わった

私が外に出ると辺りは夜になり少し肌寒い

「何で4月なのに寒いのよ!!」

スマホで時間を確認すると20時30分になっていた

「あ~だるぅ~」
夕飯肉じゃ無かったら一生口効かない



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