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三章 ハーレム編

七十一 そろそろヒムートの番だよね

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 「アルラン君、ロニエの事をお願いね」
 「はい。友情の女神に誓って必ずお守りします」

 俺は、ロニエを置いて行く事を決めたのでアルランにロニエを守ってもらう事にした。
 まあ、実力的には剣王ジーク並に強いので問題ないが。

 「アルラン君、間違ってもロニエに手を出したら許さないからね、ラッキースケベ展開すらも許さないからね」
 
 アルラン君は金髪のイケメン青年だ、そして守るロニエは金髪の超絶可愛い女の子だ、俺よりお似合いなのは間違いない。心配だ。ロニエがアルラン君にネトラレる気がしないでもない。この世界の残酷せいを知っている俺は心配が止まらない。

 「手を出すなら、イリアに出してね、体の作りは同じようなものだからね」
 「天野様、それは流石に酷いです。私はまだバージンですよ。天野様に捧げる為に守ってきたのです」
 
 さてバージンとは何だろう。けして人妻から聞こえて来るセリフじゃない気がする。
 まあいいや。

 「ロニエ、大好きだよ。セレナがポンコツだから連れてはいけないけど本当は一秒たりともロニエから離れたくないんだよ」
 「ヒカル様、一週間はヒカル様の衰弱が始まってしまいます。セレナさんを一日一回は必ず抱かなくてはいけませんよ」
 「ん? ロニエは? 俺がいなくて大丈夫?」
 「.......ロニエの事はロニエにお任せください。ヒカル様に沢山貰ったのでしばらくは大丈夫です。今はヒムートさんをどうしたいのかだけを考えてください。ロニエは行けないのでセレナさんと考えるのですよ」
 「.......ねぇロニエも一回エッチしていこうか?」
 「ヒカル様!! .......お願いします」

 ということでもう一度ロニエと濃厚エッチをしてロニエの希望で精子を大量にロニエにかけまくった後。

 「ダーリンは鬼畜ね、もうお別れはいいかしら?」

 それを羨ましそうに見つめる、セレナにそう言われた。

 「セレナにもやってあげよう?」
 「私はダーリンが呼んでくれたらすぐに行けるからいいのよ。それよりダーリン、一応城に飛ぶとは思うけれど何処に飛ぶかはわからないから、私をすぐに呼ぶのよ」
 「うん。分かった」

 まあ、今出来ることは全部しただろう。後はなるようになるだけだ。

 「じゃあ行ってくるね」
 「はい。どうかセレナさんと二人で乗り越えてください」
 「任せなさい!」

 精液まみれのロニエに見送られながら俺は天野王国に行く。

 『魔女セレナが命じるわ、ダーリンを転移させなさい』

 瞬間、景色が切り替わり、場所は天野王国、王城大浴場に転移した。
 そのまま重力に従い着水し予想外の水責めに恐れおののいた。

 「ぷはー。なんでよりにもよってここなんだよ!!」

 そう全力で叫ぶと。

 「きゃーー!! 殿方が!! 変質者」

 どうやら城に務める女性の入浴タイムだったらしい。だが俺はこの国の王様だ、得に問題は無い。そもそもロニエやセレナの美しい体を見慣れている俺はそんじょそこらの女じゃ興奮すらしない。騒ぎ立てる女達を見て一喝する。

 「まてまて、俺は天野光、この国の王様だ。騒ぐなよ」
 「きゃーー!! 裸で大きくさせている人が何か言ってる~変態だー」

 .......そういえばロニエとエッチしたまま来ちゃったから服なんて着ていない。まあここが浴場で良かった。それより早くセレナを呼ぼう。何かどんどん勘違いが大きくなっていく気がする。こんなお約束展開に流される俺じゃない。

 「来てセレナ」
 「ゴボゴボゴボゴボ」

 俺の膝の位置に転移したセレナは俺より水の洗礼を受けたらしい。
 俺に縋り付くようにはい上がり。

 「ダーリン、呼ぶ場所は考えて欲しいわ、死ぬかと思ったじゃない」

 と言われた。因みにセレナは服を着ているのでぐしゃぐしゃだ。ちょっと襲いたくなる。のでセレナのローブを引きちぎった。

 「ダーリン、ここでするの?」
 「だっていつできるか分からないんだよ? 出来るときにセレナを抱いておかないと俺ヒムートに会う前に倒れちゃうよ」
 「そうね。ダーリンと二人だけのは初めてね、来てダーリン」

 そうしてセレナを貪った。
 大勢の人に見られているが気にしない。セレナの小さい胸をなめ回し嵌めまくった。
 途中で衛兵が来て攻撃しようとしたがこの城で俺に攻撃しようとするのは命知らずというものだろう。俺に敵意を向けた瞬間からセレナの結界の餌食となる。俺達を止められるものはいなかった。お湯が白濁に染まるくらいセレナを抱いた後。

 「さて、ヒムートは何処にいるんだろうね」
 「ダーリンもう良いの? もっとしなくて良いの?」
 「ロニエを置いてまで来て目的を果たさずエッチしてたなんて言えないよ」
 「だけど物足りないのでしょう? ダーリンもっと私を抱いていいのよ」
 「うん。分かったじゃあ後、十回だけする」
 「それだけで良いの?」

 セレナは欲情を促進するので止まらなくなる。

 「うん。ごめんセレナもしたいのに我慢させちゃって、でもロニエがいないところであんまりエッチしたくないんだよ」
 「そうね、抜け駆けは卑怯ね、分かったわ。ならそれだけでダーリンを満足させられるように頑張るわ」

 といって本日何度目になるかわからないエッチをした。うん。これでもいつもよりかなり少ないんだよ。

 と、そんな感じでセレナを貪っていたら、メイドっぽい人が俺の肩を叩いて来た。

 「一体何をなさっているのですか?」

 感情の篭ってない声でそう言った。

 「え? エッチだよ?」

 メイドは明らかに疲れたような表情を浮かべてこう言った。

 「ですから何故、天野王国のビップしか入れない大浴場でエッチをしているのかと聞いているのです」

 セレナの結界に弾かれない以上。このメイドは俺達に敵意は無い筈だ。

 「なぜって俺が嫁を抱きたいと思ったからだけど」

 何故嫁を抱くのに許可が必要なのか、しかもこの浴場も城も俺の物だ。意味が分からない。

 「ダーリン、そんな人、気にしないで良いわ。今は私だけを見て、感じて」

 セレナがまたエロいことを言うので我慢できなくて出してしまった。だが、これが約束の十回目だ。これ以上は流石に遊んでいられない。ヒムートの結婚が明日とはいえ、早く会って.......何を話せば良いのだろう.......三年間も待たせた俺がヒムートに何を話せば良いのだろうか。

 「セレナ、ヒムートに会いに行くよ」
 「分かったわ」

 バシャバャシとお湯を鳴らしてお風呂を上がろうとしたが、メイドに

 「何処へ行かれるつもりですか?」
 
 まえにたたれ道をふさがてそう言われた。

 「ヒムートに会いに行くと言わなかった? 邪魔だよどいて」
 「やはりそうでしたか.......またヒムート様に合いに来た身のほど知らずでしたか」
 「身のほど知らず? どういう意味?」

 めんどくさそうに、かといって嘘では無いように聞こえたので俺は聞いた。

 「近年、激増しているのですよ、あの魔女セレナに滅ぼされたセントラル王国へ向かった、天野王国、国王、天野光だ。と言い張る不届き物が。貴方もそうなのですよね。我こそが天野空であり、セントラルの真の王だと言いたいのですね」
 「言いたいも何も、俺が天野空何だけど.......そんなのヒムートと会えば分かるだろうよ」

 そう俺が言ったらメイドは俺達を軽蔑するように見た。

 「何故!? わからないのですか!? ヒムート様が偽天野光が現れる度にどれ程渇望し、そして絶望するのか、貴方達はそれでも人ですか!」

 俺は、メイドに何かを言うことが出来なかった。なぜならメイドが泣いていたからだ。ぽたぽたと泣いていたからだ。それ程までにヒムートの事を思っている人に何かを言う事が出来なかった。

 「お引き取りください! そもそも貴方の変装は天野光に似てません、あの方は.......もっと体中傷だけの隻眼の男です。ヒムート様に使えるメイドとして、ヒムート様に無駄な期待をさせたくないのです」

 俺は何かを言おうとしてるセレナを抱きしめて止める。

 「一つ.......聞きたい。ヒムートは、ゼントブルクの王様と結婚出来て幸せそうか?」
 
 俺が気になるのはそれだけだ、ヒムートが幸せなら俺は何かをするつもりは無い。まだ俺の事を待っているのなら、行くが。新しい幸せに向かおうとしているのなら、俺は見守るつもりだ。そうじゃないと三年間も放置した責任がとれないから。

 「現ゼントブルク王は、ヒムート様が幼少の時からヒムート様を気にかけてくれていた。クルクス王です。王様に即位した事で性格も変わり、本当にヒムート様を大切にしています。だからこそヒムート様は結婚をする事を決めたのです。貴方がもし、自分を天野空だと言うのなら、その幸せを邪魔しないで貰いたい!」
 「そうか.......ヒムートは幸せそうなのか.......なら良かった。俺が出る幕じゃない。分かったよ。メイド。俺はヒムートには合わないよ。ヒムートには俺が来たことも内緒にしていてくれ。行こうセレナ」
 
 セレナの手を引いて俺は浴場から出ようとした。

 「ねぇメイドさん。あの子に魔女からの伝言があると伝えてくれない?」
 
 だがセレナはメイドにそう言った。

 「良いでしょう。それくらいなら貴方達が真の王である可能性は少なくてもあるのですから」
 「そう、なら」

 セレナは俺の手を握る力を強めて言った。

 「ヒムート・ヒースランド! 見損なったわ! 貴方の愛がその程度だったとはね」
 「おい、セレナ、何を言ってるんだよ。ヒムートは俺の事を十分に愛してくれていたよ」

 セレナの冷たい言葉に俺が反論した。

 「ダーリンもう行きましょう。ダーリン辛そうなのは見ていて私も辛いのよ」
 「ごめん。セレナ」
 「良いわよ。ダーリンは私が慰めてあげるから」

 そう言ったセレナも少し寂しそうだった。

 その日俺とセレナは城の外の宿に泊まり。夜を明かした。

 
 ーーーヒムート目線ーーー

 【三年前】

 光が戦争を止めると言って旅にでてから既に一年がたった。当初の予定では半年で帰って来るという話だったが、やはり難航しているのだろう。
 
 「ヒムート様、少々お疲れのようです。少し休まれては如何ですか?」

 ヒムートに幼い頃から仕えてくれていたメイドがお茶を出しながらそう言った。


 「王様が頑張っています。ヒムートはもっと王様に相応しい女の子になる為に頑張らなければいけません」

 ヒムートは光にこの国を任されたのだ、必ず光が帰るまで国を守られなければいけない。
 光は必ず帰ってくるのだからと思っていた。

 天野王国は光の事が好きで集まった者達ばかりだ。一番顕著なのはノートン冒険団か.......ノートン冒険団はヒムートの命令も良く聞いてくれている。国の問題もだいたいを処理してくれている。光がいない事で、民衆の不満が少し高い事を除けばこの一年は問題なくやっていけている。

 「しかし、あの天野光という方はなんでヒムート様に文一つ書かないのですか! ヒムート様がここまで一途に頑張っていたるのに.......」
 「王様の悪口は言わないで! 王様はすぐに帰ってきます」
 「ヒムート様.......」

 しかし.......その更に一年後、光の向かったセントラル王国は魔女セレナによって滅ぼされたという情報が天野王国に届いた。ヒムートは直感した。

 「セレナちゃん.......」

 やはり魔女は悪魔だったと騒ぎ出す城の者達に対してヒムートは

 「ううぅ.......王様ぁっー.......」

 ただ涙を流した。セレナが光を裏切るわけが無い。それは絶対だ。ならセレナが何故セントラルを滅ぼさなければいけなかったのか.......答は一つである。

 「ううぅ.......死んでしまったのですね.......ううぅ.......ううぅ。二年間.......ずっとお待ちしていました.......会いたいです.......」

 後悔した。光が出掛ける前に何故会わなかったのか、せめて少しでも長く光と共にいたかった。ヒムートは酷く落ち込んだが光に託された。天野王国をどうにかしなければいけなかった。

 しかし.......今まで従順だったノートン冒険団と剣王ジークの弟子達が一斉に光捜索へ向かったため。国内は荒れに荒れた。一年後には暴動、反乱、そして革命までに発展した。

 革命軍が、もう城の外に集まっている。女王を殺せと言っている。
 城にはセレナの結界有るため容易には入れないが時間の問題だろう。セレナはセントラルに行く前に、結界の強化をして行ったがそれもその場凌ぎにならない。

 「ヒムート様逃げてください! ここは城の者達で咎を負います」
 「咎が有るのなら、ヒムートが.......私が負います。皆さんこそ逃げてください。民達も皆さんの命までは取らないでしょう」

 革命が起こるほど国を荒らした責任は自分にあるとヒムートは思っていた。第一、光に託された物すら守り抜く事も出来なかったのだ.......それならその責任は妻として自分が取るべきだろうと思った。
 それにもう光はいないのだから生きる意味も無い.......

 「ヒムート様、ヒムート様はまだお若い。容姿も歳を重ねるごとに磨かれています。今では大陸一位を争うでしょう。何処かの国に亡命すれば必ずまた.......」
 
 メイドの言う通りヒムートは幼さが抜けて来て更に美しくなっていた。道を歩けば男共は振り返るのは当たり前だ。ヒムートに最後まで使えてくれている人はその美貌があったのも大きいだろう。光が死んだと分かった途端、貴族達から何度求愛があったかわからない。

 「セレナちゃんは.......狡いな.......王様に抱かれることが出来て.......王様の最後を見る事が出来て.......」

 ヒムートは既にメイドの話など聞いては居なかった。ただ楽しかった思い出と、光が結婚してくれた時の事を思い出していた。

 「結界が突破された! 革命軍が入って来るぞ! まだヒムート様はお逃げになられていないのか!」

 遠くで聞こえる、終わりへのカウントダウン。しかしヒムートは.......

 「王様の子供が生みたかったです.......」

 そう呟いた。

 ヒムートが立て篭もっていたのは玉座の間だった。だが既に結界は突破されて中にぞろぞろと革命軍が入り混んでいた。ヒムートを守るのは既に十人といない。一人また一人と倒れていく中。

 「王様の子供が生みたかった.......セレナちゃんに会いたかった.......ロニエ様にもう一度頭を撫でて欲しかった.......」

 そう呟いていた。
 革命軍の一人が、ヒムートに刃を向けた。

 「覚悟!」
 
 ヒムートは目を閉じてそれを受け入れた。が。
 何秒経っても何も起こらなかった。ヒムートが首を傾げて目を開けると、飛び込んできたのは金髪の青年の後ろ姿だった。

 「ヒムート様! 遅れてすいません。僕の後に続いて数日以内にゼントブルク王が軍を率いて来てくれます、それまで耐え抜けば僕達の勝ちです」

 長い白いマントを旗めかせ革命軍の猛攻をたった一人で受け流しながら、ヒムートの方を見てニコリと笑った。

 「今こそ友情を示します! このアルランがいる限りヒムート様には傷一つつけません!」

 勇者アルランは玉座の間にいる全ての革命軍をあっさりと鎮圧、玉座の間の門前に陣取り革命軍の侵入を防いだ。

 既にヒムート派で生き残っているのはメイドだけだ。そんな中たった一人、かつて一度あった事があるというだけでアルランは助けに来たのだ。何万人もの革命軍を敵に回して.......

 「アルラン。私には貴方に対して報酬を支払うことが出来ません.......どうか逃げてください!」

 ヒムートはもう助かるつもりなど無かったのでせめてアルランだけは生き残って欲しかった。

 「僕は! 天野光様に憧れているのです。ここで天野光様の妻である、ヒムート様を見捨てる事は僕には出来ません。最後の瞬間までヒムート様の剣となりましょう」

 いくら、女神の加護を受けた勇者でも何万人もの革命軍を敵に回して生き残れるとは思っていない。

 「勇気を出して生きる事を諦めなければ必ず希望が生まれます。僕は勇者だ! 奇跡の一つぐらい起こして見せます! どうかヒムート様諦めずに勇気を分けてください!」

 青年の言葉には力があった。光を失ったと分かったときから諦めていた自分を恥ずかしいと思った。まだ全然足掻けていない。光に告白した時、ロニエに言われた時と同じだ。
 ヒムートは覚悟を決めた。

 「王様の.......光様の国は私が守ります! アルラン、どうか力を貸してください! 私を助けてください! 私は光様の作ったこの国を守らなければいけないのです!!」

 ヒムートの決意に勇気にアルランの剣がピカピカと光を放った。

 「お任せを! 僕が必ずヒムート様を救いましょう。友情の女神に誓います!」

 それが希望の光に見えた。アルランは剣を地面にさして

 『友情の女神アルランが呼ぶ。ヒムート様の剣となれる友人をここに召喚したまえ!!』

 幾何学的な円が剣を中心に出現し、その中から三人の人間が突如現れた。

 友情の勇者の加護、友情召喚。

 「三人も呼べるとは思いませんでした」

 現れたスキンヘッドの男はヒムートと当たりを見渡し

 「ガキンチョ! ピンチみたいだな! ボスが気になるがガキンチョを守らないとボスが困る。手を貸すぜ!」
 「ノートン様!」

 そして、もう一人。周りをキョロキョロと見渡して。

 「へい!? なんでヒムートちゃんがいるんだ? 俺達さっきまで茨に.......」
 「ヘワタ!」

 更にもう一人。ノートンの腕をなまめかしく抱いて。

 「ノートン。その.......天野様は.......」
 「それは後で良いクリス。ボスのことだ。またひょっこり現れる。その時にガキンチョに何かあったらボスが泣いちまう!」
 「ガキンチョ.......? ヒムート様をガキンチョ? 流石はノートンです.......」

 場違いな娼婦が一人、合わせて三人の人間が召喚された。
 
 「僕はアルラン。貴方達を友情の力によって召喚しました」
 「おう! 良くガキンチョのピンチを教えてくれた! 後は任せとけ!」
 「いえ.......僕も戦いますよ! 僕こう見えて強いんですから!!」

 アルランが状況を教えようとしたが出鼻をくじかれてしまった。

 「ガキは引っ込んでろ! おいヘワタ! 門を死守しろ! 俺は打って出る!」
 「へい!」
 「ダメですよ!! 僕が行きますから!! あっ! 待ってください!」

 騒がしく、出て行った。アルランとノートンはその後城の城門を取り返し再びセレナの結界が再生するまで革命軍を押さえきった。残されたヘワタとクリスとメイドとヒムートは。

 「ヒムートちゃん! これは何が起こってるんですか?」
 「ヘワタ! 光様は? どうしたのですか?」
 「何故私はその.......ここにいるのですか?」
 「ヒムート様その人達は何物ですか?」

 全く状況を理解していなかった。

 ヘワタが敵を倒しつつ、クリスがヒムートに見たことを話した。

 「ロニエ様が記憶を無くされたのですか!? それで光様は.......」
 「はい。その.......私は見ていることしか.......」
 「光様はどうなったのですか? セレナちゃんは?」

 ヒムートがクリスに縋り付くように聞く。

 「.......その.......私は.......唯我様と.......それで唯我様が言っていました。.......天野光が消滅したと、その後、セレナ様が呼ばれて、怒ったセレナ様が.......その.......」
 「やっぱり.......光様はもうこの世にいないのですね.......セレナちゃんも帰っては来ない.......」

 セレナが暴走したと聞いた時点でヒムートには分かっていたが、それでも事実だと聞くと胸が痛む。けど。

 「私は例え光様がもういないのだとしても、光様に託されたこの国を守らなければ行けません! それが私の最後の務めです」
 
 もう覚悟は出来ていたのだった。


 


 

 


 
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