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五章 裏切り編

百二十四 王妃の戦いの始まり? だよね

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 まだ日が高い昼間、王室のベッドの上で俺はヒムートにフェラチオの練習台にされていた。
 今日は朝からずっとである。
 エッチなことは好きだから良いのだが、そろそろ飽きて来た。

 「ヒムート......そろそろやめない?」

 俺が声をかけるとヒムートが口を離して不安顔をした。

 「王様......気持ち良く無いですか?」

 ヒムートの技術は向上しているので十分気持ちい、朝から何度もヒムートの口に出しているのでそれは間違いない。けど。

 「ヒムートが欲張るからセレナが拗ねちゃってるんだよ」

 部屋の隅で羨ましそうにこちらをチラチラ見ているセレナが憐れで抱きしめたくなる。
 まあ、セレナを転移させればすぐ抱きしめられるけど......拗ねている事には変わり無い。
 
 それにロニエも用事があるとかで何処かにいっちゃったし、出来るならついて行きたかった。

 「デリカもいるし、俺はヒムートだけの物じゃないんだよ、わかるよね?」

 ヒムートを納得させるために、理論的に説明する。
 これならヒムートは引き下がるだろう。

 「はい......王様」

 しょぼんとしながらも、ヒムートは予想通り引き下がる。
 その姿が寂しそうに見えたから、俺はヒムートの腕を掴んで引き寄せる。

 納得させる為とはいえ、少しヒムートに冷たくし過ぎた。
 ヒムートは我慢してしまう。俺がやめてといえば辞めるし、説得すれば応じる。

 「ヒムートは良い子過ぎるよ」

 ヒムートを膝の上に載せて肩を抱く。

 ヒムートは良い子過ぎる。
 俺の嫁で俺の言うことを聞くのはヒムート位だ。他は皆自分の欲を優先させる。
 俺がやめてといって辞める奴など居やしない。

 「もうちょっと、欲張りになっても良いんだよ」
 「でも、王様に嫌われたく無いです」
 「嫌わないよ」

 俺がヒムートを嫌う事なんて無い。嫌うわけが無い。
 俺とヒムートはもう長い間一緒居るのだからそれぐらい分かってほしい。

 ヒムートの綺麗な露出している首を軽く舐める。

 「ほら、ヒムートしてほしいんでしょ?」
 「王様......」

 コクンと恥ずかしそうに首を縦に振るヒムート。
 浴衣の様な薄い着物の胸元から、ピンク色の尖った乳首を親指と人差し指で挟む。
 プニプニのそれを引っ張ったり押したりしながら、さりげなくヒムートの浴衣のお腹の巻物をスルスル解く。

 留め具を失い、防御力が大幅に減少したヒムートの浴衣からチラチラと可愛い胸が拝見出来る。

 「ヒムート......するよ?」

 小さな消えるような声で「はい」と返事するヒムートのベッドに押し倒して、着崩れて露出している乳首を舌を使って吸い上げる。

 「んっ」と漏れ出る声はキチンと気持ち良くなって居る証拠だ。
 一応確認する為にヒムートの秘奥に触れる。しっかりと湿っている事を確認してからヒムートを俯せに寝背て、剃り立つ己の性剣をヒムートの秘部にゆっくりと入れる。

 しばらく、そのまま一心に突いて快感を愉しんでから、ヒムートの秘奥の中ほど辺りを性剣で擦る。
 それが気持ちい様でヒムートの漏れ出る声が激しくなる。

 そのまま、絶頂を迎えても良かったが、体位を変えることにした。
 ヒムートを立たせて、片足をあげさせる。
 その足を片手で持ってもう片方はヒムートの腰を押さえる。

 もう性欲を解放させたいので、遠慮無く激しく動く。
 途中でヒムートが絶頂を迎えていたけど、俺が達するまで動きを休めなかった。
 
 俺がイク頃にはヒムートがダウンしていてベッドに俯せで力尽き倒れた。
 ヒムートの秘部から白い精液が漏れ出ていることに満足してから、

 「セレナおいで」

 とセレナを呼ぶ。セレナは顔を明るくさせて転移して来る。
 胸に両手を当てて行きなり現れたセレナに驚きベッドに倒れる。

 「ダーリン遅いのよ」
 
 俺の上に乗るセレナは口づけをしながらそういった。

 「セレナを相手すると、俺が止まらなくなるからね。ほら、脱がすよ」
 「良いわよ好きにしなさい」

 そこからは理性が利かずにセレナを乱暴に抱きつづけた。
 
 いつの間にかに気を失って居た俺が目を覚ますと、セレナを抱いたまま眠りに落ちていた様だった。
 後頭部に柔らかい感触......これは確認せずともわかる。

 「ロニエのひざ枕気持ちい」
 「アマノ様......」

 ん? 俺が予想していたより、大人な声音が聴こえてきた......
 その声はロニエに似てるけど、消してロニエじゃない。

 「なんだ、イリアか久しぶり......っていかにもな格好だね」

 イリアは白いコルセット姿で俺をひざ枕している。
 襲って欲しいのだろう......ロニエに似ているかもしれない。
 
 別にイリアが嫌がらないなら襲っても良いのだが、セレナとヒムートが居るのにわざわざイリアを襲う必要が無い。むしろその分ヒムートを抱いてあげたい。
 時は金成である。

 と思ったが、ヒムートもセレナもダウンしているので抱けない。セレナは気絶してても関係無く抱けるけど、ヒムートは可哀相だ。
 いつの間にかデリカも居なくなってるし......

 「ああ、なるほどね。だからそんな格好なのか」
 「はい......アマノ様私にも寵愛をください、私はロニエほど長くアマノ様お側に仕えられないでしょう......だからお願いします」

 イリアは全て分かった上で待っていたのだ。流石はロニエの姉である。
 ロニエの体は天野呪いの不老の力により成長しないけど、イリアはノースカロライナの呪いの成長しずらい呪いしかない。だから俺より早く逝くことになるだろう......

 「良いよ。イリアおいで」

 イリアがコルセットを外して俺と体を重ねた......愛撫でを終えて正常位でイリアと繋がった。
 どうやら、イリアは本当に男の体を知らないようで締め付けが強い。
 更に、痛そうに呻くのでやりにくい。
 能力を使おうかとも思ったけど何と無く無粋な気がしたので辞めた。
 
 一度目から絶頂を経験する必要は無いのし、イリアの痛がる姿が性欲よりも理性を刺激するので、貫通だけ済まして終わらせる。

 「まあ、最初の数回だけだよ。ゆっくりと慣らしていけば良いよ」
 「............はい。思ったより痛いんですね......ロニエは良く毎日のように出来ますね」

 とか言いながら絶対そのうち嵌まると思うのは俺だけかな? 
 イリアから血が流れ出ている......
 
 「セレナ起きて」
 「なーにダーリン」

 寝ているセレナを起こすのは少しだけ悪いとおもったけど、イリアの血を治療してあげたいから少しだけ無理してもらう。

 「セレナ大丈夫?」
 「ふふん。ダーリンが呼んでいるのに寝てられないわ、大丈夫よ。それより何かしら?」
 「一応、セレナは倒れたことあるんだから気をつけてよね。もう二度とあんなことは嫌だよ」

 眠りに落ちたセレナを起こす間どれ程悲しかったかいまでも忘れられない。
 やっぱりセレナに力を使わせるのは辞めようか、万全の時以外は不安だ。

 「大丈夫よ。ダーリン、心配し過ぎよ」
 「セレナはやっぱり鎖つけて手元に置いておきたいな。まあ信じるよ。イリアの事治療してあげてくれない?」
 
 鎖つけたらつけたらで、セレナが不自由してそうで心配になるからもうやらないけど。
 セレナはじっとしていてくれないかな?
 
 「任せなさいってダーリン! 抱いたのね!」
 「うん。ダメだった? セレナもヒムートも寝てるし良いと思ったけど」

 勿論隠す気は無い。イリアを抱いてセレナが怒るなら謝ってもう二度と抱かないだけだ。

 「......複雑ね。ダーリンには私だけを抱いて欲しいのよ」
 「いや、それは無理だよ。ロニエとヒムートだけは......」
 「分かっているわ、そうね。ダーリンは私が誰かに誰かに抱かれるのは嫌よね?」

 俺の言葉を最後まで聞かずにセレナ言う。
 
 セレナが誰かに抱かれるのは、いくらネトラレ好きな俺でも我慢できない。
 死にたくなるかもしれない。

 「絶対やだよ」

 イリアの事を治療しながらセレナ続ける。

 「駄目とは言わないわ、この人はダーリンの側室だから、でもあまり嬉しくも無いわ」
 「セレナ.......それ凄く難しいよ。どうすれば良いのか分からないよ」
 
 駄目じゃないなら良いってわけにも行かない。
 じゃあ、イリアをもう抱かないって結論も安直過ぎる。

 でもセレナが悲しむなら俺は抱かない事を選ぶべきか、イリアの約束を破ってでもセレナを立てるべきだ。いや立てたい。セレナを、元々それが俺の願いだし。

 「ロニエとヒムート、ルミアもこれからすることになるだろうし、デリカだって居るけど嫌なんだよね?」
 
 と、そのタイミングでロニエがルミアを連れて戻ってきた。更にデリカも居る。デリカはロニエの護衛をしてくれてたんだろう。

 「何の話ですか?」

 ぞろぞろと部屋に入って来る、少女達が一様に俺に飛びつく中、ロニエが立ち止まりセレナを真剣に見つめる。

 「なんでも無いわ、それより何をしていたのよ?」
 「そうですか.......ヒカル様セレナさんとお話があります。良いですね」
 「ん? つれてくの?」
 
 わざわざ俺に確認を取るのだ、俺に聞かれたくない話をするんだろう。でもセレナを連れていかれるのは悲しい。

 「ヒムートさん、起きてください。ヒカル様を任せます」
 
 ロニエはテキパキ動いてヒムートを起こし、セレナの腕を取り外に出る。
 取り付く島も無かった。

 「ヒムート.......大丈夫?」
 「はい。王様が激しくしてくれて嬉しかったです」

 まあ、行っちゃったものは仕方ないから追求はしない。それに、ロニエが何を話そうとしているのか流石に何と無くわかる。タイミングが良すぎたから。

 「デリカも大丈夫? 力を使いすぎて倒れたりしないでね」
 「大丈夫だわぁ~、光とセレナと契約してからぁ力が桁違いに上がったのよぉ、もうそう簡単に倒れないわぁ~」

 だからそれはロニエに、任せる。信じて任せる。
 俺は二人の結論を待とう。

 「ルミアは尻尾が少しイガイガしてるよ、ちゃんとケアしないと駄目だよ」
 「お兄ちゃん 良いの?」
 「うん。大丈夫、俺は二人を信じてるから、だからルミアの毛並みでも整えながら待つよ」

 最後に、身体を縮めているイリアに声をかける。

 「イリア、おいで」
 
 イリアは側室の身分をわきまえているのか、首を振るだけで俺に近づこうとしない。
 でもそれは.......

 「イリア、俺はイリアを抱いたことを後悔してないよ。それをセレナが怒ったのは予想外だったけど、イリアを抱いたことは嬉しいことだったんだ。イリアが俺を求めてくれるのが俺にとって幸せな事の一つなんだよ。」

 セレナが顔を曇らせた事は悲しいことだし、セレナが嫌ならもうやらないけどそれでも俺は。

 「遊びでイリアを抱いたつもりは無いよ。俺は好きな人しか抱かないし、責任を取る人しか抱かない。イリア抱いたで生じた責任はすべて俺が取る。だから、イリアが気にすることなんて無いんだよ」

 途中から涙を流していたイリアがルミアやデリカ、ヒムートが居るのにも関わらず俺に飛びついた。

 「ううぅ......アマノ様、お許しください.......私はアマノ様が好きです。胸が張り裂けそうなぐらいお慕いしています。どうかご無礼をお許しください」
 「うん。大丈夫だよ。全ての責任は俺にあるから、今からイリアが何をしようと言おうとその責任は俺が持つ。だからもう、誰が居ようとイリアはイリアのままで居ていいよ」

 側室と正室は違うとロニエは言うけど俺はあまりそう思わない。
 正室は自由に出来て側室は出来ないなんてのはやっぱり嫌だから。

 確かに、イリアがセレナやロニエ達を傷つけるなら怒るけど、でもそれは誰だって同じだ。例えロニエでも、誰かをむやみに傷つけたら俺は怒る。
 セレナでも変わらない。

 「なら! アマノ様.......小賢しい申し出をしますが私とーー」
 
 イリアの言いかけた言葉をキスで止める。
 その先は言わせない。まだ少しだけ早いから。
 だから一つだけイリアに伝えておく。

 「イリア、その続きは皆が居るところでしよう。ロニエとセレナが居る場所でしよう。だからもう少しだけ待って」
 「.......はい。お待ちします。アマノ様私はどんな条件でもアマノ様のお側に仕えたいです」
 「うん。なるべく良い方向になるようにするよ」

 扉の向こうで何かを話すセレナとロニエを前に決意を固めた。
 イリアを正室にする決意を固めた。

 ーーーーーーロニエ&セレナ視点ーーーーーー
 
 玉座の間にて、ロニエとセレナは向き合っていた。
 お互いに喋りださずに様子を伺って居たが、先に根をあげたのはセレナだった。
 セレナは居心地の悪さに顔をしかめて言う。

 「面倒なのは嫌よ。回りくどいのもね。だから言いたいことがあるなら言いなさい」
 「そうですか、分かりました。駆け引きは無しと行きましょう」
 「私は元々そんな事するつもりは無いわよ、それより早くダーリンの元に戻りたいだけよ」

 セレナは言いながらチラリと後ろを確認する。そこは王室への扉だ。中では今も光と少女達の饗宴が繰り広げられて居るだろう。

 大きくため息をついて、ロニエを急かす。

 ーーー私の居ない所でダーリンが.......

 「.......セレナさん、ヒカル様を独り占めしたいのですか?」
 「当たり前じゃない! 私はダーリンの全てが欲しいのよ。今更よ」
 「そうですか。ではそれは、ヒカル様に一人の女性だけをセレナだけを愛せと言うことですか?」
 「!!」

 セレナの心臓がドクンと高鳴った。嫌な汗が身体から出て行く。
 ロニエの口調が固くそして何時に無く重みがあったからでは無い。
 自分の隠していた.......隠そうとしていた気持ちの部分を言い当てられたからだ。
 
 「分かっているわよ。ダーリンと結婚するときに覚悟は決めて居るわ、私はそれに対して何かを言うことは無いわよ。ダーリンの妻は一人では無い。そんなことは最初から分かっているのよ。知っていてそれでも私はダーリンを選んだのだからね」

 独白.......それは、ロニエに向けた物ではなく、自分自身に向けたものだった。
 がんましろと、お前はそれを承知で光と結ばれたんだろ! と、戒めるために。

 「ダーリンは私だけのものじゃないわこれで言いかしら?」
 「勝手に終わらせようとしないでください、セレナ。その気持ち持ってしまったら、気づいてしまったらもう、隠すことなんて誰にも出来ませんよ。そしてそんなセレナを見逃すヒカル様ではありません」
 
 息を呑む。後戻りが出来ないと言われたから、もう現状に満足できないと指摘されたから、幸福を感じることなど出来ないから。
 そして、涙を流す。この変化は確実に光の幸福を壊すことになるから。

 「どうしたら良いのよ。私はダーリンに.......」
 「ヒカル様はあれで強欲です。これから更にヒカル様の正室は増えるでしょう。その分だけセレナはそうして胸を痛めるでしょう」

 ロニエは続ける未来の話を、高確率で訪れる話を。

 「それでもヒカル様に取ってロニエとセレナは特別です。私達が悲しめばヒカル様は例え誰であろうと切り捨てます。今まではロニエだけが気をつけていれば良かったのですが.......セレナ。貴女の気持ち一つで言葉一つでヒカル様行動全てが簡単に変えられます。今ならセレナのその願いも叶えて貰えますよ」
 「そんなこと望んでいないわ! 私は! ダーリンの.......」

 いや、望んで居るのだ。光に自分だけを愛してほしいと望んでいる。そしてそれはいずれ光に気付かれる。気付かれれば最後、今の形は確実に保てなくなる。
 
 「はい。ヒカル様はセレナの願いに従い選ぶでしょう、たった一人愛する人を、そうなれば流石にロニエは選ばれためにあらゆる努力をします。フフフ、久しぶりヒカル様にアピールしまくります。最初の頃のようですね」
 「知らないわよ」

 ロニエの予想ではそうなった時に最後に争うのはやはり、セレナとヒムート、そしてロニエの三人の内の一人だ。
 そしてその中から誰かを選べればまだ良い。でも光はそこまで強くない。確実に途中で心を病むだろう。
 例え病でもロニエは光に選ばれるために全力を尽くすが.......大幅に光が変わることになる。
 
 「ですが、もう賽は投げられてしまいました。もしかしたら全て手遅れかもしれません。それでも、ロニエは今のこの関係が好きです。ヒカル様を慕う方達をヒカル様が愛せる世界が好きです。だからどうか考えを改めては貰えませんか?」

 ロニエはかつて約束したのだ、ヒカル様のハーレムの夢を叶えると、そんなことは不誠実だと言う光に約束したのだ。
 
 「私だってそうよ.......私は! それでもダーリンの」
 
 そこでロニエ目を閉じた始まるからだ。
 もう止めないから、天野光の唯一一人になる闘いが。
 そして、それはロニエの.......

 「まーま」

 その時、最後の言葉が紡がれる瞬間セレナの手を小さなシズクが握った。
 アレスだけではない、アレスもロニエの手を握る。
 子供部屋を抜け出してここまで来たのだろう。
 ただ遊んで欲しくて会いたくて.......

 「! アレス.......シズク.......私の.......私達の子.......私は.......」

 ぽつりぽつりとセレナの瞳から涙が溢れ出した。
 そして後悔した。今自分が言おうとしたことは、それだけ罪な事だったから。
 アレスとシズクの親は誰か? ジスクは自分の子ではないのか?

 「この子達は私の子よ.......ごめんなさい。シズク、貴女は私の子よ。ダーリンの子は私の子よ」

 涙を拭き取り、シズクを抱き上げる。
 ロニエと光にちょっとずつ似ているシズクを抱き上げて思う。
 愛していると、我が子を愛していると。

 「私は! 私はダーリンに私以外を抱いて欲しくなかった.......なんて事は無かったのね、だってダーリンが貴女達と交わるのを見ても嫌だとは思わなかったわ。私もと思うことはあってもね」

 セレナの目から、迷いの色は消えていた。
 もう、光を独り占めしたいとは思っていない。

 「良かったです.......つまり。セレナはお姉様をただ認めていなかっただけですね。お姉様と交わるヒカル様を許せなかっただけですね」
 「そうね。凄まじい嫌悪感を感じたわ」
 「ロニエとヒカル様は共にいて良いのですね」
 「当たり前じゃない。貴女とダーリンはセットよ。今更過ぎるわ」

 ポトンとロニエはお尻を床につけた。震える肩を両手で抱いて暴れる心臓を押さえ付けた。

 「良かったです.......それならまだロニエはヒカル様と共にいられます」
 
 
 ーーーーーー光視点ーーーーーー

 しばらくして、セレナとロニエが何故かアレスとシズクを連れて戻ってきた。その際ロニエがニコッと微笑んだのでどうやらうまくいったのだろう。
 良かった。

 「さて、皆さん。ヒカル様とロニエはお話があります。少し仲良く待っていてくださいね」

 しかし、ロニエに絶対零度のへ笑みを向けられて背筋が凍った。
 デリカ、イリア、ルミアが音もなく俺から離れた。
 ルミアの金毛が大きく逆立って震えている。

 「ロニエちゃん! 王様をいじめるのは駄目です!!」

 だが、ヒムートは違った。ロニエの前に立ち塞がり俺を守るように手を広げる。
 ロニエはそんなヒムートに対し、手を繋いでいるアレスを抱き上げ渡す。

 「アレス君。ヒムートお母さんと遊んで居てくださいね」
 「ママ? 白ママ? .......白ママ!! あそぼー」

 最近歩けるようになったアレスがヒムートに飛びつきじゃれる。それをヒムートは優しく受け止めて抱き上げる。

 「アレス君♪ ヒムートママですよ♪ 何して遊びますか? お絵かきでもしますか? それともお人形さんごっこでも.....................」
 
 そしてそのままアレスと共に王室から退室して行った。きっと部屋に連れ込んで弄ぶのだろう.......アレスよ男になれよ。

 「ダーリンは悪くないわ!」
 「シズク、セレナを足止めしなさい」
 「セレナママ~」

 ロニエ命令通りに本当にセレナの足止めをし始めるシズクにセレナが、あわあわしている。子供の扱いに慣れてないのかな?

 「ではヒカル様、こちらへ。ロニエと少しお話ししましょうね」
 「う、うん」

 結局、俺はロニエに連れていかれた。がロニエは思い出したように一度止まり、言った。

 「あ! お姉様も来て下さい」

 その時のロニエの凍える様な声が更に身を凍らせた。
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