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第一部
最悪の日、脅迫
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それなりに大きな大学なので、図書室も大きい。三階建ての、市民にも解放されているそこは、蔵書を閉まっておく薄暗い部屋も完備されている。
受付で学生証を出して、書庫に入る許可をもらう。それから三人を連れて中へ入ってから、僕は探してほしい資料を伝え、それを分担して見つけることにする。
「……」
だけど、何か様子がおかしい。
一見、資料を探しているように見えるが、まるで書庫に人がいないのを確認しているかのようにも見える。なんでそんな必要があるのか、と疑問に思い、そこで浮かんだ答えに僕は頭を振って否定した。
まさか。まさかね。
だってユーリの友達だ。そんなわけがない。
「リヒト先輩」
「……っ」
すぐ隣に並ぶようにして、友達の一人が立っていた。その近すぎる距離を離すように、僕は三歩、後ろへ下がり――
「わわっ、先輩どーしたんすか?」
どん、と違う子にぶつかった。前と後ろを挟まれるように立たれ、僕は「ご、ごめん」となるべく動揺を悟られないように口した。
「み、皆、資料は見つかった、かな」
「やー、それがわかんなくて、先輩にも見てもらえたらなって」
さらにはもう一人も来て、三人で僕を隠すように取り囲む。
「そ、そう、なんだ。じゃ、僕があとから一人で探してみるよ」
「いやぁ、今見てほしいんすよね」
「い、今、は……」
後ろの子が僕の肩に手を置き、強引に奥へと連れて行く。僕は声を出そうと口を開きかけ、隣の子がカッターをチラつかせていることに気づいた。カチカチと刃を出入りさせ、目が、わかっているなと静かに僕を脅迫している。
「ね、先輩。俺ら、ユーリくんとふかぁいお友達になりたいんすよ」
「そう、なんだ……」
なるべく声が震えないよう、気丈に振る舞う。
「で、考えたんすよ。なんかユーリくん、先輩のこと大事にしてるっぽいし、先輩使えばいーんじゃね? って」
幼稚だと思った。そんなことでユーリが動くわけがない。しかも僕はユーリと深い関係でもない。なんの意味もない。
「僕を使っても意味ないよ。わかったらそのカッターを下ろして……」
最奥まで連れて行かれ、僕はどんと背中を押され床に転がった。
「ここは……」
古い新聞が保管されている部屋だ。
こんなとこ、誰も来ない。
僕はそっと視線を上げた。にやにやと笑う三人が、欲に満ちた目で僕を見下ろしている。
「それはそれとして、俺ら先輩狙ってたんすよー。そこらの女より綺麗だし、細いし、先輩ってまじ男っすか? 女じゃないんすか?」
「僕は……、男だ……!」
「ほおん、じゃあ」
二人の学生が、左右から僕の腕を持ち上げ、無理やり立たせる形で拘束する。正面の一人がジャージに手をかけるのを見て、僕は「嫌だ!」と足を蹴り上げ抵抗を試みる。
「チッ、少しは静かにしろ」
カッターを顔の横にチラつかせられ、僕は諦めたように足を下ろした。
「最初から大人しくしとけよな」
再びジャージに手がかかる。僕はせめてもの抵抗に、目を強く閉じて顔を背ける。布がずれる感覚がして、ひやりと空気が肌を撫でた。
「やっぱついてんじゃねぇか」
恥ずかしい。恥ずかしいけれど、これで諦めてくれる。そう安堵したのも束の間、ジャージを下ろした学生が、僕のモノを面白がるように指先でやわやわと揉んできたのだ。
「ひっ、や、やめ……っ」
「お、勃ってきた勃ってきた」
思わず目を開け股間を見下ろす。
芯を持ち出したソレをからかうように、その子は片手で握ると上下に動かし始めた。
「……っ」
なるべく声を押し殺して、その刺激に耐えようと歯を食いしばる。それすらも愉しいのか、扱いている子が「先輩、頑張れー」とにたりと笑った。
「ん……、くっ」
イきたくない。こんな乱暴なやり方をする子たちに、いや奴らに、いいようにされたくない。
なかなか粘る僕に痺れを切らしたのか「おい」と残り二人に声をかけ、
「お前らも見てないで、先輩を悦ばせてあげろよ」
と望んでもない言葉を言ってきた。
すぐに二人は片手で腕を持ち直すと、もう片手で服の中に手を差し入れてきた。まだ勃ち上がっていない胸の飾りを指で引っ張るようにしては、僕の痛がる反応すら楽しんでいる。
「おい、痛くすんなって。先輩がビビっちまっただろうが」
「へへへ、すまん。でもいいじゃん、口でしてもらえばさ」
「なんならケツ穴でもいいぜ」
各々ゲスいことを口にしている。三人の意見がまとまったのか、僕は座れと言われて大人しく座り込む。目の前に出された三人の欲望を目にして、僕は顔から血の気が引いていくのを感じた。
「ほら、先輩。わかってますよね?」
カチカチとカッターが鳴る。
「……今日だけ、今日限りだ」
今だけ凌げば大丈夫。今だけ我慢すればいい。
大丈夫。口で、口でするだけ。それだけでいいんだ。
僕は自分の気持ちを押し殺し、まず目の前に出されたその欲の塊に手を伸ばし、ゆっくりと動かし始めた。
「先輩、口でするんすよ」
「……っ」
悔しい。
だけどしないともっと酷いことをされると思い、僕は嫌々ながらも、ソレをそっと口へと含んだ。
受付で学生証を出して、書庫に入る許可をもらう。それから三人を連れて中へ入ってから、僕は探してほしい資料を伝え、それを分担して見つけることにする。
「……」
だけど、何か様子がおかしい。
一見、資料を探しているように見えるが、まるで書庫に人がいないのを確認しているかのようにも見える。なんでそんな必要があるのか、と疑問に思い、そこで浮かんだ答えに僕は頭を振って否定した。
まさか。まさかね。
だってユーリの友達だ。そんなわけがない。
「リヒト先輩」
「……っ」
すぐ隣に並ぶようにして、友達の一人が立っていた。その近すぎる距離を離すように、僕は三歩、後ろへ下がり――
「わわっ、先輩どーしたんすか?」
どん、と違う子にぶつかった。前と後ろを挟まれるように立たれ、僕は「ご、ごめん」となるべく動揺を悟られないように口した。
「み、皆、資料は見つかった、かな」
「やー、それがわかんなくて、先輩にも見てもらえたらなって」
さらにはもう一人も来て、三人で僕を隠すように取り囲む。
「そ、そう、なんだ。じゃ、僕があとから一人で探してみるよ」
「いやぁ、今見てほしいんすよね」
「い、今、は……」
後ろの子が僕の肩に手を置き、強引に奥へと連れて行く。僕は声を出そうと口を開きかけ、隣の子がカッターをチラつかせていることに気づいた。カチカチと刃を出入りさせ、目が、わかっているなと静かに僕を脅迫している。
「ね、先輩。俺ら、ユーリくんとふかぁいお友達になりたいんすよ」
「そう、なんだ……」
なるべく声が震えないよう、気丈に振る舞う。
「で、考えたんすよ。なんかユーリくん、先輩のこと大事にしてるっぽいし、先輩使えばいーんじゃね? って」
幼稚だと思った。そんなことでユーリが動くわけがない。しかも僕はユーリと深い関係でもない。なんの意味もない。
「僕を使っても意味ないよ。わかったらそのカッターを下ろして……」
最奥まで連れて行かれ、僕はどんと背中を押され床に転がった。
「ここは……」
古い新聞が保管されている部屋だ。
こんなとこ、誰も来ない。
僕はそっと視線を上げた。にやにやと笑う三人が、欲に満ちた目で僕を見下ろしている。
「それはそれとして、俺ら先輩狙ってたんすよー。そこらの女より綺麗だし、細いし、先輩ってまじ男っすか? 女じゃないんすか?」
「僕は……、男だ……!」
「ほおん、じゃあ」
二人の学生が、左右から僕の腕を持ち上げ、無理やり立たせる形で拘束する。正面の一人がジャージに手をかけるのを見て、僕は「嫌だ!」と足を蹴り上げ抵抗を試みる。
「チッ、少しは静かにしろ」
カッターを顔の横にチラつかせられ、僕は諦めたように足を下ろした。
「最初から大人しくしとけよな」
再びジャージに手がかかる。僕はせめてもの抵抗に、目を強く閉じて顔を背ける。布がずれる感覚がして、ひやりと空気が肌を撫でた。
「やっぱついてんじゃねぇか」
恥ずかしい。恥ずかしいけれど、これで諦めてくれる。そう安堵したのも束の間、ジャージを下ろした学生が、僕のモノを面白がるように指先でやわやわと揉んできたのだ。
「ひっ、や、やめ……っ」
「お、勃ってきた勃ってきた」
思わず目を開け股間を見下ろす。
芯を持ち出したソレをからかうように、その子は片手で握ると上下に動かし始めた。
「……っ」
なるべく声を押し殺して、その刺激に耐えようと歯を食いしばる。それすらも愉しいのか、扱いている子が「先輩、頑張れー」とにたりと笑った。
「ん……、くっ」
イきたくない。こんな乱暴なやり方をする子たちに、いや奴らに、いいようにされたくない。
なかなか粘る僕に痺れを切らしたのか「おい」と残り二人に声をかけ、
「お前らも見てないで、先輩を悦ばせてあげろよ」
と望んでもない言葉を言ってきた。
すぐに二人は片手で腕を持ち直すと、もう片手で服の中に手を差し入れてきた。まだ勃ち上がっていない胸の飾りを指で引っ張るようにしては、僕の痛がる反応すら楽しんでいる。
「おい、痛くすんなって。先輩がビビっちまっただろうが」
「へへへ、すまん。でもいいじゃん、口でしてもらえばさ」
「なんならケツ穴でもいいぜ」
各々ゲスいことを口にしている。三人の意見がまとまったのか、僕は座れと言われて大人しく座り込む。目の前に出された三人の欲望を目にして、僕は顔から血の気が引いていくのを感じた。
「ほら、先輩。わかってますよね?」
カチカチとカッターが鳴る。
「……今日だけ、今日限りだ」
今だけ凌げば大丈夫。今だけ我慢すればいい。
大丈夫。口で、口でするだけ。それだけでいいんだ。
僕は自分の気持ちを押し殺し、まず目の前に出されたその欲の塊に手を伸ばし、ゆっくりと動かし始めた。
「先輩、口でするんすよ」
「……っ」
悔しい。
だけどしないともっと酷いことをされると思い、僕は嫌々ながらも、ソレをそっと口へと含んだ。
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