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第四部
緊張を解す方法
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前日。
ユーリの家の前まで迎えに来た車で、僕たちはパーティー会場のホテルへと向かうことを聞かされた。立派なスーツでも着ないといけないのかな、なんて心配を余所に、ユーリはいつものラフな格好でいいと言い、僕の手を引いて車へと乗り込む。
黒塗りの立派な車で、運転手の人からは「坊ちゃん」と呼ばれていた。車の中にはL字型に椅子? もはやソファ? が配置されていて、テーブルにはグラスが置いてある。お酒飲めるよ、と教えてくれたけれど、僕は緊張から流れる景色も見れず、カチコチのまま膝に置いた手をずっと見つめていた。
「リヒト?」
「な、なにっ」
「緊張してる?」
「あたり、まえ、だろっ」
ユーリと違ってこっちは根っからの庶民なのだ。前世の記憶をフル動員しても、むしろパーティーをぶち壊す側で、優雅に参加した覚えなどこれっぽっちもない。
どんな顔をすればいい? 話題は? 挨拶って誰にすれば? なんて考えが頭を巡って、知恵熱でも出しそうな勢いだ。
「リヒト」
膝に置いた手にユーリの手が被さり、そのまま軽く指を絡められる。指の間を指先が掠めるたび「ぁ……っ」と口からは恥ずかしい声が漏れた。
「緊張、解してあげよっか」
「いい。ロクなことにならないから……っ」
「激しくしないから」
こつん、と額を合わされ、鼻先を甘えるように擦られる。唇にかかる熱い吐息に、明らかに自分の体温が上がっていくのを感じた。
「そういう問題じゃ……」
「じゃ、いっそのこと記憶飛ばしちゃう? 俺はそれでもいいよ? お姫様抱っこで運んであげる」
「それは第一印象が、悪す、ぎ……っ」
パーカーの中へ滑り込んだ手が、優しい手つきで腰を擦っていく。最初は冷たかった手が暖かくなるにつれ、上へと移動して、つんと主張するそれを弄ぶように摘んだ。
「ひ、うっ」
「誰も見てないし、聞かれたとしても大丈夫。だから、ほら」
「や……ん、あっ」
親指と人差し指で少し強く摘んで、それからユーリは、円を描くように親指の腹で胸の先端を軽く触れた。逃げようと身体を離すも、ユーリはそのまま僕をソファに押し倒し、パーカーをゆっくりと捲り上げる。
「やだっ、こんなとこ、で……っ」
その手を掴んでやめさせるけれど、覆い被さってきたユーリが、僕を嘲笑うようににやりと笑ってみせた。
「でもリヒトは我慢出来ないでしょ?」
「ぁ……っ」
脇腹をくすぐられ、腰にぞくりと痺れが走った。動いた反動でソファから左足がずり落ちる。ユーリはそれを支えると、自分の左肩に僕の右足を緩く乗せる。
「こんなかっこ、やだっ」
「リヒトは我儘だね。でもごめん、聞いてあげられない」
「や、ま、待って」
ユーリは器用に僕の右足からジャージごと下着を軽く取り払うと、ずり落ちた左足の先まで下げた。なのに上だけはしっかりと着たままで、それがなおのこと僕の熱を上げていく。
「ほら、いつもよりよさそう」
「ああっ」
くちゅ、と根本から絞り出すような手の動きに、僕は呆気なく熱を吐き出してしまう。ぱたぱたとパーカーにかかったそれを見て、あぁもう最悪だと片手で顔を隠す。
「場所が違うからかな。前も思ったけど、リヒト、外のほうが好きそうだよ?」
「ちが、違う、から……あっ」
ぐずぐずになったソコに、ユーリの指先があてがわれる。僕自身が出した熱を塗り込むようなその動きに、僕の口からは「ひぅ」と甲高い声が漏れた。
「あんまり慣らさなくても、すんなり入るようになってきたね。ね、いい?」
「だ、め。汚れる……」
こんな時だというのに、僕の頭の中には、この高そうなソファを汚したらクリーニング料はいくらだろうとか、もう既にパーカーは汚れてるしとか、どうでもいいことばかりが浮かんでくる。
「ふふっ」
「ユーリ?」
何かを耐えるように笑うユーリ。僕は何が可笑しいのかわからず、空いた手をその頬に向かって伸ばした。その手を絡め取られ「リヒト」と軽く口づけられる。
「何考えてるか当ててあげよっか」
愛おしそうに何度も絡めた手を啄んで、ユーリが僕を優しく見下ろす。
「こんなに高そうなソファ、汚したらいくらするんだろうって。そんな表情してる」
「だ……って」
「大丈夫。そんなこと心配しなくていいよ。ていうか、そんな余裕なくなるから」
ぐ、とユーリが腰を押しつける。途端、下腹部に感じる圧迫感に一瞬息が詰まった。
「あ、やっ」
「リヒト、ちょっと締めすぎ……ッ」
「わかんな、ぁ、んあ」
いつもと体勢が違うからか、違う奥の部分に擦れてそれがとても気持ちがいい。もっとユーリが欲しくて、僕は空いた手をユーリの腕へと伸ばした。皺になるのも構わず、必死で服を力任せに引っ張った。
「ユーリ、ああっ、やだ、ユーリぃ」
「んー?」
「こわ、い……っ、ふかくて、へんっ」
ユーリは少し息を吐いてから、さらに僕の中へと押し進めてきた。脹脛辺りに口づけをされて、赤い痕をつけられる。
「大丈夫。変でいいよ、おかしくなって。もっと見せて」
ぐり、と奥の奥まで突かれて、チカチカと目の前が白くなる。駄目、これじゃ、また。
「リヒト。好き。離さない。離してあげられない……ッ」
「あっ、ユーリ……、ああぁっ」
どくどくと脈打つユーリから出された欲が、また奥へと溜まっていくのを感じた。
ユーリの家の前まで迎えに来た車で、僕たちはパーティー会場のホテルへと向かうことを聞かされた。立派なスーツでも着ないといけないのかな、なんて心配を余所に、ユーリはいつものラフな格好でいいと言い、僕の手を引いて車へと乗り込む。
黒塗りの立派な車で、運転手の人からは「坊ちゃん」と呼ばれていた。車の中にはL字型に椅子? もはやソファ? が配置されていて、テーブルにはグラスが置いてある。お酒飲めるよ、と教えてくれたけれど、僕は緊張から流れる景色も見れず、カチコチのまま膝に置いた手をずっと見つめていた。
「リヒト?」
「な、なにっ」
「緊張してる?」
「あたり、まえ、だろっ」
ユーリと違ってこっちは根っからの庶民なのだ。前世の記憶をフル動員しても、むしろパーティーをぶち壊す側で、優雅に参加した覚えなどこれっぽっちもない。
どんな顔をすればいい? 話題は? 挨拶って誰にすれば? なんて考えが頭を巡って、知恵熱でも出しそうな勢いだ。
「リヒト」
膝に置いた手にユーリの手が被さり、そのまま軽く指を絡められる。指の間を指先が掠めるたび「ぁ……っ」と口からは恥ずかしい声が漏れた。
「緊張、解してあげよっか」
「いい。ロクなことにならないから……っ」
「激しくしないから」
こつん、と額を合わされ、鼻先を甘えるように擦られる。唇にかかる熱い吐息に、明らかに自分の体温が上がっていくのを感じた。
「そういう問題じゃ……」
「じゃ、いっそのこと記憶飛ばしちゃう? 俺はそれでもいいよ? お姫様抱っこで運んであげる」
「それは第一印象が、悪す、ぎ……っ」
パーカーの中へ滑り込んだ手が、優しい手つきで腰を擦っていく。最初は冷たかった手が暖かくなるにつれ、上へと移動して、つんと主張するそれを弄ぶように摘んだ。
「ひ、うっ」
「誰も見てないし、聞かれたとしても大丈夫。だから、ほら」
「や……ん、あっ」
親指と人差し指で少し強く摘んで、それからユーリは、円を描くように親指の腹で胸の先端を軽く触れた。逃げようと身体を離すも、ユーリはそのまま僕をソファに押し倒し、パーカーをゆっくりと捲り上げる。
「やだっ、こんなとこ、で……っ」
その手を掴んでやめさせるけれど、覆い被さってきたユーリが、僕を嘲笑うようににやりと笑ってみせた。
「でもリヒトは我慢出来ないでしょ?」
「ぁ……っ」
脇腹をくすぐられ、腰にぞくりと痺れが走った。動いた反動でソファから左足がずり落ちる。ユーリはそれを支えると、自分の左肩に僕の右足を緩く乗せる。
「こんなかっこ、やだっ」
「リヒトは我儘だね。でもごめん、聞いてあげられない」
「や、ま、待って」
ユーリは器用に僕の右足からジャージごと下着を軽く取り払うと、ずり落ちた左足の先まで下げた。なのに上だけはしっかりと着たままで、それがなおのこと僕の熱を上げていく。
「ほら、いつもよりよさそう」
「ああっ」
くちゅ、と根本から絞り出すような手の動きに、僕は呆気なく熱を吐き出してしまう。ぱたぱたとパーカーにかかったそれを見て、あぁもう最悪だと片手で顔を隠す。
「場所が違うからかな。前も思ったけど、リヒト、外のほうが好きそうだよ?」
「ちが、違う、から……あっ」
ぐずぐずになったソコに、ユーリの指先があてがわれる。僕自身が出した熱を塗り込むようなその動きに、僕の口からは「ひぅ」と甲高い声が漏れた。
「あんまり慣らさなくても、すんなり入るようになってきたね。ね、いい?」
「だ、め。汚れる……」
こんな時だというのに、僕の頭の中には、この高そうなソファを汚したらクリーニング料はいくらだろうとか、もう既にパーカーは汚れてるしとか、どうでもいいことばかりが浮かんでくる。
「ふふっ」
「ユーリ?」
何かを耐えるように笑うユーリ。僕は何が可笑しいのかわからず、空いた手をその頬に向かって伸ばした。その手を絡め取られ「リヒト」と軽く口づけられる。
「何考えてるか当ててあげよっか」
愛おしそうに何度も絡めた手を啄んで、ユーリが僕を優しく見下ろす。
「こんなに高そうなソファ、汚したらいくらするんだろうって。そんな表情してる」
「だ……って」
「大丈夫。そんなこと心配しなくていいよ。ていうか、そんな余裕なくなるから」
ぐ、とユーリが腰を押しつける。途端、下腹部に感じる圧迫感に一瞬息が詰まった。
「あ、やっ」
「リヒト、ちょっと締めすぎ……ッ」
「わかんな、ぁ、んあ」
いつもと体勢が違うからか、違う奥の部分に擦れてそれがとても気持ちがいい。もっとユーリが欲しくて、僕は空いた手をユーリの腕へと伸ばした。皺になるのも構わず、必死で服を力任せに引っ張った。
「ユーリ、ああっ、やだ、ユーリぃ」
「んー?」
「こわ、い……っ、ふかくて、へんっ」
ユーリは少し息を吐いてから、さらに僕の中へと押し進めてきた。脹脛辺りに口づけをされて、赤い痕をつけられる。
「大丈夫。変でいいよ、おかしくなって。もっと見せて」
ぐり、と奥の奥まで突かれて、チカチカと目の前が白くなる。駄目、これじゃ、また。
「リヒト。好き。離さない。離してあげられない……ッ」
「あっ、ユーリ……、ああぁっ」
どくどくと脈打つユーリから出された欲が、また奥へと溜まっていくのを感じた。
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