462 / 465
裏の都編
因縁の再会 その1
しおりを挟む
「早く降りないと!」
「よっしゃー! いっくぞー!」
「いざキョウトへ」
「EΞ7↑EA(さっさと終わらせて美味いもの食うぞ)」
「面白いモノ、あるかな」
結城の後ろに早足で付いていきながら、媛寿は新幹線の扉を潜った。
「…………あれ?」
媛寿は何度も目を瞬かせた。
新幹線を降りた先は、車窓から見えていた『京都駅』ではなかった。
いや、もはや駅のプラットホームですらなかった。
媛寿が立っていたのは通りのど真ん中。なぜか往来の中に立ち尽くしていたのだ。
それもただの往来ではない。
新幹線に乗っていた時には快晴だったのが、今は薄い曇天が空を覆っている。
しかし、そんな天候にもかかわらず、媛寿が降り立った往来は煌びやかに賑わっていた。
橙色の光を放つ屋台の群れが、道の両側、端から端を埋め尽くす程に続いている。
大きな神社や街で開かれる縁日でさえ、これ程の規模はなかっただろう。
さらには、往来を行く者たちも、屋台で商いをする者たちも、『人』ではなかった。
リンゴ飴を片手に歩く男の顔には目玉が一つしかなく、焼き鳥を美味そうに齧る子どもには獣の耳と尾があり、当てもの屋を営む店主にいたっては、頭が福引きの回転抽選器になっている。
普通なら異様極まる光景だが、媛寿は周りを落ち着いた様子で見渡した。
「ここって―――」
「あれ? あの男に付いてた座敷童子?」
聞き覚えがあり、そして媛寿にとっては因縁も敵愾心も深い声が耳に入り、媛寿は振り返りざま反射的に構えた。
「何してんの? こんなとこで」
黒を基調とした私立皆本学園の制服に、紅いダッフルコートを纏った少女がそこにいた。
「よっしゃー! いっくぞー!」
「いざキョウトへ」
「EΞ7↑EA(さっさと終わらせて美味いもの食うぞ)」
「面白いモノ、あるかな」
結城の後ろに早足で付いていきながら、媛寿は新幹線の扉を潜った。
「…………あれ?」
媛寿は何度も目を瞬かせた。
新幹線を降りた先は、車窓から見えていた『京都駅』ではなかった。
いや、もはや駅のプラットホームですらなかった。
媛寿が立っていたのは通りのど真ん中。なぜか往来の中に立ち尽くしていたのだ。
それもただの往来ではない。
新幹線に乗っていた時には快晴だったのが、今は薄い曇天が空を覆っている。
しかし、そんな天候にもかかわらず、媛寿が降り立った往来は煌びやかに賑わっていた。
橙色の光を放つ屋台の群れが、道の両側、端から端を埋め尽くす程に続いている。
大きな神社や街で開かれる縁日でさえ、これ程の規模はなかっただろう。
さらには、往来を行く者たちも、屋台で商いをする者たちも、『人』ではなかった。
リンゴ飴を片手に歩く男の顔には目玉が一つしかなく、焼き鳥を美味そうに齧る子どもには獣の耳と尾があり、当てもの屋を営む店主にいたっては、頭が福引きの回転抽選器になっている。
普通なら異様極まる光景だが、媛寿は周りを落ち着いた様子で見渡した。
「ここって―――」
「あれ? あの男に付いてた座敷童子?」
聞き覚えがあり、そして媛寿にとっては因縁も敵愾心も深い声が耳に入り、媛寿は振り返りざま反射的に構えた。
「何してんの? こんなとこで」
黒を基調とした私立皆本学園の制服に、紅いダッフルコートを纏った少女がそこにいた。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる