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荒野の少女
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「ガーネット、ガーネット・・・」
誰かが遠くで、ガーネットを呼ぶ声がする。
ガーネットは立ち上がり声の方に向かう、だが、激しい閃光、爆風が体を引き裂く、
彼女は何度も倒れ、何度も立ち上がった。
そして、その激しい戦いの果てに・・・
彼女は、崩れるように倒れ込む、もう立ち上がる力が無くなっていた・・・
壊れた回路を迂回して、再充電と再起動に、長い日にちと時間が掛かり、やっと起動したが・・・
ガーネットは、乾いた大地の上で目覚めた。
当たりを見回すが、もう誰の姿も無く、只、風が吹いているだけだった。
青い空が広がる、空と不毛の大地の地平線、荒涼と吹き荒ぶ砂嵐、荒れ果てた荒野がどこまでも続く、小さな生き物すら姿を見せない、
そんな原野の中を一人彷徨う少女、彼女はどこから来たのだろうか?
その行く手に行き先など見えない、永遠と続く赤く乾いた大地が広がっていた。
少女が不図、気付くと、そこへどこから現れたのか?
複数の黒い影が不意に姿を現す。
そこに荒野に屯する無法のならず者の集団が現れる。
薄いマントを握り締め、目付きを鋭くして身構える少女、
そしてそんな、その光景を丁度そこに通り掛かった、一人の少年が、遠くからならず者に囲まれた少女を見付けた。
「んん!?何だあれは・・・」
ならず者の一人が、少女の行く手を塞ぎ、声を上げた。
「お嬢ちゃん、主なしの、野良かい?俺たちがお前の主に為ってやろうか!」
男の言葉に、少女は顔を見上げて鋭い視線で、ならず者を睨み付ける。
だが、少女が周りを見回すと、いつの間にか、複数の男たちが少女を取り囲み、しかも、男たちは人数が多い上に、強力な武器を持っていた。
ぼろきれを羽織っただけの、少女の手には武器は無く、じっと自分の細い手を見詰めていたが、
然し、少女は怯む事なく、男たちを睨み付け、不敵に微笑んでみせる。
それを見た男が怒鳴り声を上げた。
「何だ?このガキ!ぶっ壊してやろうか?」
振りかざした大ナタを。少女へと振り下ろそうとした。
その時、
「おい!その子に何か用かい?その子は俺の連れなんだ!」
男が振り返ると、そこには、マントを着た少年が立っていた。
「んん!?ガキの小僧か?余計な口出しすると、この荒野で屍をさらす事に為るぞ!」
そんな男に対して少年は、腰からサーベルライフルを取り出した。
銀色に輝く長剣型電磁ライフル、それを見た男が、上目づかいに少年に言う、
「ふん、ガキの癖して、護身用には、ごつい物を持ってるじゃあねえか?」
男が顔をしゃくると、直ぐに男たちは、少年を取り囲んだ。
それに少年は少し困った顔をしたが、ニコリと微笑んで、
「おじさんたち、痛い思いをしない内に、引き上げてください、無駄な殺生はしたくありませんので」
少年の言葉に、男が嘲笑う、
「そいったーいいや!俺たちは、その無駄な殺生が大好きだぜ!おい、やれや」
そう言うと、男たちは一斉に、少年に襲い掛かった。
と、そこへ少女が、少年と男たちの間に割り込み、
その中の男の一人を地面に叩き付ける。
そして、
「おい、お前!私の主になれ、そうすれば私が助けてやる!早くしろ、主の資格を私に差し出せ!」
少女の発した言葉に戸惑う少年、
「あ、主の資格??」
もがく男の首を抱えた、少女が言う、
「そうだ!お前の体の一部でいい、引き裂いてこっちに投げろ!」
「体の一部って、」
「つべこべ言うな!」
少女は、抱えた男を蹴り飛ばし、素早く少年の腕を取り、思いっきりに噛みついた。
「ぎゃああーーーーーー!!」
荒野の地平に、少年の叫び声はこだまする。
次の瞬間、少女が少年に言った。
「私の武器を解放しろ!武器召喚、敵を殲滅せよ、そう言え!」
「早く言え、馬鹿者め!」
少女は、群がる男たちを体で押さえ付けながら叫んだ。
少年は仕方なしに少女の言う通りに、武器召喚をする。
「武器召喚、敵を殲滅せよ、こう言えばいいのかな?」
その少年の言葉に、微笑みを浮かべた少女は、
「そうだ!良く言った。了解、マスター!」
と、言うが早いか、少女は、両手から電磁ソード、両足がマシンガンに変化した。
アッと言う間に、男たちならず者たちを、瞬時に一掃する少女、少年に襲い掛かる男のマシンガンの銃弾を腕と胸で弾き返す。
更には少年の腕を取り、その腕に絡まるように、その儘、重マシンガンと盾に変化する。
驚いている少年の体は、一瞬に少女の体を纏っていた。
そして、体が武器と変化した少女は、少年の瞬く間に、ならず者たちをことごとく、荒野の塵にしたのだ。
轟音を轟かせて、一陣の砂塵のように、荒野の大地が大きく振動して震えた。
激しい爆風と土煙の中から、少女を纏った少年の姿だけが大地に立っていた。
あれほどいたならず者たちは、一瞬の閃光と爆風の中で引き裂かれ、砂ぼこりの中で無残な姿を大地に晒していたのだった。
何事も無く静まり返った平原、風が吹き荒ぶ荒野の大地に立つ 人影は、直ぐに二つに分かれ、その二つの人影だけが風の中に立っていた。
ガーネットが、風の音に振り返る。
懐かしい声が聞こえたような気がした。
だが、誰の姿も、そこにはもう見えなかった。
砂の混ざる風音の中で、ガーネットの目には、目の前の少年以外は、誰もいなかった・・・
2024年1月16日 星屑
誰かが遠くで、ガーネットを呼ぶ声がする。
ガーネットは立ち上がり声の方に向かう、だが、激しい閃光、爆風が体を引き裂く、
彼女は何度も倒れ、何度も立ち上がった。
そして、その激しい戦いの果てに・・・
彼女は、崩れるように倒れ込む、もう立ち上がる力が無くなっていた・・・
壊れた回路を迂回して、再充電と再起動に、長い日にちと時間が掛かり、やっと起動したが・・・
ガーネットは、乾いた大地の上で目覚めた。
当たりを見回すが、もう誰の姿も無く、只、風が吹いているだけだった。
青い空が広がる、空と不毛の大地の地平線、荒涼と吹き荒ぶ砂嵐、荒れ果てた荒野がどこまでも続く、小さな生き物すら姿を見せない、
そんな原野の中を一人彷徨う少女、彼女はどこから来たのだろうか?
その行く手に行き先など見えない、永遠と続く赤く乾いた大地が広がっていた。
少女が不図、気付くと、そこへどこから現れたのか?
複数の黒い影が不意に姿を現す。
そこに荒野に屯する無法のならず者の集団が現れる。
薄いマントを握り締め、目付きを鋭くして身構える少女、
そしてそんな、その光景を丁度そこに通り掛かった、一人の少年が、遠くからならず者に囲まれた少女を見付けた。
「んん!?何だあれは・・・」
ならず者の一人が、少女の行く手を塞ぎ、声を上げた。
「お嬢ちゃん、主なしの、野良かい?俺たちがお前の主に為ってやろうか!」
男の言葉に、少女は顔を見上げて鋭い視線で、ならず者を睨み付ける。
だが、少女が周りを見回すと、いつの間にか、複数の男たちが少女を取り囲み、しかも、男たちは人数が多い上に、強力な武器を持っていた。
ぼろきれを羽織っただけの、少女の手には武器は無く、じっと自分の細い手を見詰めていたが、
然し、少女は怯む事なく、男たちを睨み付け、不敵に微笑んでみせる。
それを見た男が怒鳴り声を上げた。
「何だ?このガキ!ぶっ壊してやろうか?」
振りかざした大ナタを。少女へと振り下ろそうとした。
その時、
「おい!その子に何か用かい?その子は俺の連れなんだ!」
男が振り返ると、そこには、マントを着た少年が立っていた。
「んん!?ガキの小僧か?余計な口出しすると、この荒野で屍をさらす事に為るぞ!」
そんな男に対して少年は、腰からサーベルライフルを取り出した。
銀色に輝く長剣型電磁ライフル、それを見た男が、上目づかいに少年に言う、
「ふん、ガキの癖して、護身用には、ごつい物を持ってるじゃあねえか?」
男が顔をしゃくると、直ぐに男たちは、少年を取り囲んだ。
それに少年は少し困った顔をしたが、ニコリと微笑んで、
「おじさんたち、痛い思いをしない内に、引き上げてください、無駄な殺生はしたくありませんので」
少年の言葉に、男が嘲笑う、
「そいったーいいや!俺たちは、その無駄な殺生が大好きだぜ!おい、やれや」
そう言うと、男たちは一斉に、少年に襲い掛かった。
と、そこへ少女が、少年と男たちの間に割り込み、
その中の男の一人を地面に叩き付ける。
そして、
「おい、お前!私の主になれ、そうすれば私が助けてやる!早くしろ、主の資格を私に差し出せ!」
少女の発した言葉に戸惑う少年、
「あ、主の資格??」
もがく男の首を抱えた、少女が言う、
「そうだ!お前の体の一部でいい、引き裂いてこっちに投げろ!」
「体の一部って、」
「つべこべ言うな!」
少女は、抱えた男を蹴り飛ばし、素早く少年の腕を取り、思いっきりに噛みついた。
「ぎゃああーーーーーー!!」
荒野の地平に、少年の叫び声はこだまする。
次の瞬間、少女が少年に言った。
「私の武器を解放しろ!武器召喚、敵を殲滅せよ、そう言え!」
「早く言え、馬鹿者め!」
少女は、群がる男たちを体で押さえ付けながら叫んだ。
少年は仕方なしに少女の言う通りに、武器召喚をする。
「武器召喚、敵を殲滅せよ、こう言えばいいのかな?」
その少年の言葉に、微笑みを浮かべた少女は、
「そうだ!良く言った。了解、マスター!」
と、言うが早いか、少女は、両手から電磁ソード、両足がマシンガンに変化した。
アッと言う間に、男たちならず者たちを、瞬時に一掃する少女、少年に襲い掛かる男のマシンガンの銃弾を腕と胸で弾き返す。
更には少年の腕を取り、その腕に絡まるように、その儘、重マシンガンと盾に変化する。
驚いている少年の体は、一瞬に少女の体を纏っていた。
そして、体が武器と変化した少女は、少年の瞬く間に、ならず者たちをことごとく、荒野の塵にしたのだ。
轟音を轟かせて、一陣の砂塵のように、荒野の大地が大きく振動して震えた。
激しい爆風と土煙の中から、少女を纏った少年の姿だけが大地に立っていた。
あれほどいたならず者たちは、一瞬の閃光と爆風の中で引き裂かれ、砂ぼこりの中で無残な姿を大地に晒していたのだった。
何事も無く静まり返った平原、風が吹き荒ぶ荒野の大地に立つ 人影は、直ぐに二つに分かれ、その二つの人影だけが風の中に立っていた。
ガーネットが、風の音に振り返る。
懐かしい声が聞こえたような気がした。
だが、誰の姿も、そこにはもう見えなかった。
砂の混ざる風音の中で、ガーネットの目には、目の前の少年以外は、誰もいなかった・・・
2024年1月16日 星屑
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