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プロローグ
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僕の名前は扇山 千弦(おうぎやま ちづる)。
家庭の事情というありきたりな肩書きを背負って、本日から柏木中学校に転校したごく一般でありこれから注目を浴びる男子生徒だ。
もしかしたら可愛い女の子がいるかもな…
下心丸出しな思考回路を遮断したのは今から入る教室の入口の奥から先生の僕を呼ぶ声だった。
「失礼します」
簡素な一言だがこれで第一印象が決まるというのだから困ったもので、僕は昨晩からずっと失礼しますの練習をしていた。が、練習と本番はやはり違うのだろう。緊張のせいか固くなってしまった気がして焦りのせいで手汗がひどい。
教壇に立ち先生が背後で僕の名前を書く音がする。
書き終わったのかチョークを置き僕の横に立つ。
「親の事情で転校生してきた扇山 千弦君だ、みんな仲良くするように」
そう言って僕の方を叩く。きっと言葉を発して良い合図なのだろう。
「よろしくお願いします」
上手くいかないなと表情を変えずに落ち込んでいながらもクラスメイトの顔を見渡すと1人だけ目の合わない奴がいた。しかも窓の外を見ている。
(僕に興味が無いのか…?)
“噂の転校生”は自然と興味を持たれる存在で、あいつ以外は僕に興味津々といったような目で僕を凝視している中、窓の外を、まさに興味津々といったように目を輝かせて見ていた。
家庭の事情というありきたりな肩書きを背負って、本日から柏木中学校に転校したごく一般でありこれから注目を浴びる男子生徒だ。
もしかしたら可愛い女の子がいるかもな…
下心丸出しな思考回路を遮断したのは今から入る教室の入口の奥から先生の僕を呼ぶ声だった。
「失礼します」
簡素な一言だがこれで第一印象が決まるというのだから困ったもので、僕は昨晩からずっと失礼しますの練習をしていた。が、練習と本番はやはり違うのだろう。緊張のせいか固くなってしまった気がして焦りのせいで手汗がひどい。
教壇に立ち先生が背後で僕の名前を書く音がする。
書き終わったのかチョークを置き僕の横に立つ。
「親の事情で転校生してきた扇山 千弦君だ、みんな仲良くするように」
そう言って僕の方を叩く。きっと言葉を発して良い合図なのだろう。
「よろしくお願いします」
上手くいかないなと表情を変えずに落ち込んでいながらもクラスメイトの顔を見渡すと1人だけ目の合わない奴がいた。しかも窓の外を見ている。
(僕に興味が無いのか…?)
“噂の転校生”は自然と興味を持たれる存在で、あいつ以外は僕に興味津々といったような目で僕を凝視している中、窓の外を、まさに興味津々といったように目を輝かせて見ていた。
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