24 / 31
第24話 建国祭と守られた約束⑧(本編最終話)
しおりを挟む「アラン、起きてたの?」
「今起きました」
「ねえ、……明日から、また遠征だったりするの?フリード殿下は南方だとヴェロニカが言っていたけど……」
「いいえ、一旦は王城勤務ですよ。フリード殿下には別の近衛騎士が付いてるので」
「そう!それなら、……また近々会えるかしら?」
「はい、もちろん。俺もあなたに会いたい」
「嬉しい」
「毎日でも会いたいです、むしろ片時も離れたくない」
「私も……んっ」
寝起きのキスはとびきり甘く、アランは優しくシャルロットの髪を撫でた。
「アラン、好きなの。私のなの……」
「ええ、あなたのものです」
「んっ、好き、誰にもあげないわ……」
キスをしているとじんわりと蜜が溢れだす。
舌を絡めては唾液を交換する。
舌を絡めるのがこんなに気持ちいいことだと知らなかった。
このまま溶け合ってアランと一つになりたい。
アランのせいで、いやらしい体になってしまったかもしれない。
アランがもじもじと太ももを動かすシャルロットの様子に気づく。
アランは片手でシャルロットの腰から太ももを撫で、そのまま膝を持ち上げると秘部を露わにした。
「あん」
キスをしながらアランは体を起こすと片膝を抱えながら反対の指をシャルロットの濡れた蜜穴にくぷりと埋める。
快感を引き出すようにゆっくりと指を動かす。
滑りがスムーズになると指を増やす。
圧迫感があるようでシャルロットが少し苦しそうにしている。
肉壁をなぞるように陰核の裏側を擦る。
アランが少しずつ進めているのがわかり、シャルロットは素直に快感に身を委ねた。
丹念に解すと愛液が溢れ、卑猥な音が目立ってきた。
「んっ、いいん……」
蜜口に指を突っ込んだまま、アランは反対の手で恥丘を押し広げる。
現れた可愛らしい豆粒をチロチロと優しく舐める。
「あっ、あっ、感じちゃうの」
陰核に夢中になっていると、おざなりになっていた蜜穴が、アランの指を誘うようにヒクヒクと動く。
十分にぬかるんだそこの愛液を掻き出すように指を動かすと、シャルロットが両方の刺激に耐えきれずに震えだした。
「イッていいですよ」
アランの低い声にシャルロットの下腹部に快感が押し寄せる。
「んっ、んん!、きちゃう、きちゃうのっ」
「可愛い、シャルロット」
「やっ、あ、あ、あ、ぃくうううっ!」
シャルロットは痙攣するときゅうきゅうと、アランの指を締め付けた。
涎とシャルロットの愛液でべたべたになった口元を拭うと、アランはシャルロットに口付ける。
「愛しています」
「わたしも…」
剛直の先端を濡れそぼった蜜穴に差し込むと、両手を繋ぐ。
「入れますよ」
アランが腰を沈めた。
「んんんあっ」
アランは、あまりの気持ちよさに腰が抜けそうな感覚になる。
すぐに射精したくなるのを抑えるためにゆっくりと抽挿を繰り返す。
穏やかな交わりにシャルロットも大きな肉棒が少しずつ馴染むのが分かった。
「辛くないですか」
「ん……大きい、けどっ幸せなの」
なんとか自分を落ち着かせていたのに、シャルロットの言葉にすぐにまたイきそうになる。
まだ繋がっていたいアランはシャルロットを反転させ、背中に口付ける。
「んっ……ん」
シャルロットの美しい背中に強く吸い付き一つ、二つと鬱血の痕をつける。
「何をしてるの…?」
キスマークを知らないシャルロットはアランが自分の背中に何をしているのか不思議に思う。
「俺のものだと、印をつけています」
説明しながらも背中に吸い付く。
「んっ……そんなのっ……当たり前よ?」
「っつ…」
その言葉にアランが抽挿を始める。
「あん!あっ、あっ」
ぱんぱんと肌がぶつかる。
アランがまろい尻を揉むと繋がっている秘部と不浄の穴がよく見えた。
衝動的に窄まった穴を舐めたくなったが、舐めるためには繋がった体を離さなければならない。
窄まりを撫でる。
弄りたいが、嫌われるだろうか。
今回は諦めるか、とそんなことを考えていると知らないシャルロットは大きな声で喘ぐ。
「あん、あっ、ああん!」
シャルロットの背中に体重をかけると、無防備に揺れる胸を両手で包み込むように揉みしだく。
ツンと立ち上がった乳首が愛らしい。
コリコリと指先でいじめると、さらに嬌声が大きくなる。
「やあんっ!感じちゃうのおっ」
「もっと感じて」
揉みながら腰を振るとシャルロットが耐えきれないとばかりに上半身がベットに沈んだ。
さらに腰を突き出したようなシャルロットの姿にアランはますます興奮して首筋を噛んだ。
「っん!」
アランがシャルロットの体をひっくり返すと、脚を大きく広げて再度挿入する。
シャルロットが自分をいやらしくも必死に咥えこんでいる。
剛直が出入りするたびに愛液が溢れ出す。
あまりの絶景に勝手に腰の動きが速まった。
「あああん!」
限界が近くなるとシャルロットを抱きしめて腰を振りたくる。
「アラン、私だけ、ずっと私だけ見てえ、ほしいのおっ」
可愛らしいお願いに頬が緩む。
「はい、シャルロットだけしか見ません……あなただけっ」
想いを乗せるように剛直を最奥に叩きつける。
「ああ、アラン!好き、好きいっ」
「くっ」
「アラン、アランっ」
「シャルロット!」
アランは絶頂すると、剛直を最奥に押し付けながら子種を放った。
「はっ、はあ……体を重ねるのって体力を使うのね…」
ぼんやりとしているシャルロットを抱きしめるとシャルロットはすぐに眠ってしまった。
挿れっぱなしだった肉棒をずるりと引き抜く。
間をおいて、蜜口から白濁の精液がこぽりと外に溢れ出てきた。
溢れ出したそれを見て、もう少し挿れたままでもよかったかと、指の腹で掬うとシャルロットの膣に押し込んだ。
自分の中にある強すぎる愛を知られて引かれはしないだろうか。
アランは幸せであると同時に怖いという感情に苛まれていた。
初めて剣術大会に出た時も、辺境の地での争いを抑え込んだ時も、密輸集団に一人で対峙した時でさえ怖いという感覚にならなかったが、シャルロットを失うことが今とてつもなく怖い。
シャルロットの可愛さと器量に加えて、王城での花嫁修行の経験を踏まえると、すぐに有力な貴族から声が掛かってもおかしくない。
政略結婚は禁止されたが、シャルロットと会えば誰だって惚れてしまうとアランは本気で思っているからだ。
「俺の方が強いに決まってますよ、独占欲は」
アランは隠していたビロードの小さな箱を開けると大きな宝石が乗った指輪を見つめた。
実はアランは、タウンハウスでスラットレイ伯爵夫妻に交際の許可をもらったその足で、婚約指輪を買いに行った。
はやく婚約まで漕ぎつけて、少しでも安心したかった。
建国祭の初日に、シャルロットを迎えに行く前に指輪を受け取り、いつ渡そうかとタイミングを見計らっていた。
シャルロットの可愛らしいお願いを思い出す。
新しい約束をもちろん生涯をかけて守るつもりだ。
煌めく指輪を寝ている間にはめてしまおうか、プロポーズしてから渡そうか、はたまたもう少し様子を見た方がいいのか。
幸せな悩みを巡らせながら愛しいシャルロットが起きるまでその寝顔を眺め続けた。
217
あなたにおすすめの小説
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
独身皇帝は秘書を独占して溺愛したい
狭山雪菜
恋愛
ナンシー・ヤンは、ヤン侯爵家の令嬢で、行き遅れとして皇帝の専属秘書官として働いていた。
ある時、秘書長に独身の皇帝の花嫁候補を作るようにと言われ、直接令嬢と話すために舞踏会へと出ると、何故か皇帝の怒りを買ってしまい…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。
彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。
そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。
幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。
そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。10~15話前後の短編五編+番外編のお話です。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。 ※R7.10/13お気に入り登録700を超えておりました(泣)多大なる感謝を込めて一話お届けいたします。 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.10/30に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。 ※R7.12/8お気に入り登録800超えです!ありがとうございます(泣)一話書いてみましたので、ぜひ!
婚約破棄された令嬢は騎士団長に溺愛される
狭山雪菜
恋愛
マリアは学園卒業後の社交場で、王太子から婚約破棄を言い渡されるがそもそも婚約者候補であり、まだ正式な婚約者じゃなかった
公の場で婚約破棄されたマリアは縁談の話が来なくなり、このままじゃ一生独身と落ち込む
すると、友人のエリカが気分転換に騎士団員への慰労会へ誘ってくれて…
全編甘々を目指しています。
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。
愛さないと言うけれど、婚家の跡継ぎは産みます
基本二度寝
恋愛
「君と結婚はするよ。愛することは無理だけどね」
婚約者はミレーユに恋人の存在を告げた。
愛する女は彼女だけとのことらしい。
相手から、侯爵家から望まれた婚約だった。
真面目で誠実な侯爵当主が、息子の嫁にミレーユを是非にと望んだ。
だから、娘を溺愛する父も認めた婚約だった。
「父も知っている。寧ろ好きにしろって言われたからね。でも、ミレーユとの婚姻だけは好きにはできなかった。どうせなら愛する女を妻に持ちたかったのに」
彼はミレーユを愛していない。愛する気もない。
しかし、結婚はするという。
結婚さえすれば、これまで通り好きに生きていいと言われているらしい。
あの侯爵がこんなに息子に甘かったなんて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる