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黒の村にて 繰り返されるお願いとキラキラした目
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僕の界気化についての説明が終わり、再び話し手はラカムタさんに戻る。
三体が急激に成長した事・操られた兄さんと姉さんを、僕とリンリーとイーリリスさんとイリュキンの四人で協力して止めた事・僕が兄さんと姉さんの異常を調べるために界気化を習得した事・大髭様を治療した事・青のクトーとの関わり・大霊湖に潜んでいた魔石の事・魔石との決戦の事・決戦後の事なんかについてを、ゆっくり思い出しながら話していく。
ちなみに、その間僕は何か聞かれたら答えてたけど、基本的には食事を優先していた。やっぱり大神林産のものは美味しいね。野草の歯応えも果物の甘さも最高だ。あと母さんが作ってくれた野草にかけるタレも前より種類が増えていて、どのタレを野草にかけても合うから、いくらでも食べれそうだよ。こうして食事を続けてると、ふとそういえば僕は胃の限界まで食べた事がないという考えが頭に浮かび、今の内臓の調子を同調で確認した。
……問題ない。皿に盛られた野草と果物は、まだまだあるので食事を止めて冷静に考えてみる。……完食は無理じゃないな。よしと気合を入れた時、僕の方へと近づいてくるたくさんの足音に気づいた。そちらを向くと、兄さんと姉さんとリンリーが村の子供達を引き連れていた。
「ヤート、食事してるところ悪い。今良いか?」
「うん、大丈夫だよ。僕に何か用?」
「実はね……」
姉さんが後ろを見ると、一人の子供が前に出てくる。この顔は……、確か広場の乱戦時に兄さんに殴り飛ばされたポポだったかな?
「話すのは初めてだから自己紹介だな。俺はポポだ」
「僕はヤーウェルトだよ。言いにくいならヤートって呼んで」
「よろしくな。ヤート」
「うん、こちらこそよろしく。それでポポは僕に何か用があるの?」
「俺だけじゃないんだが……、まあ、ここは単刀直入に言わせてもらう。ヤート、俺達と戦ってくれ」
……ポポの言ってる事はわかるけど、意味はわからない。なんで僕?
「鍛錬ならラカムタさんに言えば良いと思う」
「俺達はヤートと戦いたいんだ」
「なんで?」
「ヤートの、あの不思議な動きを目の前で体験したいからだ」
要は界気化を使ってるところ見たいって事か。まあ、僕自身の鍛錬になるし戦う事自体は良いとして……問題は人数だ。僕は兄さん達の後ろにいる子供達を見ながらポポへ確認する。
「僕一人で全員の相手をしないといけないの?」
「いや、俺を加えた五人と頼む」
「つまり五連戦……」
「ヤート君、まずいと思ったら私とガル君とマイネさんが止めるので安心してください」
…………兄さん達がいるなら大丈夫そうだね。
「わかった。良いよ」
「よし‼︎ やったぜ‼︎」
僕達は料理へ埃がかぶらないように宴の席から離れた広場の別の場所に移動した。そしてポポが僕と対面して残りは僕とポポを囲んだ。さて、せっかく食べた野草と果物を吐かない程度に動こう。
始めは、ただの一対一だった。僕は界気化した魔力で相手の動きをしっかり感知する。次に感知した相手の動きを逆手に取り、相手の体勢崩す。最後に体勢を崩してお尻や手を地面に着いた相手の後ろや横に回り込み、相手の頭か首を触り勝負有りを宣言する。
これを五回繰り返し五連戦を終えたから宴の席に戻ろうとすると、最後の相手に腕をガシッとつかまれジッと見られた。
「もう一戦、お願い」
「良いよ」
僕は、同じ手順で五連戦を勝ち抜き宴の席に戻ろうとする。足をつかまれた……。
「あと一戦だけ、お願い」
なんかすごくキラキラした目で僕を見てくる。この目は見た事があるな。どこでだっけ? …………あ、思い出した。前世で病気が比較的マシだった頃に参加した院内のクリスマス会とか誕生日会で見た、おもちゃをもらった時の入院してた子供達の目と同じなんだ。
今の僕はポポ達にとって、妙な動きをするおもちゃみたいな存在って事か。僕達の周りを囲んでる子達も嬉しそうにキラキラした目で見てくるから間違いない。
「……無理?」
「食事したいから、あと一戦ずつだよ」
「ありがとう‼︎」
そして三巡目が始まった。三回目ともなるとポポ達も動きに変化を加えてきたけど、青の村で水守達と手合わせした時より余裕があるので、特に乱される事なく動きを感知し、体勢を崩し、回り込んで頭か首を触り勝利宣言した。その後、内心でダメだろうなと思いつつ歩き出したら……。
「「「「「もうちょっとだけ、お願い‼︎」」」」」
今度はポポ達が横一列に並んで頭を下げてきた。……ここまでされたら、僕に拒否権が無い。兄さん達を見ても、僕が問題なく勝ち抜けてるせいで止めようが無いみたいだ。……仕方ないか。
「…………わかったよ。誰から?」
「「「「「よしっ‼︎」」」」」
…………はあ、ポポ達と戦うって決めた二十数分前の僕に一言言いたい。僕は僕に向かってくる拳・蹴り・尾・つかみかかってくる手なんかを感知しつつ、ため息を吐いた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
三体が急激に成長した事・操られた兄さんと姉さんを、僕とリンリーとイーリリスさんとイリュキンの四人で協力して止めた事・僕が兄さんと姉さんの異常を調べるために界気化を習得した事・大髭様を治療した事・青のクトーとの関わり・大霊湖に潜んでいた魔石の事・魔石との決戦の事・決戦後の事なんかについてを、ゆっくり思い出しながら話していく。
ちなみに、その間僕は何か聞かれたら答えてたけど、基本的には食事を優先していた。やっぱり大神林産のものは美味しいね。野草の歯応えも果物の甘さも最高だ。あと母さんが作ってくれた野草にかけるタレも前より種類が増えていて、どのタレを野草にかけても合うから、いくらでも食べれそうだよ。こうして食事を続けてると、ふとそういえば僕は胃の限界まで食べた事がないという考えが頭に浮かび、今の内臓の調子を同調で確認した。
……問題ない。皿に盛られた野草と果物は、まだまだあるので食事を止めて冷静に考えてみる。……完食は無理じゃないな。よしと気合を入れた時、僕の方へと近づいてくるたくさんの足音に気づいた。そちらを向くと、兄さんと姉さんとリンリーが村の子供達を引き連れていた。
「ヤート、食事してるところ悪い。今良いか?」
「うん、大丈夫だよ。僕に何か用?」
「実はね……」
姉さんが後ろを見ると、一人の子供が前に出てくる。この顔は……、確か広場の乱戦時に兄さんに殴り飛ばされたポポだったかな?
「話すのは初めてだから自己紹介だな。俺はポポだ」
「僕はヤーウェルトだよ。言いにくいならヤートって呼んで」
「よろしくな。ヤート」
「うん、こちらこそよろしく。それでポポは僕に何か用があるの?」
「俺だけじゃないんだが……、まあ、ここは単刀直入に言わせてもらう。ヤート、俺達と戦ってくれ」
……ポポの言ってる事はわかるけど、意味はわからない。なんで僕?
「鍛錬ならラカムタさんに言えば良いと思う」
「俺達はヤートと戦いたいんだ」
「なんで?」
「ヤートの、あの不思議な動きを目の前で体験したいからだ」
要は界気化を使ってるところ見たいって事か。まあ、僕自身の鍛錬になるし戦う事自体は良いとして……問題は人数だ。僕は兄さん達の後ろにいる子供達を見ながらポポへ確認する。
「僕一人で全員の相手をしないといけないの?」
「いや、俺を加えた五人と頼む」
「つまり五連戦……」
「ヤート君、まずいと思ったら私とガル君とマイネさんが止めるので安心してください」
…………兄さん達がいるなら大丈夫そうだね。
「わかった。良いよ」
「よし‼︎ やったぜ‼︎」
僕達は料理へ埃がかぶらないように宴の席から離れた広場の別の場所に移動した。そしてポポが僕と対面して残りは僕とポポを囲んだ。さて、せっかく食べた野草と果物を吐かない程度に動こう。
始めは、ただの一対一だった。僕は界気化した魔力で相手の動きをしっかり感知する。次に感知した相手の動きを逆手に取り、相手の体勢崩す。最後に体勢を崩してお尻や手を地面に着いた相手の後ろや横に回り込み、相手の頭か首を触り勝負有りを宣言する。
これを五回繰り返し五連戦を終えたから宴の席に戻ろうとすると、最後の相手に腕をガシッとつかまれジッと見られた。
「もう一戦、お願い」
「良いよ」
僕は、同じ手順で五連戦を勝ち抜き宴の席に戻ろうとする。足をつかまれた……。
「あと一戦だけ、お願い」
なんかすごくキラキラした目で僕を見てくる。この目は見た事があるな。どこでだっけ? …………あ、思い出した。前世で病気が比較的マシだった頃に参加した院内のクリスマス会とか誕生日会で見た、おもちゃをもらった時の入院してた子供達の目と同じなんだ。
今の僕はポポ達にとって、妙な動きをするおもちゃみたいな存在って事か。僕達の周りを囲んでる子達も嬉しそうにキラキラした目で見てくるから間違いない。
「……無理?」
「食事したいから、あと一戦ずつだよ」
「ありがとう‼︎」
そして三巡目が始まった。三回目ともなるとポポ達も動きに変化を加えてきたけど、青の村で水守達と手合わせした時より余裕があるので、特に乱される事なく動きを感知し、体勢を崩し、回り込んで頭か首を触り勝利宣言した。その後、内心でダメだろうなと思いつつ歩き出したら……。
「「「「「もうちょっとだけ、お願い‼︎」」」」」
今度はポポ達が横一列に並んで頭を下げてきた。……ここまでされたら、僕に拒否権が無い。兄さん達を見ても、僕が問題なく勝ち抜けてるせいで止めようが無いみたいだ。……仕方ないか。
「…………わかったよ。誰から?」
「「「「「よしっ‼︎」」」」」
…………はあ、ポポ達と戦うって決めた二十数分前の僕に一言言いたい。僕は僕に向かってくる拳・蹴り・尾・つかみかかってくる手なんかを感知しつつ、ため息を吐いた。
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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