2 / 318
生まれてから 生まれた喜びと迫る現実
しおりを挟む
「村長!!」
ドアを壊す勢いでバンッと開け竜人の青年が大声を出した。
「なんじゃマット、騒々しい。今は初親達へ色々説明しとる最中じゃから静かにせんか!!」
「そんな場合じゃないんだって!!」
「いったい、どうしたんじゃ?」
「ついさっき、ヘカテ爺さんから連絡があったんだけど、もう一人子供が生まれてたんだ!!」
「なんじゃと!! どういう事じゃ!!」
マットの言葉に、その場にいた全員が息を飲む。本来、卵の状態から一週間の間に自力で殻を破れなければ無事に生まれる可能性はなくなるはずで、竜人族の常識からすれば死者が生き返るくらいにありえない事だった。
「ヘカテ爺さんが言うには、卵から出られなかった子達を世界に還そうと孵化室に入ったら生まれてたらしい。ただ、かなり衰弱してて辛うじて息をしてる状態みたい」
「魔力の方は、どうなんじゃ?」
「微かにだけど吸収してるってさ」
「そうか……、その子は本当に自力で生まれたのじゃな……」
この世界では種族問わずに生まれてきたものへの試練が存在しており、例えば普人族の「成長の遅い弱い身体」・魔力の強い森人族の「魔力の暴走」・獣人族の「特定の病」などがある。そして竜人族にある試練は「卵からの自力での孵化」であった。
「それで誰の子供なんじゃ?」
「マルディさんとエステアさんの子供だって言ってた。それとすぐに来てほしいって」
「マルディ、エステア、すぐに卵育院に行くんじゃ!!」
「「は、はい!!」」
ありえない事が起きて唖然としていた初親達の中でマルディとエステアの二人は、村長に声をかけられた事でようやく正気を取り戻し立ち上がる。それと共に周りにいる他の初親達も口々に会話したり、生まれてこれなかった我が子に思いを馳せる。そんな少し騒がしくなってきた中で、マットが付け加えた言葉が場に困惑をもたらした。
「あ、それと村長にも、いっしょに来てほしいって言ってた」
「……わしもか? なぜじゃ?」
「わからない。ヘカテ爺さんに、村長にもそう言えって」
通常であれば、村内で司祭のような役割になっているヘカテが取り仕切っているため、村長が直接卵育院に向かう事はない。そのため村長が向かわなければならない事態が生まれた子供におきているという考えが、その場にいる全員に広がった。
「一応聞いておこうかの。マット、お前さんは赤子を見たのか?」
「…………部屋に入る前にヘカテ爺さんに止められたから見てない」
「良いじゃろ。とりあえず、向かうとするかの……」
村長が立ち上がり卵育院に向かおうとするが、マルディとエステアの二人は動けないのか棒立ちのままだった。
「マルディ、エステア、行かんのか?」
「え、…………あっ」
「す、すぐに行きます」
四人が卵育院の入口に着くとヘカテが出迎えた。しかしその顔は子供が生まれていたという喜ぶべき事とは逆の何か悩んでいる表情をしていた。
「ヘカテ爺さん、連れてきたぞ」
「うむ、待ち兼ねておったわ」
「ヘカテよ、いったいどうしたんじゃ?」
「マルディとエステアの子供についてなんじゃが……」
「私達の子が、どうかしたんですか!! まさか、世界に還ったんじゃ……」
「そうではない。確かに呼吸や魔力の吸収は弱いが安定しておるから落ち着かんか」
自分が生んだ子がどうなっているのかわからず焦っているエステアをヘカテはなだめた。
「申し訳ありません……」
「ともかく、ヘカテよ。子供に会わせてくれんか? それが一番話が進むじゃろう」
「そうじゃな……、そうするべきかもしれんが……」
「えらく悩んでおるな。この村の生き字引とも言われるヘカテらしくないのう。もう一度言おう、子供に会わせてくれんか?」
「わかった……。こっちじゃ……」
ヘカテの様子に、村長とマットは困惑しマルディとエステアは不安に押しつぶされそうだった。そもそも一週間を過ぎて生まれたという事自体が異常な事ではある。しかし、世界に還ると思っていた子供が一人とは言え生まれた事自体は喜ばしい事であるため、ヘカテのように悩む必要は一切ないはずであった。四人の胸中は困惑と不安しかなく、誰一人話さず複雑な心境のまま五人は部屋へと向かった。
「ここにおる」
卵育院の奥まった部屋の前でヘカテは立ち止まり告げた。この事でも四人の困惑と不安は、さらに増した。本来であれば生まれた子供は、卵育院の入口近くにある孵化室の隣の部屋に移されているはずで、建物の入口から真逆にあるような部屋に移されるはずがない。
「マットは他の子供達のところへ行ってくれぬか」
「……なんでだ?」
「中の子の事は、村長とマルディとエステアとわしの四人で話し合って数日中に皆へ説明する。それまでは中にいる子の事が断片でも広まってほしくないんじゃ……。すまん……」
「…………わかった」
不満げな表情をしていたマットはヘカテの真剣な表情を見て引き下がり、四人に背を向け他の子供達がいる部屋へと向かった。その姿を見送った後に四人が部屋に入ると、柔らかそうな布に全身を包まれて子供用の寝台に寝かされている子供がいた。
寝台の周りには換えの布や万が一のための薬草などがそろっていて、部屋の中は明るく掃除も行き届いており温かい。その事にマルディとエステアの二人は、我が子が他の子供達と同じように扱われていると安心した。
「エステア、抱いてやってくれんか? 二人も顔を見てやってくれんかの。そうすればわしが悩んでおった理由もわかるじゃろ」
「は、はいっ!!」
「子供が寝ておるから、静かにの」
注意されたエステアは慌てて口を閉じ静かに近づいていく。その様子を見て苦笑しつつマルディと村長の二人も静かに近づいていった。エステアは布が微かではあるが確かに上下しているのを見て目尻に涙を浮かべ、抱き上げた手で世界に還ったと思っていた我が子の体温を感じつつ振り向き二人の方に向かった。
三人で集まり三人ともが子供の無事を実感し、それぞれの顔を見て互いにうなずいた。そして微かに震える手でマルディが、子供の顔の部分を覆っている布をずらしてその顔を見た時三人は凍りついた。その子は竜人族に生まれながら全身が白かった。
通常、竜人族は色ごとに別れて別々の場所で生活しており、この村の黒の竜人の他に赤・青・黄土の竜人族が存在しているが白の竜人族はいないはずであった。また、他の種族を見ても白というのは存在しない。
「ヘカテ、この子は……?」
「おそらくじゃが、『欠色』と呼ばれる状態じゃろう……。わしも長い事生きて旅もしたが初めてこの目で見たのう」
「あの……、この子はずっと……?」
「文献通りなら一生白いままじゃ……」
あまりに予想外の自体に三人は何も言えなかった。そんな中、先に正気に戻り声を発したのは村長だった。
「…………ヘカテは何を悩んであるんじゃ? 確かに見た目は白いが、無事に生まれてきたんじゃ喜ぶべきじゃろうて」
「それなんじゃが……、このままこの子をこの村で育てて良いものなのかを悩んでおる……」
「どういう事だ!! いくらヘカテ爺さんでも、その言い方はないだろ!! この村は黒くないと住めないのか!!」
「落ち着かんか……、色の事を言っておるのではない。この子が背負う事になるかもしれない負担について言っておるんじゃ」
マルディはヘカテの言った事の意味がわからず眉をしかめる。
「それはどういう……?」
「わしが言いたいのは、この子がこの村を取り巻く環境に耐えれるかという事じゃ……」
「環境……?」
「『欠色』は肉体的にも魔力的にも弱いんじゃよ……。それも普人族と同じぐらいだそうじゃ。言い方は酷いが、この村の周りは普人族が……、それも子供の普人族が過ごせるようなやさしい環境ではない」
この村があるのは『大神林』と呼ばれる広大な原始の森の中であり、普人族で言えば国の最精鋭が数十人単位で最高の準備をして、ようやく活動ができるという異常な環境であった。当然、森に住む魔獣や植物も異常と言って問題ない存在ばかりだった。
「あとは、この子が将来周りとの差に悩まないかという事じゃ……。三人とも森の外に出て他の種族のところに行った事があるじゃろ? 初めて行った時どう感じた?」
「ヘカテ……?」
「落ち着かんかったのではないか? 周りに自分とは違う種族しかいないという環境じゃ落ち着けたか?」
ようやく三人はヘカテが何が言いたいのか気づく。ヘカテは、周りが家族を含めて全員黒いのに、自分だけ白いという事に悩まないかと聞きたいのだ。
「いずれ慣れるかもしれん。しかし、いずれがいつになるかわからんし、慣れる事ができるのかもわからんのじゃ……。それじゃったら始めから森の外に住んで、様々な種族に囲まれておった方が良いのかもしれん……」
一見すると、白いこの子を村から排除したいというような言い方に聞こえるが、ヘカテの目は心配そうに見ていた。無事に成長できるのか? 村人に特に同年代の子供に受け入れられるのか? 様々な事を心配しての発言だった。
「育てます……」
「エステア?」
「育ててみせます!! この子は一度世界に還りそうになっても生まれてきました。きっと強い子です。この子を信じます。それにこの子には私がいます。一人じゃありませんから!!」
「エステア、それは違うぞ。この子には俺もいる。それにこの子には二人の兄弟がいるんだ。この子一人じゃない。いつか俺と一緒に狩りに行けるくらい強くなるさ」
二人は強く真っ直ぐな目で村長とヘカテを見た。村長はその目を見て、この子は良き両親の元で成長できる事を確信する。それはヘカテも同じであった。
「そうか、それでは一足早いが、この子にはこの言葉を贈ろうかの……。この世界に生まれてきた事を、わしらの新たな仲間となってくれる事を感謝する」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
ドアを壊す勢いでバンッと開け竜人の青年が大声を出した。
「なんじゃマット、騒々しい。今は初親達へ色々説明しとる最中じゃから静かにせんか!!」
「そんな場合じゃないんだって!!」
「いったい、どうしたんじゃ?」
「ついさっき、ヘカテ爺さんから連絡があったんだけど、もう一人子供が生まれてたんだ!!」
「なんじゃと!! どういう事じゃ!!」
マットの言葉に、その場にいた全員が息を飲む。本来、卵の状態から一週間の間に自力で殻を破れなければ無事に生まれる可能性はなくなるはずで、竜人族の常識からすれば死者が生き返るくらいにありえない事だった。
「ヘカテ爺さんが言うには、卵から出られなかった子達を世界に還そうと孵化室に入ったら生まれてたらしい。ただ、かなり衰弱してて辛うじて息をしてる状態みたい」
「魔力の方は、どうなんじゃ?」
「微かにだけど吸収してるってさ」
「そうか……、その子は本当に自力で生まれたのじゃな……」
この世界では種族問わずに生まれてきたものへの試練が存在しており、例えば普人族の「成長の遅い弱い身体」・魔力の強い森人族の「魔力の暴走」・獣人族の「特定の病」などがある。そして竜人族にある試練は「卵からの自力での孵化」であった。
「それで誰の子供なんじゃ?」
「マルディさんとエステアさんの子供だって言ってた。それとすぐに来てほしいって」
「マルディ、エステア、すぐに卵育院に行くんじゃ!!」
「「は、はい!!」」
ありえない事が起きて唖然としていた初親達の中でマルディとエステアの二人は、村長に声をかけられた事でようやく正気を取り戻し立ち上がる。それと共に周りにいる他の初親達も口々に会話したり、生まれてこれなかった我が子に思いを馳せる。そんな少し騒がしくなってきた中で、マットが付け加えた言葉が場に困惑をもたらした。
「あ、それと村長にも、いっしょに来てほしいって言ってた」
「……わしもか? なぜじゃ?」
「わからない。ヘカテ爺さんに、村長にもそう言えって」
通常であれば、村内で司祭のような役割になっているヘカテが取り仕切っているため、村長が直接卵育院に向かう事はない。そのため村長が向かわなければならない事態が生まれた子供におきているという考えが、その場にいる全員に広がった。
「一応聞いておこうかの。マット、お前さんは赤子を見たのか?」
「…………部屋に入る前にヘカテ爺さんに止められたから見てない」
「良いじゃろ。とりあえず、向かうとするかの……」
村長が立ち上がり卵育院に向かおうとするが、マルディとエステアの二人は動けないのか棒立ちのままだった。
「マルディ、エステア、行かんのか?」
「え、…………あっ」
「す、すぐに行きます」
四人が卵育院の入口に着くとヘカテが出迎えた。しかしその顔は子供が生まれていたという喜ぶべき事とは逆の何か悩んでいる表情をしていた。
「ヘカテ爺さん、連れてきたぞ」
「うむ、待ち兼ねておったわ」
「ヘカテよ、いったいどうしたんじゃ?」
「マルディとエステアの子供についてなんじゃが……」
「私達の子が、どうかしたんですか!! まさか、世界に還ったんじゃ……」
「そうではない。確かに呼吸や魔力の吸収は弱いが安定しておるから落ち着かんか」
自分が生んだ子がどうなっているのかわからず焦っているエステアをヘカテはなだめた。
「申し訳ありません……」
「ともかく、ヘカテよ。子供に会わせてくれんか? それが一番話が進むじゃろう」
「そうじゃな……、そうするべきかもしれんが……」
「えらく悩んでおるな。この村の生き字引とも言われるヘカテらしくないのう。もう一度言おう、子供に会わせてくれんか?」
「わかった……。こっちじゃ……」
ヘカテの様子に、村長とマットは困惑しマルディとエステアは不安に押しつぶされそうだった。そもそも一週間を過ぎて生まれたという事自体が異常な事ではある。しかし、世界に還ると思っていた子供が一人とは言え生まれた事自体は喜ばしい事であるため、ヘカテのように悩む必要は一切ないはずであった。四人の胸中は困惑と不安しかなく、誰一人話さず複雑な心境のまま五人は部屋へと向かった。
「ここにおる」
卵育院の奥まった部屋の前でヘカテは立ち止まり告げた。この事でも四人の困惑と不安は、さらに増した。本来であれば生まれた子供は、卵育院の入口近くにある孵化室の隣の部屋に移されているはずで、建物の入口から真逆にあるような部屋に移されるはずがない。
「マットは他の子供達のところへ行ってくれぬか」
「……なんでだ?」
「中の子の事は、村長とマルディとエステアとわしの四人で話し合って数日中に皆へ説明する。それまでは中にいる子の事が断片でも広まってほしくないんじゃ……。すまん……」
「…………わかった」
不満げな表情をしていたマットはヘカテの真剣な表情を見て引き下がり、四人に背を向け他の子供達がいる部屋へと向かった。その姿を見送った後に四人が部屋に入ると、柔らかそうな布に全身を包まれて子供用の寝台に寝かされている子供がいた。
寝台の周りには換えの布や万が一のための薬草などがそろっていて、部屋の中は明るく掃除も行き届いており温かい。その事にマルディとエステアの二人は、我が子が他の子供達と同じように扱われていると安心した。
「エステア、抱いてやってくれんか? 二人も顔を見てやってくれんかの。そうすればわしが悩んでおった理由もわかるじゃろ」
「は、はいっ!!」
「子供が寝ておるから、静かにの」
注意されたエステアは慌てて口を閉じ静かに近づいていく。その様子を見て苦笑しつつマルディと村長の二人も静かに近づいていった。エステアは布が微かではあるが確かに上下しているのを見て目尻に涙を浮かべ、抱き上げた手で世界に還ったと思っていた我が子の体温を感じつつ振り向き二人の方に向かった。
三人で集まり三人ともが子供の無事を実感し、それぞれの顔を見て互いにうなずいた。そして微かに震える手でマルディが、子供の顔の部分を覆っている布をずらしてその顔を見た時三人は凍りついた。その子は竜人族に生まれながら全身が白かった。
通常、竜人族は色ごとに別れて別々の場所で生活しており、この村の黒の竜人の他に赤・青・黄土の竜人族が存在しているが白の竜人族はいないはずであった。また、他の種族を見ても白というのは存在しない。
「ヘカテ、この子は……?」
「おそらくじゃが、『欠色』と呼ばれる状態じゃろう……。わしも長い事生きて旅もしたが初めてこの目で見たのう」
「あの……、この子はずっと……?」
「文献通りなら一生白いままじゃ……」
あまりに予想外の自体に三人は何も言えなかった。そんな中、先に正気に戻り声を発したのは村長だった。
「…………ヘカテは何を悩んであるんじゃ? 確かに見た目は白いが、無事に生まれてきたんじゃ喜ぶべきじゃろうて」
「それなんじゃが……、このままこの子をこの村で育てて良いものなのかを悩んでおる……」
「どういう事だ!! いくらヘカテ爺さんでも、その言い方はないだろ!! この村は黒くないと住めないのか!!」
「落ち着かんか……、色の事を言っておるのではない。この子が背負う事になるかもしれない負担について言っておるんじゃ」
マルディはヘカテの言った事の意味がわからず眉をしかめる。
「それはどういう……?」
「わしが言いたいのは、この子がこの村を取り巻く環境に耐えれるかという事じゃ……」
「環境……?」
「『欠色』は肉体的にも魔力的にも弱いんじゃよ……。それも普人族と同じぐらいだそうじゃ。言い方は酷いが、この村の周りは普人族が……、それも子供の普人族が過ごせるようなやさしい環境ではない」
この村があるのは『大神林』と呼ばれる広大な原始の森の中であり、普人族で言えば国の最精鋭が数十人単位で最高の準備をして、ようやく活動ができるという異常な環境であった。当然、森に住む魔獣や植物も異常と言って問題ない存在ばかりだった。
「あとは、この子が将来周りとの差に悩まないかという事じゃ……。三人とも森の外に出て他の種族のところに行った事があるじゃろ? 初めて行った時どう感じた?」
「ヘカテ……?」
「落ち着かんかったのではないか? 周りに自分とは違う種族しかいないという環境じゃ落ち着けたか?」
ようやく三人はヘカテが何が言いたいのか気づく。ヘカテは、周りが家族を含めて全員黒いのに、自分だけ白いという事に悩まないかと聞きたいのだ。
「いずれ慣れるかもしれん。しかし、いずれがいつになるかわからんし、慣れる事ができるのかもわからんのじゃ……。それじゃったら始めから森の外に住んで、様々な種族に囲まれておった方が良いのかもしれん……」
一見すると、白いこの子を村から排除したいというような言い方に聞こえるが、ヘカテの目は心配そうに見ていた。無事に成長できるのか? 村人に特に同年代の子供に受け入れられるのか? 様々な事を心配しての発言だった。
「育てます……」
「エステア?」
「育ててみせます!! この子は一度世界に還りそうになっても生まれてきました。きっと強い子です。この子を信じます。それにこの子には私がいます。一人じゃありませんから!!」
「エステア、それは違うぞ。この子には俺もいる。それにこの子には二人の兄弟がいるんだ。この子一人じゃない。いつか俺と一緒に狩りに行けるくらい強くなるさ」
二人は強く真っ直ぐな目で村長とヘカテを見た。村長はその目を見て、この子は良き両親の元で成長できる事を確信する。それはヘカテも同じであった。
「そうか、それでは一足早いが、この子にはこの言葉を贈ろうかの……。この世界に生まれてきた事を、わしらの新たな仲間となってくれる事を感謝する」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
126
あなたにおすすめの小説
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~
千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる