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王城への旅にて あいさつと合流
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あれから三日が過ぎて王城への出発する日になったわけだけど、それまでの話し合いで王城へ行くのは、僕・兄さん・姉さん・リンリー・ラカムタさん・鬼熊・破壊猪になり、今は門の前で村のみんなに見送ってもらってるところだ。なんかラカムタさんからチラッと聞いた感じだと、自分も行きたいって子が何人かいたみたいで、村長といっしょに今回は諦めるよう説得するのに苦労したみたい。なんとなく周りを見たら悔しそうな顔をしてる子がいた。……いっしょに行ってくれるのは嬉しいけど、なんでみんな確実に面倒くさい起こるところに行きたいんだろ? まあ、気になるけど、あとで聞けば良いか。
「よし、お前ら準備は良いか?」
「大丈夫」
「できてるぜ」
「問題ないわ」
「大丈夫です」
僕達がラカムタさんに返事をしていたら父さんと母さんが念を押すように話しかけてきた。
「ガル、マイネ、ヤートを頼んだわよ」
「まかせろ!!」
「大丈夫よ」
「ヤート、いつも通りにな」
「僕はできる事しかしないから大丈夫だよ。父さん」
父さんと母さんに返事をしているとリンリーに近づいてくる人がいた。
「リンリー、ちゃんとみんなに着いて行くんだぞ」
「うん」
「リンリー、良い機会なんだから、しっかりとヤート君の気持ちをつかむのよ。積極的に行きなさい」
「ふぇ!!」
「父親としては複雑だが、母さんの言う通り良い機会だ。ものにしてきなさい」
「……頑張る」
あれがリンリーの両親か、あいさつしようと思い三人に近づいていく。
「おはようございます。それと初めまして、僕はヤーウェルト、みんなからはヤートって呼ばれてます」
「ああ、おはよう。リンリーの父親のカッターだ」
「うふふ、おはよう。リンリーの母親のレメスナよ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「ヤート君と出かける様になって、リンリーはずい分明るくなった。礼を言わせて欲しい。ありがとう」
「特に僕が何かしたわけじゃないです」
「ヤート君、そんな固いしゃべり方じゃなくて良いわ。ねえ、あなた?」
「そうだね」
「僕の話し方って変ですか?」
「そうじゃないわ。ただ、私達にももっと砕けた感じにしてほしいという事よ」
「……それじゃあそうする」
「改めてリンリーの事、よろしくね」
「誘ったのは僕だから、その辺りは絶対にやり切るよ」
「ふふ、お願いするよ」
大抵の竜人族は体育会系の荒々しい感じなのに、カッターさんは竜人族には珍しい落ち着いた感じの人だ。リンリーの大人しい性格は確実にカッターさんの影響だね。
「お前ら、話してたら日が暮れるぞ。サムゼン殿達もいるんだぞ」
いけない。ラカムタさんに呼ばれて周りを見ると、みんなが僕達を待っていた。慌ててカッターさんとレメスナさんに礼をしてリンリーの手を引いてみんなのところに行く。後ろからカッターさんとレメルナさんが、「うふふ、意外と積極的ね」とか「これなら大丈夫そうだね。……やっぱり複雑だけど」っていう会話が聞こえて、なんでかリンリーが早足になり逆に僕がリンリーに手を引かれる形になった。それに周りからも、なんかこう微笑ましいものを見てるような空気を感じる。
「この空気っていうか雰囲気は何?」
僕のつぶやきにラカムタさん達は顔を見合わせてため息をつく。なんか最近ため息をつかれるのが多い気がする。あと、ずっと手をつないで感じてるリンリーの体温が、さっきよりも高くなっている。竜人族は身体が強いから風邪とかじゃないはずで、同調で確かめてみても特に異常は無い。ただ、体温が高くなっているだけみたい。……前にいっしょに散歩に行った時もなってたけど、どうしたんだろう?
「リンリー、体温が高くなってるけど大丈夫?」
「……大丈夫です」
「……ヤート殿は、その、なんというか無自覚なのか?」
「そうだな。ヤートは俺らの中じゃ、間違いなく一番頭が切れるし冷静なんだが、そっち方面は鈍いようだ」
「はたから見たても一目でわかるのだが……」
サムゼンさんがラカムタさんに僕の事を聞いてる。僕が無自覚? 何の事だろ?
「何の話?」
「ヤートなら、その内気づくだろう話だからヤートは気にするな」
「そうなの?」
「ああ、気にするな。それより今度こそ出発するぞ。あとヤート、あの二体を呼んでくれ」
「わかった。でも、あいつらなら呼ばなくても村から少し離れたら走って寄ってくるよ。サムゼンさん達は大丈夫?」
「絶対とは言い切れんが覚悟は出来ている。無論、私の部下もだ」
サムゼンさんの言葉を聞いて部下の人達を見たら、全員が強ばった顔でうなずいてきた。……前の兄さんと姉さんより緊張してるね。まあ、僕がどれだけあいつらが良い奴だって言っても、実際にあいつらを見て感じて慣れてもらうしかないからしょうがないか。とりあえず出発だ。
……村から離れるごとにサムゼンさん達の緊張が高まっていく。これ以上緊張が続いたら旅云々の前に身体も心も潰れるから、これは早く呼んで強制的に対面させた方が良いな。ダメな人が出たとしても、その人に僕達の現状報告をしてもらうために王城へ先に行ってもらうとか色々やりようがある。さて、それじゃあ呼ぼう。
「みんな、ちょっと止まって」
「ヤート、どうした?」
「これ以上、いつまで続くかわからない緊張が続いたらサムゼンさんの部下の人達がもたないから、二体を今呼び寄せる」
「……お前達」
「…………申し訳ありません」
「いや、責めてはいない。確かに私も含めてヤート殿の言う通りか」
「呼んでいい?」
「頼む」
「それじゃあ、お――――い、いる――――!!!!? 聞こえてたら来て――――!!!!」
「…………ヤート、お前でかい声出せるんだな」
「それリンリーにも言われたけど、大きな声を出す時がなかっただけ」
ズドドドドドドドドドドドドド。うん、来るね。みんなから少し離れるか。僕がみんなから離れた場所に行くと、まるでその行動が見えているかのように地響きのような二重の足音が僕の方に近づいてくる。とっさに兄さんと姉さんが僕の前に来ようとしたけど、それを止めて待ってたらいつものように飛び出てきた二体がものすごい勢いで僕の両横を通り過ぎガリガリ地面を削りながら砂ぼこりを立てて止まった。
「ケホッ、いつも思うんだけど、もっと静かに近寄ってこれない?」
「ガア」
「ブオ、ブブォ」
「ガア!!」
「ブオ」
「ゴホッ、いきなりケンカしないで。それと今日からしばらくの間、よろしく。向こうにいるのが僕達といっしょに旅に行く人達だよ」
「ガ」
「ブ」
はあ、なんでどっちが僕のところに早く着けるか競争になるんだろ? というかその競争に何の意味が? どんな小さい事でも真剣に勝負してるこの二体の関係は、ほんとに兄さんと姉さんの関係に似ている。僕としてはもっと静かな関係でも良いと思うんだけどね。さてと、みんなは大丈夫かな? 二体の身体を撫でながらみんなの方を見てみると兄さん達は平気みたいだ。……やっぱりサムゼンさん達は時間がかかりそうだね。
「僕達は、しばらくちょっと離れて行くよ。時間はかかるだろうけど、なんとか慣れて」
「…………申し訳ない」
「気にしないで。まずは大神林の外に出よう」
少しバラけて森の中を歩いていく。具体的に言うと、まず先頭をラカムタさんが歩いてその後ろにサムゼンさん達と兄さん達が並んでいて、そこから少し離れて僕と二体が歩いている。ちなみ今は、どっちの背にも乗ってない。さすがに、これ以上ケンカとかで時間を取られるわけにもいけないから、僕を挟んで並んで歩いている。仲良く並んで歩いてって言ったら、ものすごくにらみ合った後に渋々歩き出した。これでなんとか最後まで静かに行ければ良いんだけど。……そういえばこれからの事で気になってる事がある。
「ねえ、サムゼンさん」
「ヤート殿、どうした?」
「ずっと気になってるんだけど、サムゼンさん達は王城までの移動はどうするの? ラカムタさん達は余裕で走っていけるし、僕は二体のどちらかに乗せてもらえば良い。サムゼンさん達は普段、馬での移動だと思うけど、この二体がいたら普通の馬は恐怖心で確実に正常じゃいれないけど、どうするの?」
「ああ、その事か。今回のために特別な個体を用意していて、あれならば移動速度はヤート殿の横の二体の魔獣と遜色ないはず。すでにこの大神林の外に待機させている」
「そうなんだ」
こいつらがいるのに大丈夫な移動手段があるんだ。どんなのだろう? 楽しみだ。…………あれ? 森の外が近づいてくるにつれて二体が殺気立ってくる。まるで、警戒するべき奴が近くにいるみたいな感じだ。……まさかね。…………あー、きっと気のせいだって思いたかったけど、気のせいじゃなかったか。大神林を抜けるとそこには、大神林の外で待機していた騎士達と十頭くらいの普通の馬がいて、少し離れた場所に身体の各部が黒い綺麗な石で覆われている黒い馬のような奴と見るからに発達した足が六本ある灰色の馬のような奴が六頭で群を作り、こっちを――正確には鬼熊と破壊猪――を見て殺気立っていた。そして、僕がまずいって思ったけど遅かった。それぞれがお互いに目をそらさず近づいていく。
「サムゼンさん、あの馬みたいな奴らって……」
「我らの王国が誇る最上級の軍馬で、それぞれ黒曜馬と六足馬だ。れっきとした魔獣だからな、あれならあの二体にも遅れは取らないはずだ」
「…………そうなんだ」
目の前で完全に戦闘態勢に入ってにらみ合っている鬼熊、破壊猪、黒曜馬と六足馬を見て心の底から思った事はただ一つ。面倒くさい。
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
「よし、お前ら準備は良いか?」
「大丈夫」
「できてるぜ」
「問題ないわ」
「大丈夫です」
僕達がラカムタさんに返事をしていたら父さんと母さんが念を押すように話しかけてきた。
「ガル、マイネ、ヤートを頼んだわよ」
「まかせろ!!」
「大丈夫よ」
「ヤート、いつも通りにな」
「僕はできる事しかしないから大丈夫だよ。父さん」
父さんと母さんに返事をしているとリンリーに近づいてくる人がいた。
「リンリー、ちゃんとみんなに着いて行くんだぞ」
「うん」
「リンリー、良い機会なんだから、しっかりとヤート君の気持ちをつかむのよ。積極的に行きなさい」
「ふぇ!!」
「父親としては複雑だが、母さんの言う通り良い機会だ。ものにしてきなさい」
「……頑張る」
あれがリンリーの両親か、あいさつしようと思い三人に近づいていく。
「おはようございます。それと初めまして、僕はヤーウェルト、みんなからはヤートって呼ばれてます」
「ああ、おはよう。リンリーの父親のカッターだ」
「うふふ、おはよう。リンリーの母親のレメスナよ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「ヤート君と出かける様になって、リンリーはずい分明るくなった。礼を言わせて欲しい。ありがとう」
「特に僕が何かしたわけじゃないです」
「ヤート君、そんな固いしゃべり方じゃなくて良いわ。ねえ、あなた?」
「そうだね」
「僕の話し方って変ですか?」
「そうじゃないわ。ただ、私達にももっと砕けた感じにしてほしいという事よ」
「……それじゃあそうする」
「改めてリンリーの事、よろしくね」
「誘ったのは僕だから、その辺りは絶対にやり切るよ」
「ふふ、お願いするよ」
大抵の竜人族は体育会系の荒々しい感じなのに、カッターさんは竜人族には珍しい落ち着いた感じの人だ。リンリーの大人しい性格は確実にカッターさんの影響だね。
「お前ら、話してたら日が暮れるぞ。サムゼン殿達もいるんだぞ」
いけない。ラカムタさんに呼ばれて周りを見ると、みんなが僕達を待っていた。慌ててカッターさんとレメスナさんに礼をしてリンリーの手を引いてみんなのところに行く。後ろからカッターさんとレメルナさんが、「うふふ、意外と積極的ね」とか「これなら大丈夫そうだね。……やっぱり複雑だけど」っていう会話が聞こえて、なんでかリンリーが早足になり逆に僕がリンリーに手を引かれる形になった。それに周りからも、なんかこう微笑ましいものを見てるような空気を感じる。
「この空気っていうか雰囲気は何?」
僕のつぶやきにラカムタさん達は顔を見合わせてため息をつく。なんか最近ため息をつかれるのが多い気がする。あと、ずっと手をつないで感じてるリンリーの体温が、さっきよりも高くなっている。竜人族は身体が強いから風邪とかじゃないはずで、同調で確かめてみても特に異常は無い。ただ、体温が高くなっているだけみたい。……前にいっしょに散歩に行った時もなってたけど、どうしたんだろう?
「リンリー、体温が高くなってるけど大丈夫?」
「……大丈夫です」
「……ヤート殿は、その、なんというか無自覚なのか?」
「そうだな。ヤートは俺らの中じゃ、間違いなく一番頭が切れるし冷静なんだが、そっち方面は鈍いようだ」
「はたから見たても一目でわかるのだが……」
サムゼンさんがラカムタさんに僕の事を聞いてる。僕が無自覚? 何の事だろ?
「何の話?」
「ヤートなら、その内気づくだろう話だからヤートは気にするな」
「そうなの?」
「ああ、気にするな。それより今度こそ出発するぞ。あとヤート、あの二体を呼んでくれ」
「わかった。でも、あいつらなら呼ばなくても村から少し離れたら走って寄ってくるよ。サムゼンさん達は大丈夫?」
「絶対とは言い切れんが覚悟は出来ている。無論、私の部下もだ」
サムゼンさんの言葉を聞いて部下の人達を見たら、全員が強ばった顔でうなずいてきた。……前の兄さんと姉さんより緊張してるね。まあ、僕がどれだけあいつらが良い奴だって言っても、実際にあいつらを見て感じて慣れてもらうしかないからしょうがないか。とりあえず出発だ。
……村から離れるごとにサムゼンさん達の緊張が高まっていく。これ以上緊張が続いたら旅云々の前に身体も心も潰れるから、これは早く呼んで強制的に対面させた方が良いな。ダメな人が出たとしても、その人に僕達の現状報告をしてもらうために王城へ先に行ってもらうとか色々やりようがある。さて、それじゃあ呼ぼう。
「みんな、ちょっと止まって」
「ヤート、どうした?」
「これ以上、いつまで続くかわからない緊張が続いたらサムゼンさんの部下の人達がもたないから、二体を今呼び寄せる」
「……お前達」
「…………申し訳ありません」
「いや、責めてはいない。確かに私も含めてヤート殿の言う通りか」
「呼んでいい?」
「頼む」
「それじゃあ、お――――い、いる――――!!!!? 聞こえてたら来て――――!!!!」
「…………ヤート、お前でかい声出せるんだな」
「それリンリーにも言われたけど、大きな声を出す時がなかっただけ」
ズドドドドドドドドドドドドド。うん、来るね。みんなから少し離れるか。僕がみんなから離れた場所に行くと、まるでその行動が見えているかのように地響きのような二重の足音が僕の方に近づいてくる。とっさに兄さんと姉さんが僕の前に来ようとしたけど、それを止めて待ってたらいつものように飛び出てきた二体がものすごい勢いで僕の両横を通り過ぎガリガリ地面を削りながら砂ぼこりを立てて止まった。
「ケホッ、いつも思うんだけど、もっと静かに近寄ってこれない?」
「ガア」
「ブオ、ブブォ」
「ガア!!」
「ブオ」
「ゴホッ、いきなりケンカしないで。それと今日からしばらくの間、よろしく。向こうにいるのが僕達といっしょに旅に行く人達だよ」
「ガ」
「ブ」
はあ、なんでどっちが僕のところに早く着けるか競争になるんだろ? というかその競争に何の意味が? どんな小さい事でも真剣に勝負してるこの二体の関係は、ほんとに兄さんと姉さんの関係に似ている。僕としてはもっと静かな関係でも良いと思うんだけどね。さてと、みんなは大丈夫かな? 二体の身体を撫でながらみんなの方を見てみると兄さん達は平気みたいだ。……やっぱりサムゼンさん達は時間がかかりそうだね。
「僕達は、しばらくちょっと離れて行くよ。時間はかかるだろうけど、なんとか慣れて」
「…………申し訳ない」
「気にしないで。まずは大神林の外に出よう」
少しバラけて森の中を歩いていく。具体的に言うと、まず先頭をラカムタさんが歩いてその後ろにサムゼンさん達と兄さん達が並んでいて、そこから少し離れて僕と二体が歩いている。ちなみ今は、どっちの背にも乗ってない。さすがに、これ以上ケンカとかで時間を取られるわけにもいけないから、僕を挟んで並んで歩いている。仲良く並んで歩いてって言ったら、ものすごくにらみ合った後に渋々歩き出した。これでなんとか最後まで静かに行ければ良いんだけど。……そういえばこれからの事で気になってる事がある。
「ねえ、サムゼンさん」
「ヤート殿、どうした?」
「ずっと気になってるんだけど、サムゼンさん達は王城までの移動はどうするの? ラカムタさん達は余裕で走っていけるし、僕は二体のどちらかに乗せてもらえば良い。サムゼンさん達は普段、馬での移動だと思うけど、この二体がいたら普通の馬は恐怖心で確実に正常じゃいれないけど、どうするの?」
「ああ、その事か。今回のために特別な個体を用意していて、あれならば移動速度はヤート殿の横の二体の魔獣と遜色ないはず。すでにこの大神林の外に待機させている」
「そうなんだ」
こいつらがいるのに大丈夫な移動手段があるんだ。どんなのだろう? 楽しみだ。…………あれ? 森の外が近づいてくるにつれて二体が殺気立ってくる。まるで、警戒するべき奴が近くにいるみたいな感じだ。……まさかね。…………あー、きっと気のせいだって思いたかったけど、気のせいじゃなかったか。大神林を抜けるとそこには、大神林の外で待機していた騎士達と十頭くらいの普通の馬がいて、少し離れた場所に身体の各部が黒い綺麗な石で覆われている黒い馬のような奴と見るからに発達した足が六本ある灰色の馬のような奴が六頭で群を作り、こっちを――正確には鬼熊と破壊猪――を見て殺気立っていた。そして、僕がまずいって思ったけど遅かった。それぞれがお互いに目をそらさず近づいていく。
「サムゼンさん、あの馬みたいな奴らって……」
「我らの王国が誇る最上級の軍馬で、それぞれ黒曜馬と六足馬だ。れっきとした魔獣だからな、あれならあの二体にも遅れは取らないはずだ」
「…………そうなんだ」
目の前で完全に戦闘態勢に入ってにらみ合っている鬼熊、破壊猪、黒曜馬と六足馬を見て心の底から思った事はただ一つ。面倒くさい。
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◎後書き
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