╂AVALON-ROAD╂【地の章】

ガンガルガン

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第9幕【魔神:現る!!】

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“…”

“…エステリオスよ…”

誰だ?俺の名を呼ぶのは……

“…ワレはいにしえの魔神なり。エルトワの盟約につきワレの名を唄えよ…”

魔神!?

“…オマエの命が危ぶまれる時、オマエの血の意思により、ワレはオマエの楯となろう

オマエの父もそうあったように…”


父?


“…そうだ…今でも見守っているぞ…それはオマエの名に正しく受け継がれておる…”

…父さんが?

“…オマエの心に…そしてエルトワの血で固い絆で結ばれているのだ…”

魔神の光がエステリオスを包み込む!!

か‥身体がっ!?
体の痛みが‥
体内から温かな激情が駆け巡る

“その力はオマエの母の守護神ラヴィアの力....”

母さん!

すると身体中の痛みが和らいでいく


「!?…これはどうしたことか?あの光は何じゃ?
何故立ち上がれるのっ!?」
ライアは恐怖した!!

「ジークよ!!早くトドメをっ!!」

「言われるよしもない!ええい、ままよ!!」

化身は拳をふりかざす

しかし俺を纏う光が化身を受けつけない!


「ぬうぉぉおお!」
【†エステリオス・レム・ダイクン・ローヴェス・エルトワ】
(エルトワで流れた血は我と共にあり)

「我と共に、今こそいにしえの盟約を果たせ!

出でよ!魔神ランバール!!」

天高く剣をかざした

◆バシュー---ッ!!

 “ウォォォォオオン!!”

★血がたぎる!
★力がみなぎる!!
★魔神が吼える!!!
★悪を貫く強い意志がっ!!
★正義の心を呼び覚ます!!!
★貴様の心を滅するまではっ!!!!


ゴゴ…‥
ゴゴゴゴゴゴゴゴ

「な・何だ。このプレッシャーは!?」

化身はおののき、忘れ去られていた恐怖を思い出した

「エルトワ!?お前はエルトワの末裔か!?」

ライアは探し求めていた足掛かりが、今 目の前に慄然と立ち尽くす姿に思わず見惚れた


“…地獄のモノの腐よ…ワレはその遥か昔、混沌より生ける物…ワレに仇(アダ)となすモノよ…生まれた地獄に帰してやろうか…”
魔神は笑う

「はあ、はあ、はあ
ヌンググググ…」
化身は息が粗い

「俺は1000年も生きる者。キサマに負けるつもりはないわーっ!!」

【†化身の渾身の一撃】
◆ルシュー--ッ!!

口から漏れる暗黒の炎は勢いを増しうねりとなって魔神を襲う

“…愚かモノめが…”

【†デストロイ・リグバクター!】

◆ギュオォォォン!!!
力と力が修羅の如く弾け合う!!

◆バシュンバシュンバシュンバシュン

全ての拳が重なり合った時、魔神ランバールの<破撃>がその一つ一つを粉砕する

「こ、この俺が....この俺が!?

押されているのかーーーぁ!」

◆ドグォー--ンッ!
 ウガァァァァァァァァァァァァ‥


化身の闇の心を打ち抜いた

“…闇に帰れコゾウ…”

闇の炎を打ち消しながら、地獄の化身は断末魔を上げ 地の底へと消えていった


しかし........
そこには…

見覚えのある男が倒れていた…




「ジーク…」

俺は寄り添い抱きかかえ‥
彼の胸のボタンをはずした…

「‥…」

だが、目を背け
元に戻した…

ごふっ
『‥エ エステリ…オスか…』

「嗚呼…そうだ
すまない」

『いや‥俺が仕掛けたんだ‥
闇の力に支配されると、強くなった気がしてな…
カッコわりいよなぁ…』
「いいや、お前は強かったぞ」

『ははは‥』
力なく笑う姿に胸が詰まる思いがする


『ああ‥そうだ
リグド...ラにも眺めのいい場所があってな‥
北には大きな湖が あって‥げふっ』
ごふごふっ

「大丈夫か、もうしゃべるな」
ジークの口についている血を拭う

『貴様に‥土産話‥があると…言ったろ』

『‥クレイ湖っていうんだよ‥』

「ああ」

『そこで‥人魚‥見た‥んだ』

『は...初め‥て…人魚‥を』
「そうか‥」

『お、おま....えにも..みせ..たか....った』

ジークは優しく微笑んだ

「あぁ、今度連れていってくれ」

『な‥んか…もう 目 が…見えね‥ぇや』

「‥分かったから、もうしゃべるな。
傷が癒えたら話してくれ…」

…しかし

彼は天を見上げたまま、もう話すことはなかった



「ジーク。…また地獄で会おう。
さらば戦友(トモ)よ」

彼の両手を胸元に合わせ、すっくと立ち上がる


「フフフ、所詮は付け合わせの化身。まだまだ改良の余地はありそうですね。その為には、そなたの血が必要ぞ!
エルトワの血がっ!!!」

「俺はお前を許さないっ!!」
握りしめた拳から血がにじむ

「さあ、来るがよい。
わらわの元へ」

ライアは暗黒球に向かって呪文を唱え始めた
【†レシンド・アクラム・イノモータム・ロゼ・エルトワ】
(エルトワの古き魔獸よ!甦れ!!)

「ほ~ほっほっほ!エルトワの†呪魔怨(ジュマオン)を使えるのは、お前だけではないぞ!」

◆バリバリバリバリバリバ
暗黒球と地面を雷が繋がる

◆バアアアアン
それに呼応するように魔法陣が表れた

“…ほう‥これは珍しい…現れるぞ、貪欲なる 背徳の魔獣が…”

俺は魔神ランバールの言葉を聞き剣をかまえた


◆ドシンドシン
ドグリャァオオー-ンンン
大気は震え、その暗黒球から黒き前脚が踏み入れる

ギャー----スッ!!
その姿がいよいよ現れた!

“…ほう‥これはこれは‥バハムートの古代種か…”

裂けた口から流れる液体が地面に落ちると、ジュ~と音を立て悪臭を放つ

堅き背中は無数のトゲを持ち、その大きさは城よりも遥かに大きい!!!
魔獣にして魔獣
その名は
バディウスムート!!


「さあやっておしまい、私のかわいいペット。貪欲の心が満たされるまで!」

魔獣は砲口し巨大な尾は風を裂きながら鞭を打つ

魔獣は口を開けた
◆ボウッ
ゴ=========!!!

強力な魔炎を放つ
俺は魔神ランバールの力を借りすんでに交わした
◆ゴアー--ッッ
街全体は巨大な火柱に包まれる

◆ゴォォォオオオ
街は‥
魔界の炎に焼かれ燃えていく‥
あの活気があった街並みは今ではがれきの山となり、もう見るかげもない‥
たった、たった一撃で街は壊滅したのだった

燃えさかる街を見ながら俺は呆然とした

魔獸の眼は標的を見据えたままだ
当然、気を抜くなどとはしないだろう

巨大な翼を広げ口を大きく開けると光の粒子が溢れ出す

◆うぉんうおん
光は不気味な音と共に大きくなっていった

俺は覚悟を決めた

◆バゥウオー---!!

次の瞬間、膨大なエネルギーは放たれ周りを塵と化しながら迫り来る

もう‥俺にはどうすることも出来ない‥

目を閉じ何の抵抗もなく受け入れるしかなかった

◆バシ--ン!!
しかし魔神の防御シールドがそれを許さない!

“‥エステリオスよ‥死して得るものは何も無し…ワレが耐えても、今のオマエには無理というもの…”

“…ここから、オマエを離脱させよう…”

その閃光の中、意識が遠のく俺に魔神がささやいた…

全ては光に呑まれた


「やったか!?」

魔導師は喜び勇んだが、俺の姿がないことに気づき

「あの魔神の力かぇ!え~い口惜しや!
もう少しの所で!!

エステリオスよ!
地の底までお前を追い詰めるぞえ」

魔導師の声がこだまする


俺が愛した人々も…

俺が愛した国も…

今はない

レダは完全に消滅したのだった


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