グラディア(旧作)

壱元

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プロローグ

P-04

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  「よく見ていろ」

ソウのすぐ隣で、ロキがフーギンを引き絞る。

光の矢が指の間に出現し、弦を手放すと同時に真っ直ぐ飛ぶ。

10m程先に固定した合金の板を貫通して通り抜け、さらに奥の壁に突き刺さった。

「こんなもんだ」

ふと見ると、弓を握るロキの手はぶるぶる震えていた。

「これから鍛えるにあたって、一つ約束してくれ。試合以外では、絶対に人に向けるな」

ソウはその言葉に頷いた。

「やってごらん」

ソウは骨組みを支えて思い切り弦を引いた。

想像以上に硬く、力が必要であることが感じられた。

いつの間にか弦を引く指の間に矢が挟まっていた。

「さあ放て」

ソウは指を離した。

矢が発射された。

だが、板を穿ちはしたものの、壁面には達しなかった。

ソウは不思議に思った。

「なんでだよ? って顔しているな。初めはみんなこんな物さ。沢山練習してだんだん巧くなっていく」

「ロキのおっさんも?」

「もちろん」

「へえ、じゃあれんしゅうつづけたらおっさんぐらいうまくなれる?」

「ああ。絶対なれるとも」

「じゃあ、れんしゅうがんばる」

「よし、言ったな?」

 ロキは毎日ソウの元にやって来ては、筋力トレーニングや弓の練習を課し、その前後には美味な食事を奢った。

ソウは遊びを楽しむような感覚で訓練をこなし、ロキの予想を大きく超えた速度で成長した。

物心ついて直ぐに両親に捨てられ、独り窃盗と喧嘩に生きてきたソウにとってはロキが初めて「親」として愛せる存在となった。

初めて愛される事を知り、愛する事を感じた。

ソウにとっては今までの人生で一番幸せな時間であった。

ロキと一緒ならどこまでも強くなれる、そう思った。


   突然、ロキは死んだ。



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