神様とツンデレ吸血鬼と恥ずかしがり魔皇のトリニティデスティニー 〜神様と吸血鬼の姉妹が転生して、気まぐれに世界を救います〜

ネコトーニャ

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16.5話 ロリ魔王はお姉ちゃんと仲直りする。

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周囲はすっかり暗くなり街道を歩いていた
私はシャルロットに気まずそうに顔を背けていた。





「ほんと、シャルロットっておかしいわよ。
わたしのこの眼が綺麗なんて。
目に映る物を勝手に壊そうとする呪いの力なのに。だけど――」



前世から私の人生を滅茶苦茶にしてきた
この呪いとも言える全てを壊す力

だけど、シャルロットはそんなわたしの呪われている
この瞳を綺麗だと、好きって言ってくれた。 



一旦言葉を切り、またモルちゃんは口を開いた。



「この眼を褒めてくれたのはいつだってシャルロットだったわね。」


ほんの少しだけ、彼女は微笑む。


「うん、わたしはお姉ちゃんの瞳好きだよ?」



「…………」



私はじっとシャルロットを見つめる。

シャルロットも目を逸らそうとはしなかった。



「ねえ…シャルロット…覚えてる?
小さい頃、わたしはこの眼を制御できなくて
なにも壊さなくて済むように、
部屋で魔法で牢獄を作ってそこで閉じ篭ってた時期があったでしょ?」



「ああ…そんなこともあったね…ちゃんと覚えてるよ……」



モルちゃんは俯き、思い出すように言った。



「私の力を怖がって、友達はみんな居なくなって孤独になって
誰もわたしの視界に入ろうとしない中
あなただけがわたしのそばにずっといてくれた」


「約束したじゃん、なにがあってもずっと一緒にいるって」

私は彼女の指輪を見ながらそう言った。


「そうだったわね。
二人で一緒に制御出来るように沢山…沢山練習したのよね。」


懐かしむようにモルドレッドは笑みを浮かべる。


「そうね。おかげで、うっかり誰かを傷つけることもなくなったわ」



「お姉ちゃんはよくがんばったと思うよ~」

シャルロットが私の頭を優しく撫でる。
言葉はなく、私はただうなずいた。

 

「ねえ。さっき、懐かしかったわ
私達、子供の頃はずっと手を繋いでいたわよね。」



「……そうだったかな?……」


「そうよ…ずっと一緒って約束…覚えてるでしょ?」


「うん。」


「また、手を繋いでも……いい?」


「……うん……」


二人は手をつなぐ。


「昔はいつもこうしてたわよね。
わたしが泣いているとき
シャルロットはいつも手をつないで、優しく笑いかけてくれた。」


「……そうだね。」



「ほんと、どっちがお姉さんだかわからないわ」



「あはは…まあこちとら二千年生きてきたからね。」


それを聞き、私は苦笑する。



「シャルロット。一度しか言わないわ」

「うん」


こくり、とシャルロットはうなずく。



「……ごめんね……
意地悪なこと言ったりして………許してくれる……?
また……手を握って一緒に居てくれる……?」


ふるふるとシャルロットは首を横に振った。


「大丈夫、私は全然気にしてないよ。」


驚いたように私は目を丸くする。



「そう」



「…………」


二人は見つめ合い、ぎゅっと互いの手を握り締めた。




ふむ。いったいどういう事情があったのかはまるでわからないが
少なくとも私はお姉ちゃんと仲直りはできたみたいだ。


まあ、お姉ちゃんは思春期っていう血気盛んな年頃だし

私には原因は分からなかったけど
よく分からない理由で喧嘩になっちゃうことだってもあるのでしょうな。



「…ところで、なんで私は
お姉ちゃんに喧嘩をふっかけられたんだっけ?」


モルドレッドの表情が曇る。


「くだらないことよ。本当にくだらないこと……

でも、どうしても姉として譲れないものがあったの。

私は、妹にずっと頼りっぱなしは嫌だった。

貴女は私だけの妹だったのに

突然、大好きな妹を昔の仲間に横取りされたみたいで嫌だった。

私は…貴女の大切な人達にも負けないぐらい
シャルロットの特別になりたかった…!!

シャルロットの隣にずっといられる

貴女のお姉ちゃんになりたかったのよっ!!

ほんとに……ただ………それだけだったのよ………」



「…………そうだったんだね。 」



「……うん……そうよ……」



モルちゃんの言葉は歯切れは悪い。

これも本音なのだろうが、 何かをまだ隠している。



「シャルロット…あなたに聞きたいんだけど」



「なに?」



「もしも、運命が決まっていたら、貴女はどうする?」


お姉ちゃんが変な質問をしてきたが私は即答した。



「まあ、気に入らなければ力ずくでも変えるけど

どうでも良ければ特に気にしないかな~」


モルちゃんはきょとんとした表情を浮かべた後は訊いた。



「本当に…運命が変えられると思ってるの?」


「ああ、強く信じれば運命なんかいくらでも変えられる。

気に入らない運命なんか…この手でぶち壊せばいいんだよっ!」


「っ!………フフッシャルロットらしいわね 」


モルちゃんは目を丸くして、それからふふっと微笑した。




「ねえ。ちょっとこっちへ来なさい」



「やだ。 」



「……な、なんで断るのよ。いいから、来なさい」



「私が命令されるの好きじゃないのは
お姉ちゃん知ってるでしょ?」



「もう。わがままな妹ね」



はあ、とモルちゃんは呆れたようにため息をつく。



「こっちへきてくれるかしら?」



「いいよ、お姉ちゃん」


私はモルお姉ちゃんのそばによる。



「もっとよ」


「なにするのん――」



一歩足を踏み出すと、モルちゃんが私の唇にキスをしていた。

唇を通して彼女の心が流れ込んでくる。


これが、妹にしてあげる……最後のキス


彼女の悲壮な決意を感じ取った。


ディープキスをしていたモルは私の唇から離れる。
二人の唇には唾液で糸を引いていた。


「……し、姉妹のキスだから。ただの親愛の証なんだからねっ……!」


恥ずかしそうに顔を赤らめ、モルは俯く。



「そっか…ありがとうお姉ちゃん」


「相変わらず…変な妹…」



「ねえシャルロット、今日から…また……
おやすみのキス…してもいいかしら?」


「うん、いいよ。」


姉妹は手を握って、転移の魔法を使う。
そして、周囲の空間が歪み白く染まっていく。


「……ねえ……シャルロット……
わたし…………あなたに会えてよかったわ……」


モルちゃんのそんな悲壮な声が聞こえた気がした。



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