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霊神祭 前編
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ティナは夢を見ていた。
聞いたことがあるような懐かしいような
優しい女性の声を聞きながら
夢の中の女性はティナを寝かしつけるように
幼い子供に絵本を読み聞かせるように語りだした。
かつてティナが存在していた世界の話だ。
かつて、この世界には四つの種族がいました。
最もこの星に多く存在する種族、人間
魔物を生み出した、魔界に存在する人間のような種族、魔族
そして覚醒めれば世界を滅ぼす災厄の象徴とされる
破壊神の眷属と呼ばれているドラゴン
この世界を生み出した神様
世界の創造主であるアルビオン様とその眷属である神族
ある日、目醒めたドラゴンが暴れ回り
世界中が業火で包み込まれ世界は破滅に向かっていました。
そのドラゴンの力は強大で神族でも止めることが出来ませんでした。
そんな世界の危機を救ったのは
勇敢にも立ち上がった一人の少女でした。
その勇敢な者は力が弱く運も知恵も何もありませんでしたが
唯一あったその勇敢な心で…その勇気で
仲間達と絆を紡ぎ、世界中の想いを一つに束ねて
巨大なドラゴンを打ち倒す大きな力になりました。
勇敢な者は死闘の果てにドラゴンをついに封印することが出来ました。
こうして、世界に平和が訪れたのです。
そして、勇敢にもドラゴンに立ち向かって
世界を救った勇敢な者は、後にこう呼ばれました。
勇者と………そして、勇者の意志は
今もなお、新たな勇者へと受け継がれ続けて
この世界を守り続けているのです。
「ママ!あるびおんさまとかゆうしゃってすごいんだねっ!」
「フフ…そうね。」
「でも…ドラゴンさん…また出てきたらどうしよう?」
「フフフ…その時はわたしが守ってあげるわ…ティナ」
「だって…ママも勇者だったんだから……。」
そして、数ヶ月後
二千年時が経ち、封印が解かれて再び現れてしまった
その災厄の象徴とされる伝説のドラゴンが
私の住んでいた街に地獄の業火を放った。
街は何もかも燃えていき、人も花も建物も何もかも
焼け死んでいき、骨も跡形も残らず灰に還ってしまう。
まさにこの世の地獄であるそんな悲惨な光景が広がっていた。
わたしを抱きかかえながら倒れているさっきの女性
そして、血まみれになって倒れている男性が
銀髪の少女にわたしを託した。
「頼む……っ!!娘を……ティナをっ!!!」
「お願い…………します………わたしたちは……もう……
この子を……お願いします…………。」
「アル……………ビオン………さま。」
「ああ、わかった。」
「約束する。必ず…この子を幸せにしてみせる。
アナタ達の分も含めてな。」
そして、息絶えた私達の両親を
悲しげな表情で最期を見届けた少女は
災厄に向き合い、そしてドラゴンを討ち滅ぼしていく。
そして、私が見たその少女の背中は
とっても安心する…いつも見ていたような気がするモノでした。
そこでわたしは目を醒ます。
そして、起きたわたしは見支度を終えていく。
「おはよ~ティナちゃ~ん」
「あはは…師匠は相変わらず朝が弱いですね~。」
「わっはっは…ふわあ~眠い~~」
欠伸をしながら歩いていると
アリスとジャンヌと……モルドレッドに出会った。
「………おはよ……」
「おはよう」
「お…おはよう」
「珍しいね、お寝坊なお姉ちゃんが早起きしてるなんて」
「もうシャルロット、今日は霊神祭なのよ?
流石にこの日は早く起きないと」
「霊神祭ってなんだ?」
「霊神祭ってなんですか?」
「そういえば、霊神祭ってどういうお祭りなの?」
「霊神祭……ってなんでしょうか?」
「アンタたち……もしかして知らないの?」
「………この世界の住人なら常識……だよ……?」
「そうなんだ、申し訳ないけど
私達にその霊神祭とやらを説明してくれないかな?」
「………わかった………。」
「もう……しょうがないわね。」
ジャンヌとアリスは話しだした。
「五十年に一度の感覚で女神様の祝福で
世界中に天から白銀の硬貨が降り注ぐの。」
「………その数は100億個……………。」
「そして、霊神祭の日はその硬貨を手に入れたら
霊神祭で開かれるお祭りの屋台とか
高級なレストランとか宿泊施設とか
どれだけ高い買い物をしてもその硬貨を持っていれば
一枚払うだけで好きなだけ使えるのよ。」
「硬貨は早いもの勝ち。
そして霊神祭が終われば、硬貨は泡となって消える。」
そんな奇々怪々なイベントがあるんだなこの世界。
「へえ……大体分かった。
要するに世界中の人々に、一時の夢と贅沢を与えるんだな。」
「あっ……降ってきた。 」
天を神々しい光が照らし、世界中に
女神の祝福か白銀の硬貨がふわりと浮遊しながら地上に降り注ぐ。
その硬貨を触ってみると
ダイヤモンドのような鉱石を削り彫られた
プラチナのような光沢をしている硬貨
光に当てると虹色の光を放つ。
そして、何処かで感じたような霊力を感じた。
「この霊力…ティナのお母さんの魔力に似てる…?」
「なるほど、大体理解した。」
この祝福をもたらした女神の正体は、ティナの先祖…
かつて神人と呼ばれた者か。
神人とは、簡単に言えば
最初に生まれた人類にして神と人の混血だ。
その神人は創世の力を色濃く受け継ぎ
周囲の現象を思い通りにする
万象を自在に操る力を発現させた。
そして、その力を現在受け継いでいるのがティナってわけだ。
あの力はコントロール出来れば
創造主の如く神となれるが
制御出来なければ全てを破壊する力となる。
ティナにもその力が眠っているが
今はまだ、目覚めていない。
しかし
霊神祭……あの光が地上に降り注いだ瞬間から
彼女の魔力に激しい揺らぎを感じる。
おそらく神核が目覚めようとしている。
最初に産まれた生命である始まりの神と人類は
愛、子供という概念を造り産み落とされた存在がいた。
その神と人の間に産まれた神人の少女の魂は
死後、神に昇華され霊神となった。
そして転生した霊神の神核は
ティナの魂の中に眠っているが
霊神祭の影響か、力が徐々に戻りかけているのか
だんだん制御不能になってきている。
このままでは数歩歩いだだけで世界を滅ぼしかねない。
どうにかして彼女の暴走を防がなければならない。
霊神祭の女神像に嵌っている紅い結晶、アレに
彼女を近づけるとヤバいことになると、直感が告げている。
「うーーーー!」
「師匠~なんかお腹が空いて
胸も熱くなって変な気分になりますー!」
「そうだね、お腹空いたよね。」
「屋台で食べ物でも買って休もうか。」
「はいっ!」
「おじちゃん、たこ焼き二つくれ」
「はいよっ!ちっちゃいお嬢さん方には
アイスクリームもサービスしちゃうぜえ~」
「おおっおじちゃん気が利くねえ。」
「ありがとうございます。」
「あっ」
ティナが通行人に軽くぶつかり
食べようとしていたたこ焼きを落としてしまったが
たこ焼きが、ふわ~と浮かび上がる。
そのまま、たこ焼きが爪楊枝に刺さり
他のたこ焼きが空中を飛び回る。
「あわわっ!?たこ焼きが空を飛んでますっ!?」
「これ、ティナちゃんの防御バリア無視キラキラ必殺パンチの力だよ」
「えっ!あのいつも殴ってる時に出てくる光ですか!?」
「カクカクシカジカで霊神祭のせいで強化されて
魔法みたいになってるんだと思うよ~」
「今の私ってそんなことになってるんですねっ!?」
「まあ、無理に力を押さえ込むより
そのまま力を解放しとけばそのうち収まるさ。」
「まあ、わたしも制御の手伝いはしてやるからさ。」
「創世の力と霊神の力はほとんど同じようなモノだからね。」
「まあ、能力の影響や効果範囲とかが
世界規模の創世と比べて狭かったり
世界改変のような大規模なことが出来なかったりするけど
別に創世の下位互換とかじゃないと思うゾ。」
「ほ…ほんとうですか?さっきの説明だと
下位互換にしか思えなかったんですけど…?」
「創世と霊神の神核はほとんど同じってぐらい似てるけど
戦闘面で言うと霊神の方が戦闘に適してるんだよ。」
「そうなんですか?」
「そだよー。」
「創世は破壊神と創造神の力が100と100の割合で混ざって
掛け算されて常に10000の力になっている。
なんでも出来る万能型だけど
霊神は万象を操る能力。
そして、君に宿る神核の力の本質は意志。
使用者の強い意志に応じてその力は無限に強くなり続けて
多種多様に能力の内容が無限に神化し続ける。
無限大の能力。
君が、意志を貫き通したいと強く望めば
15000にも∞の力にもなれる可能性を秘めてるのだよ」
今は、渾身の一撃を放つ時に腕に光が宿る。
念力のように物体を操れるようになる。
力の放出だけで大地を割る。程度だけど
これからとんでもないことになるだろう。
まあ、今は力を全力で解放しても
二分の一程度しか解放されない。
この子の場合
本来の神核の力を解放するには封印を解く為の鍵が必要なんだが
その鍵を持っている重役が霊神祭にいると
わたしちゃんの未来を視る瞳で知ってるのだ。
「……ようするに……私の意志の強さ次第で
師匠を超えられる可能性を秘めてるってことですか?」
「まあ、そうとも言えるしそうとも言えないとも言えるね。」
どんなに強くてもルミナのように
それを覆せる可能性のある技を持っている子もいるだろうし
というわけで、家のキッチンに移動する。
「まずは、制御の練習から始めようか
あらゆる物を浮かせながら料理でも作ってごらんよ。」
「は…はいっ!がんばります!料理したことないですけどっ!」
食材、包丁、フライパンを浮かせながら
横で手取り足取り教えながら簡単そうなチャーハンを作らせてみた。
「……かなり作業が大雑把だったけど……うん、味は普通に美味しいね。」
「ホッ……よかったですー」
まだまだ暴走の危険性はあるけど、今は平気そうだな。
私は創世の力で場所も魔力も知らないにも関わらず
とある人物の前に二人を強制的に転移させた。
摩天楼のように天に延びる金色の城のような塔の最上階
祭壇のようで古の儀式が行われているような空間。
そこには踊り子のような衣装で
舞を踊っている二人の霊神の巫女がいた。
二人の少女はティナの顔を見た途端、舞を止めた。
二人は無表情のままで、表情が一切変わらぬが
驚いているような気がする。
「アナタは……転生した…霊神様でございますね。
私はウァルル・影渦營・アンジュナと申します。」
「ワタシはサウァナ・光營楹・エンハースと申します。
ようこそ、ティナ・レガリアさん」
「おいおいわたしのことも忘れるなよ。」
「師匠が貴女達に話があって来たらしいです。」
「要件は既に把握済みです。」
「すみません。アルビオンさん。
林風道營珱さまは、霊神祭で忙しくしていておりません。」
解放鍵の持ち主である肝心の霊神祭の重役である男がいない。
「フォッフォッフォッすまんすまん今帰ったぞ
お主が来るとは実に珍しいのぉぉ……?
なんの用事じゃ、アルビオン?」
「營珱じいちゃん久しぶりだな。」
彼は五百年以上生きている人でありながら
人類を超越した存在であり
摩天楼に住み霊神を祭る神話の老いた神人である。
「フォッフォッフォッ!お主が
わざわざこの日に訪ねてくることなど
アレの件しかあるまい。受け取れい!」
「わっとっとっお!」
營珱は解放鍵を投げ渡す。
王冠に三色の宝石の断片を合わせたような鍵だ。
「そいつが耳に蛸が棲みつく程聞かされた
お主の愛弟子かぁぁかわええのぉぉぉ」
「久しぶりに人間に興味が沸いたのでのぉ
その娘の力を試させてもらってよいかのぉお?」
「ええよーじいちゃん」
「エエエエエエエーー!?師匠っ!?」
「それで、試すといってもどうすりゃいいんだ?」
「そうじゃのお…その辺り考えてなかったわい」
「ウァルル、サウァナ
霊神様の相手をしてやりなさい。」
「分かりました。ハジメマシテ。霊神様
ウァルル・影渦營・アンジュナ、参ります。」
「サウァナ・光營楹・エンハース、参ります。」
「はいっ!よろしくお願いしますね。」
こうして、三人の戦いが始まろうとしていた。
聞いたことがあるような懐かしいような
優しい女性の声を聞きながら
夢の中の女性はティナを寝かしつけるように
幼い子供に絵本を読み聞かせるように語りだした。
かつてティナが存在していた世界の話だ。
かつて、この世界には四つの種族がいました。
最もこの星に多く存在する種族、人間
魔物を生み出した、魔界に存在する人間のような種族、魔族
そして覚醒めれば世界を滅ぼす災厄の象徴とされる
破壊神の眷属と呼ばれているドラゴン
この世界を生み出した神様
世界の創造主であるアルビオン様とその眷属である神族
ある日、目醒めたドラゴンが暴れ回り
世界中が業火で包み込まれ世界は破滅に向かっていました。
そのドラゴンの力は強大で神族でも止めることが出来ませんでした。
そんな世界の危機を救ったのは
勇敢にも立ち上がった一人の少女でした。
その勇敢な者は力が弱く運も知恵も何もありませんでしたが
唯一あったその勇敢な心で…その勇気で
仲間達と絆を紡ぎ、世界中の想いを一つに束ねて
巨大なドラゴンを打ち倒す大きな力になりました。
勇敢な者は死闘の果てにドラゴンをついに封印することが出来ました。
こうして、世界に平和が訪れたのです。
そして、勇敢にもドラゴンに立ち向かって
世界を救った勇敢な者は、後にこう呼ばれました。
勇者と………そして、勇者の意志は
今もなお、新たな勇者へと受け継がれ続けて
この世界を守り続けているのです。
「ママ!あるびおんさまとかゆうしゃってすごいんだねっ!」
「フフ…そうね。」
「でも…ドラゴンさん…また出てきたらどうしよう?」
「フフフ…その時はわたしが守ってあげるわ…ティナ」
「だって…ママも勇者だったんだから……。」
そして、数ヶ月後
二千年時が経ち、封印が解かれて再び現れてしまった
その災厄の象徴とされる伝説のドラゴンが
私の住んでいた街に地獄の業火を放った。
街は何もかも燃えていき、人も花も建物も何もかも
焼け死んでいき、骨も跡形も残らず灰に還ってしまう。
まさにこの世の地獄であるそんな悲惨な光景が広がっていた。
わたしを抱きかかえながら倒れているさっきの女性
そして、血まみれになって倒れている男性が
銀髪の少女にわたしを託した。
「頼む……っ!!娘を……ティナをっ!!!」
「お願い…………します………わたしたちは……もう……
この子を……お願いします…………。」
「アル……………ビオン………さま。」
「ああ、わかった。」
「約束する。必ず…この子を幸せにしてみせる。
アナタ達の分も含めてな。」
そして、息絶えた私達の両親を
悲しげな表情で最期を見届けた少女は
災厄に向き合い、そしてドラゴンを討ち滅ぼしていく。
そして、私が見たその少女の背中は
とっても安心する…いつも見ていたような気がするモノでした。
そこでわたしは目を醒ます。
そして、起きたわたしは見支度を終えていく。
「おはよ~ティナちゃ~ん」
「あはは…師匠は相変わらず朝が弱いですね~。」
「わっはっは…ふわあ~眠い~~」
欠伸をしながら歩いていると
アリスとジャンヌと……モルドレッドに出会った。
「………おはよ……」
「おはよう」
「お…おはよう」
「珍しいね、お寝坊なお姉ちゃんが早起きしてるなんて」
「もうシャルロット、今日は霊神祭なのよ?
流石にこの日は早く起きないと」
「霊神祭ってなんだ?」
「霊神祭ってなんですか?」
「そういえば、霊神祭ってどういうお祭りなの?」
「霊神祭……ってなんでしょうか?」
「アンタたち……もしかして知らないの?」
「………この世界の住人なら常識……だよ……?」
「そうなんだ、申し訳ないけど
私達にその霊神祭とやらを説明してくれないかな?」
「………わかった………。」
「もう……しょうがないわね。」
ジャンヌとアリスは話しだした。
「五十年に一度の感覚で女神様の祝福で
世界中に天から白銀の硬貨が降り注ぐの。」
「………その数は100億個……………。」
「そして、霊神祭の日はその硬貨を手に入れたら
霊神祭で開かれるお祭りの屋台とか
高級なレストランとか宿泊施設とか
どれだけ高い買い物をしてもその硬貨を持っていれば
一枚払うだけで好きなだけ使えるのよ。」
「硬貨は早いもの勝ち。
そして霊神祭が終われば、硬貨は泡となって消える。」
そんな奇々怪々なイベントがあるんだなこの世界。
「へえ……大体分かった。
要するに世界中の人々に、一時の夢と贅沢を与えるんだな。」
「あっ……降ってきた。 」
天を神々しい光が照らし、世界中に
女神の祝福か白銀の硬貨がふわりと浮遊しながら地上に降り注ぐ。
その硬貨を触ってみると
ダイヤモンドのような鉱石を削り彫られた
プラチナのような光沢をしている硬貨
光に当てると虹色の光を放つ。
そして、何処かで感じたような霊力を感じた。
「この霊力…ティナのお母さんの魔力に似てる…?」
「なるほど、大体理解した。」
この祝福をもたらした女神の正体は、ティナの先祖…
かつて神人と呼ばれた者か。
神人とは、簡単に言えば
最初に生まれた人類にして神と人の混血だ。
その神人は創世の力を色濃く受け継ぎ
周囲の現象を思い通りにする
万象を自在に操る力を発現させた。
そして、その力を現在受け継いでいるのがティナってわけだ。
あの力はコントロール出来れば
創造主の如く神となれるが
制御出来なければ全てを破壊する力となる。
ティナにもその力が眠っているが
今はまだ、目覚めていない。
しかし
霊神祭……あの光が地上に降り注いだ瞬間から
彼女の魔力に激しい揺らぎを感じる。
おそらく神核が目覚めようとしている。
最初に産まれた生命である始まりの神と人類は
愛、子供という概念を造り産み落とされた存在がいた。
その神と人の間に産まれた神人の少女の魂は
死後、神に昇華され霊神となった。
そして転生した霊神の神核は
ティナの魂の中に眠っているが
霊神祭の影響か、力が徐々に戻りかけているのか
だんだん制御不能になってきている。
このままでは数歩歩いだだけで世界を滅ぼしかねない。
どうにかして彼女の暴走を防がなければならない。
霊神祭の女神像に嵌っている紅い結晶、アレに
彼女を近づけるとヤバいことになると、直感が告げている。
「うーーーー!」
「師匠~なんかお腹が空いて
胸も熱くなって変な気分になりますー!」
「そうだね、お腹空いたよね。」
「屋台で食べ物でも買って休もうか。」
「はいっ!」
「おじちゃん、たこ焼き二つくれ」
「はいよっ!ちっちゃいお嬢さん方には
アイスクリームもサービスしちゃうぜえ~」
「おおっおじちゃん気が利くねえ。」
「ありがとうございます。」
「あっ」
ティナが通行人に軽くぶつかり
食べようとしていたたこ焼きを落としてしまったが
たこ焼きが、ふわ~と浮かび上がる。
そのまま、たこ焼きが爪楊枝に刺さり
他のたこ焼きが空中を飛び回る。
「あわわっ!?たこ焼きが空を飛んでますっ!?」
「これ、ティナちゃんの防御バリア無視キラキラ必殺パンチの力だよ」
「えっ!あのいつも殴ってる時に出てくる光ですか!?」
「カクカクシカジカで霊神祭のせいで強化されて
魔法みたいになってるんだと思うよ~」
「今の私ってそんなことになってるんですねっ!?」
「まあ、無理に力を押さえ込むより
そのまま力を解放しとけばそのうち収まるさ。」
「まあ、わたしも制御の手伝いはしてやるからさ。」
「創世の力と霊神の力はほとんど同じようなモノだからね。」
「まあ、能力の影響や効果範囲とかが
世界規模の創世と比べて狭かったり
世界改変のような大規模なことが出来なかったりするけど
別に創世の下位互換とかじゃないと思うゾ。」
「ほ…ほんとうですか?さっきの説明だと
下位互換にしか思えなかったんですけど…?」
「創世と霊神の神核はほとんど同じってぐらい似てるけど
戦闘面で言うと霊神の方が戦闘に適してるんだよ。」
「そうなんですか?」
「そだよー。」
「創世は破壊神と創造神の力が100と100の割合で混ざって
掛け算されて常に10000の力になっている。
なんでも出来る万能型だけど
霊神は万象を操る能力。
そして、君に宿る神核の力の本質は意志。
使用者の強い意志に応じてその力は無限に強くなり続けて
多種多様に能力の内容が無限に神化し続ける。
無限大の能力。
君が、意志を貫き通したいと強く望めば
15000にも∞の力にもなれる可能性を秘めてるのだよ」
今は、渾身の一撃を放つ時に腕に光が宿る。
念力のように物体を操れるようになる。
力の放出だけで大地を割る。程度だけど
これからとんでもないことになるだろう。
まあ、今は力を全力で解放しても
二分の一程度しか解放されない。
この子の場合
本来の神核の力を解放するには封印を解く為の鍵が必要なんだが
その鍵を持っている重役が霊神祭にいると
わたしちゃんの未来を視る瞳で知ってるのだ。
「……ようするに……私の意志の強さ次第で
師匠を超えられる可能性を秘めてるってことですか?」
「まあ、そうとも言えるしそうとも言えないとも言えるね。」
どんなに強くてもルミナのように
それを覆せる可能性のある技を持っている子もいるだろうし
というわけで、家のキッチンに移動する。
「まずは、制御の練習から始めようか
あらゆる物を浮かせながら料理でも作ってごらんよ。」
「は…はいっ!がんばります!料理したことないですけどっ!」
食材、包丁、フライパンを浮かせながら
横で手取り足取り教えながら簡単そうなチャーハンを作らせてみた。
「……かなり作業が大雑把だったけど……うん、味は普通に美味しいね。」
「ホッ……よかったですー」
まだまだ暴走の危険性はあるけど、今は平気そうだな。
私は創世の力で場所も魔力も知らないにも関わらず
とある人物の前に二人を強制的に転移させた。
摩天楼のように天に延びる金色の城のような塔の最上階
祭壇のようで古の儀式が行われているような空間。
そこには踊り子のような衣装で
舞を踊っている二人の霊神の巫女がいた。
二人の少女はティナの顔を見た途端、舞を止めた。
二人は無表情のままで、表情が一切変わらぬが
驚いているような気がする。
「アナタは……転生した…霊神様でございますね。
私はウァルル・影渦營・アンジュナと申します。」
「ワタシはサウァナ・光營楹・エンハースと申します。
ようこそ、ティナ・レガリアさん」
「おいおいわたしのことも忘れるなよ。」
「師匠が貴女達に話があって来たらしいです。」
「要件は既に把握済みです。」
「すみません。アルビオンさん。
林風道營珱さまは、霊神祭で忙しくしていておりません。」
解放鍵の持ち主である肝心の霊神祭の重役である男がいない。
「フォッフォッフォッすまんすまん今帰ったぞ
お主が来るとは実に珍しいのぉぉ……?
なんの用事じゃ、アルビオン?」
「營珱じいちゃん久しぶりだな。」
彼は五百年以上生きている人でありながら
人類を超越した存在であり
摩天楼に住み霊神を祭る神話の老いた神人である。
「フォッフォッフォッ!お主が
わざわざこの日に訪ねてくることなど
アレの件しかあるまい。受け取れい!」
「わっとっとっお!」
營珱は解放鍵を投げ渡す。
王冠に三色の宝石の断片を合わせたような鍵だ。
「そいつが耳に蛸が棲みつく程聞かされた
お主の愛弟子かぁぁかわええのぉぉぉ」
「久しぶりに人間に興味が沸いたのでのぉ
その娘の力を試させてもらってよいかのぉお?」
「ええよーじいちゃん」
「エエエエエエエーー!?師匠っ!?」
「それで、試すといってもどうすりゃいいんだ?」
「そうじゃのお…その辺り考えてなかったわい」
「ウァルル、サウァナ
霊神様の相手をしてやりなさい。」
「分かりました。ハジメマシテ。霊神様
ウァルル・影渦營・アンジュナ、参ります。」
「サウァナ・光營楹・エンハース、参ります。」
「はいっ!よろしくお願いしますね。」
こうして、三人の戦いが始まろうとしていた。
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【リクエスト作品】邪神のしもべ 異世界での守護神に邪神を選びました…だって俺には凄く気高く綺麗に見えたから!
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主人公の黒木瞳(男)は小さい頃に事故に遭い精神障害をおこす。
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幼い頃には通院をしていたが、結局それは治らず…今では周りに言わずに、1人で抱えて生活していた。
そんな辛い日々の中教室が光り輝き、クラス全員が異世界転移に巻き込まれた。
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『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
話を聞けば、異世界に召喚された俺達に神々が祝福をくれると言う。
幾つもの神を見ていくなか、黒木は、誰もが近寄りさえしない女神に目がいった。
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そう言い切れるほど美しい存在…
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災いと不幸をもたらす女神だった。
今回の作品は『邪神』『美醜逆転』その二つのリクエストから書き始めました。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
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高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
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