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六天魔皇と星海の少女編 ルミナの心の闇
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ああああああああああああ!!!
モルドレッドの絶叫が鳴り響く。
世界最強の強者達と謳われている六人
六天魔皇がオルガンティア帝国の宮殿にて
一堂を会していた。
慌ただしく顔を右に左に右往左往させている
白銀の魔皇、ルミナス・メモティック・フォールンナイト
欠伸をして真面目とは程遠い様子の
閃光の魔皇、シャイニス・シャイン・レジェルス
見るからにかなり不機嫌なことが伝わる表情をしている
鮮血の魔皇、ラミレス・ブラティー
凛とした佇まいをして二本の刀を帯刀した
破滅の女王と呼ばれている六天魔皇
ミューリアム・デスメリュカーン
踊り子のような軽装な格好をしている
世界中のありとあらゆる全ての物体を
砂に変える事が出来ると言われている
白髪に褐色肌の幼い女の子の六天魔皇
砂塵の魔皇、サンド・デス・ミーラハカーン
黒のメッシュが入った白銀の髪に金色と赤色のオッドアイ
一際目立つゴスロリファッションに
金色の瞳の方には、怪我をしていないのに眼帯をしており
我こそ最強なのだとでも言いたい目立ちたがりなのか
自信満々といった表情をしている
天使の白い翼と悪魔の漆黒の翼を持つ
聖なる魔法と闇の魔法を使えるという
私達と年が変わらない幼い少女
堕天使の魔皇、クルル・ヘル・ルシファー
全ての六天魔皇が一つの円卓を囲いながら
話していた内容とは。
「モルドレッドさんを
新しい六天魔皇に加えてもよろしいでしょうか!」
「はああああああーーーー!?」
モルドレッドの甲高い絶叫が宮殿に響いた。
何故こうなったかという……
時は数時間前まで遡ることとなる。
「ルミナス・メモティック・フォールンナイト
貴様に伝えたいことがある。」
前日、ルミナと決闘し敗北した閃光の魔皇
シャイニスがルミナの元にやってきたのだ。
「あっ…シャイニスさん…何か御用てしょうか?」
「お前も六天魔皇になったのなら知っているだろう?
明日は、皇帝陛下の宮殿にて半年に一度
六天魔皇全員が一堂を会して円卓会議が開かれるんだ。」
「あっ…もうそのような時期になってしまったんですね…」
「お前は新米で今回が初めてだろうが
安心するんだな、どうせいつものように
皇帝陛下のつまらん趣味の話を延々と聞かされるだけだろう」
「あ…あの…緊張するのでお友達を連れて来てもよろしいでしょうか?」
「ふん、好きにすればいいさ」
「あ……ありがとうございますシャイニスさん。」
「じゃあ、伝えることは伝えたから僕は帰るぞ」
「………というわけで…モルドレッドさんも一緒に来てほしいんです。」
「しょうがないわね~!
可愛い妹に頼られたら断れないもの。
一緒に行ってあげるわよ」
「わあ~!ありがとうございます!
モルドレッドさんならそう言ってくれると思いました!」
「お姉ちゃ~ん!私も行~き~た~い~ぞ~!」
「シャルロットはダメよ
ルクシアと一緒にお留守番してなさい。」
「え~?なんでよ~?」
「なんでって…」
シャルロットと一緒に行ったらなんだかんだあって
絶対面倒くさいことになるに決まってるじゃない。
「……しょうがないわね
それじゃあ、帰りにお土産買ってくるから
二人で大人しくしてなさいよ?」
「私はお土産はお菓子がいい~!」
「わかった~!私、お留守番頑張るよ~!」
「それじゃ、行きましょうルミナ。」
「はいっ!」
そうして、私達は宮殿に到着し
謁見の間を通り過ぎて少し広い部屋に出た。
そこには、見知った顔が三人いた。
皇帝陛下とミューリアムさん、ついでにシャイニス
知らない顔が三人いる。
六天魔皇が集まるということは、この人達も全員
六天魔皇なのだろうか?
「それでは、いつもの挨拶は不要かな?
さあ、今日の六天会議を始めよう。」
金髪の吸血鬼、ラミレスが皇帝陛下に苦言を呈した
「皇帝陛下、今回の六天魔皇は類を見ない問題児だらけですわ!
どうにかしてくださいまし!」
「ぴえーーん!!」
「あわわ…サンドちゃん泣かないで~!」
「わーはっはっは!我こそは六天魔皇最強
魔王サタニティの生まれ変わり!!
堕天魔皇クルル・ヘル・ルシファー様なのだ!」
「よ…よろしく」
「はじめましてクルルちゃん」
「うむ!よろしくなのだ!モルモルとルミナ!」
「実は、私…クルルちゃんとは
お友達になりたいってずっと思ってました。
お友達になっても…いいでしょうか?」
「と…友達か…う…うむ!我は嬉しいぞ!」
「わあ…ありがとうございます!」
「ま、まあ、友達くらいならなってあげないことも
な、ないんだからねっ!」
「や…やった……は…はじめて友達が出来ちゃった…!
しかも…二人も同時に……!!?」
「ヤバい幸福感がヤバすぎる……」
「私は今日で死んじゃうのかな~???」
「おっほん!今回の内容はいつもより一味違うぞ
今回は『六天魔皇襲撃事件』についてだ。」
「なっ!?」
「へえ」
「なんじゃとっ!?」
「……なんだって?」
「…皇帝が真面目な内容の会議を開くのは百年ぶりじゃな…」
「今回、ルミナスをはじめ
サンド、クルル、シャイニスが殺られてしまい
そして、今より一週間前にラミレスも死亡した。
ミューリアムも不覚を取り、敵に捕らえられた。
天下の六天魔皇が僅か数週間で襲撃され全員殺された。」
「これは由々しき事態だ。」
「だけど、犯人はもう捕まえている……
というか、六天魔皇の誰かが倒したんじゃなかった?」
サンドが手を挙げてそう言った。
「ああ、サタン・ジオ・インザークとかいう
魔王の後継者を名乗って帝国で暴れた阿呆のことだな?」
「そいつを倒した後にも関わらず
六天魔皇は襲われている、ということは
この事件の犯人はまだ存在するということになる。」
「そして、容疑者及び、犯人は
これだけの強者を短期間にこれだけ殺しているのだ
真犯人は六天魔皇の可能性も出てきた。」
「そして、昨日シャイニスはルミナスが最有力候補だとか
やっぱり間違いでしたとか意見をコロコロ変えていたので
シャイニス君の意見は今回聞くことはない。 」
「ぐぬぬ……」
「ルミナス…確か一ヶ月前に新しく加わった
新米の魔皇ですわね?
貴女、噂ではかなり弱いんですってね?
どうして六天魔皇に選ばれたのかしら?」
ラミレスがルミナに悪態をつく。
「それに、固有の魔法が使えるという噂ですが
どうせちょっと珍しいだけの魔法でしょ?
皇帝陛下もその程度で六天魔皇に加えるなんて
いくら空席を埋める為の数合わせとはいえ
もう少しマシな人を選べなかったのかしら?」
「それに、これをご覧くださいな!!」
そう言って、ラミレスは何か、一枚の紙を取り出し
バンッとテーブルに思いっきり叩きつけた。
「これは、ルミナの魔道学園での成績表…?」
「ウソ…どうして……これが…ここに…?」
「私の権力を持ってすれば
この程度の情報を手に入れることなんて造作もないことですわ!」
「そして、何より注目してほしいのは
ルミナス・メモティック・フォールンナイトの成績の酷さですわ!
回復魔法と防御魔法の評価は星2ですが!
それ以外のありとあらゆる項目は最低評価の星1ですわ!
これが示すこととは!
ルミナスは劣等生であるということ。
聞けば、親しい間柄やご友人の一人もいないそうではありませんの?」
「そ…そうですけど…ひ…酷い…です」
「それだけじゃありませんわ!
ルミナスは実力偽造の疑いがありますわ!」
「何故なら、私は見ましたのよ!!
学園で毎日のように虐げられている彼女の姿を!
六天魔皇ならば!やり返し実力を誇示し
黙らせてやればよろしいのにそうしないということは
つまり、ルミナスはやり返すだけの意志も力もないということ!!
私は彼女の実力が
六天魔皇に相応しいモノとは到底思えませんわ!!」
「おい、ラミレスとか言ったか?…謝れよ……」
「……ん~?そこの小娘、私になんの用ですの?」
「ルミナに…謝れって言ったんだよっ!!!」
モルドレッドの音速を超えた拳がラミレスに向かうが
ジルクニールがそれを受け止める。
「まあまあ、落ち着きたまえ、モルドレッドくん」
「ラミレス、そうは言うが
ルミナスを六天魔皇に選んだのは
誰でもない皇帝であるボク本人だ。
ルミナスの実力は性格や態度に反して六天魔皇に申し分ないよ。
ラミレス・ブラティー、そこまで言うなら
君とルミナスで戦ってみるといいさ?」
「そうよ、それとルミナに負けたそこの金髪
考え直したようだけど、念の為に言っておくけど
ルミナは無実よ。私が保証するわ。」
「ルミナの固有魔法の詳細が分からないから
疑われているんだっけ?確か人の記憶を弄る魔法だっけ?
ルミナの魔法はそんな物騒な魔法なんかじゃあないわ!
ルミナの固有魔法は星みたいにキラキラしてる
回復魔法と防御魔法が合わさった素敵な魔法なのよ!」
「……私の魔法、星命流転の効果は
回復魔法の回復効果を早めたり
光の障壁を出せるだけの支援系魔法なのです。」
「ですから、六天魔皇最弱で、大したことない…
という、ラミレスさんの主張は、間違ってはいませ…」
「そんなことないわよ!」
「ルミナは私を何度も救ってくれたじゃないのよ!
もっと自身を持ってもいいのよ?」
「えっと……その……あのー、皇帝陛下さん…
このタイミングで言う事ではないと思うんですが…
私に提案があるんですけど、よろしいでしょうか?」
「なんだ?ルミナス、申してみよ。」
「えっと…その……」
「モルドレッド・レガリアさんを
新しい六天魔皇に加えてもよろしいでしょうか!」
「はああああああーーーー!?」
モルドレッドの甲高い絶叫が宮殿に響いた。
「えっ!?え、ルミナ?何を言っているの?」
「モルドレッドさんは私なんかより
ずっとずっと凄く強くて世界で一番優しい方なんです!」
「ですから、私なんかより、モルドレッドさんの方が
六天魔皇に相応しいのでは……なんて…思っちゃいまして……」
「ルミナ…そんなことは無いのよ?」
「私からすれば、ルミナの方がずっと凄いと思うよ?」
「え…いえ…そんなことは………」
「………そもそも、空席があるならともかく
既に六人いるのにどうやって私を六天魔皇にするのよ?」
「それは皇帝であるボクから説明させてもらうよ。」
「その場合は六天魔皇は三人以上が賛成すれば通るが
そうしたら次は反対派の中の一人と決闘して下克上するんだよ。
そして、敗北した六天魔皇は席を降りて
新たな六天魔皇に席を譲る。」
「そういう仕組みになっているのさ。」
「そ…そんなことになってるのね…。」
「えっと…要するにこれからルミナは
この中の反対派の誰かと戦わないといけないってこと?」
「まあ、そうなるね!」
「と、いうわけで、これより六天魔大神魔戦争を行う!!
六天魔皇同士で殺し合いをしてもらおう!
ルールは極めて簡単なモノだ!
従えている全て部下を率いて
六天魔皇同士で争い合う全面戦争というわけだ!
ルミナスが勝ったらラミレスは失脚。
そしてモルドレッド君が新たな六天魔皇となるのだ!
数日後に開催される祭典で盛大に戦おうではないか!」
………ということになってしまった。
そして私は少しでもルミナの助けになりたくて
ルミナと作戦でも立てようと
宮殿にあるルミナの部屋に辿り着く。
白く、雪のような結晶が目印の白銀の扉。
……今度は着替えを覗かないようにしないと
前回は完全に事後で故意ではないとはいえ
ルミナの恥ずかしい所を見てしまったからな。
コンコン……とノックをするが返事はない。
しかし、鍵は開いている。
私はルミナの部屋に入る。
「ルミナ……入るわよ?」
そして、私は驚愕することになる。
「………えっ!?」
「……えっ!?…お…お姉ちゃん…なんでここに!?」
そこには秘密部屋に入り切らなくなり
宮殿の方に持ってきていた
大量のモルドレッドのグッズ
そして、モルドレッドが普段着ているような
金髪のウィッグを被せて、服を着せている
大量の等身大の人形
そして、私の全裸の写真がプリントされている抱き枕。
そして、いつ撮られたのか分からないが
モルドレッドの写真が壁一面に貼られていたのだ
「…えっと…ルミナ……?」
「これは…その……どういう…こと?」
「ご…ごめんなさい…モルドレッドさん
お部屋が散らかっちゃってて今綺麗にしますから!」
「いやちょいとまてええええい!!!」
なんでこんなに私の写真があるのっ!?
それにその抱き枕って…ええ……えええっ…!?
抱き枕に印刷されている私
なんでそんなにエッチな表情してるのよっ!?
それにこの写真もいつ取られたのっ!?
寝顔とかお風呂での写真が特に沢山あるし!?
等身大サイズの私の人形多すぎだろ!!
もうこれ軽くホラーだよ!!
「私も手伝うわよ!」
数分後…足の踏み場も無かった部屋がすっかり綺麗になった。
「えっと…それで…話してくれるかしら?」
「えっと…その…実は……私…私……」
「モルドレッドさんの事が好きなんです!!!!」
おう…これは…大胆な告白をされてしまった。
「……ありがとう…ルミナ…それで…あの人形は…?」
「はい…モルドレッドさんの事が好きになってから
モルドレッドさんへの想いが抑えきれなくなって
気がついたら…あんなに沢山
モルドレッドさんのグッズを作っちゃいました…」
「あのモルドレッドさん人形は特にお気に入りで
毎日、モルドレッドさんに話しかけるように
優しく接して可愛がってあげているんです。」
「何故か何回か首が壊れてしまいましたけど」
「どうして首だけ壊れてるのよっ!?」
ルクシアちゃんやシャルロットさんが来て
お姉ちゃんと一緒に眠れない時
お姉ちゃんの代わりに愛し合って首を絞めて
イケナイ気持ちを発散させているせいで
何体かは壊れてしまいました。
「まあ、その……いいわよ、別に…
私のことが好きなら、好きにすればいいじゃない?
私は他人の趣味や趣向には口出ししない主義なの。」
「それに、少しでもルミナの助けになりたいの…!
明日の六天魔大神魔戦争、私も参加させてもらいたいの!」
「え…確かに、次期六天魔皇候補としてなら
モルドレッドさんも参加する事は不可能ではありませんけど…」
「え…ど…どうして……ですか?」
「…え?」
「どうして…私なんかの為に…そこまでしてくれるんですか?」
「私は…モルドレッドさんの…ストーカーみたいな者なのに…」
「そんなこと関係ないわ!」
「ルミナは……私の大切な…いも……
と……友達だからよ!!!」
「……友……達………」
ルミナの瞳から涙が零れ落ちていた。
「えっ…!?…もしかして……嫌だった?」
「い…いいえ!そんなことはないんです…!」
「ご…ごめんなさい…そんなこと…言ってくれたの…
モルドレッドさんが…はじめて…でしたので…」
「そうか…えっと…お友達として…妹としても…
これからもよろしくね…ルミナ」
「はい…モルドレッドさんとお友達になれて……
妹みたいになれて…とっても嬉しいです…」
「うう…モルドレッドさん…私、すっごく弱いから
一番最初に殺されてしまう気がするんですけど…
明日…私なんかと一緒に戦って大丈夫…でしょうか?」
「大丈夫だよ…ルミナは、私が護るから…」
「あんな奴らなんか、やっつけちゃいましょう!」
「は…はい…モルドレッドさん…」
「そ…それでは。私とモルドレッドさんは協力関係…ということですね?」
「うん、シャルロットも伝えておくわ。」
ルミナは何かを閃いたと言わんばかりに手を叩いた
「あっ…そうだ、六天魔皇最強って言われている
クルルちゃんにも助けてくれるかどうか
同盟を結びに行きましょう。
彼女は少し…変な所もありますけど…頼りになると思うんです。」
「クルル…?ああ、あの妙に目立ってた子か、大丈夫なの…?」
「ちょっと変な人ですけど、信頼は出来ると思いますよ?」
「………あと、聞きたい事があったの。」
「えっと…なんでしょうか…?」
「ルミナって孤児院出身だったよね?」
「はい…そうですけど…それがなにか?」
「いや、ルミナはどういう経緯で孤児院に来たのかなって」
「…実は、私の家族は
私が幼い頃に皆殺しにされてしまいまして
一人になった私を孤児院が保護してくれたんです。」
「……そう…だったのね。」
「私は、元いた故郷でも落ちこぼれで独りでした。
そんな私に唯一優しくしてくれたのは
お姉ちゃんとお母さんとお父さんだけだったような気がします。 」
「この十蓮氷の髪飾りも…大好きだった
両親とお姉ちゃんから誕生日に贈られた
私の……大切な……形見なんです。」
「うっすらとですが、一度だけ家族みんなで
満天の星空を見に行った事があったような気がするんです。
その時に見た星空が本当に綺麗で……
記憶の奥底に刻まれたような気がするんです。」
「だから…ルミナの固有魔法は
星が凄く綺麗な魔法陣をしているのね…。」
「はい…家族との…大切な思い出ですから。」
「あ…あの…!」
「この後、モルドレッドさんも一緒に
夜空の星を観に行きませんか…!?」
「ええ、いいわよ。ルミナの願いなら…喜んで。」
「………最期に見る景色は、綺麗なものがいいですからね?」
「ルミナ…何か言った?」
「あ…いえ、なんでもないんです…お姉ちゃん…」
私は、ルミナと約束の場所に向かう前に
宮殿の食堂に向かっていると
ルミナの部下の男に出会った。
「なあ…あんた…ルミナス様といつも一緒にいる女だろ?」
「ええ…そうだけど…それがどうしたのよ?」
「なあ…アレを見てくれよ……!」
「俺は…頭がどうにかなっちまいそうなんだよ!」
窓からは、訓練場でルミナの部下と思われる人達が
お互いに狂気的な笑みを浮かべて
笑いながら魔法を放っている光景が見える。
「ルミナ様バンザーイ!!!」
「ルミナ様バンザーイ!!!」
「ルミナ様バンザーイ!!!」
「ルミナ様の為ならーーーー!!!!」
「我ら!!!命を散らす覚悟おおお!!!」
……明らかに異常な光景だ。
正気を失っているようにしか思えない。
「……アンタも気をつけないとこうなるかもなあ…?
ルミナス・メモティック・フォールンナイトは異常なんだよ!
アイツは…ただの六天魔皇なんかじゃねえ!!
もっと…恐ろしい何かだ………
ルミナス様と話していると気が狂いそうになるんだ!!」
「それは…それだけルミナに人望があるってことなんじゃないの?」
「そんなわけがあるかっ!!!!!!!
アイツは…一ヶ月前までは
部下の誰からも見向きもされない
部下からも舐められて虐げられていたり
部下もルミナス様の命令を何一つも聞こうとしない
ルミナスなんて小娘は
取るにも足らない雑魚でしかなかったのに
他の奴らだってあそこまで狂ってはいなかった!
最近はあり得ない程、洗脳でもしてんのか
他の奴らが狂ったようにルミナス様の言いなりになって
ルミナス様!ルミナス様!って言いながら
ルミナス様を巡って毎日殺し合っているんだよ!!!
ルミナス………アイツは何かが異常なんだよ!!」
「怖いよ…怖いよ…ああ…頭が……可笑しくなる…
俺が…俺が…俺じゃなくなっていくような……!??
あああああああ!!!?
あああああああ!!!!あああ!!!!
あああああああああああああああああ!!!!」
ルミナの部下は発狂しながら廊下を爆走していった。
「いったい…なんだったのよ……今の?」
そして、私達は星空がよく見える場所までやってきた。
「こうして星を見ていると、心が落ち着きますね」
「……そうね…星座ってこんなに綺麗なモノだったんだ…」
「ここは…夜の星がよく見えるから………
私のお気に入りの場所なんです♪」
「わあ…凄い…星が……こんなに綺麗に見れるなんて」
「……良かった…モルドレッドさんも
この場所を気に入ってくれましたか?」
「ええ、とっても…素敵な所ね。」
「……ねえ、モルドレッドさん?」
「……な~に?ルミナ?」
「六天魔皇さんを殺した犯人って
いったい誰なんでしょうね?」
「そうね…せっかく殺したのに
わざわざ蘇らせている意味がよく分からないのよね…?
六天魔皇を全員殺しているし
殺したけどまた戦いたいから蘇らせているんじゃ?
私は強者を求めている戦闘狂の人なんじゃないかと思っているわ」
「フフフ…モルドレッドさんは面白いですね…」
「そ…そう?」
「ねえ…モルドレッドさん…」
「どうして…犯人は人を殺すのだと思います?
もしも…犯人が、誰かを殺したいのではなく
多分、殺さなきゃいけない何らかの事情を抱えていて
殺さざるを得なかった…としたら?
生き返らせるのは、本当は殺したくなんてなかったから?
……なんて、思ったんですけど…どうでしょうか?」
「もしも…もしもの話、ですよ…?」
「犯人は誰かに家族を人質に取られていて
仕方なく、殺しを強要させられていたとしたら…
モルドレッドさんはどうしますか?」
「そりゃ…家族を人質にしてる奴を殺して
その犯人を苦しみから解放してあげるわ。」
「えっ……?」
「だって、悪いのは犯人じゃなくて
犯人の家族を人質にとって
家族想いな犯人を道具のように使っている悪い奴らよ!」
「それに、シャルロットなら
『悪いのは人質を取ってるそいつらじゃん?
なら、やっつければそれでもう解決じゃん!』
って言いそうだしね。」
「あはは…確かに、言いそうですね。」
「……流石ですね…私なら…そんな……こと……は…」
ルミナの表情が暗くなって俯いていく。
「ルミナ…どうしたの…?」
「もしかして…体が冷えて体調が悪くなっちゃったの!?」
「フフフ…大丈夫ですから……」
「モルドレッドさんは…そのまま…最期の光景になる
綺麗な…星を…そのまま見上げていてください…」
「そうしたら……すぐに…終わりますから…………」
「ルミナ……どうしたの…?」
ルミナの様子がいつもと違い、何かが変だ。
瞳には、光が灯ってなくて
氷のように透き通った綺麗な水色の瞳が
冷酷な暗殺者のように蒼くなっているように見えた。
私は、モルドレッドさんの首を絞める。
「………ごめんなさい…お姉ちゃん…」
「キャアっ!?」
ルミナは凄い力でわたしを押し倒すと
ルミナの目には涙が浮かんでいて
ボロボロと私の頬にルミナの大粒の涙が零れ落ちる。
ルミナは私の首に手を添えると
思いっきり力を込める。
「ごめんなさい……ほんとうに……ごめんなさい……」
首が……へし折れ……る……!?
「ル………ミ………ナ……や………め……て…………」
両手で強く、強く絞めていくと
その時、何かが潰れた鈍い音がする。
気がついたら、モルドレッドさんは息絶えて冷たくなっていた 。
私は、モルドレッドさんをあそこに寝かせて
自分の部屋に戻る。
結局、私はモルドレッドさんを本当に殺すことは出来なかった。
蘇生不可能になる時間まで残り僅かという時に
モルドレッドさんの死体を見ていると
これまでのモルドレッドさんとの思い出が
涙と一緒に溢れてきて…
私なんかのことを…大切な…友達だって言ってくれたこと。
一緒に遊んで楽しかった記憶も
モルドレッドさんのことを好きになった記憶も
私の全ては偽りで作られています。
だけど、モルドレッドさんが愛してくれたのは
この好きって気持ちまで、嘘なんかにはしたくなかったから
結局、最後の最後で…蘇生させてしまいました。
大好きなモルドレッドさんを
また殺してしまったことに罪悪感を覚えて
明かりも付けずに薄暗い部屋で
イケナイ感情を発散した後は罪悪感に襲われてしまう。
いつものように、一人で塞ぎ込んで泣いていると
紅い魔法石から声が聞こえてくる。
『どうして…モルドレッドを殺さなかった?』
「……すみま……せん……。」
『もしも、お前の家族が生き返るとしたら?』
「え…?」
『このセリフを覚えているか……?』
「あっ……」
思い出して……しまった……
そう…だ……私が……殺しを強要されても…
頑張って…頑張って…頑張って殺せるようになった
私を暗殺者に変えてしまう魔法のような言葉……
この言葉を思い出すだけで罪悪感を感じなくなって
沢山…沢山…殺せるようになった
魔法のような言葉だ……
ああ…どうして…忘れてしまっていたんだろう…?
『俺は貴様にこうとも言ってたよな?
ここに死者を蘇らせる魔法の霊薬があるのだが
貴様が任務に失敗する度にこの薬を壊す。
という約束をしていたな…?』
「そ……そんな…ま……まさか!?」
『そうだ、貴様は三度失敗した。』
『それに、貴様が我らを裏切り
部下共を毎晩殺し回って何かをしていることを
まさか、この俺が本当に知らないと思っていたのか?』
「ウソ…どう……して……?」
『組織に甚大な被害をもたらし
裏切り行為だけでなく
六天魔皇暗殺に失敗し、二度もモルドレッドの暗殺に失敗した
愚かな貴様のせいで、天国のあいつらは悲しんでいるだろうなあ?
そして、その家族の蘇生はもう、叶わない。』
『そして、今日で貴様は用済みとなったのだ。
良かったな?これで、お前の大好きな家族と再会出来るかもしれないなあ?
まあ、貴様の場合、逝くのは地獄だろうが
ルミナス…さっさとこの世から消え失せろ。
二度と、その面を見せるんじゃあないぞっ!!!』
そして、魔法石が砕け散り
魔法石から私を殺す為の殺戮魔法が飛び出てきた。
そして、私は壁に叩きつけられた。
私は激しく咳き込みながら吐血を繰り返す。
腹部から、鮮血が飛び散り、出血が止まらなくなる。
「チッ…!この程度で壊れるとは使えん道具だ。」
「……貴様のあまりにも無様な姿を見ていると気が変わった。
貴様は異能しか能の無い出来損ないだが
その異能だけは我らの計画には必要不可欠な物
今ここで無くすのは惜しい。
貴様に、特別に最後のチャンスを与えてやる。」
砕け散った魔法石の残骸が毒々しい魔法陣を描き
神核にこの世界の外側に存在する異物のような魔力が刻まれる。
刻まれたのは、闇色の星屑のような刻印だった。
「これ……は………ま……さ……か………!?」
「アストラルの星屑
使えば魂を完全に燃やし尽くすがその魂の輝きと
引き換えに使用者に無尽蔵の魔力を与えるという
終焉の破壊神が生み出したと言われる自壊の秘術
それを使い、六天魔大神魔戦争に乗じて六天魔皇を皆殺しにしろ。
もし、失敗すれば、次はない。
貴様の全てを奪い尽くし、壊し尽くし、使い捨てててやる!!!!!」
「そ…ん………な…………」
「う……うぅ…………」
お母さん……お父さん……お姉ちゃん……
私が……悪い子になっちゃったせいで………
ごめん……ごめんなさい………
「ごめんなさい……お母さん…お父さん…」
「ごめんなさい…お姉ちゃん」
どうして……こんなことになってしまったんだろう?
「うぅっ………っ…ひっ……うぅ……」
「痛いよ……苦しい………よ……怖い……よ……」
「もう……このまま………死んでしまいたい………」
「どうして…私ばっかり…こんな……酷いことばっかり……」
「もう……いや……だ………よ……」
「助け…………て………よ………お姉………ちゃん……」
涙を流しながら…私の意識は消失し、血溜まりの中に堕ちる。
そして翌日、私達は同盟を結ぶ為に集まっていた。
「クルル…だっけ?よろしくね!」
「クルルちゃんも一緒に頑張りましょう!」
「う…うむ!六天魔皇最強の我がついているのだ!
どーんと任せておけなのだ!」
「えっと…ルミナ…どうしたの…?」
「え…?なんですか?」
「何故かしら…体調が物凄く悪そうに見えるんだけど…」
「な…なんでもないん……ですよ!」
目が醒めて嫌なほど、理解してしまった
私は死に損なったのだ。
自分に星命流転覇星激爆覇を撃って死のうとしたのに
そのタイミングで、 モルドレッドさん達が
部屋にやってきたせいで死ねなかった。
咄嗟に誤魔化して
星命流転で凄惨な事になっている
血まみれの部屋を改竄して
何事も無かった普通の部屋のように
私のお腹の傷も無いと、世界を騙してそう認識させて
モルドレッドさんを欺いて
あの後、回復魔法ですぐに治したとはいえ
内蔵が飛び出ていた程、大きく裂けていた腹部に
ズキズキと鈍い痛みが走る。
「はあ…」
ルミナは憂鬱な気持ちになり溜息をついた。
モルドレッドの絶叫が鳴り響く。
世界最強の強者達と謳われている六人
六天魔皇がオルガンティア帝国の宮殿にて
一堂を会していた。
慌ただしく顔を右に左に右往左往させている
白銀の魔皇、ルミナス・メモティック・フォールンナイト
欠伸をして真面目とは程遠い様子の
閃光の魔皇、シャイニス・シャイン・レジェルス
見るからにかなり不機嫌なことが伝わる表情をしている
鮮血の魔皇、ラミレス・ブラティー
凛とした佇まいをして二本の刀を帯刀した
破滅の女王と呼ばれている六天魔皇
ミューリアム・デスメリュカーン
踊り子のような軽装な格好をしている
世界中のありとあらゆる全ての物体を
砂に変える事が出来ると言われている
白髪に褐色肌の幼い女の子の六天魔皇
砂塵の魔皇、サンド・デス・ミーラハカーン
黒のメッシュが入った白銀の髪に金色と赤色のオッドアイ
一際目立つゴスロリファッションに
金色の瞳の方には、怪我をしていないのに眼帯をしており
我こそ最強なのだとでも言いたい目立ちたがりなのか
自信満々といった表情をしている
天使の白い翼と悪魔の漆黒の翼を持つ
聖なる魔法と闇の魔法を使えるという
私達と年が変わらない幼い少女
堕天使の魔皇、クルル・ヘル・ルシファー
全ての六天魔皇が一つの円卓を囲いながら
話していた内容とは。
「モルドレッドさんを
新しい六天魔皇に加えてもよろしいでしょうか!」
「はああああああーーーー!?」
モルドレッドの甲高い絶叫が宮殿に響いた。
何故こうなったかという……
時は数時間前まで遡ることとなる。
「ルミナス・メモティック・フォールンナイト
貴様に伝えたいことがある。」
前日、ルミナと決闘し敗北した閃光の魔皇
シャイニスがルミナの元にやってきたのだ。
「あっ…シャイニスさん…何か御用てしょうか?」
「お前も六天魔皇になったのなら知っているだろう?
明日は、皇帝陛下の宮殿にて半年に一度
六天魔皇全員が一堂を会して円卓会議が開かれるんだ。」
「あっ…もうそのような時期になってしまったんですね…」
「お前は新米で今回が初めてだろうが
安心するんだな、どうせいつものように
皇帝陛下のつまらん趣味の話を延々と聞かされるだけだろう」
「あ…あの…緊張するのでお友達を連れて来てもよろしいでしょうか?」
「ふん、好きにすればいいさ」
「あ……ありがとうございますシャイニスさん。」
「じゃあ、伝えることは伝えたから僕は帰るぞ」
「………というわけで…モルドレッドさんも一緒に来てほしいんです。」
「しょうがないわね~!
可愛い妹に頼られたら断れないもの。
一緒に行ってあげるわよ」
「わあ~!ありがとうございます!
モルドレッドさんならそう言ってくれると思いました!」
「お姉ちゃ~ん!私も行~き~た~い~ぞ~!」
「シャルロットはダメよ
ルクシアと一緒にお留守番してなさい。」
「え~?なんでよ~?」
「なんでって…」
シャルロットと一緒に行ったらなんだかんだあって
絶対面倒くさいことになるに決まってるじゃない。
「……しょうがないわね
それじゃあ、帰りにお土産買ってくるから
二人で大人しくしてなさいよ?」
「私はお土産はお菓子がいい~!」
「わかった~!私、お留守番頑張るよ~!」
「それじゃ、行きましょうルミナ。」
「はいっ!」
そうして、私達は宮殿に到着し
謁見の間を通り過ぎて少し広い部屋に出た。
そこには、見知った顔が三人いた。
皇帝陛下とミューリアムさん、ついでにシャイニス
知らない顔が三人いる。
六天魔皇が集まるということは、この人達も全員
六天魔皇なのだろうか?
「それでは、いつもの挨拶は不要かな?
さあ、今日の六天会議を始めよう。」
金髪の吸血鬼、ラミレスが皇帝陛下に苦言を呈した
「皇帝陛下、今回の六天魔皇は類を見ない問題児だらけですわ!
どうにかしてくださいまし!」
「ぴえーーん!!」
「あわわ…サンドちゃん泣かないで~!」
「わーはっはっは!我こそは六天魔皇最強
魔王サタニティの生まれ変わり!!
堕天魔皇クルル・ヘル・ルシファー様なのだ!」
「よ…よろしく」
「はじめましてクルルちゃん」
「うむ!よろしくなのだ!モルモルとルミナ!」
「実は、私…クルルちゃんとは
お友達になりたいってずっと思ってました。
お友達になっても…いいでしょうか?」
「と…友達か…う…うむ!我は嬉しいぞ!」
「わあ…ありがとうございます!」
「ま、まあ、友達くらいならなってあげないことも
な、ないんだからねっ!」
「や…やった……は…はじめて友達が出来ちゃった…!
しかも…二人も同時に……!!?」
「ヤバい幸福感がヤバすぎる……」
「私は今日で死んじゃうのかな~???」
「おっほん!今回の内容はいつもより一味違うぞ
今回は『六天魔皇襲撃事件』についてだ。」
「なっ!?」
「へえ」
「なんじゃとっ!?」
「……なんだって?」
「…皇帝が真面目な内容の会議を開くのは百年ぶりじゃな…」
「今回、ルミナスをはじめ
サンド、クルル、シャイニスが殺られてしまい
そして、今より一週間前にラミレスも死亡した。
ミューリアムも不覚を取り、敵に捕らえられた。
天下の六天魔皇が僅か数週間で襲撃され全員殺された。」
「これは由々しき事態だ。」
「だけど、犯人はもう捕まえている……
というか、六天魔皇の誰かが倒したんじゃなかった?」
サンドが手を挙げてそう言った。
「ああ、サタン・ジオ・インザークとかいう
魔王の後継者を名乗って帝国で暴れた阿呆のことだな?」
「そいつを倒した後にも関わらず
六天魔皇は襲われている、ということは
この事件の犯人はまだ存在するということになる。」
「そして、容疑者及び、犯人は
これだけの強者を短期間にこれだけ殺しているのだ
真犯人は六天魔皇の可能性も出てきた。」
「そして、昨日シャイニスはルミナスが最有力候補だとか
やっぱり間違いでしたとか意見をコロコロ変えていたので
シャイニス君の意見は今回聞くことはない。 」
「ぐぬぬ……」
「ルミナス…確か一ヶ月前に新しく加わった
新米の魔皇ですわね?
貴女、噂ではかなり弱いんですってね?
どうして六天魔皇に選ばれたのかしら?」
ラミレスがルミナに悪態をつく。
「それに、固有の魔法が使えるという噂ですが
どうせちょっと珍しいだけの魔法でしょ?
皇帝陛下もその程度で六天魔皇に加えるなんて
いくら空席を埋める為の数合わせとはいえ
もう少しマシな人を選べなかったのかしら?」
「それに、これをご覧くださいな!!」
そう言って、ラミレスは何か、一枚の紙を取り出し
バンッとテーブルに思いっきり叩きつけた。
「これは、ルミナの魔道学園での成績表…?」
「ウソ…どうして……これが…ここに…?」
「私の権力を持ってすれば
この程度の情報を手に入れることなんて造作もないことですわ!」
「そして、何より注目してほしいのは
ルミナス・メモティック・フォールンナイトの成績の酷さですわ!
回復魔法と防御魔法の評価は星2ですが!
それ以外のありとあらゆる項目は最低評価の星1ですわ!
これが示すこととは!
ルミナスは劣等生であるということ。
聞けば、親しい間柄やご友人の一人もいないそうではありませんの?」
「そ…そうですけど…ひ…酷い…です」
「それだけじゃありませんわ!
ルミナスは実力偽造の疑いがありますわ!」
「何故なら、私は見ましたのよ!!
学園で毎日のように虐げられている彼女の姿を!
六天魔皇ならば!やり返し実力を誇示し
黙らせてやればよろしいのにそうしないということは
つまり、ルミナスはやり返すだけの意志も力もないということ!!
私は彼女の実力が
六天魔皇に相応しいモノとは到底思えませんわ!!」
「おい、ラミレスとか言ったか?…謝れよ……」
「……ん~?そこの小娘、私になんの用ですの?」
「ルミナに…謝れって言ったんだよっ!!!」
モルドレッドの音速を超えた拳がラミレスに向かうが
ジルクニールがそれを受け止める。
「まあまあ、落ち着きたまえ、モルドレッドくん」
「ラミレス、そうは言うが
ルミナスを六天魔皇に選んだのは
誰でもない皇帝であるボク本人だ。
ルミナスの実力は性格や態度に反して六天魔皇に申し分ないよ。
ラミレス・ブラティー、そこまで言うなら
君とルミナスで戦ってみるといいさ?」
「そうよ、それとルミナに負けたそこの金髪
考え直したようだけど、念の為に言っておくけど
ルミナは無実よ。私が保証するわ。」
「ルミナの固有魔法の詳細が分からないから
疑われているんだっけ?確か人の記憶を弄る魔法だっけ?
ルミナの魔法はそんな物騒な魔法なんかじゃあないわ!
ルミナの固有魔法は星みたいにキラキラしてる
回復魔法と防御魔法が合わさった素敵な魔法なのよ!」
「……私の魔法、星命流転の効果は
回復魔法の回復効果を早めたり
光の障壁を出せるだけの支援系魔法なのです。」
「ですから、六天魔皇最弱で、大したことない…
という、ラミレスさんの主張は、間違ってはいませ…」
「そんなことないわよ!」
「ルミナは私を何度も救ってくれたじゃないのよ!
もっと自身を持ってもいいのよ?」
「えっと……その……あのー、皇帝陛下さん…
このタイミングで言う事ではないと思うんですが…
私に提案があるんですけど、よろしいでしょうか?」
「なんだ?ルミナス、申してみよ。」
「えっと…その……」
「モルドレッド・レガリアさんを
新しい六天魔皇に加えてもよろしいでしょうか!」
「はああああああーーーー!?」
モルドレッドの甲高い絶叫が宮殿に響いた。
「えっ!?え、ルミナ?何を言っているの?」
「モルドレッドさんは私なんかより
ずっとずっと凄く強くて世界で一番優しい方なんです!」
「ですから、私なんかより、モルドレッドさんの方が
六天魔皇に相応しいのでは……なんて…思っちゃいまして……」
「ルミナ…そんなことは無いのよ?」
「私からすれば、ルミナの方がずっと凄いと思うよ?」
「え…いえ…そんなことは………」
「………そもそも、空席があるならともかく
既に六人いるのにどうやって私を六天魔皇にするのよ?」
「それは皇帝であるボクから説明させてもらうよ。」
「その場合は六天魔皇は三人以上が賛成すれば通るが
そうしたら次は反対派の中の一人と決闘して下克上するんだよ。
そして、敗北した六天魔皇は席を降りて
新たな六天魔皇に席を譲る。」
「そういう仕組みになっているのさ。」
「そ…そんなことになってるのね…。」
「えっと…要するにこれからルミナは
この中の反対派の誰かと戦わないといけないってこと?」
「まあ、そうなるね!」
「と、いうわけで、これより六天魔大神魔戦争を行う!!
六天魔皇同士で殺し合いをしてもらおう!
ルールは極めて簡単なモノだ!
従えている全て部下を率いて
六天魔皇同士で争い合う全面戦争というわけだ!
ルミナスが勝ったらラミレスは失脚。
そしてモルドレッド君が新たな六天魔皇となるのだ!
数日後に開催される祭典で盛大に戦おうではないか!」
………ということになってしまった。
そして私は少しでもルミナの助けになりたくて
ルミナと作戦でも立てようと
宮殿にあるルミナの部屋に辿り着く。
白く、雪のような結晶が目印の白銀の扉。
……今度は着替えを覗かないようにしないと
前回は完全に事後で故意ではないとはいえ
ルミナの恥ずかしい所を見てしまったからな。
コンコン……とノックをするが返事はない。
しかし、鍵は開いている。
私はルミナの部屋に入る。
「ルミナ……入るわよ?」
そして、私は驚愕することになる。
「………えっ!?」
「……えっ!?…お…お姉ちゃん…なんでここに!?」
そこには秘密部屋に入り切らなくなり
宮殿の方に持ってきていた
大量のモルドレッドのグッズ
そして、モルドレッドが普段着ているような
金髪のウィッグを被せて、服を着せている
大量の等身大の人形
そして、私の全裸の写真がプリントされている抱き枕。
そして、いつ撮られたのか分からないが
モルドレッドの写真が壁一面に貼られていたのだ
「…えっと…ルミナ……?」
「これは…その……どういう…こと?」
「ご…ごめんなさい…モルドレッドさん
お部屋が散らかっちゃってて今綺麗にしますから!」
「いやちょいとまてええええい!!!」
なんでこんなに私の写真があるのっ!?
それにその抱き枕って…ええ……えええっ…!?
抱き枕に印刷されている私
なんでそんなにエッチな表情してるのよっ!?
それにこの写真もいつ取られたのっ!?
寝顔とかお風呂での写真が特に沢山あるし!?
等身大サイズの私の人形多すぎだろ!!
もうこれ軽くホラーだよ!!
「私も手伝うわよ!」
数分後…足の踏み場も無かった部屋がすっかり綺麗になった。
「えっと…それで…話してくれるかしら?」
「えっと…その…実は……私…私……」
「モルドレッドさんの事が好きなんです!!!!」
おう…これは…大胆な告白をされてしまった。
「……ありがとう…ルミナ…それで…あの人形は…?」
「はい…モルドレッドさんの事が好きになってから
モルドレッドさんへの想いが抑えきれなくなって
気がついたら…あんなに沢山
モルドレッドさんのグッズを作っちゃいました…」
「あのモルドレッドさん人形は特にお気に入りで
毎日、モルドレッドさんに話しかけるように
優しく接して可愛がってあげているんです。」
「何故か何回か首が壊れてしまいましたけど」
「どうして首だけ壊れてるのよっ!?」
ルクシアちゃんやシャルロットさんが来て
お姉ちゃんと一緒に眠れない時
お姉ちゃんの代わりに愛し合って首を絞めて
イケナイ気持ちを発散させているせいで
何体かは壊れてしまいました。
「まあ、その……いいわよ、別に…
私のことが好きなら、好きにすればいいじゃない?
私は他人の趣味や趣向には口出ししない主義なの。」
「それに、少しでもルミナの助けになりたいの…!
明日の六天魔大神魔戦争、私も参加させてもらいたいの!」
「え…確かに、次期六天魔皇候補としてなら
モルドレッドさんも参加する事は不可能ではありませんけど…」
「え…ど…どうして……ですか?」
「…え?」
「どうして…私なんかの為に…そこまでしてくれるんですか?」
「私は…モルドレッドさんの…ストーカーみたいな者なのに…」
「そんなこと関係ないわ!」
「ルミナは……私の大切な…いも……
と……友達だからよ!!!」
「……友……達………」
ルミナの瞳から涙が零れ落ちていた。
「えっ…!?…もしかして……嫌だった?」
「い…いいえ!そんなことはないんです…!」
「ご…ごめんなさい…そんなこと…言ってくれたの…
モルドレッドさんが…はじめて…でしたので…」
「そうか…えっと…お友達として…妹としても…
これからもよろしくね…ルミナ」
「はい…モルドレッドさんとお友達になれて……
妹みたいになれて…とっても嬉しいです…」
「うう…モルドレッドさん…私、すっごく弱いから
一番最初に殺されてしまう気がするんですけど…
明日…私なんかと一緒に戦って大丈夫…でしょうか?」
「大丈夫だよ…ルミナは、私が護るから…」
「あんな奴らなんか、やっつけちゃいましょう!」
「は…はい…モルドレッドさん…」
「そ…それでは。私とモルドレッドさんは協力関係…ということですね?」
「うん、シャルロットも伝えておくわ。」
ルミナは何かを閃いたと言わんばかりに手を叩いた
「あっ…そうだ、六天魔皇最強って言われている
クルルちゃんにも助けてくれるかどうか
同盟を結びに行きましょう。
彼女は少し…変な所もありますけど…頼りになると思うんです。」
「クルル…?ああ、あの妙に目立ってた子か、大丈夫なの…?」
「ちょっと変な人ですけど、信頼は出来ると思いますよ?」
「………あと、聞きたい事があったの。」
「えっと…なんでしょうか…?」
「ルミナって孤児院出身だったよね?」
「はい…そうですけど…それがなにか?」
「いや、ルミナはどういう経緯で孤児院に来たのかなって」
「…実は、私の家族は
私が幼い頃に皆殺しにされてしまいまして
一人になった私を孤児院が保護してくれたんです。」
「……そう…だったのね。」
「私は、元いた故郷でも落ちこぼれで独りでした。
そんな私に唯一優しくしてくれたのは
お姉ちゃんとお母さんとお父さんだけだったような気がします。 」
「この十蓮氷の髪飾りも…大好きだった
両親とお姉ちゃんから誕生日に贈られた
私の……大切な……形見なんです。」
「うっすらとですが、一度だけ家族みんなで
満天の星空を見に行った事があったような気がするんです。
その時に見た星空が本当に綺麗で……
記憶の奥底に刻まれたような気がするんです。」
「だから…ルミナの固有魔法は
星が凄く綺麗な魔法陣をしているのね…。」
「はい…家族との…大切な思い出ですから。」
「あ…あの…!」
「この後、モルドレッドさんも一緒に
夜空の星を観に行きませんか…!?」
「ええ、いいわよ。ルミナの願いなら…喜んで。」
「………最期に見る景色は、綺麗なものがいいですからね?」
「ルミナ…何か言った?」
「あ…いえ、なんでもないんです…お姉ちゃん…」
私は、ルミナと約束の場所に向かう前に
宮殿の食堂に向かっていると
ルミナの部下の男に出会った。
「なあ…あんた…ルミナス様といつも一緒にいる女だろ?」
「ええ…そうだけど…それがどうしたのよ?」
「なあ…アレを見てくれよ……!」
「俺は…頭がどうにかなっちまいそうなんだよ!」
窓からは、訓練場でルミナの部下と思われる人達が
お互いに狂気的な笑みを浮かべて
笑いながら魔法を放っている光景が見える。
「ルミナ様バンザーイ!!!」
「ルミナ様バンザーイ!!!」
「ルミナ様バンザーイ!!!」
「ルミナ様の為ならーーーー!!!!」
「我ら!!!命を散らす覚悟おおお!!!」
……明らかに異常な光景だ。
正気を失っているようにしか思えない。
「……アンタも気をつけないとこうなるかもなあ…?
ルミナス・メモティック・フォールンナイトは異常なんだよ!
アイツは…ただの六天魔皇なんかじゃねえ!!
もっと…恐ろしい何かだ………
ルミナス様と話していると気が狂いそうになるんだ!!」
「それは…それだけルミナに人望があるってことなんじゃないの?」
「そんなわけがあるかっ!!!!!!!
アイツは…一ヶ月前までは
部下の誰からも見向きもされない
部下からも舐められて虐げられていたり
部下もルミナス様の命令を何一つも聞こうとしない
ルミナスなんて小娘は
取るにも足らない雑魚でしかなかったのに
他の奴らだってあそこまで狂ってはいなかった!
最近はあり得ない程、洗脳でもしてんのか
他の奴らが狂ったようにルミナス様の言いなりになって
ルミナス様!ルミナス様!って言いながら
ルミナス様を巡って毎日殺し合っているんだよ!!!
ルミナス………アイツは何かが異常なんだよ!!」
「怖いよ…怖いよ…ああ…頭が……可笑しくなる…
俺が…俺が…俺じゃなくなっていくような……!??
あああああああ!!!?
あああああああ!!!!あああ!!!!
あああああああああああああああああ!!!!」
ルミナの部下は発狂しながら廊下を爆走していった。
「いったい…なんだったのよ……今の?」
そして、私達は星空がよく見える場所までやってきた。
「こうして星を見ていると、心が落ち着きますね」
「……そうね…星座ってこんなに綺麗なモノだったんだ…」
「ここは…夜の星がよく見えるから………
私のお気に入りの場所なんです♪」
「わあ…凄い…星が……こんなに綺麗に見れるなんて」
「……良かった…モルドレッドさんも
この場所を気に入ってくれましたか?」
「ええ、とっても…素敵な所ね。」
「……ねえ、モルドレッドさん?」
「……な~に?ルミナ?」
「六天魔皇さんを殺した犯人って
いったい誰なんでしょうね?」
「そうね…せっかく殺したのに
わざわざ蘇らせている意味がよく分からないのよね…?
六天魔皇を全員殺しているし
殺したけどまた戦いたいから蘇らせているんじゃ?
私は強者を求めている戦闘狂の人なんじゃないかと思っているわ」
「フフフ…モルドレッドさんは面白いですね…」
「そ…そう?」
「ねえ…モルドレッドさん…」
「どうして…犯人は人を殺すのだと思います?
もしも…犯人が、誰かを殺したいのではなく
多分、殺さなきゃいけない何らかの事情を抱えていて
殺さざるを得なかった…としたら?
生き返らせるのは、本当は殺したくなんてなかったから?
……なんて、思ったんですけど…どうでしょうか?」
「もしも…もしもの話、ですよ…?」
「犯人は誰かに家族を人質に取られていて
仕方なく、殺しを強要させられていたとしたら…
モルドレッドさんはどうしますか?」
「そりゃ…家族を人質にしてる奴を殺して
その犯人を苦しみから解放してあげるわ。」
「えっ……?」
「だって、悪いのは犯人じゃなくて
犯人の家族を人質にとって
家族想いな犯人を道具のように使っている悪い奴らよ!」
「それに、シャルロットなら
『悪いのは人質を取ってるそいつらじゃん?
なら、やっつければそれでもう解決じゃん!』
って言いそうだしね。」
「あはは…確かに、言いそうですね。」
「……流石ですね…私なら…そんな……こと……は…」
ルミナの表情が暗くなって俯いていく。
「ルミナ…どうしたの…?」
「もしかして…体が冷えて体調が悪くなっちゃったの!?」
「フフフ…大丈夫ですから……」
「モルドレッドさんは…そのまま…最期の光景になる
綺麗な…星を…そのまま見上げていてください…」
「そうしたら……すぐに…終わりますから…………」
「ルミナ……どうしたの…?」
ルミナの様子がいつもと違い、何かが変だ。
瞳には、光が灯ってなくて
氷のように透き通った綺麗な水色の瞳が
冷酷な暗殺者のように蒼くなっているように見えた。
私は、モルドレッドさんの首を絞める。
「………ごめんなさい…お姉ちゃん…」
「キャアっ!?」
ルミナは凄い力でわたしを押し倒すと
ルミナの目には涙が浮かんでいて
ボロボロと私の頬にルミナの大粒の涙が零れ落ちる。
ルミナは私の首に手を添えると
思いっきり力を込める。
「ごめんなさい……ほんとうに……ごめんなさい……」
首が……へし折れ……る……!?
「ル………ミ………ナ……や………め……て…………」
両手で強く、強く絞めていくと
その時、何かが潰れた鈍い音がする。
気がついたら、モルドレッドさんは息絶えて冷たくなっていた 。
私は、モルドレッドさんをあそこに寝かせて
自分の部屋に戻る。
結局、私はモルドレッドさんを本当に殺すことは出来なかった。
蘇生不可能になる時間まで残り僅かという時に
モルドレッドさんの死体を見ていると
これまでのモルドレッドさんとの思い出が
涙と一緒に溢れてきて…
私なんかのことを…大切な…友達だって言ってくれたこと。
一緒に遊んで楽しかった記憶も
モルドレッドさんのことを好きになった記憶も
私の全ては偽りで作られています。
だけど、モルドレッドさんが愛してくれたのは
この好きって気持ちまで、嘘なんかにはしたくなかったから
結局、最後の最後で…蘇生させてしまいました。
大好きなモルドレッドさんを
また殺してしまったことに罪悪感を覚えて
明かりも付けずに薄暗い部屋で
イケナイ感情を発散した後は罪悪感に襲われてしまう。
いつものように、一人で塞ぎ込んで泣いていると
紅い魔法石から声が聞こえてくる。
『どうして…モルドレッドを殺さなかった?』
「……すみま……せん……。」
『もしも、お前の家族が生き返るとしたら?』
「え…?」
『このセリフを覚えているか……?』
「あっ……」
思い出して……しまった……
そう…だ……私が……殺しを強要されても…
頑張って…頑張って…頑張って殺せるようになった
私を暗殺者に変えてしまう魔法のような言葉……
この言葉を思い出すだけで罪悪感を感じなくなって
沢山…沢山…殺せるようになった
魔法のような言葉だ……
ああ…どうして…忘れてしまっていたんだろう…?
『俺は貴様にこうとも言ってたよな?
ここに死者を蘇らせる魔法の霊薬があるのだが
貴様が任務に失敗する度にこの薬を壊す。
という約束をしていたな…?』
「そ……そんな…ま……まさか!?」
『そうだ、貴様は三度失敗した。』
『それに、貴様が我らを裏切り
部下共を毎晩殺し回って何かをしていることを
まさか、この俺が本当に知らないと思っていたのか?』
「ウソ…どう……して……?」
『組織に甚大な被害をもたらし
裏切り行為だけでなく
六天魔皇暗殺に失敗し、二度もモルドレッドの暗殺に失敗した
愚かな貴様のせいで、天国のあいつらは悲しんでいるだろうなあ?
そして、その家族の蘇生はもう、叶わない。』
『そして、今日で貴様は用済みとなったのだ。
良かったな?これで、お前の大好きな家族と再会出来るかもしれないなあ?
まあ、貴様の場合、逝くのは地獄だろうが
ルミナス…さっさとこの世から消え失せろ。
二度と、その面を見せるんじゃあないぞっ!!!』
そして、魔法石が砕け散り
魔法石から私を殺す為の殺戮魔法が飛び出てきた。
そして、私は壁に叩きつけられた。
私は激しく咳き込みながら吐血を繰り返す。
腹部から、鮮血が飛び散り、出血が止まらなくなる。
「チッ…!この程度で壊れるとは使えん道具だ。」
「……貴様のあまりにも無様な姿を見ていると気が変わった。
貴様は異能しか能の無い出来損ないだが
その異能だけは我らの計画には必要不可欠な物
今ここで無くすのは惜しい。
貴様に、特別に最後のチャンスを与えてやる。」
砕け散った魔法石の残骸が毒々しい魔法陣を描き
神核にこの世界の外側に存在する異物のような魔力が刻まれる。
刻まれたのは、闇色の星屑のような刻印だった。
「これ……は………ま……さ……か………!?」
「アストラルの星屑
使えば魂を完全に燃やし尽くすがその魂の輝きと
引き換えに使用者に無尽蔵の魔力を与えるという
終焉の破壊神が生み出したと言われる自壊の秘術
それを使い、六天魔大神魔戦争に乗じて六天魔皇を皆殺しにしろ。
もし、失敗すれば、次はない。
貴様の全てを奪い尽くし、壊し尽くし、使い捨てててやる!!!!!」
「そ…ん………な…………」
「う……うぅ…………」
お母さん……お父さん……お姉ちゃん……
私が……悪い子になっちゃったせいで………
ごめん……ごめんなさい………
「ごめんなさい……お母さん…お父さん…」
「ごめんなさい…お姉ちゃん」
どうして……こんなことになってしまったんだろう?
「うぅっ………っ…ひっ……うぅ……」
「痛いよ……苦しい………よ……怖い……よ……」
「もう……このまま………死んでしまいたい………」
「どうして…私ばっかり…こんな……酷いことばっかり……」
「もう……いや……だ………よ……」
「助け…………て………よ………お姉………ちゃん……」
涙を流しながら…私の意識は消失し、血溜まりの中に堕ちる。
そして翌日、私達は同盟を結ぶ為に集まっていた。
「クルル…だっけ?よろしくね!」
「クルルちゃんも一緒に頑張りましょう!」
「う…うむ!六天魔皇最強の我がついているのだ!
どーんと任せておけなのだ!」
「えっと…ルミナ…どうしたの…?」
「え…?なんですか?」
「何故かしら…体調が物凄く悪そうに見えるんだけど…」
「な…なんでもないん……ですよ!」
目が醒めて嫌なほど、理解してしまった
私は死に損なったのだ。
自分に星命流転覇星激爆覇を撃って死のうとしたのに
そのタイミングで、 モルドレッドさん達が
部屋にやってきたせいで死ねなかった。
咄嗟に誤魔化して
星命流転で凄惨な事になっている
血まみれの部屋を改竄して
何事も無かった普通の部屋のように
私のお腹の傷も無いと、世界を騙してそう認識させて
モルドレッドさんを欺いて
あの後、回復魔法ですぐに治したとはいえ
内蔵が飛び出ていた程、大きく裂けていた腹部に
ズキズキと鈍い痛みが走る。
「はあ…」
ルミナは憂鬱な気持ちになり溜息をついた。
0
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