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六天魔皇と星海の少女編 最終決戦前夜
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私は、世界最強の六人の強者達による
全面戦争、六天魔大神魔戦争に巻き込まれてしまった
私にはもうどうしようもなくなってしまい
藁にも縋るようにシャルロット達に助けを求めたわ。
「……なるほど、大体事情は分かった。」
「私とルミナが協力してもどうにもならなそうなよよ」
「だから、シャルロットとルクシアも一緒に…」
「嫌だよ。」
「え?」
助けを求めたがシャルロットの拒否する声で遮られた。
「お姉ちゃんとルミナちゃんがいるんでしょ?
それなら、私がわざわざ出るまでもないよ。
それに、その方が安心じゃねえかな~? 」
ルミナの実力は私の全てを出し尽くしたとしても
勝てる可能性が一割か三割程度しか存在しない
今まで出会ってきた中で類を見ない…
初めて遭遇した強者の中の強者だ。
まあ、相手との力量差に関係なく
当たれば確実に殺せる魔法を持っているのも要因の一つだろうが
最も恐ろしいのは、あれでも本来の力の三割程度しかないということだ。
あの白銀の少女は、性格からも分かるが
彼女は内気で引っ込み思案な恥ずかしがり屋だ。
おまけに、自身の強さを無意識なのか無自覚なのか知らないが
彼女は自身の力を並外れた規格外な力と認識しておらず
客観視出来ていない、まあそこは別に良いんだ
一番の問題点は、彼女は私の出会ってきた者の中でも
最も強き者だが、反面、彼女は心がとても弱い
それにより実力と精神に大きな枷を付けている。
彼女には強い意志が存在しない。
叛逆を望む強い意志、復讐を遂げたい強い意志を
その瞳に宿しているが、それを実行する為の覚悟が足りない。
毎晩、組織の連中を殺し回って何かをしているようだが、
いくら殺した所で何も影響がないであろう
取るに足らない下っ端ばかりだ。
私だったら幹部格を殺して即刻、組織を壊滅させるんだがな。
まあ、これは私の憶測に過ぎない。
覚悟がないように見えて、実はとんでもない
叛逆の牙を隠し持っている可能性もある。
まあ、なんにせよ、彼女は
それによって、記憶や感情が大きく関係している
星滅神の神核を宿しているのにも関わらず
その力を十全に発揮されていないのである。
何か大きく彼女の感情が高ぶり感情を爆発させて
激情を顕にすることで、更にあの能力は進化すると踏んでいる。
まあ、この時点でも恐ろしく強いのに更に強くなってしまったら
少しだけ困るが、お姉ちゃんの初めて出来た親しい友達だ。
お姉ちゃんの好きにさせてあげようと思ったのだが
どうやら、私が来なくても来ても、大変なことになるらしい。
未来視を発動して先の結末を視たのだが
遥か太古に滅んだ王城の跡地が存在する王国
そこの古戦場を舞台に六天魔皇達は凌ぎを削り、殺し合う。
そこには、シャワーのように降り注いだ血飛沫を浴びながら
死屍累々の死体の山を生み出し、惨劇の中心に佇んでいる
お姉ちゃんという悲惨な光景しか写っていなかった。
これは、流石に助けてやらないとマズイやつかな?
私の参戦の有無によって、未来を示している光は黒く染まっているが
好転して、良い未来になる可能性がある。
私の創世や未来予知の異能は
ルミナのモノと似て非なるが共通点が多い
無数に分岐する未来を視るという事は
宇宙を漂いながら意識を運命に委ねて
天体のようになり、無数の星々のように見える
記憶、 記録、分岐した可能性、未来、過去
その全てを見据えて、見届け、俯瞰する。
明るい結末に行き着く分岐点や未来は明るく煌めく星のように
悪い結末を示唆する星はどす黒い星に見えるのだ
恐らく、ルミナもきっと、そうなのだろう。
だけど、彼女がいつも視えている景色は
私とは違い、ほとんどどす黒い星しかないのであろう。
しかし、悲惨な現状に置かれている
可哀想な少女を、最愛の姉にはじめて出来た友達を助けぬほど
私は薄情者ではないからな。
多分、私が選択した結末は何処に行き着いても
最終的に辿り着くのはどす黒い星への分岐点だ。
行けば私は死ぬだろう、それでも助けてやらないとな。
「嫌だ……と、思ったけど気が変わった。
やっぱり一緒に行くよ、お姉ちゃん」
「どっちなのよ…でも、良かった…一緒に戦ってくれるのね?」
「おうよ!この私に任せておけ!」
「何せ、お姉ちゃんとクルル以外の六天魔皇には
500人以上の部下がいるらしいし
流石にそこにお姉ちゃん一人放り込むのは良心が痛むからなあ」
「は、はああああああ!?」
「き、聞いてないわよ!そんなこと!」
「あれ?知らなかった?」
「お姉ちゃんと私の二人、そして
他の六天魔皇は五百人の部下を率いてやってくるんだよ?
てっきりお姉ちゃん、それ知ってて一緒に行くのかと…」
「知らない知らない知らない!?
えっ!?クルルも一人なの!?部下いないの!?
それに部下もそんなに多いなんて知らなかったのよー!!」
「あれ?知らなかったのか?クルルちゃんは六天魔皇最強で
自称最強なのか本当にそれほど強いのかは知らないけど
クルルは一人で六天魔皇とその配下五百人と戦っても
勝るとも劣らない強さって言われているらしいぜ?」
「まあ、でも頑張ろうぜ、三人で協力すればなんとかなるさ」
「なんとかなるかああああああーー!!!!」
そして、モルドレッドの絶叫が鳴り響くが
無情にも、当日となってしまった。
「ルクシアちゃんはお留守番ね。」
「わかった~!ここでみんなの活躍を見てるよ~!」
「……お利口だね、君はほんとに」
シャルロットは、ルクシアの頭をポンポンと撫でると
目を細めて嬉しそうな顔をした。
「えへへへ…♪」
「シャル姉~!私も行きたい!行きた~い~!」
「しょうがないな~」
「ねえルクシアも一緒に行こうよ~!」
「え、でも…」
「ねえ、お願いモル姉~いいでしょ~!」
「えっとね…やっぱり…本当は私も一緒に行きたかったんだ…駄目…かな?」
「…仕方ないわね…」
「それじゃ、皆で一緒に行きましょう!」
「わーーい!」
眩い魔法陣の光に包まれた私達は古戦場に転移した。
そしてここは、オルガンティア帝国の内に存在する
城壁に囲まれた学園都市
大陸の面積の七割を占めているオルガンティア帝国
その帝国全土にこの戦争の様子が
無数の魔力接続浮遊型戦闘記録用迷彩機械の魔道具により全国に中継され
民はその様子を見られるようになっているらしい。
全国に設置された窓のようなピリシナという
魔道具から古戦場が映し出された
スクリーンからはリアルタイムでその様子を見られる。
この時は初夏で涼やかな風が吹き抜けるが
太陽が照りつくような暑さだが
人々はそれに負けない程、熱狂していた。
全世界から注目の的にされている世界最強の六人
それが、全力がぶつかり合う様子は
この世界の人々からすれば戦争さえも娯楽なのだろうか?
確かに、古戦場はかつては女神の奇跡が起きた
聖域とされている神聖な場所であり
戦の女神バルキューレの祝福が降り注ぎ
聖域内の死者は弔われ、輪廻を転生し蘇るといった伝説が存在する。
要するに、たとえ戦死しても聖域の内でなら
蘇生魔法のような効果があり
死者の復活という奇跡のような芸等が可能になる程
魂の停滞率がとんでもなく高いのだ。
魂が消し飛ぶような攻撃でも食らわない限り
殺されても死ぬ事はないのであろう。
今日は、世界中の人々が浮き足立った様子で行き交っていた。
本日、六天魔皇による、全面戦争
六天魔大神魔戦争は半年に一度行われ
同時に特大のエンターテイメントやお祭りが開催される。
ピリシナのスクリーンの前には大勢の人々が集まっている。
朝から酒を飲み交わして優勝候補を予想して語り合い
賭け事に興じる者や帝国の戦力を調査しようとする
軍事国家関連の人々等、ありとあらゆる種族が
皆、始まりを今か今かと待ちわびているのだ。
そして、お祭り騒ぎとなれば当然、ジャーナリストと呼ばれる
職業の者達も大人しくしているはずがない。
群衆の中を駆け抜けていく二人の記者がいた。
二人は犬と猫の耳を生やしている獣人の少女だ。
「はあ…はあ…先輩…ま…待ってくださいよ~」
「そ…そんなに……ぜえ……ぜえ……」
「い、急がなくても…スクーターは逃げないのです~!」
「にゃはははは!早くしないとスクープを取り逃がすわよーー!!」
「ぴゃえええええ!!」
「ピキーンと来ましたわ!」
「濃密な魔力と吸血鬼特有の匂い!」
「あっちの方からなのですわ~!」
先輩に振り回されながらひぃひぃ言いながら
追いかけている少女は六天魔皇の皆さんに取材をして回っていた。
「おやおやおや?あそこに居られるのは!」
最近、六天魔皇になったという噂の少女だ
今回の参加者のリストにも載っており
確か、六天魔皇で一番可愛いとかで好評だったような?
「六天魔皇のルミナス・メモティック・フォールンナイト様ではありませんかー!!!」
「ひぃっ!?」
「はじめまして私は犬耳族のネルトで
こっちは後輩兼従姉妹の猫耳族のメルトっていいます!
それでそれで六天魔皇のルミナス様は
ここでいったいなにをなさっていたのでしょうか
ああ、別に詮索する意図はないんですが
ちょっとお時間をいただいてもよろしいでしょうか?
ルミナス様がよろしければ取材させて頂いてもよろしいですか!!!」
ルミナは突然現れてグイグイ迫ってくる
圧が強い犬耳の少女にドン引きしていた。
「……新聞記者さん…ですか?」
「はい!新聞記者です!
さっそく質問させていただきたいのですが
本日の意気込みはどうですか!!!」
「あ……えっと…が…頑張ります!」
「おおー!頑張りますかー!!良いですね~!!」
「それでそれで次はこんな質問させていだだいても…!」
こうしてルミナは数多くの質問に
当たり障りのないように答えていくが
彼女は尿意が限界が近づいてきていた。
「お…おしっこしたいので…私はこれで失礼します!」
ルミナは思わず咄嗟に新聞記者の少女達から逃げ出した。
その先で大通りを歩いていた
いかにもチャラそうな風貌をしている金髪の男性が
ルミナにぶつかるが
男性がルミナに対して怒りの感情を発露する前に
ルミナにぶつかった男性は頭を空間ごと抉り取られたように
顔の輪郭が三日月のように大きく歪み、穴が空き
一瞬で全身が蜂の巣になったように風穴が空いて
一滴の血さえも残さず、消滅してしまった。
そして、逃走してすれ違った一瞬で人を殺害しても
気にも止めず、 ルミナは急いでトイレに駆け込む。
「ふう……間に合ってよかった…」
何者かの気配を感じた
ルミナは息を殺して、トイレの個室に潜む。
すると、尿意を催したのかトイレに入ってくる足音が聞こえる。
個室から飛び出すと、トイレに入ってきたのは
先程自分を追いかけていた二人の記者だった。
気配と魔力を完全に隠蔽しながら二人の記者と視線が合う。
犬耳の少女が一瞬だけ速く反応したような気がした。
「………ごめんね」
すると、ルミナは二人とすれ違った瞬間に
その猫耳と犬耳の少女の頭が一瞬で熟れたトマトのように潰れた。
「……ごめんなさい。」
また殺してしまった…でも仕方ないよね
その時、通信用の魔法が刻まれた魔石から通信が入る。
私はいつものように暴言と罵詈雑言を浴びせられて
何を言われているのか理解したくなかった。
『シャルロット・レガリアと
モルドレッド・ドゥームズ・フォールンブラッドだけは
どんな手段を使っても絶対に殺せ!!』
「はい…承知しました。」
『何度も言うが失敗は許されんぞ?
なんの為にわざわざ利用価値がほとんど無くて使えない
屑の下っ端のお前を生かしてやったと思っているんだ?
失敗したら、お前の家族を全員殺してやる!』
『それと、この映像は全国に公開されているそうだ。
もし派手に動いて赫神華の一員だと悟られるんじゃないぞ!いいな!!』
ブチッと通信が途絶える。
六天魔皇を殺さなきゃ、皆を殺さなきゃ…
お姉ちゃんも…殺さなきゃ…
大切な友達も…大好きな人も殺して
何もかも殺して、殺して殺して殺して殺して
殺し尽くして最後に残った、私を殺さないと…
何もかも、全部壊さないといけないんです。
この手がいくら血に濡れようともう構わない。
私に残された未来は、もう無いのだから。
全面戦争、六天魔大神魔戦争に巻き込まれてしまった
私にはもうどうしようもなくなってしまい
藁にも縋るようにシャルロット達に助けを求めたわ。
「……なるほど、大体事情は分かった。」
「私とルミナが協力してもどうにもならなそうなよよ」
「だから、シャルロットとルクシアも一緒に…」
「嫌だよ。」
「え?」
助けを求めたがシャルロットの拒否する声で遮られた。
「お姉ちゃんとルミナちゃんがいるんでしょ?
それなら、私がわざわざ出るまでもないよ。
それに、その方が安心じゃねえかな~? 」
ルミナの実力は私の全てを出し尽くしたとしても
勝てる可能性が一割か三割程度しか存在しない
今まで出会ってきた中で類を見ない…
初めて遭遇した強者の中の強者だ。
まあ、相手との力量差に関係なく
当たれば確実に殺せる魔法を持っているのも要因の一つだろうが
最も恐ろしいのは、あれでも本来の力の三割程度しかないということだ。
あの白銀の少女は、性格からも分かるが
彼女は内気で引っ込み思案な恥ずかしがり屋だ。
おまけに、自身の強さを無意識なのか無自覚なのか知らないが
彼女は自身の力を並外れた規格外な力と認識しておらず
客観視出来ていない、まあそこは別に良いんだ
一番の問題点は、彼女は私の出会ってきた者の中でも
最も強き者だが、反面、彼女は心がとても弱い
それにより実力と精神に大きな枷を付けている。
彼女には強い意志が存在しない。
叛逆を望む強い意志、復讐を遂げたい強い意志を
その瞳に宿しているが、それを実行する為の覚悟が足りない。
毎晩、組織の連中を殺し回って何かをしているようだが、
いくら殺した所で何も影響がないであろう
取るに足らない下っ端ばかりだ。
私だったら幹部格を殺して即刻、組織を壊滅させるんだがな。
まあ、これは私の憶測に過ぎない。
覚悟がないように見えて、実はとんでもない
叛逆の牙を隠し持っている可能性もある。
まあ、なんにせよ、彼女は
それによって、記憶や感情が大きく関係している
星滅神の神核を宿しているのにも関わらず
その力を十全に発揮されていないのである。
何か大きく彼女の感情が高ぶり感情を爆発させて
激情を顕にすることで、更にあの能力は進化すると踏んでいる。
まあ、この時点でも恐ろしく強いのに更に強くなってしまったら
少しだけ困るが、お姉ちゃんの初めて出来た親しい友達だ。
お姉ちゃんの好きにさせてあげようと思ったのだが
どうやら、私が来なくても来ても、大変なことになるらしい。
未来視を発動して先の結末を視たのだが
遥か太古に滅んだ王城の跡地が存在する王国
そこの古戦場を舞台に六天魔皇達は凌ぎを削り、殺し合う。
そこには、シャワーのように降り注いだ血飛沫を浴びながら
死屍累々の死体の山を生み出し、惨劇の中心に佇んでいる
お姉ちゃんという悲惨な光景しか写っていなかった。
これは、流石に助けてやらないとマズイやつかな?
私の参戦の有無によって、未来を示している光は黒く染まっているが
好転して、良い未来になる可能性がある。
私の創世や未来予知の異能は
ルミナのモノと似て非なるが共通点が多い
無数に分岐する未来を視るという事は
宇宙を漂いながら意識を運命に委ねて
天体のようになり、無数の星々のように見える
記憶、 記録、分岐した可能性、未来、過去
その全てを見据えて、見届け、俯瞰する。
明るい結末に行き着く分岐点や未来は明るく煌めく星のように
悪い結末を示唆する星はどす黒い星に見えるのだ
恐らく、ルミナもきっと、そうなのだろう。
だけど、彼女がいつも視えている景色は
私とは違い、ほとんどどす黒い星しかないのであろう。
しかし、悲惨な現状に置かれている
可哀想な少女を、最愛の姉にはじめて出来た友達を助けぬほど
私は薄情者ではないからな。
多分、私が選択した結末は何処に行き着いても
最終的に辿り着くのはどす黒い星への分岐点だ。
行けば私は死ぬだろう、それでも助けてやらないとな。
「嫌だ……と、思ったけど気が変わった。
やっぱり一緒に行くよ、お姉ちゃん」
「どっちなのよ…でも、良かった…一緒に戦ってくれるのね?」
「おうよ!この私に任せておけ!」
「何せ、お姉ちゃんとクルル以外の六天魔皇には
500人以上の部下がいるらしいし
流石にそこにお姉ちゃん一人放り込むのは良心が痛むからなあ」
「は、はああああああ!?」
「き、聞いてないわよ!そんなこと!」
「あれ?知らなかった?」
「お姉ちゃんと私の二人、そして
他の六天魔皇は五百人の部下を率いてやってくるんだよ?
てっきりお姉ちゃん、それ知ってて一緒に行くのかと…」
「知らない知らない知らない!?
えっ!?クルルも一人なの!?部下いないの!?
それに部下もそんなに多いなんて知らなかったのよー!!」
「あれ?知らなかったのか?クルルちゃんは六天魔皇最強で
自称最強なのか本当にそれほど強いのかは知らないけど
クルルは一人で六天魔皇とその配下五百人と戦っても
勝るとも劣らない強さって言われているらしいぜ?」
「まあ、でも頑張ろうぜ、三人で協力すればなんとかなるさ」
「なんとかなるかああああああーー!!!!」
そして、モルドレッドの絶叫が鳴り響くが
無情にも、当日となってしまった。
「ルクシアちゃんはお留守番ね。」
「わかった~!ここでみんなの活躍を見てるよ~!」
「……お利口だね、君はほんとに」
シャルロットは、ルクシアの頭をポンポンと撫でると
目を細めて嬉しそうな顔をした。
「えへへへ…♪」
「シャル姉~!私も行きたい!行きた~い~!」
「しょうがないな~」
「ねえルクシアも一緒に行こうよ~!」
「え、でも…」
「ねえ、お願いモル姉~いいでしょ~!」
「えっとね…やっぱり…本当は私も一緒に行きたかったんだ…駄目…かな?」
「…仕方ないわね…」
「それじゃ、皆で一緒に行きましょう!」
「わーーい!」
眩い魔法陣の光に包まれた私達は古戦場に転移した。
そしてここは、オルガンティア帝国の内に存在する
城壁に囲まれた学園都市
大陸の面積の七割を占めているオルガンティア帝国
その帝国全土にこの戦争の様子が
無数の魔力接続浮遊型戦闘記録用迷彩機械の魔道具により全国に中継され
民はその様子を見られるようになっているらしい。
全国に設置された窓のようなピリシナという
魔道具から古戦場が映し出された
スクリーンからはリアルタイムでその様子を見られる。
この時は初夏で涼やかな風が吹き抜けるが
太陽が照りつくような暑さだが
人々はそれに負けない程、熱狂していた。
全世界から注目の的にされている世界最強の六人
それが、全力がぶつかり合う様子は
この世界の人々からすれば戦争さえも娯楽なのだろうか?
確かに、古戦場はかつては女神の奇跡が起きた
聖域とされている神聖な場所であり
戦の女神バルキューレの祝福が降り注ぎ
聖域内の死者は弔われ、輪廻を転生し蘇るといった伝説が存在する。
要するに、たとえ戦死しても聖域の内でなら
蘇生魔法のような効果があり
死者の復活という奇跡のような芸等が可能になる程
魂の停滞率がとんでもなく高いのだ。
魂が消し飛ぶような攻撃でも食らわない限り
殺されても死ぬ事はないのであろう。
今日は、世界中の人々が浮き足立った様子で行き交っていた。
本日、六天魔皇による、全面戦争
六天魔大神魔戦争は半年に一度行われ
同時に特大のエンターテイメントやお祭りが開催される。
ピリシナのスクリーンの前には大勢の人々が集まっている。
朝から酒を飲み交わして優勝候補を予想して語り合い
賭け事に興じる者や帝国の戦力を調査しようとする
軍事国家関連の人々等、ありとあらゆる種族が
皆、始まりを今か今かと待ちわびているのだ。
そして、お祭り騒ぎとなれば当然、ジャーナリストと呼ばれる
職業の者達も大人しくしているはずがない。
群衆の中を駆け抜けていく二人の記者がいた。
二人は犬と猫の耳を生やしている獣人の少女だ。
「はあ…はあ…先輩…ま…待ってくださいよ~」
「そ…そんなに……ぜえ……ぜえ……」
「い、急がなくても…スクーターは逃げないのです~!」
「にゃはははは!早くしないとスクープを取り逃がすわよーー!!」
「ぴゃえええええ!!」
「ピキーンと来ましたわ!」
「濃密な魔力と吸血鬼特有の匂い!」
「あっちの方からなのですわ~!」
先輩に振り回されながらひぃひぃ言いながら
追いかけている少女は六天魔皇の皆さんに取材をして回っていた。
「おやおやおや?あそこに居られるのは!」
最近、六天魔皇になったという噂の少女だ
今回の参加者のリストにも載っており
確か、六天魔皇で一番可愛いとかで好評だったような?
「六天魔皇のルミナス・メモティック・フォールンナイト様ではありませんかー!!!」
「ひぃっ!?」
「はじめまして私は犬耳族のネルトで
こっちは後輩兼従姉妹の猫耳族のメルトっていいます!
それでそれで六天魔皇のルミナス様は
ここでいったいなにをなさっていたのでしょうか
ああ、別に詮索する意図はないんですが
ちょっとお時間をいただいてもよろしいでしょうか?
ルミナス様がよろしければ取材させて頂いてもよろしいですか!!!」
ルミナは突然現れてグイグイ迫ってくる
圧が強い犬耳の少女にドン引きしていた。
「……新聞記者さん…ですか?」
「はい!新聞記者です!
さっそく質問させていただきたいのですが
本日の意気込みはどうですか!!!」
「あ……えっと…が…頑張ります!」
「おおー!頑張りますかー!!良いですね~!!」
「それでそれで次はこんな質問させていだだいても…!」
こうしてルミナは数多くの質問に
当たり障りのないように答えていくが
彼女は尿意が限界が近づいてきていた。
「お…おしっこしたいので…私はこれで失礼します!」
ルミナは思わず咄嗟に新聞記者の少女達から逃げ出した。
その先で大通りを歩いていた
いかにもチャラそうな風貌をしている金髪の男性が
ルミナにぶつかるが
男性がルミナに対して怒りの感情を発露する前に
ルミナにぶつかった男性は頭を空間ごと抉り取られたように
顔の輪郭が三日月のように大きく歪み、穴が空き
一瞬で全身が蜂の巣になったように風穴が空いて
一滴の血さえも残さず、消滅してしまった。
そして、逃走してすれ違った一瞬で人を殺害しても
気にも止めず、 ルミナは急いでトイレに駆け込む。
「ふう……間に合ってよかった…」
何者かの気配を感じた
ルミナは息を殺して、トイレの個室に潜む。
すると、尿意を催したのかトイレに入ってくる足音が聞こえる。
個室から飛び出すと、トイレに入ってきたのは
先程自分を追いかけていた二人の記者だった。
気配と魔力を完全に隠蔽しながら二人の記者と視線が合う。
犬耳の少女が一瞬だけ速く反応したような気がした。
「………ごめんね」
すると、ルミナは二人とすれ違った瞬間に
その猫耳と犬耳の少女の頭が一瞬で熟れたトマトのように潰れた。
「……ごめんなさい。」
また殺してしまった…でも仕方ないよね
その時、通信用の魔法が刻まれた魔石から通信が入る。
私はいつものように暴言と罵詈雑言を浴びせられて
何を言われているのか理解したくなかった。
『シャルロット・レガリアと
モルドレッド・ドゥームズ・フォールンブラッドだけは
どんな手段を使っても絶対に殺せ!!』
「はい…承知しました。」
『何度も言うが失敗は許されんぞ?
なんの為にわざわざ利用価値がほとんど無くて使えない
屑の下っ端のお前を生かしてやったと思っているんだ?
失敗したら、お前の家族を全員殺してやる!』
『それと、この映像は全国に公開されているそうだ。
もし派手に動いて赫神華の一員だと悟られるんじゃないぞ!いいな!!』
ブチッと通信が途絶える。
六天魔皇を殺さなきゃ、皆を殺さなきゃ…
お姉ちゃんも…殺さなきゃ…
大切な友達も…大好きな人も殺して
何もかも殺して、殺して殺して殺して殺して
殺し尽くして最後に残った、私を殺さないと…
何もかも、全部壊さないといけないんです。
この手がいくら血に濡れようともう構わない。
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主人公の黒木瞳(男)は小さい頃に事故に遭い精神障害をおこす。
その障害は『美醜逆転』ではなく『美恐逆転』という物。
一般人から見て恐怖するものや、悍ましいものが美しく見え、美しいものが醜く見えるという物だった。
幼い頃には通院をしていたが、結局それは治らず…今では周りに言わずに、1人で抱えて生活していた。
そんな辛い日々の中教室が光り輝き、クラス全員が異世界転移に巻き込まれた。
白い空間に声が流れる。
『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
話を聞けば、異世界に召喚された俺達に神々が祝福をくれると言う。
幾つもの神を見ていくなか、黒木は、誰もが近寄りさえしない女神に目がいった。
金髪の美しくまるで誰も彼女の魅力には敵わない。
そう言い切れるほど美しい存在…
彼女こそが邪神エグソーダス。
災いと不幸をもたらす女神だった。
今回の作品は『邪神』『美醜逆転』その二つのリクエストから書き始めました。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
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高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
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