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白銀の魔皇と真紅の魔王編 ‎魔王顕現

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真紅の魔王モルドレッドと虚空と消滅の魔王サタニティは

お互い、互角とも言える剣戟を激しく激突させる。


魔王サタニティの魔法や剣がモルドレッドに軽く弾かれ

魔剣サタニティは大きく距離を取る。



「真紅の魔王剣よっ!!!」

魔王サタニティの真紅の魔王剣から

管のような物が伸びてきて魔王サタニティの腕に突き刺さった。


「我が魔王の血を吸い、更なる力を!!!!

『消滅』の権能を解放せよっ!!!」


魔王サタニティの血を吸血した

真紅の魔王剣は更に紅く輝き

消滅の概念を司る高位の神の黒い魔力と赤雷をその刀身に纏わせる。



「それがなんだっていうのよっ!!!」

「うおおりゃああああああ!!!!」


「ほう…?我が魔剣の力を見ても臆せず立ち向かうか…」


「面白い……!!!」



モルドレッドの魔皇剣と魔王サタニティの真紅の魔王剣

刃と刃がぶつかり、赤雷が周囲を紅く照らす。



魔王サタニティは真紅の魔王剣を横薙ぎに振るい

消滅の権能を持ってモルドレッドを弾き飛ばし

その余波だけで黒雲を消し飛ばす。


「……ぐっ!!やるじゃないっ!!」



「魔王になった今なら分かるわ。

あの黒い消滅の力に触れたら魔力ごと何もかもが

文字通り、存在が消えて無くなるのね………」


「それに、あの子と約束したしね。」

「必ず、アイツをぶっ飛ばしてやるんだって!」



「なっ……!?」


「えっ…お姉ちゃん…!?」

「あれって……!」

「な…なんじゃあ!?」




モルドレッドの魔皇剣の刃に

モルドレッドの真紅の終焉アポカリプスの赫い魔法文字と

ルミナの究極消滅魔法の白銀の魔法文字が浮かび上がる。



星命流転覇星激爆覇アストラル・ノヴァ!!」



圧縮して増幅させていた膨大な魔力を爆発的に上昇させ

魔皇剣の剣先から浮かび上がった星座の魔法陣から放たれた


超新星爆発のような白銀の輝きにも見える

究極の極大消滅魔法の力は

星の最期の煌きを彷彿とさせる、淡く美しい輝き。


それは赤黒い閃光を纏った青白い極大の斬撃



「ふん、そんな攻撃など、今更なんだというのだ」


「また、跳ね返ってやろう。」

魔王サタニティは腕に漆黒の闇のような虚無を纏い


星命流転覇星激爆覇アストラル・ノヴァを弾き返そうとする。

しかし、それがモルドレッドに返ってくることは無かった。


「な……んだとっ!?虚無を切り……裂いて……?」




星命流転覇星激爆覇アストラル・ノヴァ


魔王サタニティを遥か先までぶっ飛ばして

軌道上にある建物数棟が全て音も無く消滅する。




「ふむ、流石に今の我では分が悪いか。」

「しょうがない、もう少し遊んでやりたかったが

このまま戦っていては滅ぼされるのは我の方だ。」



「さあ、覚醒の時は来たっ!!!

真の魔王の力を解放せよっ!ルミナス!!!」


「まさか……!?ルミナ!逃げてえええ!!!!」


「えっ!?」


「きゃあっ!!??」


ルミナの周囲を赤黒い魔法陣と真紅のクリスタルが取り囲む。 

「まさか…これって…解放鍵の魔術……!?」



「ギャアアーーーッ!!!!!!」



ルミナの胸から真紅の輝きが溢れてくる。



「この神核の輝き………まさかこれが…魔王の核?」



「そうだ…!その真紅の輝きこそが何よりの証!」


「ルミナアアアアアアアアアア!!!!!」



ルミナが目を覚ますと神核を解放させ

『虚空』『創世』『終焉』の魔法陣を描く。


【魔王顕現】

堕天星滅流転魔皇三醒焉銀煌星滅天星アストラルフォールントリニティブラッド




「ルミナ………?」

「なんじゃ……あの…恐ろしい魔力は……!?」

「本当に…あれは………ルミナ………なの……?」






「さあ、我が娘よ。我の真の力を取り戻せ!!」


「了解しました。…………パパ」


ルミナが虚空に手を添えると

ブラックホールのような穴が開き

魔王サタニティの本来の魔王の力が流れ込んでくる。

「ハハハハハハハハ!!!!!」

「とうとう戻ってくるぞ!!!

我の!!!真の魔王の力がああああああ!!!」


魔王サタニティに流れ込んできた魔力は

魔王サタニティを守る堅牢な鎧へと変わり


魔力も先程とは比べ物にならない程、上昇している。 

「さあ、今宵、貴様らに見せてやろう。 」


「見よっ!全てを飲み込み、無に還す

無限に溢れ出す虚空の闇を!!!!

これこそが、真の虚空の魔王の力!!!」


「これが世界の理を超越し全てを虚空に塗り替える

虚空の魔王の真髄、貴様にも味合わせてやろう。」



禍々しい闇をモルドレッドに向けて放つ。


モルドレッドはソレを魔皇剣で振り払った。

しかし、その虚空の闇が消えることはなく

モルドレッドを追尾してくる。


真紅の終焉アポカリプスで魔力と破壊神の力を爆発的に上昇させることで

虚空から退かれようと駆け回る。


どこまで逃げても、虚空の闇は迫ってくる。

「ウソ……でしょ……!?」


そして、モルドレッドは虚空の闇に囚われてしまった。


「どうだ?しっかりと味わったか?

宇宙の最果てまで何もかも全てを飲み込み

零に還す虚空の真髄の魔法の味は?」


「……アンタの力のことなんかどうでもいいわよ。」



「……ああ?なんだって?」


「そんなことなんてどうでもいいって言ったのよ」


「それより、アンタに聞きたいことがあるのよ。」



「ルミナが…アンタの……娘ですって?」



「良いだろう、この際に貴様らにも教えてやろう

ルミナス・メモティック・フォールンナイトとは

この俺、魔王サタニティの真の力を解放させる為の鍵であり

俺の、魔王サタニティの娘なのだっ!」



「あははははははは!!!!!!」










「……なるほど、全てを飲み込む虚空神の虚無か。

しょうがない。このままじゃ二人が危ないし

創世の力で護ってあげるか」


クルルンとルクシアの周囲に光の壁のような物が出現し

全てを飲み込む虚無から護る。



「さあて、お姉ちゃんはどうやってこの状況を覆すつもりだ?」


シャルロットは二人の姉妹の運命を見守る。




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