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・第三十九話「東吼との戦争までの間に執政官と語らう事」
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カエストゥスは政治と外交、合間に色々と私的な話しもしたがアルキリーレは練兵と武器の準備に軍略の立案とその為の戦場になる事が想定される地域の下調べや関係地域への事前の指示などで、多忙な日々を過ごしていたが。
「帰ったど~~」
「おかえり」
それでもお互い、家に帰れば顔を合わせる暇はある。アルキリーレは将軍に就任した為公邸を与えられていたが、あまり公邸を好まず男達の家を泊まり歩く事が大半であった。
つまりカエストゥスの屋敷やチェレンティとアントニクスが降将として暮らす監視付きの軍施設は将軍としてのアルキリーレの管轄下にあるとも言える為兎も角(余談だがアルキリーレとしては自分が育成もありまたチェレンティという男はしっかり分からせて信頼に値すると判断した為かボルゾ家の物資の持ち込みをある程度許可しそこそこ快適な環境を造らせていた)、ペルロ十八世とレオルロが住まう教帝宮堂にも割と頻繁に出入りしている訳だ。
だが一応アルキリーレとカエストゥスを繋ぐ間に入る役職である将軍や軍事を束ねる役職である軍務官は、私が間をつなぐ手間も省けるし元々私的に仲が良いのだから良いのではと危機感も安全管理もへったくれも無い事を言っていた。明らかにまあレーマリアのへっぽこ軍事の現れではあるのだが、こればかりはアルキリーレも北摩では性別を偽る為に身の回りに人を置かず暮らしていただけに従者以外の気心のある程度知れた人間が居る方が良く、これはこのまま続けたい様子だった。
「外交はどうじゃ?」
「……駄目だね」
そんな風にして、今日はカエストゥスの家に泊まる、何だか地域猫めいたアルキリーレ。ごろりと寝台に寝転がって問うアルキリーレに、椅子に腰掛けていたカエストゥスは苦い顔をした。
今や東吼帝国はあらゆる方向から圧迫と軍事的挑発を強めてきている。レーマリア帝国がどのような妥協案を示しても応じる姿勢が無い。カエストゥスも外交官を通じて可能な限りの提案と交渉を行ったが、どうにもならない。
「まあ、当たい前じゃ。打ったくれば勝っ、勝てば儲かっ、打ったくってん後腐れも無か、となれば理由なんちでっち上げてでも打ったくらん訳が無か。近々、事ば起こっじゃろう。野良犬が落ちちょっ肉ば食うくれ当然の事にごわす」
近々開戦の口実が〈出来る〉だろうと、アルキリーレは国家間における善悪も信義もはなから信じない殺伐とした冷徹な目で呟いた。力関係の前では非難の言葉など矢一本ほどの値打ちも無いし、経済的な駆け引きなど相手が強大であればたかが知れたものだと。
人の悪性と獣性を見慣れた、乾いた殺伐。アルキリーレにそんな目をさせる戦闘と外交の場に彼女を巻き込んでしまったことを、カエストゥスはやむを得なかったとはいえ己の非才を恥じた。
「まあ、しょんなか。やれっ事ばやるだけにごわそう」
気にするな、と、アルキリーレは瞬きをして人間の潤いを持った目を取り戻すと、カエストゥスに笑いかけた。
「それならば今、私には何が出来るかな?」
故に、カエストゥスは苦笑と共に葛藤を振り払うと、出来る事をする事にした。
「良か男じゃ。そいなら、ちくと聞いてくれんか」
それならば、と、アルキリーレは最近気になって問答してきたことについて、カエストゥスの意見を求める事とした。
自分の人生における大切なものとは、恋とは、愛とは。
アルキリーレは語った。アントニクスの敬意、チェレンティとの共感、そしてレオルロの感性、ペルロの理を。
「アントニクスやチェレンティのような境地には、私には立てないな。羨ましい事だ」
最初の二人について、カエストゥスは素直にそう答えた。自分は残念ながら戦に於いて近い視点に立つ事は出来ないが、そういう男達が居るのは良い事だと。……一度は敵対した彼等もアルキリーレを愛した事に驚いたが、納得はする。この気高い人が生き方が不器用だが魅力的である事に、間違いは無い。
「ふむ、成る程。……友人の言う事は、今回は随分と理屈っぽいな。教義の話でもあるからだろうが……レオルロ君の言葉を併せてみれば、理解は出来る」
「ほう?」
そしてその上でペルロとレオルロの言葉についいて、何故そういう形になったのかをカエストゥスは考え込んだ。首をかしげその考え込んだ理由を問うアルキリーレに、カエストゥスは解説する。
「人に合わせて言葉を選ぶ。友人はレオルロ君の言葉の続きとしてアルキリーレに分かりやすい形をまず考えたという事さ」
愛を知らぬアルキリーレにはまず理で話した方が分かりやすい。
そしてそれに加えて。
レオルロもペルロも、愛や恋を分からないアルキリーレを慮ったのだろう、というのもカエストゥスには感じ取れた。
愛や恋をあまり尊いものだ素晴らしいものだと持ち上げてしまえばそれは愛も恋も理解出来ないアルキリーレを傷つける、と。
無論レオルロの語った生き甲斐に存否は無いのだというのは確かにその通りだし、ペルロが語ったある意味恋愛を教理からの視点で解体するような徹底的な分析もまた一つの理屈ではあるが。
「ただまあ、恋愛というのは理屈ではない部分もあるからなあ」
と、カエストゥスとしては思うのだ。
「議ば言うなと?」
「ん~……チェストのようなものかなあ」
「チェスト!」
「いやこう言うと、自分のチェストの理を説明したアルキリーレに悪いか」
「別にそこまで気にはせんが……」
しかし、思うがアルキリーレの問いに対し、重ねて説明を加えようとして言い淀んだカエストゥス。そもそも理屈でないと思った事を説明せよというのも中々難しい話しではあるのだが。
(どうしたもんかなあ)
これまでの皆の恋と愛に関する発言に己も言葉を加えようとして、柄にも無くカエストゥスは言い淀んだ。
実際、恋愛の練達者である筈のカエストゥスからして、今恋愛に悩んでいるのだ。
生まれつき、息をするように恋愛をしてきた。だが、だからこそある意味恋愛を教えるのは難しい。魚が泳ぎ方を教えよと言われても生まれながらにしてきた事をどう説明せよというのか。まだ生まれてから泳ぎ方を習った人間の方が他社にそれを教える事に長けているだろう。
そしてまた、カエストゥスとしても今アルキリーレに抱えている思いは特別なものであった。まず友人であるペルロ十八世と恋愛対象が被る事が問題だった。恋の鞘当てを楽しむ事もあったが、流石に競い合うのは後腐れのない他人であった。恋敵が友人というのは実に面倒だ。
更に言えば、多くの愛人を抱え、かつこれまでそれら女性陣を互いに妬ませず諍わせずに済ませる驚くべき人間関係バランス力を持ち合わせていたプレイボーイのカエストゥスであったが……
(アルキリーレ……)
本気なのだ、この恋愛は。
だけどこれまでの恋愛が本気で無かったとは言いたくない。
だがこれまで以上の更なる本気で無ければアルキリーレに報いる事は出来ない。彼女に愛を教える事は出来ない。
だが、そうしたら、他の女達はどうすればいい。彼女達の事も好きなままなのだ。
何とも嫌な因果応報だ。自分より、周りに迷惑が掛かる。
そんな悩みを、カエストゥスは今抱えていたのだ。
「あと、レーマリアの恋愛物語ば読んでもみたのじゃが」
「ほう」
そう思っている所に、アルキリーレがふと思い出したという風に言葉を続けた。
「難しいのう。恋愛物語ば好きな者は恋愛が好きなんか物語が好きなんかどっちじゃろうかとか、誰とくっつくかくっつかないかとか、くっつかない相手との後味悪くない終わり方とか、どこで話を終えるかとか……ややこやしか、悩ましか!」
「本当にややこしい事を考えるなあアルキリーレ……」
恋愛物語につきものな問題だった!
……ともあれ色々考えながら語らった末に……
「俺からの〈恋愛について〉は、お互い生きているうちに考えて教えるよ」
「まあそんたそいで誠実な事じゃ。こや楽しみじゃ。戦で死ねんな、お互いにの」
恋愛は、ややこしく面倒くさく時に苦しく、そして時間もかかる。
幸せな恋や愛しか知らなかったカエストゥスと、恋や愛そのものを知らなかったアルキリーレ。
だがそれでも恋や愛に惹かれる事があるのだからと、尚カエストゥスは考え続け。
アルキリーレはそれを、生きて待とうと答えた。
お前が珍しくそれだけ迷う程本気なら、それはそれで嬉しい事だ、と。
だが、そして短い平穏は終わる。彼等と彼女の恋愛と運命の行方は、戦の中で問われる事となる。
「帰ったど~~」
「おかえり」
それでもお互い、家に帰れば顔を合わせる暇はある。アルキリーレは将軍に就任した為公邸を与えられていたが、あまり公邸を好まず男達の家を泊まり歩く事が大半であった。
つまりカエストゥスの屋敷やチェレンティとアントニクスが降将として暮らす監視付きの軍施設は将軍としてのアルキリーレの管轄下にあるとも言える為兎も角(余談だがアルキリーレとしては自分が育成もありまたチェレンティという男はしっかり分からせて信頼に値すると判断した為かボルゾ家の物資の持ち込みをある程度許可しそこそこ快適な環境を造らせていた)、ペルロ十八世とレオルロが住まう教帝宮堂にも割と頻繁に出入りしている訳だ。
だが一応アルキリーレとカエストゥスを繋ぐ間に入る役職である将軍や軍事を束ねる役職である軍務官は、私が間をつなぐ手間も省けるし元々私的に仲が良いのだから良いのではと危機感も安全管理もへったくれも無い事を言っていた。明らかにまあレーマリアのへっぽこ軍事の現れではあるのだが、こればかりはアルキリーレも北摩では性別を偽る為に身の回りに人を置かず暮らしていただけに従者以外の気心のある程度知れた人間が居る方が良く、これはこのまま続けたい様子だった。
「外交はどうじゃ?」
「……駄目だね」
そんな風にして、今日はカエストゥスの家に泊まる、何だか地域猫めいたアルキリーレ。ごろりと寝台に寝転がって問うアルキリーレに、椅子に腰掛けていたカエストゥスは苦い顔をした。
今や東吼帝国はあらゆる方向から圧迫と軍事的挑発を強めてきている。レーマリア帝国がどのような妥協案を示しても応じる姿勢が無い。カエストゥスも外交官を通じて可能な限りの提案と交渉を行ったが、どうにもならない。
「まあ、当たい前じゃ。打ったくれば勝っ、勝てば儲かっ、打ったくってん後腐れも無か、となれば理由なんちでっち上げてでも打ったくらん訳が無か。近々、事ば起こっじゃろう。野良犬が落ちちょっ肉ば食うくれ当然の事にごわす」
近々開戦の口実が〈出来る〉だろうと、アルキリーレは国家間における善悪も信義もはなから信じない殺伐とした冷徹な目で呟いた。力関係の前では非難の言葉など矢一本ほどの値打ちも無いし、経済的な駆け引きなど相手が強大であればたかが知れたものだと。
人の悪性と獣性を見慣れた、乾いた殺伐。アルキリーレにそんな目をさせる戦闘と外交の場に彼女を巻き込んでしまったことを、カエストゥスはやむを得なかったとはいえ己の非才を恥じた。
「まあ、しょんなか。やれっ事ばやるだけにごわそう」
気にするな、と、アルキリーレは瞬きをして人間の潤いを持った目を取り戻すと、カエストゥスに笑いかけた。
「それならば今、私には何が出来るかな?」
故に、カエストゥスは苦笑と共に葛藤を振り払うと、出来る事をする事にした。
「良か男じゃ。そいなら、ちくと聞いてくれんか」
それならば、と、アルキリーレは最近気になって問答してきたことについて、カエストゥスの意見を求める事とした。
自分の人生における大切なものとは、恋とは、愛とは。
アルキリーレは語った。アントニクスの敬意、チェレンティとの共感、そしてレオルロの感性、ペルロの理を。
「アントニクスやチェレンティのような境地には、私には立てないな。羨ましい事だ」
最初の二人について、カエストゥスは素直にそう答えた。自分は残念ながら戦に於いて近い視点に立つ事は出来ないが、そういう男達が居るのは良い事だと。……一度は敵対した彼等もアルキリーレを愛した事に驚いたが、納得はする。この気高い人が生き方が不器用だが魅力的である事に、間違いは無い。
「ふむ、成る程。……友人の言う事は、今回は随分と理屈っぽいな。教義の話でもあるからだろうが……レオルロ君の言葉を併せてみれば、理解は出来る」
「ほう?」
そしてその上でペルロとレオルロの言葉についいて、何故そういう形になったのかをカエストゥスは考え込んだ。首をかしげその考え込んだ理由を問うアルキリーレに、カエストゥスは解説する。
「人に合わせて言葉を選ぶ。友人はレオルロ君の言葉の続きとしてアルキリーレに分かりやすい形をまず考えたという事さ」
愛を知らぬアルキリーレにはまず理で話した方が分かりやすい。
そしてそれに加えて。
レオルロもペルロも、愛や恋を分からないアルキリーレを慮ったのだろう、というのもカエストゥスには感じ取れた。
愛や恋をあまり尊いものだ素晴らしいものだと持ち上げてしまえばそれは愛も恋も理解出来ないアルキリーレを傷つける、と。
無論レオルロの語った生き甲斐に存否は無いのだというのは確かにその通りだし、ペルロが語ったある意味恋愛を教理からの視点で解体するような徹底的な分析もまた一つの理屈ではあるが。
「ただまあ、恋愛というのは理屈ではない部分もあるからなあ」
と、カエストゥスとしては思うのだ。
「議ば言うなと?」
「ん~……チェストのようなものかなあ」
「チェスト!」
「いやこう言うと、自分のチェストの理を説明したアルキリーレに悪いか」
「別にそこまで気にはせんが……」
しかし、思うがアルキリーレの問いに対し、重ねて説明を加えようとして言い淀んだカエストゥス。そもそも理屈でないと思った事を説明せよというのも中々難しい話しではあるのだが。
(どうしたもんかなあ)
これまでの皆の恋と愛に関する発言に己も言葉を加えようとして、柄にも無くカエストゥスは言い淀んだ。
実際、恋愛の練達者である筈のカエストゥスからして、今恋愛に悩んでいるのだ。
生まれつき、息をするように恋愛をしてきた。だが、だからこそある意味恋愛を教えるのは難しい。魚が泳ぎ方を教えよと言われても生まれながらにしてきた事をどう説明せよというのか。まだ生まれてから泳ぎ方を習った人間の方が他社にそれを教える事に長けているだろう。
そしてまた、カエストゥスとしても今アルキリーレに抱えている思いは特別なものであった。まず友人であるペルロ十八世と恋愛対象が被る事が問題だった。恋の鞘当てを楽しむ事もあったが、流石に競い合うのは後腐れのない他人であった。恋敵が友人というのは実に面倒だ。
更に言えば、多くの愛人を抱え、かつこれまでそれら女性陣を互いに妬ませず諍わせずに済ませる驚くべき人間関係バランス力を持ち合わせていたプレイボーイのカエストゥスであったが……
(アルキリーレ……)
本気なのだ、この恋愛は。
だけどこれまでの恋愛が本気で無かったとは言いたくない。
だがこれまで以上の更なる本気で無ければアルキリーレに報いる事は出来ない。彼女に愛を教える事は出来ない。
だが、そうしたら、他の女達はどうすればいい。彼女達の事も好きなままなのだ。
何とも嫌な因果応報だ。自分より、周りに迷惑が掛かる。
そんな悩みを、カエストゥスは今抱えていたのだ。
「あと、レーマリアの恋愛物語ば読んでもみたのじゃが」
「ほう」
そう思っている所に、アルキリーレがふと思い出したという風に言葉を続けた。
「難しいのう。恋愛物語ば好きな者は恋愛が好きなんか物語が好きなんかどっちじゃろうかとか、誰とくっつくかくっつかないかとか、くっつかない相手との後味悪くない終わり方とか、どこで話を終えるかとか……ややこやしか、悩ましか!」
「本当にややこしい事を考えるなあアルキリーレ……」
恋愛物語につきものな問題だった!
……ともあれ色々考えながら語らった末に……
「俺からの〈恋愛について〉は、お互い生きているうちに考えて教えるよ」
「まあそんたそいで誠実な事じゃ。こや楽しみじゃ。戦で死ねんな、お互いにの」
恋愛は、ややこしく面倒くさく時に苦しく、そして時間もかかる。
幸せな恋や愛しか知らなかったカエストゥスと、恋や愛そのものを知らなかったアルキリーレ。
だがそれでも恋や愛に惹かれる事があるのだからと、尚カエストゥスは考え続け。
アルキリーレはそれを、生きて待とうと答えた。
お前が珍しくそれだけ迷う程本気なら、それはそれで嬉しい事だ、と。
だが、そして短い平穏は終わる。彼等と彼女の恋愛と運命の行方は、戦の中で問われる事となる。
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